はてなキーワード: かぼちゃとは
季節外れのなごり雪が降ったね。朝から昨日の夕食の食器洗いと洗濯を始める。妻は10時をすぎても寝室からでてくることはなかった。朝食を用意することは諦めて(つくっても食べないのだが)、仕事に行く。
昼はしょうゆラーメン、タンメンを作った。こどもと妻の4人分。自分の分は作らなかった。夕方にご飯ができるよう炊飯予約をして休日だけど仕事にいった。
夕方に戻ってみると、シンクには、食べ終わった食器がそのまま。
妻のラーメンのどんぶりにだけ、食べのこしの野菜炒めやコーンが油でかたまっていた。
夕食は焼き肉にしようということになった。冷蔵庫には人参、たまねぎ、かぼちゃ、じゃがいもがあったが、肝心の肉が、豚バラ肉と豚小間切れしかなかった。とりあえずレンジで解凍してみるか。
バラ肉を解凍し終わったところで、妻が焼き肉用の牛肉を買いに行くと言い出した。娘が牛肉が好きだからだ。別に異存はない。
野菜のカットを末娘がやりたがった。手を切らないように一緒に切る。ブサイクだが、味のあるシェイプになった野菜が大皿に乗ったので焼き肉プレートの予熱を始めた。
肉を買って帰ってきた妻が不機嫌そうに焼肉プレートのふたを取り外す。「ふたなんかしてたら熱くて溶けちゃう」どういう意味なんだろうか?
まだ予熱中なんだけど伝えると、強烈な不満顔で熱いフタを振り上げながらブツブツ言った。(ふたを)置くところがなくなっちゃう。
6分は予熱するべし、フタをしていれば予熱時間は短くなって省エネになりまーす、とマニュアルの仰せである。ただ面倒くさそうな雰囲気になったので予熱もそこそこに温度つまみを急いで上げた。
買ってきた牛肉パックを妻が手に持って、焼き始める。子どもに全部取り分ける。
牛肉は一片もボクのお皿にはのらない。これ食べる?とかは一切聞かれることはない。
こどももお父さんにお肉をあげたらなどと聞かない。余計なことをいうと妻が怖いからだろう。
妻はボクに疎外感や不幸感を味あわせたいのかもしれない。
この家族はきっとうまく行かない気がする。
焼き肉が終わると焼肉プレートは今夜中に洗っておいて念押しされる。そんなことをいわれなくてもやるのだけれど。
どんどん心が閉塞する。貝のように黙る自分がいる。
ボクは外に自分を向けようと思っている。
ボクのような家庭を失敗した人間でもなにかしらきっと社会の役にたったりすることはできるはずだ。
一種の逃げかもしれない。逃げてもいいじゃん。
PM2:00
2体の母による、「ご飯よ!」の声で私は起床した。
今日の超朝御飯はなんだろう、ご飯だろうか、パンだろうか、それとも超操縦メカ MG(※1)だろうか。期待で左胸を膨らませる。
眠いまなこを1秒間に約30回程擦り、まるで東尋坊から人生のゴールを目指し旅立つ人々のように、ダイニング(※2)の椅子に勢いよく腰掛る。
「もう、まだ眠いの?」
...
誰だこいつは...?
自分の脳内タウンワークを隅々まで探索。ヒット無し。すかさず同じ棚にある脳内たのめーるに手を伸ばし、かぼちゃを2ダース発注。
大袈裟に驚いたは良いものの、別に今日は学校じゃあないし、なんなら体育の日だ。愚かな国民以外は身体を休めることが認められている。
ここで、3秒の沈黙。喉が焼けそうだ。
「ピカルの定理見た?」
フラッシュバック、2010年代の中学生の会話。誰かの思い出のゴミ捨て場。令和に彷徨うゴミ捨て場。
ここは、令和3年の日本。
(※2)..筆者の家には無い