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2022-07-09

anond:20220706175540

追記あり

囲碁の状況について、外野からちょっと補足。

囲碁棋士は、将棋棋士のおおよそ倍の人数がいる。

もともと採用人数が将棋より多いのと、囲碁には強制的引退制度がないので、結果的に人数が多くなっている。

自主的引退することはできる。また、引退はしていないが対局は休場しているという場合もある。

一方、2017年に97歳で亡くなった杉内雅男は、死ぬ19日前まで現役で対局していた。90歳を超えても勝率5割近くあり、亡くなった年にも複数回勝利している。ちなみに奥様の杉内寿子も棋士で、今年95歳。まだ現役で打っていて、今年に入ってから勝利している。

末端の囲碁棋士は専業では食べて行けず、自営業兼業レッスンプロ兼業している者が多い。

レジャー白書などによると、囲碁ファン囲碁お金を使うという傾向がある(将棋ファン将棋に使う金額に比べて)。

歴史的に、政治家経営者に愛好家が多く、付き合いで打つという文化もあったので、お金を払ってレッスンを受けるという需要がもともとある。また、愛好人口将棋よりも少ないがゆえ、わざわざ碁会所に行って打つ人も多い。なので、レッスンなどで稼ぐ手段将棋に比べて多いと言われている。

無料ネット碁も増えてきたので、こういった傾向はまた変わっていくのかもしれないけど。

順位戦全参加などの対局料を得られる場

囲碁にも昔は大手合という順位戦的なものがあったのだが、負担が大きかったり高段位の棋士が増えすぎてしまったりなど弊害があったので、完全に廃止になっている。


囲碁女性棋士について。

女性囲碁棋士になるには、男性と同じ採用試験突破する・女性のみの採用試験で1位になる・院生として所定の成績をおさめたうえで推薦を受ける、の3つのルートがある。

男性と同じ採用試験突破した女性棋士は、これまでに4人いる。謝依旻はこのルート

女性のみの採用試験が一番メジャー藤沢里菜上野愛咲美はこのルート

推薦はつい最近始まったもので、女性棋士積極的に増やす方針らしい。方針が吉と出るかはまだ分からない。

あと、特に優秀な小学生採用する英才枠があって、第一号になったのが仲邑菫。対男性の戦績も良く、棋聖戦Cリーグ入りを果たしており、これからどんどん活躍すると思う。

どのルート棋士になっても、デビュー後の扱いは同じ。但し男性と同じ試験以外のルート場合最初は対局料などが低い(規定の段まで昇段すると同じ金額になる)。

昇段の規定男性と変わらない。女性のみの棋戦で勝利しても、昇段に必要な勝ち星にはならないので、男性と一緒の棋戦で勝っていく必要がある。

女性囲碁を打つ文化は古くからあった。清少納言紫式部も打っていた。

明治から大正にかけて、現在棋士制度の基礎ができた当初から喜多文子吉田操子といった女性棋士が大きな役割果たしてきた。対男性の戦績も互角だったという。喜多吉田結婚後に囲碁から離れた時期があり、囲碁に打ち込める環境を得続けるのは時代的にも難しかったようだが、その後復帰し晩年まで囲碁の普及に尽力している。

そういうわけで、競技人口や棋力の男女差は、将棋よりもかなり少ない。

若手の棋戦では女性が優勝することもあるし、大きなタイトル戦でも結構惜しいところまでいっている。三大タイトル棋聖名人本因坊)では、リーグ入り一歩手前までいった例や、最下位リーグに入ってなおかつ残留資格を得た例もある。それ以外の四タイトル王座天元碁聖十段)では、本選出場する例はそれほど珍しくなくなっている。

あと、海外の例だが、全盛期のゼイノイはほんと強かった。

それでもやはり女性の方が棋力が低い傾向にある理由として言われていることは色々あるのだが(脳の傾向がどうだとか、体力面とか)、ひとつ確実に影響していたのは、勉強の機会だ。

昔はよく、みんなで旅館などに合宿して朝まで打ちまくるというような研究会があった。お互い鍛え合うのに最高の環境なわけだが、じゃあそういう場所女性が気兼ねなく混じれるかというと、まぁちょっとなかなか難しいというのは想像がつくと思う。

近年、囲碁AIが強くなったことによって、勉強の機会のハンデが埋まりつつある。最近の強い女性棋士はみんな囲碁AIをめちゃくちゃ活用している。男女の棋力差はこれからもどんどん縮まるだろうし、これは将棋でも同じ状況だろうと思うので、今後に期待である



追記

ブコメにお返事。

95歳の女性棋士が同じ様な老齢棋士と対局すれば勝利する可能性は十分ある。

杉内寿子が今年勝った相手は30代の男性棋士。強い棋士ではない(通算成績負け越しで昇段もあまりしていない)が、それでもすごいことだと思う。

謝依旻は「女性棋士だけど藤沢里菜は「女流棋士なのよね。

入段のルートで言えばそう見えるけど、入ったあとの違いはない。藤沢里菜は対局料もとっくに満額もらえる段位になっていて、全く違いのない立場になっている。

早くプロになってプロの中で揉まれる方がレベルアップにつながるので、女性枠でいけるのであればさっさといくというのは一つの戦略だ。藤沢里菜女性枠でプロ入りしたのは11歳6か月で、当時の最年少記録。あと数年あれば男性と同じ枠で入段していたかもしれない。でもさっさとプロになったので、2年後には本因坊戦の予選B決勝まで進出した。これは謝依旻プロ入りした年齢よりまだ下の年齢だったときの話だ。

どういうルートプロになったかより、そのあとどう昇段しているか(本文でも触れたけど、昇段は完全に男性と同じシステム)の方が実力が見えるかなと思う。

2018-01-29

anond:20180128113408

ところが、明治の初期に喜多文子司馬遼太郎の『胡蝶の夢』の主人公の一人である島倉巳之助(司馬稜海)の娘)によって、囲碁界の女性棋士は相当早期に復興してるのよね。

 
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