「……ああ、みゅーず、ね」
「……声優だから。世代も色々あるから。AKBとかE-Girlsとかと一緒にしてあげるなよ」
「アイドルをテーマにしたアニメの歌が売れて、それが今年の紅白に出たわけ」
「太い! どうしたあのふともも! どうした!」
「(画面から眼を逸らす)」
(数時間後)
「ねえ! Twitterのμ'sの感想、褒め言葉ばっかだよ! ナンデ!?」
「……ああ、そうだろうね、それは『ラブライブ!』を応援している層だね」
(2015/01/03)
「……え、何で『ラブライブ』みてんの」
「紅白でわかんなかったからさー、見ようかと思って、これ録ったのはNHKなんだけど、元々NHKの番組?」
「……紅白が出る前後にNHKが買い取っただけで、元はNHKとは関係ないんだな、これが」
「アンタ『ラブライブ!』みてたの?」
「それが見てないんだ。断片的にしか。アニメの顔も相変わらず識別できない。マジで」
「アンタ『ラブライブ!』みてたの?」
「見てないつってるだろ、アイドルものは二次元も三次元もわかんねえんだよ」
「へぇー。そう。あ、最初に流れてたアニメってこの娘たちなのね。廃校?」
「アンタ本当に『ラブライブ!』見てなかったんだね」
「だから見てないっつっただろ」
「学校ごとにアイドルがいる、スクールアイドルっていうのが存在する世界観みたいよ」
「いるわけねえだろがッ」
「だよね〜。はあー、ふーん、(ぽちっ)」
「ああ、早送りするね。まあそうだよね、俺でもそうする。ところで何で見ようと思ったの? つらくないこれ?」
「あったねえ。20年近く前だねえ。今はルフィであるところの田中真弓が大男の桐島カンナをかなり強引に演じてたりしてたねえ」
「でも私は『サクラ大戦』歌謡ショーの声優のひとたちを見てちゃんと感動出来てたのを覚えてるのよ」
「そうだよね」
「だからきっと紅白2015のμ'sに感動しているネットの人たちとかも同じ気持ちで、『ラブライブ!』がわかったら『サクラ大戦』歌謡ショーみたいに楽しめるのかなって思ったわけ」
「……あんた正しい人だよ、素晴らしいよ、むしろ俺が間違ってたよ」
「そお?」
(数分後)
「……あ、ただ終盤、止めて」
「なんで?」
「アンタ『ラブライブ!』みてたの?」
「見てない。でもこういう褒め所だけは散々言われてるから覚えてる。これおおよそ2年前の作品だけど、ほら、全身絵とアップ絵で切り替わってるでしょ」
「そうだね、なんか全身絵の方は顔が能面だね」
「この頃はまだアニメ風の3D演出を動かす技術が発展途上で、ラブライブはこの当時としてはかなり先駆的なやり方をしてた」
「ふーん(あまり聞いてない)で、紅白の録画を……ああー、こういうことだったのねー」
「そうね」
「あ、ただ、AKBとかにいてもおかしくないような子たちも結構いるね」
「ああ、そういうことになるのかな、アイドルと同じくらい声優アイドルも知らんけど」
「知らないの?」
「あー、日高のり子さんいるじゃーん」
「その世代はね、わかるよね」