2016-04-17

NBCというネズミ講疑惑が持たれているネットワークビジネスの話

NBC(ネットビジネスカレッジ)というネットワークビジネスを展開している団体がある。

様々な所で「これはネズミ講じゃないか?」と言われているみたいだけれども

一般の人がイメージするネズミ講とかマルチ商法とは少し違う形態みたいなので、

旧版概要書面が手に入ったので広告とかと合わせて、分析してみる。(長くなるよw)

概要書面というのは、特定商取引法で定められている

連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法)を行う際に

契約に前もって渡さなくてはならない書類の一つ。

 

ネットビジネス」を商材とした「ネットワークビジネス

今回入した概要書面(旧版2015.11)を見てみると、その記載がいい加減でびっくりする。

取扱商品についての記述抜粋すると、

「入会金 67,800円 100pt」

「月謝 16,200円 100pt」

商品に対する説明は、たったこれだけ。

 

 

NBC使用していた、この概要書面には、

この概要書面は、「特定商取引に関する法律」第37条一項により交付することが義務づけられている書面です。

と、ぬけぬけと書いているんだけれども・・・

 

特定商取引法では、概要書面に取扱商品に関して

商品の種類及びその性能若しくは品質に、関する重要な事項又は権利

若しくは役務の種類及びこれらの内容に関する重要な事項」

記載必要とされているんだけれど、

十分に満たされているとは言えないよなぁ。

 

 

そこで概要書面以外からNBCのおこなっている事業

概要を調べてみると(既に概要書面の立場が無い^^;)

 

 

NBCには、マルチビジネスによくある

化粧品」だとか「健康食品」といった品物は存在しないらしい。

ネットビジネスを「教える」または「システム提供する」というのを商材としている。

これは特定商取引法でいう所の「役務提供」に該当すると思われる。

 

 

まり商品としては「ネットビジネスで儲けることを教える」というもの

これを売る「ネットワークビジネス」を展開しているということになる。

 

余談だけれど、

特定商取引法の申出制度についての相談を受け付けている日本産業協会に、

NBCの件で相談したところ、担当の方曰く

「こんなのは概要書面に書きようがありませんよね」って苦笑い

 

で、どうやらNBCが行っている勧誘宣伝(その違法性の指摘は一旦おいておいて)では、

ネットビジネスで稼ぐ」のと「勧誘で稼ぐ」のを二本の柱にしていると主張している。

 

ここで整理しておくと

・「勧誘で稼ぐ」というのは、

会員から集められた入会金や月謝を元手に

新規入会獲得に対してもらえる報奨金や、配下にしている会員組織の規模でもらえる報酬

連鎖販売取引で言うところの「特定利益」になる。

 

 

・「ネットビジネスで稼ぐ」というのは、

商品を使いこなして得られる(かもしれない)結果であって、

オークションだか何だか知らないが、外部から会員が引っ張ってくる利益になる。

NBCから支払われているものではない。

 

お金の流れとしてこの両者が完全に分離しているシステムみたい。これはマルチ商法としては珍しい。

(てかネズミ講の疑いが出てくるので、普通はこんな設計にはしない)

そんな中、NBC勧誘などでは「稼げる」をキーワード

しばしばこの両者を混同させていたりする。

特に凄いなぁと思ったのはNBC広告文言

物販ビジネスだけに特化して、月に150万円以上売上をあげている方もいらっしゃいますし、

逆にこのソーシャル・ネットワーキングアフィリエイトに特化して月収100万円以上稼いでいる方も多数いらっしゃいます

魚拓

https://archive.is/FIQu1

(誇大広告やらこの広告に対する様々な法的な問題はおいておいて)

 

 

この「物販ビジネス」というのは、商材の「ネットビジネス」の部分の話。

そして「ソーシャル・ネットワーキングアフィリエイト」というのは、

連鎖販売取引の「勧誘行為」なんかの部分。

まり商材としている「ネットビジネス」に一切関知せずに

勧誘活動などに特化して、会員の入会金や月謝から生み出される配当

大きな金額を「稼げる」というパターン広告で明言してみせているのである

 

・・・なんというか、これはまんまネズミ講だよなぁ。

 

 

  

ちなみに

物販ビジネスだけで月に150万円の売上

勧誘活動だけで月収100万円って並べると

一見物販ビジネスの方が稼いでいる様に見えるけれど、

150万円っていうのは売上で、その商材っていうのが商品転売とかだから

どう頑張っても物販だけで100万円の利益は出てないよなぁ。

 

  

この広告だけ見てもNBC側が、実際の会員の利益として

物販ビジネスよりも勧誘活動の方が主になっている現状を認識している感じはする。

 

  

ネズミ講であるのか否かの話

 

ここから少しネズミ講の法的な話に立ち入る。

 

NBCでは会員に対して

報酬に上限設定がある」とか

ネットビジネスを教えるという商品がある」からネズミ講ではないと説明しているらしい。

でも、この説明おかしい。

(てかNBCの側は、既に広告商品無視して稼げるって言ってしまってんだけれどw)

 

ネズミ講規制している無限連鎖講法律を見てみる。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S53/S53HO101.html

二条によると、「無限連鎖講」とは、

金品を出えんする加入者が無限に増加するものであるとして、

先に加入した者が先順位者、以下これに連鎖して

段階的に二以上の倍率をもつて増加する後続の加入者が

それぞれの段階に応じた後順位者となり、

順次順位者が後順位者の出えんする金品から

自己の出えんした金品の価額又は数量を上回る価額

又は数量の金品を受領することを内容とする金品の配当組織をいう。

実は、商品の有無とか上限設定とかは要件として書いてない。

実際に、たとえ商品流通があったとしても、商品販売促進のための配当では無くて

金品の配当を主としている組織と見なされると、無限連鎖講(つまりネズミ講)になる。

 

これに関連した有名な判例に「E・Sプログラム」がある。

人工宝石によるマルチ商法ネズミ講判断された最高裁判決

取り扱われていた人工宝石という商品価値がなく

その再売買には意味がないとされて、人工宝石販売に名を借りた金銭配当組織であり

無限連鎖講の防止に関する法律要件を充たす金銭配当組織に当たるとされた判決

 

 

この話を前提にNBCの商材となっている

ネットビジネスを教える」という部分の価値を考える。

 

 

広告によるとNBC提供している「商品」というのは、

■ Yシステム ワールド
■ Yシステム ジャパン
■ イマコレ キュレーションサイト

□ NBC自動顧客獲得システム

(※この部分の実態NBC勧誘ツール提供に過ぎない)

 

となっている感じ。

(今は複数カテゴリーに分けがあるようだが、実際のところ実態は変わってないぽい。

ていうか広告の方が未だ生きているので内容が違う勧誘をしているとするとマズいよな)

 

 

 

で、具体的に価値があるのか検討してみる。

 

 

■ Yシステム ワールド

実態海外通販サイトのアーリーエクスプレスAPIを引っ張っただけのものだそうで、

そこの商品を選んで会員に対してヤフオクなどに無在庫出品をさせるというもの

取引には一つの商品につき別途500円をNBCに払う必要がある。

(ちなみにアーリーエクスプレスには日本語版もある)

 

もちろんヤフオクでの無在庫出品は規約違反行為。それを組織的やらせている。

ネットワークビジネスに使うことも禁止との事(ヤフー広報確認済)

 

関税不要に拘ると、取り扱う商品価格とかから限定されてくるはず。

また手数料で一点500円とられるって転売の利ざやを考えると結構厳しい。

また扱っているのが実質、海外三流品に限定されていて、それを納期一ヵ月とかふざけた条件で

オークションに出品して売るっていう形から考えると、儲けを出すのは厳しそう。

 

 

内部告発している人のサイトでは「月収1万コースでも、難しい」との事。

内部告発をどの程度信用できるのかはわからないけれど、

皮算用した限りでは「難しい」だろうなぁってのは想像がつく。

 

また、この海外転売などに絡んだネットビジネスを教えるという割には

NBC為替とか基本的ビジネスの仕組みに関しては教えていないぽい。

参考 

何かと怪しいNBC会員の人に、NBCでやらされている無在庫ネットビジネスについて色々と聞いてみた。

http://togetter.com/li/885097

 

 

■ Yシステム ジャパン

NBC在庫もつ商売も始めたという。

低価格NBC会員が行うECサイト商品提供すると言う。

在庫ECショップが作れるというふれ込み。

 

 

でも実際は、そんなに安いわけでは無くて、

価格コムで売られている価格よりも高かったりする仕入れ値で、そこから利益を上乗せする形。

これを、個人が運営している料金先払いのECサイトで売るっていう話なので、

まぁ普通に考えると商売が成り立つようなものでは無い。

 

内部告発している人によると、やはりほとんど実績が無く、

単発で10万円の人が一人居るとかいないとかのレベルらしい

(その人も、もしかすると自分で購入してる分かもしれないが)

 

 

 

■ イマコレ(キュレーションサイト)運営

広告説明によると

将来的に多くのアクセスを集める巨大キュレーションサイト上でアフィリエイトができる!

NBC会員になるとキュレーションサイト投稿できるらしい。

でも書き込みも閲覧もほぼ会員しかいない様なサイトアフィリエイトをさせて展望はあるのだろうか。

今はNBCの方から記事を書いた会員に数百円とかの報酬を出しているぽい。

一応googleのAdsを入れいるけれど、その原資の大部分は自分達が払った月謝と入会金だよなぁ。

 

 

 

ようするに、商材となっている「ネットビジネスを教える」という部分の価値は、

恐ろしく低いものであると思われる。

(本来この広告場合、法的にNBC側は具体的な根拠に基づいたものを示して

価値説明しなくてはならないのだけれども、それも無い)

 

 

 

 

まぁ「マインド」とかスクールとしての「自己啓発価値」の話を持ち出す人もいるかもしれないが

ういういい加減なビジネス肯定したり、ビジネスとしての不合理さを見抜けないっていうのは、

単に悪徳商法洗脳に使われているだけで、

本来ビジネススクールとしての価値があると言えるのだろうか。

 

 

 

内部告発をしている人のサイトを見ると

ヤフオク不正に気づいてIDの抹消をしだしてからは、

ネットビジネスでの実績っていうがほとんどなくて

儲けている人って言うのは、勧誘とか配当の部分でしかないらしい。

(不正として対応される時点で、商品価値がアレだけれど)

 

  

 

 

問題点など  

で、NBCの何が問題かというと、連鎖販売取引とは説明せずに

ネットビジネスで稼げる」とかいセミナーを開いて

(ここから違法性がある可能性があるんだけれど)、

そこでマインドコントロールを行って会員を勧誘する。

当然いい加減な内容なのでネットビジネスでは実績が上がらない。

 

 

自分が払った入会金と月謝を取り返す為には、

ネットビジネスの方じゃ無理だから

勧誘活動配下の会員を作って彼らが支払う入会金や月謝から生み出される

権利報酬」を得るしか無い。

 

 

てなわけで後続を作って被害を押しつける為の勧誘が行われている可能性がある。

気がつけば、ネズミ講に荷担するような形になっているわけだ。

で、そういうのが出来ない人が損を覚悟で辞めてしまったり。

 

 

 

  

この被害を押しつける勧誘行為の「言い訳」として

ネットビジネスもある」ってのが機能的に働いているのも問題

(本人や相手に対しても「ネズミ講隠れ蓑」として働いている構造があり、

ネットビジネスが上手くいかないのは「自己責任」とか言われたり)

 

 

まぁ内部告発している人によると退会率が70%だとかそうで

残っている人というのは、上の方の人で

配下の人数から毎月コミッション配当を貰っている立場の人とか

 

 

魚拓

http://megalodon.jp/2016-0416-0735-42/netbusinesscollege06.blog.fc2.com/blog-entry-4.html

 

 

 

この退会率が本当だとすると、

勧誘活動が盛んな割に会員数が昨年から4000人で頭打ちのことから見ても

現状、既にピラミッド上部で権利報酬を得ている人達は、

放っておいてもベースコミッションでの報酬を得る状況を維持しつつ残っていて、

新規入会してくる下層部が、ネットビジネスで上手くいかず、

勧誘で損を他人に押しつけて自分は抜けていくという形で

激しく入れ替わっていくという実態が予想できる。

 

 

上位の人は調子の良いことを言いながら、

から関わる人をことごとく不幸にして潰していく見事なシステムが出来上がっている感じ。

 

 

まじめに副業としてネットビジネスができると思ったら内容がいい加減で、

入学金や月謝を取り返す為にはネズミ講をやらなければいけない状態にしてしまうというのは

従来型のネズミ講よりも酷い感じではある。

 

  

 

もし被害を受けたのなら

 

まずはクーリングオフ検討してみるべき。

 

連鎖販売取引場合20日間以内であれば、

書面によりクーリング・オフをすることができる。

これはNBCの書面にも書いてある内容

 

しかNBCは成果の偽装を行っている疑惑がある。

(無在庫販売などの手法は、実際に商品を買わずネットビジネスの部分で成果を偽装やすい)  

もし新規入会者に対してクーリングオフ回避のために成果偽装を行っているとすると悪質。

(物販は、最初の一ヵ月は成果が出たが直ぐに売れなくなった話とかある)

 

 

そこで注目しておきたいのがクーリングオフに関するもう一つの規定

連鎖販売業を行う者が事実と違うことを言ったり威迫したりすることにより、

消費者が誤認・困惑してクーリング・オフしなかった場合には、

上記期間を経過していても消費者クーリング・オフをできます

参考 特定商取引法ガイド の連鎖販売取引

http://www.no-trouble.go.jp/search/what/P0204009.html

 

 

NBCシステム説明を始め様々な部分で事実と異なる説明勧誘を行っているので、

その証拠を突きつけることでクーリング・オフが可能になるかも

 

 

しかし、たぶん難しい。

さらネズミ講として損害賠償請求する方法がある。

 

参考

連鎖販売取引ねずみ講勧誘員の責任

http://www.kokusen.go.jp/hanrei/data/200705.html

 

 

裁判所は、通信販売事業には実体がなく実質的には法律によって禁止された違法金銭配当組織であるとして

会社代表取締役勧誘員の共同不法行為認定して、支払い済みの契約金相当額、弁護士費用について損害賠償を命じた。

事業者らは、学生らが入会後勧誘成功して収入を得ていたことなどから信義則違反ないし過失相殺を主張したが、

判決は、学生らは勧誘員らに踊らされていた被害者というべきであるなどとして、この主張を退けている。

 

 

NBC場合は、示してきたとおりネットビジネス価値実態が乏しいので、

前記の通りNBCネズミ講判断される可能性が高いわけで、

支払い済みの契約金相当額、それに弁護士費用についても損害賠償を求める事が出来るかもしれない。

 

 

さにらにこの判例重要な点は「入会後勧誘成功して収入を得ていた」としても

被害者認定される(社会的な信用は失ったままだけれども)という部分。

NBC場合はその運営実態から「踊らされていた被害者」に該当する人達が多そう。

 

 

場合によっては救済される可能性があるので、既に「勧誘してしまった」っていう人も、

勇気を持って「勧誘してしまった人」と供に法律上相談してみてはどうだろうか。

そうした行動が、被害者救済と、個人の信用回復につながるかも知れない。

 

 

 

 

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