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2023-09-24

女性アニメ監督作風フェミニズムとはだいぶ合致しないよね

アリスとテレスまぼろし工場」だけど、本作は言うに及ばず、過去作もフェミニズム女性政治的権利にはつながらない人だよねと、いつも見てる人には当たり前の感想を思った。

それもあり、当然ながらヒロイズム喝采な盛り上がり方もできないし、一方でポリティカルテンプレの誉め方で持ち上げようがないし、日本的意味でも海外的な意味でも売れ筋から背を向けてて、正しく古いオタク向けの人ですよね岡田監督。この人を女性監督という取り上げ方をするのも大概バカみたいだけど、そういう戦略性も含めてオジサンウケる人。

 

そもそも少年少女の恋が世界を変える」って嘘だし。

少年少女」じゃない。おそらく10年以上なんなら20年近く「中学生として振る舞い続けること」をやってきた、周囲の監視の目もあって童貞処女のままの30代半ば。キモイ。似てる設定というと「スカイ・クロラ」だけど、あちらほど精神状態が終わってないのがまた煮え切らなくてキモイ

ここで既に物語テンプレのロールや社会的ロールに沿った理解を当てはめようとする人が全員振り落とされる。「十代のドラマなら十代のドラマらしい話にしろよ」も「30代の擦れた男女のドラマならもっとそれっぽく作れよ」も適用されない。イラついて「設定がちゃんとしてないんだよ」と毒づく。

まあね、でも実際そんなだったじゃん90年前半バブル崩壊で取り残された団塊ジュニアども。

保守的伝統社会はぶっ壊されてたし、理念先行の社会主義なんて信じてないし、経済成長に従ってれば会社人生のレールを敷いてくれるって幻想も一瞬で消え、2、3学年上の先輩たちの話はまるで参考にならない。稼ぎがないので結婚しないし、景気が悪い上に自分たち世代が一番人口が多いせいもあって職場に後輩も少ないなんなら後輩いない、なんなら終身雇用派遣狭間企業側もフラフラ方針まらないまま。いつまで経ってもマンガアニメから卒業しない「子供のまま」だったのが、気が付けば世間の方がマンガアニメ迎合しだしちゃって。

設定らしい設定がないので、子どもなのか親なのか、先輩なのか後輩なのか、若者なのか中年なのか、どういうロールが正しいのかわからん連中が日本人口のマス層として取り残された。

こういう停滞感、今までも色々と表現されてきたけど、比喩としては一番ダイレクトで何のひねりもなく、分かりやすい。現実に設定がしっかりしてないから、設定ではっきりするほうが噓でしょ、って明け透けな見せ方。これが今回いちばん岡田麿里らしいとこじゃないですかね。

 

いわゆる岡田監督らしさについては、本人が自覚的自分過去作を振り返って他人から言われる評価を参照しつつ作ったってパンフで言ってるし、そこまで評価するとこでも突っかかるとこでもない気がした。上手いですけどね。女と母親とどちらでもある自己っていう振れ幅を一つの台詞に同時に込めるとか、うわーえぐーい。オジサンはこういうのやられると負けるわ。

ただまあ、今回は前よりかすっきり整理してて分かりやすいし、監督のもの監督らしさ、岡田マリー節炸裂、とは思わなかった。70%マリーぐらい。200%って言ってる残りの130%は作画スタッフとか役者とか視聴者思い込みとかだと思う。

ただ、その70%で、ファンタジー世界を作り上げた神たる老人の「俺はこう生きた、君たちはどう生きるか」に対し、ファンタジー世界に囚われた住人の立場から中年のあたしたち俺たちはこう生きてきたし、こう生きていきますが、それで、何かご質問が?」と打ち返してるのが、マリー持ってんなと。このタイミングでこのカウンターを見逃すのはホント勿体ないので見たほうがいいと思う。

 

その他。

なんか「あの花」とか最近しか出てこないので、老害的に付け足し。

この人はファンタジー作家です。現実世界リアリズムとかの人じゃない。のでリアリズム求めないほうがいい。

ファンタジー作家としての気質は「砂沙美魔法少女クラブ」で100%発揮されてる。以降もだいたいこんな感じ。

スカイ・クロラ」を引き合いに出したので繋がりでいうと「シムーン」の後半。シムーン押井守と仲良しな西村純二監督が「スカイ・クロラ」とほぼ同時期にやった「モラトリアムな人たちの出てくる戦闘機乗りの話」で、シムーン企画原作やってた人たちの手を離れて後半はマリ西村コンビへ。このコンビの流れで「true tears」に繋がり、そこから花咲くいろは」へと。

煮詰まって先に進まない男女関係だと「とらドラ!」。原作あるけど、まったく前に進まなくてどうすんだこれ、って澱みっぷりは岡田脚本本領発揮だと思う。秩父三部作だと長井龍雲監督の調整がけっこう入って長井節になってるので、あんま澱まない。

個人的マリー100%だと思ってるのは「ブラックロックシューター」。ファンタジー少女バトルでバイオレンス別に下ネタじゃなくても100%だと思う。気に入ってしまって円盤買って家族強制的に見せたのは、ちょっと反省している。

まあ脚本家のキャリア長いし、原作ものも当然のように多いし、普通に現場の調整の中で仕事してる人なので、なんもかんもマリーってこたない。

乳酸菌マリーでいいんだっけ?

2022-06-01

anond:20220601121706

プロゴルファー猿アニメ監督true tears西村純二で、カウボーイビバップ本橋秀之さらには今川泰宏まで関わってるんだからそりゃ作画演出レベルは高いわ。

ゴルフという動きの少ないスポーツいかに魅力的に演出するか制作陣のセンスがかなり冴えてる。

作画演出の質は同時代アニメでも上位に入る。

2018-01-21

2008年アニメ監督とその後の監督

狼と香辛料高橋丈夫狼と香辛料II」「ヨスガノソラ」「だから僕は、Hができない。」「まおゆう魔王勇者」「六花の勇者」「ひなこのーと」「citrus
AYAKASHI高田-
シゴフミ佐藤竜雄モーレツ宇宙海賊」「輪廻のラグランジェ」「魔弾の王と戦姫」「アトム ザ・ビギニング
君が主で執事が俺で工藤進まじっく快斗1412」「南鎌倉高校女子自転車部」「Dies irae
破天荒遊戯高本宣弘07-GHOST」「おおかみかくし」「べるぜバブ」「ガイストクラッシャー
true tears西村純二ぬらりひょんの孫」「DOG DAYS」「グラスリップ」「ばくおん!!」「ViVid Strike!」「バジリスク 〜桜花忍法帖〜
PERSONA -trinity soul-松本淳閃光のナイトレイド」「BROTHERS CONFLICT
H2O -FOOTPRINTS IN THE SAND-橘秀樹ドラゴンクライシス!」「BLAZBLUE ALTER MEMORY」「武装少女マキャヴェリズム
ロザリオとバンパイア稲垣隆行ロザリオとバンパイア CAPU2」「ジュエルペットサンシャイン」「俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している」「聖剣使いの禁呪詠唱」「空戦魔導士候補生の教官」「初恋モンスター」「タイムボカン24
のらみみ湖山禎崇のらみみ2」「はんだくん
GUNSLINGER GIRL -IL TEATRINO-石踊宏私がモテてどうすんだ」「境界のRINNE(3期)」
墓場鬼太郎地岡公俊ドラゴンボール超
俗・さよなら絶望先生新房昭之ひだまりスケッチ×365」「まりあ†ほりっく」「夏のあらし!」「化物語」「【懺・】さよなら絶望先生」「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」「荒川アンダー ザ ブリッジ」「それでも町は廻っている」「魔法少女まどか☆マギカ」「電波女と青春男」「ささみさん@がんばらない」「ニセコイ」「メカクシティアクターズ」「幸腹グラフィティ」「3月のライオン
ARIA The ORIGINATION佐藤順一うみものがたり 〜あなたがいてくれたコト〜」「ファイ・ブレイン 神のパズル」「たまゆら〜hitotose〜」「たまゆら〜もあぐれっしぶ〜」「M3〜ソノ黒キ鋼〜」「あまんちゅ!
みなみけ〜おかわり〜細田直人未来日記」「はたらく魔王さま!」「失われた未来を求めて」「十二大戦
ウエルベールの物語 第二幕浜名孝行図書館戦争」「獣の奏者エリン」「もしドラ」「ムシブギョー
ポルフィの長い旅望月智充さらい屋五葉」「pupa」「雨色ココア「バッテリー」

2014-08-08

恋愛アニメファンタジー要素は必要ないのでは?

例えば、今期放送中の『グラスリップ』。未来が予知できる二人の少年少女がその仲間たちを介して様々な臨死体験を重ねて時かけよろしく未来を変えていくという内容(と筆者は思い込んでる)だが、筆者はカタストロフィー論に特に秀でてる訳でもないので割愛する。

で、何が言いたいのかと言うと、折角のファンタジー要素があんまり役立っていない上に清涼感が場全体を包み込んでるというのに

その設定だけが宙に浮いてしまっている。

甘酸っぱいといえば多少語弊はあるが、要するに恋愛というジャンルにおいてファンタジー要素は必要ないのでは?と思う事がある。

ここの会社の前作、西村純二監督でという意味において、『true tears』では、乃絵という少女がやはり電波であった事が実はあまり意味を為していなかった。

その上彼女別にシナリオ全体のキーパーソンでもなく、道先案内人という役柄でも誰かに当てつけるような恋のライバルであったわけでもない。

ただそこにいただけである

そのため、難解な譫言をペラペラ話す事に特に意味はない。

その意味から察するに、彼女自身ファンタジー要素なのではないかと時々思う事がある。

彼女主人公ともう一人のヒロインを繋げるキーパーソンとして存在していた訳ではないが、少なくとも主人公優柔不断な態度を改めさせる重要人物という地位にあったのかもしれない。

乃絵という少女は結局鶏と話す事が出来ると言ったり、また兄に主人公恋人候補を突いて貰う役割を担わせるだけに存在していた、引っ掻き回し担当だとするならば、グラスリップ未来予知もあながち必要ではないのかもしれない。

要はこのファンタジー要素も不必要ではない、何かを成し遂げるためにあえて不確定要素を残しておいたのではないだろうか。

少なくとも本編の主人公透子はこの未来予知に同じくそれを覗く事が出来る駆もそれによる繋がりを意識しているのだから恋愛アニメにおけるこのファンタジーはある一定の成果を齎すのかもしれない。

ただ、恋愛アニメ、つまり君に届け』とか『好きって言いなよ。』のような完全な青春ドラマにはこの要素は必要ないし今後も出て来る兆しはない。

恐らくそれが必要になるのは、恋愛に対してある一定共鳴共感を覚えるために必要な不確定のファクター作用する時だけであろう。

 
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