はてなキーワード: ナルシシストとは
原典:https://www.tumblr.com/numberonecatwinner/701567544684855296/elon-wyd
私は何年か前SpaceXのインターンをしていて、そのころSpaceXは今よりずっと小さい会社だった。イーロンが植毛をしたのよりは後で、イーロンを個人崇拝するカルトが盛り上がるのよりは前のことだ。なので知ってることをいくつか語ってみようと思う。
私がSpaceXにいたころ、イーロンは基本的には子供の王様だった。彼は会社に金と権力とPRをもたらす大切な傀儡だったが、毎日の意思決定をするのに必要な知識や(率直に言えば)成熟した人格を持っていなかったし、そのことをみんな知っていた。彼の周辺の人々の仕事は、本質的には、まともな意思決定をするよう彼をうまく操ることだった。
イーロンを管理することは会社の文化の大きな部分を占めていた。私のような底辺のインターンでさえ、会議でそういう会話が大っぴらにされているのを聞けた。社員はイーロンが食いつくようにアイデアをプレゼンする方法を知っていたし、イーロンの気が狂っているとしか思えない要求をうまく再解釈する(もしくは無視する)クリエイティブな方法を知っていたし、更にはイーロンが気に入るようにオフィス内を「演出」する方法も知っていた。
記憶にある一番面白い「演出」の例は、あるITセキュリティ部門の社員だ。彼は自分がコンピューターで何かすごいことをしているように見せるため、モニターの一つでマトリックス風のランダムなでたらめな表示をし続けるスクリプトを走らせ続けていた。二番目に面白かったのは、遅くまで働いているように見せようと午後5時以降にオフィスでWorld of Warcraftをプレイしていた社員たちだ。
SpaceX社員がこういうことをしていたのは、宇宙に進出するという社員にとっても重要な仕事のために、イーロンが金(と誇大広告)をもたらしてくれるからだ。会社はイーロンと一緒に大きくなったし、イーロンの周囲の組織も大きくなった。イーロンと末端の従業員の間には、何層にもなるマネージャーの組織が存在したし、彼らは経験豊富なイーロンの管理者だった。繰り返しになるが、社内の文化のどれほど多くの部分がこの一人の男をうまく管理するために捧げられていたか、どれだけ強調してもしすぎることはできない。
Twitterにはこれらの要素が存在しない。Twitterにはイーロン・マスクを管理するという問題に対処するための社内文化も組織も存在しない。私が思うに、部下がこの男の言うことを真剣に聞いてそのまま行動するとどうなるか、おそらく我々は初めて目撃しているのだ。更に悪いのは、このちょっとした実験が、この男が数十年に渡って自分の複数の会社でうまくやってきた後で起きていることだ。これらの会社では、社員が自分たち自身をこの男から守るためにかなりの労力を費やしてきたのだが、この男はあまりにナルシシストなのでそのことに気づけないのだ。
長い投稿になったのでついでにイーロンについてお気に入りの話をしよう。ある日会社で、今日はイーロンの誕生日なので強制参加のサプライズパーティを食堂で行うという一斉送信のメールを受け取った。おそらくイーロンも同じメールを受け取ったと思うのだが、ともかく、我々は食堂に行って照明を暗くして待っていた。イーロンは(まだクビにしていなかった)秘書につれられてやってきて、私たちが待っていたことについて嘘の驚きと感動を大げさに表現した。そしてケーキが運ばれてきた。
ここで、あなたが今までに見た中で一番大きなペニス型のケーキというものを想像してみてほしい。奇抜な性的なケーキの王様といったやつだ。ただし、それは砂糖で白く覆われていて、きんたまの部分は炎と煙に見えるような模様になっている。これがイーロンの「ロケット」誕生日ケーキだ。
生きている限り、あの場にいた人々の表情を私は忘れないだろう。ほぼ男のエンジニアばかりの暗い室内で、イーロンが願い事をしながら先端にナイフを入れた瞬間を。