今年38歳。
小中くらいはさしたる努力もせずにクラスでトップクラスの成績。
なんとか通学できるか、って距離まで伸ばしても圏内には進学先の高校は5,6校。
商業科や工業科、水産科なんかもあって、大学進学の可能性が残る普通科があるのは2校程度。
そのうち1校に入ったものの、ガクガクと成績は落ちていった。赤点をなんとか回避、ってことも何度か。
Jリーグが始まったのがこの頃か。
大学進学の可能性が残るという表現を使ったけど、田舎の学校なんでレベルは低い。
平均の偏差値は50切ってたと思う。
同学年でMARCHに入れるのが5人以下、早慶は数年に一人いるかも、くらい。
低成績の俺は地方の私大にしか受からず、親に頼み込んで浪人させてもらった。
条件は予備校の寮に入ること。ほぼ軟禁生活。泣いて嫌がったけど仕方なかった。
当時田舎者にはあこがれだった渋谷のタワレコに平日昼間から行って、 TK の新譜を試聴したな。
高校の頃からそうだけど、「勉強法の勉強」は好きで、あの方法で勉強すれば俺の成績は上がる、って謎な自信だけもっていて、でも勉強はしない。
明日やれることは今日やらない。よって数学的帰納法により、受験日まで勉強しない。
本当にダメ人間だった。
メタ勉強だけは好きってのは10年前にライフハックにハマったのと、今思えば同じ根っこだったんだろうな。
そんな訳で一浪しても入れたのは偏差値50アンダーの私立理系大。Fランク。最近はGランクまであるんだっけ?
成績不良じゃないくて出席日数不足ってところがつくづくダメだな。
ただ、振り返ってみてこの頃ラッキーだったのが2つある。
1つはコンピュータサイエンスの教官が実力主義者で、当時の第二種情報処理技術者、今の基本情報処理技術者試験に合格すれば単位をやるって人だった。
ちょうどインターネットが普及し始めて、テレホタイムになると同時にISDNで繋いでいた時期。
コンピュータの勉強は面白くて、出席外で単位とれるならと合格できた。ここで基礎を固められたのはラッキーだった。
もう1つは留年したせいで一般教養科目を余計に取れる余裕ができたこと。
心理学の少人数上級版で、自分でテーマを決めて教授と毎回議論できるってクラスだった。
就活に備えた自己分析を、心理学者とサシでできたのはラッキーだった。(ドラッカーのプロフェッショナルの条件を読めたのもこの頃だったな)
で、就職活動。2002年卒、有効求人倍率 0.54 倍。世はまさに大氷河期時代。日韓共催ワールドカップの頃。
周りや就活相談室の(ストレートな分、俺より有利な奴の)を聞くと、数十名の小規模企業に入るひと、地元に戻って地元の会社に入るひとも多かった。
このままだとヤバいなと、底辺だなと(当時は今のような使われ方をしていなかった言葉だけど)思った。
どうするか。資格もあったせいで業界は IT 、特に SI が有利だろうと思った。
計算機室でCOMPUTER WORLDを読み耽けり、大学の図書館で日経コンピュータのバックナンバー2年分を通読して業界を知った。
そして採ったのは某国産コンピュータメーカー1社のグループ会社に絞る集中戦略。
親会社の企業研究(成り立ち、歴史、挫折、チャレンジ)を深めれば子会社はいくらでも応用が効くし、心理学者と深めた自己分析と付きあわせて「あなたと出会えた私」のストーリーをでっちあげれば、志望動機も入社後の目指す姿も十分語れた。
このストーリーの説得力と、新人研修で取らせることの多い資格を既に持っていることがあれば、自分のスペックをある程度カバーできるだろうと思った。
これはうまくハマって、そのグループ会社では全戦全勝、本体でも最終面接まではいった。落ちたけど。
自分が出た大学では「誰もが知っている名前のついた会社に(子会社とはいえ)入れる奴」はレアで、まして一浪一留でってのは劇レアだった。
待遇は親会社と同一で、初年度、24歳で年収300万円くらい。
でもトレーナーとソリが合わず(今に思えば子供じみた理由だ)、転職。
就活の時にはコンサルなんて職種が世にあることを知らなかったけど、
たまたま募集してたITに強い外資コンサルに移って26歳年収400万。
国内限定学歴を揶揄する人もたまに見るけど、ボストン採用の同期とか普通にいたな。
そこでのコンサルスキルと海外経験のおかげで別のコンサルに移って28歳年収750万。貯金が1000万超えたのもこの頃。
タイミングが超ラッキーで、この直後にリーマンショックがあった。こんな大幅年収アップの転職案件はすぐになくなった。
35歳くらいで外資ベンダーに転職して年収1000万円超えて、38の今は1200万円。
年齢で見た年収は社内の平均からは下がるようだけど、まぁ十分満足してる。
株とETFで4000万円くらい持ってる。
金融資産の半分くらいは100年に一度の株の大バーゲン(リーマンショック)の時に買った株のおかげ。
その時期にセールワゴンにしがみつくだけの定期定額収入があったのも、またラッキーだったな。
転職活動では、卒業したFラン大学と一浪一留は何の問題にもならかった。
そんな感じ。
基本、世は学歴社会ではあると思う。
でも自分が対峙するフィールドでどういう力学が働くかを理解して、持ってるカードを限られたターンの中で増やし、切っていくだけだ。
自分が好きなタイミングで職を選べるのは、2つ目の外資コンサルであらゆる「ビジネスの知的基礎体力」を身につけさせてもらえたおかげだと思う。
自分が学歴とは不釣り合いな場所にいられるのは、ここに、大学を出てからのラッキーたちに、集約されると思う。
でも、それでも「大卒である」ことだけは一定程度以上の会社では最低条件、前提条件だった。
大手コンピューターメーカーの大ベテランの中には、時代的に高卒の人もいたし、高卒工場勤務から叩き上げで働いている人もいたけれど、もうそれはない。
今の勤め先も入社時にはbachelor以上の英文成績証明書が必須だ。
俺はラッキーだけで現状があるとは思っていない。
ただ、ラッキーに加えて必要だったのは、俺の場合は「Fランだろうが大卒」というチケットそれ自体ではなく、浪人と留年の学費と生活費を捻出してくれた両親だったと思う。
父は企業奨学金で日東駒専クラスに通い、卒業後に職業選択の自由はなかった。意に添わない異動も俺たち子供のために受けいれてくれた。
母は家が貧しく、家族に反対されながら働きながら自費で通信制の高校の卒業資格を得た。
そのことを身をもって知り、身をもって子に示し、ダメな俺が大学を出るまで支えてくれた両親こそ、俺が今の俺であるために必要だったと思う。
繰り返すが、学歴は強力ではあっても、いくつかあるカードの一枚に過ぎないと思ってる。
俺は馬鹿でダメな人間だったから「Fラン一浪一留」なんて貧弱なカードしか得られなかった。
でもそれも、そんなカードも、両親が必死になって繋いで手渡してくれた大切なカードだった。
その大切な一枚を活かせるような生き方ができて本当によかったと思ってる。
そろそろ俺が浪人する許しを請うた時の親の年齢に、俺がなる。
あの頃の両親のようにありたいと、そうあるための今の収入と資産だと思う。
読んでくれてありがとう。
Fランクって偏差値30台だぜ。 さすがにそれはないだろ。 http://xn--swqwdp22azlcvue.biz/science.php
このランキングだと40台だなー。 俺の頃の記憶と多少入れ替わってるね。 誰でも入れるレベルのことを指して言ったつもりで、30台なんて定義しらなかった。
2ch脳というかネット脳の恐ろしいところはこういう常識が通用しない思考になっちゃうところだよね F欄は本来「Border Free」のFで、ようは金さえ払えば誰でもFreeに入れるという意味 一方...
そうそう、馬鹿大学の意味で書いてた。 詳しいんだね。 あと2ch脳に合わせて書いてくれてありがとう。
ネット上の基準で、というのは恥ずかしい。 38歳で1,200万なら、世間一般では相当のポジション。 日本の上場企業なら部長から本部長クラスだ。 いや、そんなことはいい。 どうか、ネッ...
金持ちになってなんになる? 金目当てのカスが寄ってくるだけ! むなしいだけ! やめときな! 金持ちこそ弱者だ!
年収なんかどうでもいいよ 上位三%には下位の97が金目当てで寄ってくるだけ むなしいぞ
なんか嘘くさい。IT系の技術力の欠片も感じない。
実際に技術力は大したことないし、ましてやこのエントリーでは技術力を伝える必要性も無かったしなぁ。 転職を繰り返すなら技術力が高いはずだ、という暗黙の前提を置いているな...
転職スキルに全振りするのは良いんだけど、 実力主義者の教官が基本情報レベルの資格で単位出すって言ってるあたりが 底辺校臭すぎて、お前の語るスキルのレベルを押し下げてんだよ...
横だが、転職スキルに限って言えば、Fラン卒で年収1200万って時点で、マックス値に近いものがあるだろ。 そこはさすがに信用しろよ。
ごめん、なんか論点が掴めないや。 もし「実力主義といいながら、大した実力がなくても受かる試験を条件にするなんて矛盾してるから嘘くさい」なら、その講義の内容が経産省(当...
お前の人生にムカっとしただけだよ。 自分が苦労した分、他人にも苦労を味合わせたいというアレな感情。 それに俺の時は基本情報は就職の役に立たないクソ資格だったからな。 それ...
亀ですまん。もう見てないかな。 資格の評価の話でひっぱったのはかえって気を悪くさせてしまったな。ごめん。 俺は転職市場、人材市場で「マーケットの状況はどうか?」「買い...
そういうことなら貴方はITの業界知識と営業方面の能力を買われて出世したのだと思う。 プロダクトと顧客の橋渡しをするポジションって重要だからね。 エンジニアは技術を金に変える...
一体ソフトウェアのエンジニアはいつになったら技術力と収入に相関性は無いという事実にいつのなったら気づくのだろうか http://anond.hatelabo.jp/20161007005920
たまに現れる文章から技術力を読み取る超能力者。
元増田程の良い生活は出来てないけど、それなりに良い給料を貰って良い生活が出来ている同じ世代の独り語り。 収入は民間給与実態統計とかで上位10%に入るくらい。 自分は勉強出来...
つ 生存者バイアス
とりあえず会社に入れば育ててもらえるという風潮は危険だと思う。 無能を教育するコストを支払える会社なんて無い。 だから各個人が勉強してスキルアップしないとこの先生き残れな...
年収あげたら金持ちにされてむなしいだけ! やめときな! 金持ちこそ弱者だ!
そういう両親を持ったことも含めて、やっぱ人生運次第なんだよなぁ。 運が欲しかった。 本当に。