はてなキーワード: 喜多文子とは
大宝律令の中に碁に関する項目があること、隋書倭国伝に「好棋博、握槊、樗蒲之戯(囲碁、握槊、樗蒲(さいころ)の競技を好む)」との記載があることから、実際にはさらに以前から伝わっていた説もある。
幕府の庇護のもと囲碁に専念する職業棋士が誕生し四家の互いの切磋琢磨により日本での囲碁の技術が飛躍的に向上、多くの名手が生まれる土壌が整えられた。
朝鮮通信使で来た囲碁の名手と日本の棋士との差は3子であったという。
近世囲碁の発展、振興に絶大な貢献。囲碁殿堂表彰にも第一回で選ばれている。
いまや囲碁以外でも用いられている段位制度を発明し、棋士同士の実力差を可視化し囲碁の競技性を高めた。
手割りも彼の発明であり囲碁の局面評価の技術発展に大きな影響を与えた。
その卓越した棋力は「棋聖」「実力十三段」と称された。(当時の実力最高段位は七段、九段=名人)
帝国ホテル、およびホテルオークラの創設者である大倉喜八郎の息子で大倉財閥2代目総帥。
明治維新により幕府の後ろ盾を失い混迷と貧窮を極める囲碁界に対し経済面で多大な援助を行い、本因坊家、方円社、裨聖会等乱立する各派閥を大同合意させ日本棋院を設立。
財界の力を背景に棋士たちをまとめ、混乱を収拾し碁界合同に物心両面で貢献し現在の囲碁界の礎を築いた。
女流棋士として初の実力四段となり、また多くの女流棋士を育てたことから「現代女流碁界の母」と呼ばれる。
喜多は杉内寿子を始め多くの女性棋士の育成にも尽力し、女流囲碁界の興隆に貢献した。
彼女の情熱と努力により、女性の囲碁参加が増え、囲碁界の多様性が高まった。
NHK朝ドラ「あさが来た」のヒロインのモデル・広岡浅子とも交流があり二人の棋譜が残っている。(明治41年朝日新聞に掲載)
https://kajimaya-asako.daido-life.co.jp/column/15.html
本因坊の名跡を日本棋院に譲渡し、選手権制の本因坊戦創設に導いた。
囲碁の常識を変えた「新布石」理論の提唱者として知られる。呉清源と共に伝統的な布石にとらわれない大胆な構想で囲碁の戦略に革新をもたらした。
また多くの内弟子を取って育成し、大竹英雄名誉碁聖・加藤正夫名誉王座・二十四世本因坊秀芳・武宮正樹九段・小林光一名誉棋聖・二十五世本因坊治勲など「木谷門下」として知られる多くのトップ棋士を輩出した。
木谷の教育と熱意は、日本の囲碁界のレベルを大きく引き上げ、現代囲碁の礎を築いた。
木谷實とともに革新的な布石を開発し、囲碁の戦術と戦略に革命を起こした。
呉の卓越した棋力は「昭和の棋聖」と称され、多くの名勝負を残した。
彼の影響は日本のみならず世界の囲碁界に及び、囲碁の深みと可能性を広げた。
私財を投じて海外の囲碁普及に尽力。ヨーロッパやアメリカを訪れ、講演や指導を通じて囲碁の魅力を世界に伝えた。
岩本の活動により、海外での囲碁人口が増加し、国際的な囲碁交流の基盤が築かれた。
「原爆下の対局」でも知られる。
「宇宙流」と呼ばれる独特の打ち方で知られる。
陣地の多い方が勝ちであるゲームにも関わらず、地を取りに行かず盤上全体を大きく使い従来の囲碁の常識を覆す。
武宮の革新的な戦法は多くのファンを魅了し、囲碁の可能性を広げた。
独特の棋風と人柄で多くの人々に影響を与えた。中国や韓国の棋士との交流を深め、彼らの育成と強化に貢献した。
藤沢は自身の経験と技術を惜しみなく伝え、国際的な囲碁のレベル向上に寄与した。
日本で修行を積み、後に帰国し韓国囲碁界の発展に大きく貢献した。
また、彼の弟子である李昌鎬を育成し、共に世界一の座を競い合った。
韓国囲碁の飛躍的な成長を支え、国際囲碁界に大きな影響を与えた。
日本が囲碁のトップの座から降り、囲碁界の勢力図が塗り替わる大きなきっかけとなった。
史上最強の棋士の一人とされる。曺薫鉉の弟子として才能を開花させ、圧倒的な強さを誇り多くの国際棋戦で優勝した。
国際棋戦の優勝回数は歴代最多であり、2位以下に大きな差をつけている。
『ヒカルの碁』のヒットにより少年少女たちの囲碁人口を増加させる。
低迷極まる囲碁界に一筋の光をもたらした。
ヒカルの碁がなければ日本の囲碁界は今よりもっと厳しい状況に置かれていただろうことは想像に難くない
DeepMind社の創設者。ハサビスのチームが開発したAI「AlphaGo」が2016年に世界トップ棋士の李世ドルを破り囲碁界に衝撃をもたらす。
AlphaGoの登場は人間の思考を超えるAIの可能性を示し囲碁の戦略研究にも新たな視点を提供した。
今まで悪手とされていた手が見直されたり人間には全く思いつかない手を編み出す等、囲碁の常識がAI前とAI後では大きく変わった。
(追記あり)
もともと採用人数が将棋より多いのと、囲碁には強制的な引退制度がないので、結果的に人数が多くなっている。
自主的に引退することはできる。また、引退はしていないが対局は休場しているという場合もある。
一方、2017年に97歳で亡くなった杉内雅男は、死ぬ19日前まで現役で対局していた。90歳を超えても勝率5割近くあり、亡くなった年にも複数回勝利している。ちなみに奥様の杉内寿子も棋士で、今年95歳。まだ現役で打っていて、今年に入ってからも勝利している。
レジャー白書などによると、囲碁ファンは囲碁にお金を使うという傾向がある(将棋ファンが将棋に使う金額に比べて)。
歴史的に、政治家や経営者に愛好家が多く、付き合いで打つという文化もあったので、お金を払ってレッスンを受けるという需要がもともとある。また、愛好人口が将棋よりも少ないがゆえ、わざわざ碁会所に行って打つ人も多い。なので、レッスンなどで稼ぐ手段は将棋に比べて多いと言われている。
無料のネット碁も増えてきたので、こういった傾向はまた変わっていくのかもしれないけど。
順位戦全参加などの対局料を得られる場
囲碁にも昔は大手合という順位戦的なものがあったのだが、負担が大きかったり高段位の棋士が増えすぎてしまったりなど弊害があったので、完全に廃止になっている。
女性が囲碁棋士になるには、男性と同じ採用試験を突破する・女性のみの採用試験で1位になる・院生として所定の成績をおさめたうえで推薦を受ける、の3つのルートがある。
男性と同じ採用試験を突破した女性棋士は、これまでに4人いる。謝依旻はこのルート。
女性のみの採用試験が一番メジャー。藤沢里菜や上野愛咲美はこのルート。
推薦はつい最近始まったもので、女性棋士を積極的に増やす方針らしい。方針が吉と出るかはまだ分からない。
あと、特に優秀な小学生を採用する英才枠があって、第一号になったのが仲邑菫。対男性の戦績も良く、棋聖戦のCリーグ入りを果たしており、これからどんどん活躍すると思う。
どのルートで棋士になっても、デビュー後の扱いは同じ。但し男性と同じ試験以外のルートの場合、最初は対局料などが低い(規定の段まで昇段すると同じ金額になる)。
昇段の規定も男性と変わらない。女性のみの棋戦で勝利しても、昇段に必要な勝ち星にはならないので、男性と一緒の棋戦で勝っていく必要がある。
女性が囲碁を打つ文化は古くからあった。清少納言や紫式部も打っていた。
明治から大正にかけて、現在の棋士制度の基礎ができた当初から、喜多文子や吉田操子といった女性棋士が大きな役割を果たしてきた。対男性の戦績も互角だったという。喜多も吉田も結婚後に囲碁から離れた時期があり、囲碁に打ち込める環境を得続けるのは時代的にも難しかったようだが、その後復帰し晩年まで囲碁の普及に尽力している。
そういうわけで、競技人口や棋力の男女差は、将棋よりもかなり少ない。
若手の棋戦では女性が優勝することもあるし、大きなタイトル戦でも結構惜しいところまでいっている。三大タイトル(棋聖・名人・本因坊)では、リーグ入り一歩手前までいった例や、最下位のリーグに入ってなおかつ残留資格を得た例もある。それ以外の四タイトル(王座・天元・碁聖・十段)では、本選出場する例はそれほど珍しくなくなっている。
あと、海外の例だが、全盛期のゼイノイはほんと強かった。
それでもやはり女性の方が棋力が低い傾向にある理由として言われていることは色々あるのだが(脳の傾向がどうだとか、体力面とか)、ひとつ確実に影響していたのは、勉強の機会だ。
昔はよく、みんなで旅館などに合宿して朝まで打ちまくるというような研究会があった。お互い鍛え合うのに最高の環境なわけだが、じゃあそういう場所に女性が気兼ねなく混じれるかというと、まぁちょっとなかなか難しいというのは想像がつくと思う。
近年、囲碁AIが強くなったことによって、勉強の機会のハンデが埋まりつつある。最近の強い女性棋士はみんな囲碁AIをめちゃくちゃ活用している。男女の棋力差はこれからもどんどん縮まるだろうし、これは将棋でも同じ状況だろうと思うので、今後に期待である。
(追記)
ブコメにお返事。
杉内寿子が今年勝った相手は30代の男性棋士。強い棋士ではない(通算成績負け越しで昇段もあまりしていない)が、それでもすごいことだと思う。
入段のルートで言えばそう見えるけど、入ったあとの違いはない。藤沢里菜は対局料もとっくに満額もらえる段位になっていて、全く違いのない立場になっている。
早くプロになってプロの中で揉まれる方がレベルアップにつながるので、女性枠でいけるのであればさっさといくというのは一つの戦略だ。藤沢里菜が女性枠でプロ入りしたのは11歳6か月で、当時の最年少記録。あと数年あれば男性と同じ枠で入段していたかもしれない。でもさっさとプロになったので、2年後には本因坊戦の予選B決勝まで進出した。これは謝依旻がプロ入りした年齢よりまだ下の年齢だったときの話だ。
どういうルートでプロになったかより、そのあとどう昇段しているか(本文でも触れたけど、昇段は完全に男性と同じシステム)の方が実力が見えるかなと思う。