はてなキーワード: 五月病とは
たいしたこと書いてないのに書くのに苦労した。文章力なさ杉。。
冗長ですみません。お暇な方だけどうぞ。
一浪後、前期・後期の大学に落ち、受かっていた滑り止めの私立に進学決定。
その時母親が体調を崩し、入寮する前日にicuに見舞いに行く。
母親に別れ際に手を握られ「がんばれよ」と言われたので泣きそうになる。
課題がキツイ大学だとは聞いていたが、予想以上で泣きそうになる。
他の寮の部屋の奴らは合わない奴との関係に苦しんでいるところもあったけど、
自分のとこではそういうことが無くてまだ救われた。
GWもほとんどレポートを書いていた。他の奴らは実家に帰省していたが自分は面倒なのでしなかった。
このとき寮にいる先輩に「もっと遊べよ」と言われるが自分はしっかり受け止めなかった。
大学には興味を持った変なサークルがあり、そのサークルに入ろうと思い「活動場所」として新入生向けの
たぶんいい加減なサークルだったんだろうと思う。大学の規模が小さいから他に興味のあるサークルも無かった。
GWで4月の疲れをうまく中和できたなぁと思ったがここから7月の試験までノンストップ。
まぁそれは他の大学でも同じ。問題は休日が課題でかなり費やされるということ。まぁ自分が無能だからなんだけど。
実験の予習×2
レポート×2
ぐらい。
書いてみるとあっけなくて悔しい。
これで潰れる程度の人間だった、っていうのが。
この月は土日のいずれかが何かのイベントで圧迫された。
専攻してる分野の研究室訪問(オープンラボってやつ)、レクリエーション大会、大学周辺の地域清掃()、
もともと要領が良くない奴にはなかなか辛かった(大多数の奴は乗り越えてたけど)
揺れていた豆腐メンタルがぐしゃぐしゃになってきた。
元々入った大学は自分の行きたい分野ではなかったが、入ったからにはやらんとな、ということでやってきたけど。
やっぱ元々行きたい所を志望する奴らと毛色が違うというか。。
だからといって成績が悪い理由にはならない。
あるとき実験で予習をしてきたのに、同時に実験する他のメンバーよりも実験が遅れ
土日にその続きをすることになった。
本来の実験の日より間が空いてしまい、実験時に教授にメモを取れと言われた内容が抜けていてあばばば(ryみたいになった。
とこっぴどく叱られた後に手伝って頂いてなんとか実験を続けた。
その時に何かの書類を見た教授に言われた
「君はあんまりいい高校に行かなかった?」
「はい(え、なんの話・・・)」
「やっぱね、君はそこで天狗になってたんじゃないの?」
「はい」
「それだと、人間の成長止まるって分かるよね?」
「はい」
「まずはさ、周りの人間に追いつく。な?」
「はい」
「この学校卒業すればねぇ、受験で入れなかったような大学の院に余裕で受かるし、うちの院に行って就職
すればいい未来が待ってるよ」
一つ上の学年には現役で受かった同じ高校の奴らがいた。たぶん、あいつらはこんなこと言われてない。
教授は何の悪気も無い。フォローもしてくれた。だけど、「天狗」って言われたのが辛くてね。
むしろ逆だったような気がその時は思った。
無能だから「天狗」になったのが、悔しくて、実験終わって寮に帰った後ずっとぼーっとしてた。
そんなに優秀じゃない人間が背伸びして入った大学で、ひいひいいってる。
気付かないふりをしていた、ただ当たり前の事実を突きつけられて苦しんだって事は多少は「天狗」だったのかもしれない。
並以下の人間が並になったって、良くて「並」としか評価されないし、何も言われないのが当たり前だった。
他の寮のメンバーはなんだかんだ大学エンジョイしてた。自分は・・・
ある程度の大学に入ったら自分と周りの能力の差にショックを受ける。ありそうな話だ。
でも自分は、コンプレックスだった高校のレベルのことを無能が故に指摘されたことが精神的にきた。
でも自分はいままでそういう事にあまり熱中しないで高校時代を過ごしてしまった。
周りは恋愛もなんだかんだやってる。やってなくても笑って萌えアニメ見てる。
いろんな「楽しい事」を自分は経験しなかった。成績を上げるためっていう目的が強すぎた。
もっといろんなことをやればよかったのに、しなかった。
しなかった結果は並以下で。
自分にはそいつらよりも勉強したっていうクッソかわいいプライド(笑)しかなかった
それも潰れた。
教授が言った「いい未来」は多分来ない。ずっと人生はおんなじようなことの繰り返しなのかもしれない。
おんなじようなことを前に言われた気がする。
その未来は、今まで笑って過ごせた奴が笑って過ごす未来だし、俺がまたかわいいプライドだけを守る未来なんだろう。
大学の学生課に「辞めたい」と言ったら必死で説得されたが、その時に「仮に、留年したとしても大きい会社に入る確率は高いでしょ?」と言われたけど笑止千万だよね。
仮に就職が上手くいってもさ、
大きい会社に入ってやったぞ、っていう小さなプライドだけまた守りはじめるだけなんだから。
ゲームとか、アニメやればよかったかもしれん。彼女が居れば、そんな日々にも彩があったのかもしれん。
多分、自分は楽しい事とか異性に熱中するような心を持ってない空っぽの人間だったんだって思う。
だから耐えられなかった。
真面目(悪い文脈で)すぎっつーか、底が浅いっつーか。人間性深みがないのかな。
どうすりゃいいんだって思う。
他の元々行きたい分野に行くって言って大学を辞めて友達にも応援してもらったけど、
なんだかんだ逃げ出したみたいな面が強い。引きずった。
http://anond.hatelabo.jp/20100218195215
を改変してみる。
何番煎じだか分からないから飽きてたらスルーして結構。だが該当者は読んでおけ。
①住居
近い方がいいが、駒場徒歩圏は避ける。これヴェスト。たまり場になると留年は目の前だ。
リッチメンは井の頭線沿線に住むヨロシ。貧乏人は京王線の千歳烏山より手前辺りがお勧め。
通学として許せるラインは最悪でも長津田。(田園都市線の場合ね)
ただし、入学が決まってから家探しをする場合良質な物件は既になくなっている可能性がかなりある。
最悪、三鷹寮に住むことになってしまう学生が後を絶たない。最悪、クソパレスで一ヶ月しのぐのもあり。
四月・五月くらいになると引越しが遅れた奴らの物件がチラホラ出てきて、入居者も少ない時期なので
かなり安く入れることになる。
家から大学までの乗り換えは2回を限界とした方がいい。地方民は何のことか分からないだろうが、
都会の乗り換えはとても面倒だ。面倒だと感じた瞬間、留年へ確実に一歩近づく。
学校からは多少遠くてもいいが、乗り換えの回数はよく考えろ。
②食器は買うな
必要なのはテフロンのフライパン一個とどんぶり一個、それに包丁とまな板にハシ。
あとは適宜揃えればいい。手鍋が一個あるとさらに良し。
それに本棚だけは必須。なんだかんだと本は増えるし、積んでおくと図書館の本を失くしたり汚したりして
ひどい目にあうことがある。図書館のレア本を紛失すると学校にもあなたにも後輩にも最悪なので、
この機会に本のありがたみをかみ締めるクセをつけよう。
理系は学部が決まってからも、本郷(理二は弥生)→田無(農学部)柏or駒場第二(一部の研究室)と
レンタカー一台で引越し出来る程度に荷物をまとめないとエライ目にあう。
③書類を忘れんな
奨学金の書類を出し忘れると死ぬぞ、気をつけろ。
他に「履修申請忘れたZEEE!」ってクズは毎年複数出る。
何とかなる場合もあるし、ならん場合もある。まぁ、なんていうか色々忘れないようにしとけ。
見忘れたら留年に直結する重要な連絡もリアルの掲示板にしか貼られないぞ。毎週必ず見にいけ。
帰省するなら9月試験の日程を忘れないようにしろよ。結構受け忘れて留年してるぞ。
あと、忘れやすいのが年金の書類。学生猶予をきっちり申請しとけ、あと住民票も移したほうがいいぞ。
のちのちめんどくさいからな。印鑑登録もしとけ、区民・市民カードなくすなよ。
駒場は予想外にタテの繋がりが薄い。オリ合宿で早めに、「顔を合わせたら挨拶する」程度の
ヤツをキープしとけ。ハマリ授業からおまえを救うのはこいつだ。オリ合宿をスルーして必修
語学クラスに疎外感を感じる奴は毎年何人もいるぞ。あとシケタイ(試験対策)の担当者選びは重要だ。
シケプリ(試験対策プリント)の多様性と質はこのとき決まるといっても過言ではない。
逆評定は最初の一年だけ買っとけ、それ以降は買わんでもいい。大仏と大鬼のヤツだけ見とけ。
大仏はカレーの作り方でも単位をくれるらしいってのは嘘だが、採点は甘い。
あいつら巨額の儲けをたたき出してる集団で、実際そろそろ税務署とかに目つけられてんじゃないかと思うんだが
あれとんでもない額の利益出してるだろ。
サークルは入っとけ、なんでもいい。文系連中と付き合えるのはサークルの中でだけだ。
何のことだか分からないだろうが、お前らが理系職で社会に出たときの上司は文系出身の連中だ。
最低限、入部届けを出すまでは電話番号を教えるな。電話で話されると断れなくなる。気づいた時には遅い。
居心地のいいサークルは探せば幾らでもあるので、四月にタダ酒をたっぷり飲みつつ探せ。
五月になると突然おごられなくなり、五月祭が終わると人間関係が確定して入れなくなるから気をつけろ。
⑤掃除機は要る、ベッドは要らん
部屋に散った煙草の灰、埃、その他雑多なヨゴレ。これは箒では結構きつい。
掃除機だけは買っておいた方がいい。特に喫煙者、おまえら絶対灰皿ひっくり返すから。
どうせ物は増える、インテリアに凝るよりも少しでも生活空間を広く取っておけ。
あと、寝袋を一個買っておくと自宅がモルグ化した際に便利だ。
学校近くに住むやつは、寝袋は大事。さもないと、終電逃した後男同士同衾するハメになるぞ。
大学院に進学したら研究室に泊り込むことになるし、持っていて損はない。
⑥ぼっち化は絶対避けろ
友人なんか一人もいなくても、特段困ることも苦しむこともそれほどはない。
一人でメシを食うところは近くには意外なほどないが、渋谷まで下るか下北まで行けば暇だって幾らでも潰せる。
駒場図書館で一人黙々と本を読んで過ごすのもアリアリだ。俺はいた。水分が欲しかったら給水器で飲め。
駒場の基礎実験はかなり団体戦的要素が強く、実験機材もオンボロなので当たり外れがある。試問もある。
同じ実験を先に済ませた他クラスの連中と情報を交換できるヤツのいる実験班が明らかに有利。
海外留学や医学部転入をする気ないなら理系は必修オール可でも何とかなる。
進振り点が高いところが教授陣も優秀とは限らないからな。どうしても高得点が必要ならガリ勉だ。
いいシケプリをゲットしろ。
⑦コマメシに選択肢は少ない
もっくもっく、やぶ、みしま・・・。駒場界隈のメシと言えば、以下略。
本郷の方が飯は旨い。
これらに近寄ってはならない。少なくともストレートで大学院まで行きたいのであれば。
しかし、これらに特攻することは駒場を100%楽しみきるということにもつながるので、自己責任でやれ。
かなりの魔窟だ気をつけろ。東大に入ると、仮面浪人や二浪二留くらいの人種がゴロゴロいて感覚はあっという間に狂う。
⑨ノートは取れ
鬼教官の授業をとことん回避し続けると、マジでなんのために大学に行ったのかわからなくなる。
基本的に講師は中々のレベルなのでノートをちゃんととり、自分なりに授業も満喫しろ。
駒場と言えど、クソDQNはいる。基礎実験にすら遅刻するような奴らになるな。
あれは流石にアウトなんだが、誰も今更注意しない。
流石に許しがたい、程よい堕落は大学の華だが、それとこれとはハナシが違う。
たまには思いっきり専門外の授業を取るのもいいだろう。俺のオススメはジェンダー論と国際関係論だ。
試験で思ったことを素直に書くと不可になる。良くて可。文系の連中がいかに理解不能かを理解できる。
⑩駒寮生とは距離を置け
おまえら、「駒寮生」なんて存在しないと思ってるだろ。駒場寮はないからな。
だが、意外なことにまだ結構いるぞ、夜の人種は。本来もう残ってないはずなんだが・・。
奴らは非常に面白い奴らで、話していると人生がバカらしくなる。
あいつらは六限に寝坊する連中だ!同じ時間帯で絡んでると間違いなく卒業できないぞ。
まぁ、その場合は栄誉ある(以下略)となるんだが、それは別のお話。
⑪バイトを詰めすぎるな
入学一年目の夏学期は勝手が分からないので、つい生真面目なお前らはバイト+サークル+講義で24時間を埋めちまう。
だが、冬学期からはサークルで仕事を任され、基礎実験関係で半日が潰れる上に、バイト先でも仕事を増やされる。
夏学期は多少暇にして運転免許やTOEFLなどの資格試験を狙うといい。
就職して1ヶ月。
ジャスト五月病タイミングで例に漏れず毎日気持ちがオチっぱなしだ。
今まで僕はずっと、自分のやりたいように、好きなようにやればいいと思っていた所があって、
やれ成績が、とか、友達が、とか、全然気にしないで育ってきたし、
家族も、数少ない友人も僕のその性格を受け入れてくれる、甘ったるい環境に漬かりきっていたせいもあって、
毎日人と同じスーツを着て、誰にでも出来る作業をただ黙ってこなすだけの生活に何の意味があるんだろうって
割と多くの五月病患者が行き着くだろう悩みに打ちのめされてる。
今の会社は自分から選んで入った訳じゃない。いや、最終的に選んだのは僕だけど、
好きな事だから、やりたい事だから、っていう理由で入った訳じゃなくって、
とある縁があって知り合った人に 君ならできる 君に任せたいって
ひどく期待されて、その期待に応えなきゃって入った会社が今の会社だ。
その会社は派遣業のような業態で、システム構築・保守を請け負ってる会社。
未経験のまま、何の知識もないまま、僕は社会人の8割が知ってるであろう、
大きい大きい会社に送り込まれた。
見た事もない聞いた事もないプログラム言語を書く仕事が僕に振られた。
一緒にチームを組む太った男性職員は、僕が未経験なのを知っているから、
とても優しくしてくれる、してくれるけど、目の奥で、「ハズれクジを引いた」って顔をしてる。
それに太った先輩は毎日すごく忙しそうで、連日連夜残業して、寝る間がないって愚痴ってる。
それなのに定時で帰らせられる自分が貢献できてないな、不甲斐ないな、頼り甲斐ないなって、
とにかくミジメな気持ちになる。
仕事を早く覚えなきゃ!って一生懸命になってみても、うーうーうなって考えてみても、
なじみのないプログラムは頭に全然入ってこないし、
先輩に質問しにいかなきゃ行けないって分かってるのに、忙しい姿を見ていると、
そうする事もできずに、ただただ毎日モニターを見つめてるフリをして日が暮れるのを待ってる。
やればやるだけ、ヒラメキがあって、自分の血に、骨にフィードバックされていく感じがとても心地いい仕事。
最初はこっちを遮二無二頑張って心の安定を図ろうと思ってた。
でもやっぱり僕はそこまでタフじゃなくって。
毎日日が昇るまで作業して、睡眠時間2時間とかの日々を繰り返していたら、
やっぱり息切れしてしまって、納期を守る事ができなかった。
本当に最低。最低だよ。
無理難題を押し付けられても、お姉さんと一緒に愚痴りながら、怒りながら
励ましあって、いろいろな山場を乗り越えてきた。
いつの日からか僕はすごいあなたに惹かれていました。
高校生の頃から、人のことを好きにならなかった僕に残されていた
ほんのちょっとの人間らしさをくすぐって、すごい勢いで自分の中に懐かしい気持ちが
燃え上がりました。
3時間寝れる!って日もあなたのせいで2時間になったりもしました。
もっと話をしたいな、会いたいなって思いました。
でも、あなたに彼氏がいるって実は知っているんです、今日電話したときも
隣に僕じゃない誰かがそこにいたのも知ってるんです。
だから僕はこれからもあなたの同僚でいます、黙ってます。
今すぐにでも、電話口で好きです!ごめんなさい!ってやり取りをして、
一思いに僕の気持ちを殺して貰いたいですけど、それができない臆病者なんです。
きっと、あなたの隣にいるのは、それが出来る男性なんだって思います。
そうであって欲しいと願います。しあわせになってね。
さて、ウジウジとネットの片隅で吐き出せることを吐き出したら、気持ちが落ち着いてきた、
こういう場所があってよかった。
まだ書こうと思っていたことはあるけど、気持ちが晴れてきたからここら辺で切り上げることにするよ。
もう2度とお世話になりたくはないけど、気持ちがオチたらまた来ると思うよ、じゃあね。
もう嫌だ。五月病なのかどうか知らないが、すごいやる気が出ない。全てを投げ出したい。
とは言え母に
「俺は俺でちゃんとやるから、安心してくれ。最終的にはちゃんと大学に受かるから。」
みたいな事を言い続けていたので、その思いのまま投げ出そう、とも思えなかった。
結局、なんだかんだ葛藤しつつ義務感みたいなものだけで学校や個別指導に行ってきた。
学校はちゃんと行った。しかし、個別指導に着くのは10分ほど遅れてしまった。個別指導の先生に五月病みたいになってしまった、と素直に打ち明けたら、あっさりと許してくれて、
「じゃあ、今日は軽めにしようか。」
って言ってくれた。すこし楽になった。
しかし、遅れて行ったことに母は激怒。
「あんだけ大丈夫って大見得切って、結局行ってないの!?」
とか言われた。
俺が
「少し五月病なのか精神的に非常に辛いので遅れたが、結果としては行って個別指導受けた」
と言うが、聞く耳持たず。
涙目になりながら俺が必死で説得していると、同席していた父は
「結局言ったんだろ?もう行きな。」
と言ったのでそれに従い、自室に行く。というか篭る。
すると家のリビングあたりから騒音が聞こえた。
ひょっとして父と母が喧嘩したのかな、自分のせいかな、とか考えながら自室でボーっとしていると、父が部屋に入ってきて
「お母さんは、お前のことが信用し切れてないみたい。だから、お前をどうしても攻めるようなことになってしまう。五月病、って言っても言い訳にしか思わないんだよ。」
「でも、お父さんは。お父さんは絶対にお前のことを信用している。」
みたいな内容の事を言ってくれた。
俺は父の大きさを感じた。
自分のブログに書いても誰もたどり着かないので、ここにも書く。
僕の知り合いに天才がいます。今日、ばったりとその人に会ったので、その人の話しをします。
頭がいいな、賢いな、と思う人はたくさん知っていますし、とても性格が良い人は少し数が減りますが知りあいに何人かいます。ですが「この人は天才なんだ」と思わせる人はその人だけです。彼だけは他の誰とも違うのです。
彼は大学の先輩で、3年生の春休みに出会いました。そのとき彼は5メートルくらい離れたところに立って、とても難しそうな話しをしていました。連続体仮説がどうの、とか、そういう話し。話しの内容はよく聞きとれませんでしたが、ぎょろっとした大きな目と、視線がまっすぐ前を向いたまま微動だにしなかったことがやけに印象に残っています。
僕は4年生から研究室の後輩として彼の指導を受けました。彼が天才であることと、教育者に全く向いていないことは指導を受けるようになって3日でわかりました。彼は、研究室の誰もが答えの糸口すら見いだせない問題に、ものの10分足らずで解を与えることができました。10分のうち、8分は問題がなんであるかを彼に説明することに費やされました。それを聞いた彼は、20秒ほど黙り、そして解を述べました。そして、1分ほどまた黙り、なぜその解が正しいのかを30秒で説明しました。問題によって10分が5分だったり、たまに数日かかったりしましたが、おおよそこんなものでした。
要するに、問題を理解した瞬間、彼には答えがわかってしまうのです。彼によると「答えが降ってくる」のだそうです。
彼は修士課程の2年生でした。4月中旬ごろに、システム開発をやっている会社の内定を取ったということを彼から聞いたとき、「よく○○さんに内定をだす企業がありましたね」と軽口をいいました。てっきり彼が冷やかしで就職活動をしているのだと思っていたのです。彼が博士課程に行くのだと決めつけていたのです。しかし彼は真面目な顔で「本当だな。なんとか死なずにすんだよ。」と答えました。彼はよく真顔で冗談を言うので、そのときの僕は笑って受け流したのですが、後から助手の先生に「彼は××社にいくらしいね。」という話しを聞いたときには、少し混乱しました。本当に就職するということを理解するのにおそらく10秒ほどかかりました。そのあと、彼でも混乱することがあるのだろうか、という疑問が浮かび、きっと無いだろうな、という結論を1秒もかからずに出しました。
彼はとても順調に研究成果を出し、最後の数ヶ月に同級生たちが苦しむのを尻目にあっという間に論文を書いて卒業していきました。その年は、学部の卒業式と大学院の卒業式が合同で行われましたが、彼の姿はありませんでした。風邪をひいて休んだのだと彼の同級生は言っていました。
その年の初冬、僕は彼に再会しました。彼に声をかけられたとき、僕は彼が彼だと確信を持てませんでした。彼の顔から表情は失われ、頬が少しこけ、彼が天才であるというただ一点のために発せられていた存在感がすっかり消え失せていました。僕は驚きました。人が10ヶ月もしないうちにこうも変わるのかと。
彼と僕は、明治通りから少し奥に入ったところにある喫茶店で30分ばかり話しをしました。日曜日の原宿だったので喫茶店は人でいっぱいだったのですが、僕たちが入っていったときに、たまたま学生とおぼしきカップルが席を立ったので僕たちは運良く座ることができました。なぜかBGMにモーツァルト作曲のオペラがかかっていて、それがひどく間の抜けた空気をあたりにまき散らしていました。
はじめの10分間、彼は黙ってコーヒーを飲んでいました。僕は本当に彼が彼なのか、まだ信じられずにいました。学生時代の彼はとにかくよく喋りました。話題の90%が研究の話しで、残りの10%が最近寝た女の子の話しでした。その90%の部分で僕は彼に嫉妬を感じ、残りの10%でもっと嫉妬を感じました。
一度僕は「なぜそんなに色々な女の子と寝られるのか」と彼に聞いたことがあります。そのとき彼は「女のほうが数が多いからじゃないか。」と真顔で答えました。ぶん殴ってやろうかと思いました。
・・・きっかり10分して彼は深いため息をつき、そして口を開きました。
ーーーーーーーーーー
彼はやっと絞り出すといった風で口を開いた。
「とてもシンボリックな話しがあるんだ。」
間の抜けたモーツァルトを聞きながら、僕は何も言わずに次の言葉を待った。
「俺の会社は昼寝をしたら怒られるんだ。」
僕の言うことを無視して彼は続けた。間の抜けたことや間違ったことを僕が言ったと感じると、学生時代から彼はいつもそれを無視した。
「自慢じゃないが、俺は生まれてから大学を卒業するまでの22年間毎日欠かさずに昼寝をしてきた。それも、毎日午後4時ぴったりに寝て、15分後に目が覚めるんだ。まあ、たまに3時45分に寝て4時10分に目覚めることもあれば、4時30分に寝て4時40分に起きることもあるんだが、それでも昼寝していることには変わりない。とにかく俺がいいたいことは22年間毎日昼寝をしてきたということだ。」
壮大なんだか、アホらしいのかよくわからない前フリだと僕は感じていた。たぶん両方だろう。
「俺が一番他人に誇れるのは集中力なんだ。俺はその集中力を6時間完璧に維持することができる。逆に考えると、6時間しかもたないんだよ。きっかり6時間たつと、俺は猛烈に眠くなるんだ。そこで、15分間だけ眠るんだ。すると、また頭が冴えて6時間集中できるんだ。集中している間は、食事をとろうが、テレビがついていようが、100%の能力を発揮できているんだ。それは俺にとってとても幸せな時間だし、親も教師も研究室の助手だって悪い気はしなかったと思う。俺は1日に2回あるその6時間で、テストで良い点をとり、研究成果をあげ、そして女を口説いていた。」
彼が集中力の途切れる夜10時までにセックスを済ますのか、それともセックスにはその集中力が必要ないのかを考えながら僕はうなずいた。
「そして、その22年間の幸福な習慣が終わりを迎えたんですね。」
「そう。そうなんだ。この話しを聞くとたいていの理系の男はこういうんだ。半分の時間が失われたんだねって。昼寝した後の6時間が集中できなくなったと考えるわけだ。でもそれは違う。習慣が崩れるというのはそういう簡単な話しじゃないんだ。1たす1が2という計算ばかりやってきた連中がそういう発想しかできないことには憐憫の情を感じないわけではないが、違うものは違う。答えはな、ゼロなんだよ。全てが失われてしまうんだ。」
彼は淡々とそう言って、言い終わると小さくため息をついた。学生時代、彼は最もため息から遠いところに存在していた。だが今は違っていた。ため息で作った洋服があったら、今の彼にはとても似合うだろうなと僕は考えた。
「昼寝をしなくなってから、何かが狂い始めたんだ。俺が言うことに誰も耳を貸さないんだ。集中力が失われてしまっていても、いままでと同じように正しい答えを出しているはずなんだ。問題が何なのかを理解し、そして解が閃く。解が正しいことを確認するためにしばらく考えて、解が正しい理由を言う。何も変えちゃいない。自分で言うのもなんだが、解が間違ってるわけじゃないはずなんだ。周りの連中が俺の言うことを無視するもんだから、さすがに不安になって後で何度も考えたよ。間違えてるんじゃないかって時間をかけてとても慎重に考えた。でも、やっぱり正しいんだ。俺は混乱した。」
そのときの僕は、彼の話しが安っぽいミステリー小説のようになってきたとだけ感じた。そうじゃない。今の僕にはわかる。彼が言っていたことはとても本質的なことだったんだ。
「俺はイライラしたよ。俺を無視して1時間、ときには3時間もかけて無駄なおしゃべりをして、そのあげくに出す答えがなんとも唾棄すべきものなんだから。そして、俺はその唾棄すべき答えに従って仕事をし、唾棄すべきものを世の中に排泄するんだ。」
話している彼も、とてもイライラしていた。とても無表情だったし、異常なほど淡々と話していたが僕にはわかった。彼のイライラの原因は、間の抜けたBGMのせいでも僕のせいでもなかった。たぶん。
ーーーーーーーーーー
そして、今日、彼にまたしても原宿駅のそばでばったりと出会いました。前回出会ったときは昼下がりでしたが、今日は夜の10時をまわっていたと思います。
彼に声をかけられたとき、僕は彼が彼だと確信を持てませんでした。彼は宗教家のようなとても穏やかな表情をしており、すこし肉付きがよくなっていました。
「筋トレを始めたんだ。」
「この間会ったときはすまなかったな。俺の愚痴ばかり聞かせてしまったな。」
「いえ。」
「本当にあのときの俺は幼かったよ。まあ、あの状況は遅れてきた五月病だったんだな。」
彼は頭を掻きながらそう言いました。
五月病が結局のところなんなのか、いまだによくわからない僕は曖昧にうなずきました。
「久しぶりに会ったんだ。お前さえよかったらちょっと飲んでいかないか?」
あまり気乗りしなかったので、とても丁寧にお断りをしました。ちょっと疲れて胃の調子が悪かったことと、次の日の仕事の量を無意識に計算したんだと思います。
「なんで、○○さんは就職されたんですか?てっきり僕は研究の道に進むんだと思ってました。」
別れ際に、ずっと疑問だったことを思わず聞いてしまいました。聞いてから自分のデリカシーの無さに少し辟易しましたが。でも彼は特に嫌そうなそぶりは見せず、思慮深くしばらく考えてから、
「うん。まあ、そうすべきだったんだよ。いま振り返れば正しい選択だったと思ってるよ。」
と答えてくれました。彼は薬指に指輪をしていました。
彼と別れてから、花粉症対策でいつも着けているマスクを外して僕は深呼吸をしました。もう3月も中旬。春の匂いがとても濃密だったことに驚きました。いつもそうであるように、とても間の抜けた春の匂いでした。
22歳。社会人1年目。
久しぶりに父親と話した。
最初は心療内科に行きたいという話をするつもりだった。
内定を最初にもらったからという
いい加減な理由で選んだ職場は
最初のうちはがんばってやろうと思ってたけど
ひとつのミスがきっかけで
見事なまでに五月病に陥った。
悲しくもないのに泣くようになった。
人前で笑えなくなった。
自分を病気だと思い込んだ。
めちゃくちゃ怒られると思った。
昔からいい加減なことは許さない父親だったから。
むしろ甘ったれな自分を叱咤激励してほしい。
そんな気持ちで父親と話をした。
でも父親は怒らなかった。
自分の話をとりあえず聞いてくれた。
そして言った。
自分をもっと大切にしろ、と。
仮に職場で評価されなくてもそれはお前そのものの評価ではない、と。
お前は何でも100パーセントの力でやろうとしすぎている、と。
80パーセントでやったとしても結果はそんなに変わらないんだから、もっと気楽にやれ、と。
ああそういえば
泣きながら宿題をやっていたら
って怒られたっけ。
自分はガキだった。
ガキのまんま成長するのを拒んでいた。
とりあえず
しんどいけど
明日からも仕事は続ける。
22にもなってこんな甘ちゃんでごめん。
お父さん。
そしてありがとう。
ちょっとコワイ上長、とっつきにくい先輩、そんな彼らには「片思いしてる気持ち」になりきって接しましょう。
なりきるんですよ。本気で。
話しかける前には頭の中で、彼(彼女)が喜びそうな言葉をシミュレーションするのを忘れずに。自分を飾ることは勿論ですが、飾りすぎてウソ、無理がばれたらもとのもくあみ。あくまで『自分を高めようとしている自分』をアピールするのがポイントです。
どこで彼が自分を見ているか分からないから……何時も気を抜けないけど、その緊張感が片思いの楽しさで、気持ちが良いです。仕事もそうですけど、いつでも綺麗に彼の目に映れるように、表情にも気を使いましょう。
冷たくあしらわれた? 自分が好きな相手から冷たくあしらわれたとき、怒りよりも悲しみが先に立ちますよね。それでいいです、怒らずに、悲しみをバネに好かれる為の戦略を立て直しましょう。
ちょっと優しい言葉をかけられたら、天にも昇る気持ちになれるはずです。
会えれば嬉しいから、職場へ行くのも苦ではなくなります。限られた就業時間で、どうしたら彼に好印象を与えられるかを考えて動かなければならないので、仕事もシャキシャキと進みます。
ただ、この片思いプレイをずっと続けていると、本当の恋愛感情との区別が付かなくなってきますので……そこだけはご注意ください。