はてなキーワード: さいたまスタジアムとは
以前、さいたま市の保健所長が「病院があふれるのが嫌で(検査対象の)条件を厳しくしていた」と発言したとしてニュースになったり、今日も、4月半ばごろには入院まちが200人以上いたという記事がホッテントリ入りしてたりして、埼玉の医療が結構やばいということは、うっすらと伝わっているとおもうので、その背景みたいなことをド素人なりにつらつら考えてみた。
なお、自分は元埼玉県民、いまは都内に住んでいるが、親族や知り合いに埼玉県民はたくさんいる。
埼玉在住の自分の姉も、4月半ばごろ「これまで経験したことのない風邪」に苦しめられていたらしく(直接あってないので、どれくらい苦しかったかはよくしらない。当人の証言のみ)、何度も電話かけてやっとつながった相談窓口に「とにかく自宅で様子見てくれ」の一点張りに途方にくれていたところ、そのうち症状がなくなったらしい。
で、埼玉の医療事情だが、まず大前提として、埼玉は医師も病床数も全国屈指に足りていない。
これは、自分の子供のころ、つまり昭和のころからいわれていた。
今や全国5位の人口を誇る埼玉県だが、国公立の医大・医学部が存在していない。
いや、正確にいうと、所沢に防衛医科大学校というのがあるのだが、これはやはりちょっと特殊な学校で、卒業生は基本的に自衛隊の医官になってしまうので、地元に医師は供給されないし、防衛医科大の医局が地元の病院を牛耳ることもない。
唯一、埼玉県内で文科省の管轄する医大・医学部は私立の埼玉医科大学だけである。
ずいぶん昔、田中角栄が「1県1医大構想」を掲げたころに、埼玉大学(国立・地元では県庁職員と小中学校教員の供給源として知られる)に医学部を!という話もあったらしいのだが、うまくいかず、その代わりに開設が認可されたのが埼玉医科大学らしい。
一説には、当時の知事と医師会のあれやこれやとか、地元政界の魑魅魍魎話とかいろいろとあるようだが、詳細はしらない。
ただ、埼玉医科大学の創立者一族は、歴代埼玉県議長だったり県議だったりする、というのがあって、そのへんがまたいろんな噂を呼ぶ素地ではあるのだろう。
なお、埼玉医科大系の病院は、ホームページの入院案内をみると何よりも目立つように赤字で「前納金」について書かれていて、まあ、そんな感じらしい。
医大としては歴史が浅いので偏差値は低いのに学費は高く、よってしたがって、学生は「どうしても子供も医者にしたいという開業医の、成績が今一つの子息ばっかり」だとかなんとか。
最近は卒業生の教員もいるようだが、その昔は東大とか慶応から移ってきた教員が、それこそ神様のように扱われていて、一昔前の医学ドラマのようだったという話もよく聞く。
あと、日本で初めて正式に性転換手術をしたことでも有名になった大学でもある。
人口120万を超える政令指定都市にして県庁所在地であるさいたま市には医大はない。
自分は旧浦和市(現さいたま市)の出身なのだが、自分の子供のころ、地元で大きな病院といえば市立病院と社会保険病院しかなく、そこで対処できない「難しい病気」の人は都内の大学病院に通院したり入院したりする、という風習があったように記憶する。
そういえば、亡き父が心臓弁膜症の手術をしたのも都内の某大学病院だった。
そもそも、埼玉南部に住んでる「埼玉都民」は、なにかというと東京にでるのが当然なのである。
医療に限った話ではないが。
なんとかしなければ、とこれまで行政が動いてこなかったわけではなかろう。
平成の初め頃、大宮に自治医大の病院ができたのは、地元では大きなニュースだった。
もともとは高層ビルか埼玉タワー(スカイツリーと誘致を争っていた)の建設を計画をしていた、さいたま新都心の空き地には、県の働きかけによって規模が大きくなった赤十字病院と県立小児医療センターが鎮座することになった。
駅徒歩4分、コンサート会場としても名高い「さいたまアリーナ」の目の前に大病院が建ってるのは、なにやら異様な光景ではあるのだが、まあ、一番必要な施設を建てたということだろう。
サッカーの聖地さいたまスタジアムにほど近い開発地域に、県と市が土地を提供して順天堂大学病院を呼んでくる話も進んでいて、当初計画では今年にはできているはずなのだが、予定地はいまだ空き地。去年だったか、木下サーカスが公演をしていた。
埼玉住み、東京勤務だったりすると、会社の健康診断は都内で受けたりする。そこで異常が見つかって精密検査して治療が必要になると、紹介されるのは都内の病院だったりする。
自分も埼玉の実家から東京に通っていた時期があるのだが、その時期、再検査に引っかかって胃潰瘍がみつかって、薬でピロリ菌除去する治療を受けたりしたのだが、それら全部、都内で済ませる結果になった。
要するに、埼玉県の通勤圏の人たちの医療は、多分に都内に依存してるのであって、だから「一人当たり医師数・病床数全国最悪」であってもこれまでなんとか回っていたのであろう。
ところが、コロナウイルスの対応は、都道府県単位でしきられている。これは、埼玉県にとってはつらい。
昨年の8月に野党系の支持を受けた知事が誕生したこともあって、「知事の無能さ」をたたく人がネットに散見されるが、まあ、飛び切り有能な知事でもないかもしれないが、しかし、知事の能力ではいかんともしがたい構造的問題を抱えていることは理解しておいてよいと思う。
おそらく「テレワークに移行しましょう!」と、スムーズに移行できる一流企業にお勤めのかたはStay Homeしているのだろうが、そうでない埼玉県民はたくさんいる。
そもそも、一流の企業に勤め、一流の給料をもらっている人は、できれば埼玉ではなく都内に住みたいのであって、「そうでない人」の比率は、都民より埼玉県民のほうが多かろう。
安い給料に耐え、通勤電車に耐え、毎日東京で働いて東京の経済を支えている埼玉県民は多いはずだ。
そして、東京から埼玉にコロナウイルスをせっせと運んでくるのである。
もともと、埼玉は「観光で宿泊する人」が全国でも屈指に少ない県である。観光地少ないから。
そんな埼玉に、一番ウイルス運んでるルートは、通勤のほかには考えられない。
そして、マスコミは東京には注目しても、埼玉には注目しない。逆に「福井や石川に持ち込まれた」みたいな話とかならニュース性もあるのだろうが、東京の隣で深く静かに進行した医療崩壊にはなかなか目が向かない。
「一極集中」というと、東京と地方の話になりがちだが、じつは隣の県から見ても、東京にはいろいろ集中しすぎてるのだろう。
で、埼玉県民は仕事も医療も遊びも東京にいく(いかざるをえない)ので、毎日、人は東京に集中してはまた埼玉に帰ってくる。
そんな構造のなかで、「Stay Homeです、移動しないようにしましょう!」という事態に陥って、都や県の単位での対応に迫られたとき、切り離された埼玉が苦悩するのも当然といえば当然な気もしている。
これまでの生涯で一度だけ、サッカーの試合をスタジアムで観戦したことがある。2002年のワールドカップ予選、イングランドとスウェーデンの試合、さいたまスタジアムだった。
当初こそフーリガンの恐れがということで最寄り駅からスタジアムまで、両国サポーターが可能な限り接触しないよう分けられてて、乗る電車まで分けられてたのが印象的だった。
で、試合はというと、最高だった。
自分でも名前は知っているような超有名選手がピッチに入るときの大歓声、どんどん繋がっていくパスと、それを処理する魔法みたいなトラップ、ゴールが決まったときの夢みたいな盛り上がり。
これが世界最高のプレーというものか、と思った。前半、後半、余すところなくプレーを楽しんで、幸せな気分で帰宅したのを覚えている。
もしあの観戦したゲームが、昨夜日本代表がロシアでやったようなクソ試合だったら、自分はサッカーを嫌いになってたんじゃないだろうか。
前の東京オリンピックの時に建てた50年前の建物だからそろそろ限界が来ているというのは確かだし、それ以降に起こったスタジアムの安全への配慮とかバリアフリー化とかその辺の理由で、現在の国立競技場ではサッカーW杯が開けない。決勝が、ではなくてどんな試合でも。そんな理由で建て直すわけだが……
2.帯に短くたすきに長い新国立競技場
陸上競技で8万人入ることなんてオリンピック以外ありえないから「陸上競技のことだけ考えるなら」8万人とか大きすぎる。
8万人入るイベントの候補として第1にはサッカーの代表戦、第2にアイドルのコンサートが考えられているんだけど、『新国立競技場を、サッカースタジアムとして見たら』陸上トラックが邪魔。サッカーファンとしては、できるだけ近くまで寄って試合を見ることのできるフットボール専用スタジアムが良い(ちなみにサッカーだけでなくラグビーやアメフトにも使えます)。なお、首都圏で大きなフットボール専用スタジアムとしてはさいたまスタジアム(収容6.4万人)がある。味の素スタジアムは現在は陸上トラックがないが、当初の計画では陸上競技を含む多目的スタジアムになる予定だったのでピッチとスタンドに距離があるのが微妙。良いスタジアムではあると思うけどね。
アイドルのコンサートは用途としては否定しないけど、サッカーの視点からすると、芝が荒れるので困る。サッカー場ではないがほっともっとスタジアムをAKBの握手会に使ったら芝が荒れまくったこともあったし、そこまで荒れたわけではないがももいろクローバーのライブに使った後の日産スタジアムの芝も痛んでいた。AKBやももクロを批判するつもりはない。ただ、『どの用途を優先するのか』をはっきりさせてほしいし、日本の気候を考えると冬が寒く(註:緯度の割には)夏に蒸し暑いので芝生の養成に向いていない。その辺を考えるとサッカーの試合とアイドルのコンサート会場は両立出来ないと思う。
中間解としては、『オリンピックの期間は陸上トラックを設置して、オリンピック終わったら陸上トラック撤去してフットボール専用スタジアムにする』という考えもあるが、これはこれで問題がある。東京の中心地にフットボール専用スタジアムを作ったら交通アクセスという面では申し分なく集客増が見込まれるためFC東京も東京ヴェルディも移転したがると思うが、そうなると味の素スタジアムとの兼ね合いが問題になってくる。一方だけ移転するのではしこりが残るのが目に見えている。新国立と味スタの双方を、FC東京とヴェルディが共有すると、公式のグッズショップとか作れなくてこれもまた微妙。
ならば、フットボール専用スタジアムで、どのクラブのホームスタジアムでもなくて、代表戦とカップ戦の決勝と高校サッカー等だけ行うスタジアムにすれば……というのは絵に描いた餅だ。大型スタジアムでそういう立場のスタジアムはイギリスのウェンブリー・スタジアムとフランスのスタッド・ドゥ・フランスくらいで、ドイツにもスペインにもイタリアにも無い。(ベルギーとオーストリアに一応あるが、後者はウイーンのクラブがUEFAの大会に出場したときのホームスタジアムには使用される)。今の日本のフットボール(ラグビーとアメフトを含めて)事情からすると大きすぎる。将来、そういうスタジアムを必要にするようになって欲しいところではあるが。
4.というわけで結論