はてなキーワード: 蜘蛛とは
夢を見た。かなり長いが、覚えているのは断片だ。夢なので、理路などあったものではない。覚えているママを書きだす。
それは小学校のクラスメートのような性格でも、間柄でもなかった。
もう一人、別の小学校の知り合いの女性と一緒だった。転勤で引っ越す前の女性だ。家は近くで、家に上がって遊んだこともあった。男女の会話がないクラスも何回かは経験したが、小学校、中学校でそういうクラスに突き当たったことはない。
夢ではただ、キスをして、同意の上で互いの尿を混ぜて飲み合ったり、身体を撫で回したりした。また、祭ということもあって、いろいろ食べ歩いた。会話が楽しかった。
(余談だが、職場では若い男女が少なく、大して会話もしないので、この夢はとても新鮮だった。)
セックスできなかったのは、ちょうどいいベッドが、巨大な水槽の中にあり、水浸しになっていたからだ。
その水槽をどうにかするために、単独で幼い記憶にある景色(小学校の通学路)を行ったり来たりしていた。
何も為せずに水槽に戻ると、合唱部の女性が水槽の中の魚をそこらへんにぶちまけていた。イカとアジは水の外に出てもなお、水を得た魚のように泳いでいった。サメは都合よく死に、他の魚は水槽の外に出るや蜘蛛の子のようにたちまち姿を隠した。
他にもいろいろ覚えているが、言語化するには情報が不足している。
また、はっきりとした夢を見たら、書き出したい。
どうも、学生時代に会った女性が夢を見ると、記憶の残りがいくらか長持ちする。
これは男性特有なのだろうか?女性なら、男性の記憶の方が残る?
歯がボロボロに抜け落ちる夢も見たが、夢占いはことごとく外れている。
しかしそういう夢は他の人も見るからこそそういう謂れが出てくるのだろう。実に興味深い。
http://anond.hatelabo.jp/20110813090446
前に書きだしたもの
お前食い方が賢くないっていうかなんかおかしいよ
朝ちゃんと食ってもいいだろ
昼がなんで940カロリーもあるの?
品目の脂分とか考えてる?
なんで無意味にご飯完食してるの?
あと
摂取カロリー1930で痩せないなら
そんなの俺の基礎代謝ぐらいだわ
で、一食400とか馬鹿なこと言ってるけど
1200ったら女でも基礎代謝ギリか切ってるわけだけど
見た目を良くしたい?きたなくなるよ
体温は落ちて免疫低下、
肌はガサガサ髪はパサパサ体の各部が悪くなって老化進行みたいな状態になる
綺麗になった奴や健康になった奴なんか皆無だ
普通のまともな本を読んで、書いてある事は守ろうね
藤崎竜は封神演義の犯人、山口貴由は駿河城御前試合の犯人、石川賢は山田風太郎の犯人、しからば東方は?
うわぁ・・・これは風評被害だらけですね。たまげたなぁ(驚愕)
大傑作ですよ、これ。
最初は「おれは新世界の神になる!」とかイッちゃってるヤンデレな妹に殺されかねないくらいに愛されて困っちゃうお兄ちゃんの話かと思いきや、それが軸ではあるんだけどその周りにくっついてきてるモノの量が半端じゃなくもうお腹いっぱいなのについついジャンボパフェをいくつも食べてしまうような気分になった。あとから考えるとどう考えてもギャグにしか聞こえないのに本気だし本気だと思わされてしまうところもすごい話だった。
まず、各ヒロインがとても濃い。
正義のためなら自分の肋骨や腸をえぐり出して攻撃することも厭わない正義感少女とか、生まれつき生き物を殺すことが大好きなフリークスなのに人間世界の論理というものをちゃんと理解してそれと折り合いを着けているけど論理的に一般大衆の敵だと判断したが最後笑顔でマシンガンをぶっ放すおねーさんとか、どう考えてもツンデレです本当にありがとうございましたな蜘蛛の人とか。
次に、主人公がとっても重い。
厄介な呪いにかかってしまったことがきっかけで大量殺人者としての人生を歩むことを余儀なくされてしまったのに、自己肯定をカケラもしない。全部俺が悪いんだの一点張り。でも決していじけたり投げやりになったり狂うことに逃げることはなく、目的を果たすまでは殺人者としての道を外れられないけどそれを果たしたら法のもとに裁かれることを唯一の希望にしている、そんな人。
もうね、そんな主人公にベタぼれ。根暗で無愛想で人付き合いが下手ででもいつだって誠意を忘れない。そしてそんな人だからこそ、自分の罪から逃げられなくてどうしようもないところをぐるぐるぐるぐる何時までも回ってる姿を見て、言葉が変かもしれないけどいとおしさを感じる。はい本当にベタぼれです。あと声が好き。
で、こんな主人公が各ヒロインに関わることで自分の罪と贖罪の道に答えを出すのだけれど、それがまたすごい。
主人公は自らを悪と認め人を殺すことはどんな理由があれども悪でしかないとの答えを出し、世のために正義の名を掲げて悪を打ちこの世に希望を取り戻したい正義感少女と真っ向からのガチバトル。
殺人狂のおねーさんに復讐対象とみなされ断罪され殺されることに生きる希望を見出し、そのおねーさんの腕の中で安らかに殺されるとか。
ツンデレな相棒にあんたも所詮フツーの男でしょやったこと全てに責任を負える立派なすごい男じゃないでしょーが!とグリグリされて罪を償えなくとも生きていること自体に価値を認められるようになるとか。
そしてヤンデレかと思いきやまるっきり正気だったのがすっげー怖い妹関連もすごい。天下に武を布き『強いヤツがえらいヤツ』という世界をつくりだしてその世界で全ての人類に勝ち、神様になりたいなどとのたまっている妹さん。こんなとんでもない考えをどうして実行したいのかというと、その理由はひとつ。「父に愛されたい」という想い。妹曰く、父は人の法によって自分から奪われてしまった、では神になって神の法を布けば父は自分のもとに帰ってきてくれるはず、とのこと。今お前の前に父親を引きずりだしてきたらどうだと訊いても、そんなのは人類の意思に負けた偽物の父親が出てくるだけだからダメだと。んで、いろんな人の思惑の手助けもあって最後には本当に神様になってしまう妹すげー。そしてそこまでやったけれども願いがかなわなくて、でも満足して死んでいった妹すげー。
それと上から目線になってしまうけれど、物理もしっかり理解出来ているのがシナリオの随所に見られてちょっとニヤッとしてしまった。重力を操れるということは時間と空間も操れることだということが分かっていたり、創気、辰気、磁気とが強い力、弱い力、電磁気力にしっかり対応していたり。
いろいろ語りたいんだけどうまく言葉にならないことが多い。序盤に消えた悪役が最後の一歩手前で黄金の巨人になって再登場するゴッド右京とか、朝廷、幕府、GHQの三竦みの構図かと思っていたら実は違ったでござるとか、ばばあー!結婚してくれー!!とか、自分が実はマゾだということを鬼畜主人公に萌えたことで悟りましたとか、裏ボス殺しちゃったらゲームオーバーとか。
増田はステキだね。自分のブログには恥ずかしくてかけないこともこの場なら書ける。ここまで駄文に付き合ってくださった方、ありがとう。
空を貫くがごとく吃立した巨大な肉棒が、日の光を受けてビル群の一角に広大な影を投げ込んでいた。
人々は我先にと蜘蛛の子を散らすように逃げ惑い、悲鳴と怒号がこだまするその様子に冷静の二文字はなく、街は混乱の極みに陥りつつあった。
肩をぶつけ逃げ走る人々の流れに逆らい、肉棒と相対するように空を見上げていた少女が、こぼすようにつぶやく。
その言葉に感応するがごとく、巨大な肉棒がびくりと脈動した。
地が揺れ、空気が揺れ、悲鳴は増幅され、人々はさらに深く混乱へと誘われる。
どこかでビルが倒壊したのだろうか、少女が爆砕音のした方へ視線を向けると、積乱雲のような土煙の塊が膨らみ立ち昇っていた。
視線を肉棒へ戻すと、今にも張り裂けんばかりに怒張した肉棒、その丸く膨らんだ先に、玉のような我慢汁が浮かんでいた。
――まるで、宝石のよう。
少女は、この世の地獄ともいうべき忌まわしき状況において、こんな場違いな想像をした。
天を衝く巨大な肉棒の先にある、宝石のような玉。この非日常的な状況におけるからこそ、少女は混乱の渦中にある美しいものに気がついたのかもしれない。
今この場所この状況において、少女と肉棒は確かに美しかった。
肉棒がひときわ大きく反り立った。
瞬間、肉棒の先から練乳を思い出させる白濁液がほとばしり、太陽を覆い隠した。
まるで津波が襲来したかのようだった。あるいは神話で語られるノアの方舟の洪水か。
ごぷりごぷりと音を立てて街と人々を飲み込んでいく白濁液は、世界の終焉を思わせるほど、絶望的で創造的であった。
その光景を見つめ続けていた少女が最期に見た光景は、追い寄せる白濁液の波の後ろで、先ほどとは打って変わってしなびれた肉棒の姿だった。
視界に真っ白なとばりが落ちて、やがては思考も痛いほどの白さに飲み込まれていく。
そこそこ主体性のある (能動的にデート先決めて、旅行の計画して、役所の手続きとかやってくれて頼り甲斐があるけど、俺様じゃなくて押し付けがましくない)
タバコはしないけど酒は飲めて (タバコは嫌い。あと自分かなり飲むので同じくらい強くて、一緒に酒を飲んで楽しい人で、酒の上での失敗も許してくれて)
人の話をちゃんと聞けて (私の愚痴にいつでも嫌な顔をせずに付き合ってくれて。あと、それなりの教養があって話が面白い人で)
偏食じゃなくて (食の趣味が子供っぽい人ってワガママだったりマザコンっぽいから嫌だし、大人の美味しいお店もちゃんと知っててご馳走して欲しいし)
私の代わりに蜘蛛を退治してくれて (蜘蛛以外にも、私が困ってる時にいつでも助けてくれて。例えば街でヤンキーとか絡まれた時にもちゃんと対処してくれて)
怒りっぽくなくて (亭主関白じゃなくて、私に主導権を与えてくれて、もし私が将来出来心で浮気したとしても殴ったりせずに、辛かったんだね、って言ってくれて)
仕事をしてるときがカッコイイ (誰に言っても恥ずかしくない有名一流企業に務めていて、もちろん会社の中でも出世頭で仕事が出来て、高収入で安定してる人)
http://anond.hatelabo.jp/20100131173826
「ぜぜぜ、全然大丈夫だよ! よ、良かったら俺なんか、ど、どう……?」
的なアピールが渦巻いていて笑えた。
安心しろ。
仮に、この子が本当に普通に可愛くて、書いてある通りのスペックなら、今まで恋愛相手をしっかり
選んで来た上での処女だから、すぐに交際相手のレベルなんて落とせないから。
たぶん、()の中が本音な。
そこそこ主体性のある (能動的にデート先決めて、旅行の計画して、役所の手続きとかやってくれて頼り甲斐があるけど、俺様じゃなくて押し付けがましくない)
タバコはしないけど酒は飲めて (タバコは嫌い。あと自分かなり飲むので同じくらい強くて、一緒に酒を飲んで楽しい人で、酒の上での失敗も許してくれて)
人の話をちゃんと聞けて (私の愚痴にいつでも嫌な顔をせずに付き合ってくれて。あと、それなりの教養があって話が面白い人で)
偏食じゃなくて (食の趣味が子供っぽい人ってワガママだったりマザコンっぽいから嫌だし、大人の美味しいお店もちゃんと知っててご馳走して欲しいし)
私の代わりに蜘蛛を退治してくれて (蜘蛛以外にも、私が困ってる時にいつでも助けてくれて。例えば街でヤンキーとか絡まれた時にもちゃんと対処してくれて)
怒りっぽくなくて (亭主関白じゃなくて、私に主導権を与えてくれて、もし私が将来出来心で浮気したとしても殴ったりせずに、辛かったんだね、って言ってくれて)
仕事をしてるときがカッコイイ (誰に言っても恥ずかしくない有名一流企業に務めていて、もちろん会社の中でも出世頭で仕事が出来て、高収入で安定してる人)
ってことなんだよ。
どう、全部条件に当てはまった?
でなければ、メンヘルか引きこもりか極度に社会性が低い子なんだろうね。
一番高い可能性は、自分では悪くない顔だと思ってるけど、客観的に見たら顔の偏差値がかなり残念な場合。
親に愛されて、カワイイカワイイって育てられた子に結構多いよ。
メールアドレスとか貼りつけそうなくらい、いちいち盛り上がるなよ。
見てて辛いから。
結婚できるかなあ。24で結婚したいと思ってるから、あと2年。
結婚は人生の墓場なんていうけど、やっぱり避けて通っちゃいけない所だと思う。
赤の他人と同居して、他人を理解して、受け入れて、生活していく。
間違いなく大変。でも、その困難を知って乗り越えてこそ一人前だと思うんだよ。
それに大変なだけじゃなくて、良い事だってある。家庭が作れる。
私が育ったのは両親が作った家庭。いつでも帰れる安心できる場所。
私はそこから独立して、今度は自分で家庭を作りたい。自分で最高に過しやすい安心できる場所を作りたい。
そして、頼れる人が欲しい。親はいずれいなくなってしまうんだし。
そしたら私もその人に頼られても大丈夫なように、シッカリ自立しないとね。
子供…は、まだ欲しいとは思わないな。友達を見てると幸せそうだから、いたらいいなとは思う。
でもまだきちんと躾けられる自信がない。
そのためにはまず相手だ。結婚相手がいないと何も始まらない。
婚活して探せばいいのかな。
だーれかー!
人の話をちゃんと聞けて、偏食じゃなくて
私の代わりに蜘蛛を退治してくれて、怒りっぽくなくて
仕事をしてるときがカッコイイ、一緒にTVゲームしてくれる人いませんか!?
私、接客でバイトできるくらいのそこそこの器量ですし
頭も中くらいですし、家柄も平民で悪くないです!
私口数少ないので、おしゃべりな人大歓迎です!
あとBカップで黒髪ロング(毛先巻いてるんでストレートじゃないけど!)の処女です!
結婚してくださいー!!
うーん…やっぱり不安だなあ。
優しさは、このリアルな時代に、人間が唯一使える魔法なんだと思う。
ということに、気づいてしまった。
昨日まで、僕は優しさのことなんて、ちっともスゴイと思ってなかった。
なんていうか、優しさなんて、ある意味、人として当然のマナーだったり、
もっといえば、なんかちょっと胡散臭くさえあるような、
それでいて、どこかインパクトに欠けるというか、
どこも褒めるとこのない人に、とって付けてしまえるような、
そんな取るに足らないものだと思ってた。マクドナルドのスマイル0円的な。
ところが、僕は、昨日色んな人に色んな形で優しくされてしまった。
というのも、僕が突然、電車というアウェーで気分が悪くなるというような、
ありがちな、それでいて、実際にはそれ程ないがちな、そんな舞台に躍り出てしまったわけで、
そして、僕は色んな人に、優しくされてしまった。
まず、もう、すごい気分が悪くて、吊革につかまってんのがやっとみたいな状況になったとき、
一人目の優しい人が、席を譲ってくれたわけだ。
終電間際で、みんな疲れていて、絶対立っていたくないであろう、そんな状況で、この優しさ。
優しさの不思議なところは、それを使うことによって、得をしない、ある意味、損すらする。っていうことだ。
なのに、生まれる。
どっからともなく、優しさを操る人が現れる。
僕は、まあ、優しくされて、ゼロの状態から座席を突然、手に入れた。
で、座ってたんだけど、もう気持ち悪くて気持ち悪くて気持ち悪くて、吐いた。
ちょっとではあったけど。
半径15センチくらい。
でも、もう大抵の人は普通の人間だから、わーって蜘蛛の子散らしたように、避けていくんだけど、
正直、気持ちわかる。僕だったら、ほんと舌打ちとかしてしまっててもおかしくない。
そんな中にも魔法が使える人がいて、
すごい、二人目の魔法使い!って思ってたら、
いや、実際、いっぱいいっぱいで、そんなこと思ってなかったけど、
したら、今度は別の人からティッシュまでもらったりして、
つーか、横に座ってたオッサンなんか、俺の背中をさすってくれたりして、
もーどこの魔法の国だよ、ここ。
で、一回吐いたあとも、やっぱすげー気持ち悪くて、
フラフラと次の駅で降りたら、びっくりすることに倒れたみたいで、
したら、これまた全然知らない高校生くらいの若いお兄ちゃんたちが、何人かで肩を貸してくれて、
もうね、そんな若くして、魔法使えるの?って思って、
で、運ばれた救護室みたいなとこでは、駅員のオジサンに毛布みたいのかけてもらって、
もー、ディズニーランドよりマジカル。
というか、しばらく帰ってもないのに言えたようで、
父親が血相変えて迎えにきてくれた。
で、久しぶりの実家で、母親や、弟たちにまで、さんざん看病してもらって、
なんつー魔法使い一家と思いながら、
寝て、起きて、今、これを書いている。
あと、仕事鞄が何だか出っ張ってるので、覗いてみたら、自分の買った覚えのないエビアンまで入ってた。
そういえば、倒れた時、誰かが「水飲め」みたいなこと言ってたなと。
僕はうろ覚えで「吐きそうで飲めない」と言った気がする。
僕はそんな名も知らない人が、すばやく自販機で、名も知らぬ僕のために水を買ってくる様子を想像して、
涙が出た。今頃。どうか、お名前だけでも。
僕は、昨日見た魔法使いたちを全然知らない。
運んでくれた若いお兄ちゃんたちに「ほんと、こんな親切にしていただいて」みたいなこと、
とぎれとぎれに言ったら、「いやー、人として当然でしょ」的なことを言われたけど、
もーね、人じゃないから!と言いたい。
君たちは魔法使いなんだよ!魔法を使ったんだよ!と教えてあげたい。
それに引き換え、僕の魔力はどうだろう。
僕のMP、よく見たらめり込んでないか?
ああ、僕も魔法使いになりたい。
傘を貸してあげたい。
「132ページの4行目からだよ」って教えてあげたい。
ここは俺に任せて、おまえは先を急げ!って言いたい。
席があったら譲りたい。
捨て猫がいたら拾いたい。
魔法使いになりたい。
少し前から一つの疑問を抱き続けているのです。果たしてそれが常識的なことなのか、私が知らなかっただけなのか。そして、その疑問から浮かび上がる私の感情を、もしそれが嘘ならば、いったいどこにぶつければいいのか、全く判らないのです。
自分の運営しているブログに書こうかとも思ったのですが、素性が知られているし、それまでのエントリーとはあまりにかけ離れた、異質な内容になってしまう。匿名で書きたいのなら、それこそ2ちゃんねるでも良かったのですが、茶化されて終わりそうな気がして、踏ん切りがつかず、迷った挙句、こうして匿名ダイアリーに書くことにしました。疑問とは妻のことです。
二十歳のころに大学で知り合った彼女は、少し大人しめな印象を受けました。遊びが主体のサークルとしては珍しく、彼女はいつも部屋の隅で本を読んでいて、時折起こる笑い声に、長い黒髪の奥からチラリと目を向ける程度でした。
ただ、他のサークルの仲間から疎んじられていたかというとそうでもなく、皆で何かを決めている時に、勢いだけでやってしまいそうなところに疑問をぶつけ、話し合いの方向性を正すようなところがありました。そんなことから、彼女は仲間内から「一目置かれている」という形容が一番似合うような立ち位置にいました。
彼女と最初に話をしたのは、飲み会の席での事でした。私はあまり人付き合いが得意な方ではなく、騒ぐことが好きな仲間たちとはあまり上手く馴染めませんでした。
しかし、たまたま隣に座った彼女の雰囲気。真綿で優しく包まれているような雰囲気にひかれていき、ぽつりぽつりと、私は彼女と話すようになり、彼女もまた、ぽつりぽつりと、私に話をしてくれました。
以後、私と彼女はサークル内で、二人だけで話すことが多くなり、自然と一緒に外出し、当然の成り行きのように付き合い始めました。
初めて彼女とセックスをした夜のこと。とても崇高な時間を過ごした後の、穏やかな流れの中で、彼女は私の顔を覗き込み、微笑みかけてくれました。枕元の照明から放たれる、淡いオレンジ色の光の中での彼女の笑顔は、まるでこの世のすべてのようでした。
卒業後、仕事も決まり、この不景気の中、何とかやり通せる見通しがついた時に、私は彼女に結婚を申し込みました。彼女はそれを快く受け入れてくれました。文金高島田に髪を結った彼女は別人のようで、私は少し恐ろしくなりましたが、そのあとに投げかけられた水面のような目線に、私はすっかり取りこまれて、気が付くと式は終了していました。
結婚生活は順調だったと言えるでしょう。郊外のマンションに新婚が暮らすくらいにはちょうど良い間取りの部屋が見つかり、私たちはそこに住んでいました。やがて産まれてくる子供のために取ってある、がらんとした部屋も、私にはなんだか誇らしく感じられました。
結婚生活に不満を感じていたことがあるとすれば、食事のことでしょうか。一緒に暮らすまでは判らなかったのですが、妻はあまり料理が得意ではないようなのです。味自体はとても良いのですが、なぜか毎回、食事を口に運び咀嚼していると、糸のような歯触りを感じてしまうのです。私はあまり細かいことにこだわらないタチだし、それを感じるたびに「糸くずでも入ってしまったのだろう」と、そのまま飲み込んでいました。
そうした生活を続けていたある日の朝。いつものように糸を租借した私は、用意を整え、玄関で靴を履いていました。見送ってくれる妻を背中に感じ、立ちあがって振り返ると、妻の肩に妙なものが生えているのを見つけました。
何かのトゲのような、爪のような。うっすらと毛が生えているようにも見えました。
私の視線を感じ取ったのか、妻は恥ずかしそうに肩に手を置き、「もう、やだ」と笑いながら洗面所に向かっていきました。一人玄関に残された私は、先ほど見た妙なものを頭に浮かべながら、「行ってきます」と部屋を後にしました。
電車の中、仕事中、あの爪のことが思い出されました。彼女の肩にひっそりと置かれていた、黒く光るその爪は、しかし私は見間違いだろうと、思い出すたびに打ち消しました。
仕事から帰ると、いつもと同じ妻が出迎えてくれました。私は少し、ホッとしました。
不景気のせいでしょう、その頃の私は毎日サービス残業を強いられており、彼女にはいつも先に夕飯を済ませるようにしてもらっていました。
白い蛍光灯の下で浮かび上がる食卓に、電子レンジのメロディーが流れるたびに、おいしそうな食事が運ばれてきます。私がレンジ特有の暖かさに満ちた食事を口に運ぶのを、彼女はいつもそうしているように、ほほ笑みながら見つめてくれていました。
「おいしい?」
と、彼女が珍しく聞いてきてくれました。彼女が自分の料理に感想を求めるなど滅多にない事で、私はここぞとばかりに褒めちぎりました。テレビレポーターのような私の口調に、彼女は今朝玄関で見せたような、恥ずかしそうな笑みを浮かべてくれました。
「いいもの、見せてあげようか?」
芝居がかった口調で、彼女は言いました。予想外の言葉に私が戸惑っていると、彼女はおもむろに席を立ち、自分の着ている服を脱ぎ始めました。セックスを誘っていると思ったのですが、そのような誘惑を彼女がするとは思っていなかったので、私の戸惑いは増していき、思わず立ち上がって制止しようとしました。
彼女は私を言葉だけで止めてしまいました。産まれて初めて聞いた、ハッキリとした否定の言葉は、私を母親に叱られた子供のような、とても悲しい気持ちにさせました。私は立ち止まり、ブラジャーを外す彼女をただじっと見つめていました。
「あなただから、見せるんだからね」彼女は露わになった乳房を隠しもせずに、ついと私に背中を向けました。白い光に浮かび上がった彼女の背中は、峰のように白く輝いていましたが、そこに私は八つの黒い点を発見しました。それは規則正しく並び、肩甲骨から尾てい骨に向けて弧を描き、背骨を囲むようにして左右に四つずつ付いていました。爪でした。
私は、今朝見た黒い爪が彼女の背中に並んでいるのに気付くと、目を開き、そっと近づいていきました。右手の人差し指で軽く彼女の白い肌に触れます。ビクンと体を震わせた彼女の背中を伝って、私の指は爪に触れました。冷たくて、すべてを拒むようなその爪は、彼女の体の中から、新芽のように浮きあがっていました。
「女の子はね」妻は説明をしてくれました。「女の子は、生理が始まると同時に、こうして背中から脚を出せるようになるのよ」
「脚?」
私が問い返すと、彼女は背中にグッと力を入れました。すると爪は震えだし、ゆっくりと、彼女の肌を掻き分けながら伸びていきました。それには関節があるようで、二度ほど肌を隆起させ、折れ曲がった部分を現わしていきました。
やがてできったそれは、彼女の言うように見事な脚でした。硬くて黒い外骨格は、表面に透明の産毛をなびかせて、彼女を包み込むようにして生えていました。
彼女はくるりと振り返り、優しく包み込むような、それでいて誇り高い視線を私に向けてきました。それに射られると私は、電気で打たれたように、彼女を強く抱きしめました。彼女は背中の脚で私を抱きとめてくれました。
以降、彼女は、マンションの部屋の中では脚を伸ばしっぱなしにすることが多くなりました。彼女によると、それを背中にしまっているのはとても窮屈らしく、私が仕事に出ている時などはそうして、足を伸ばして休めていたそうです。女性は皆そのような脚を持っているそうで、女だけの空間では、気が抜けて、爪がうっかり顔を覗かせていることもままあるようで、それを指摘すると大抵、笑いが起こるとのことです。
「当たり前のことよ」と彼女は言いました。「あなたが知らなかっただけ。女の間では当たり前すぎて、普段話題にも上らないわ」
ある日曜の昼下がりなど、私が個人的な買い物から帰宅すると、彼女は上半身裸で、胸をあらわに、脚を伸ばし放題に伸ばしながら掃除機をかけていました。面喰っている私を見て、彼女は掃除機を止めて「お帰り」と何気ない口調で云ってくれました。
そして、彼女のことを知った日から、セックスがそれまでと比べて何倍も楽しくなりました。
私たちはいつも正上位で事を為すのですが、私が上になって彼女の中に入り、覆いかぶさるようにして腰を動かしていると、彼女の背中から伸びた足、その爪が、私の背中をカリカリと引っ掻くのです。時に優しく。時に、傷ができるほど強く。私がその痛みに苦悶しながらも、セックスの快楽を止めることができず腰を振っていると、彼女は上気した顔で、艶めかしく、嬉しそうに笑うのです。その顔を見た私はさらに興奮し、彼女の爪もまた、私の背中を強く掻き、いつしか快楽と痛みが混ぜあわされ、同一となったところで、私はいつも果てるのでした。そんな私を彼女は、脚と腕で優しく抱きとめてくれる。それはまるで、母の中にいるような気持ちでした。
そうして私は、いつしか彼女の足に掻かれるだけで、ひどく興奮してしまうようになってしまったのです。
私は床にひざまづき、椅子に座っている彼女に見下ろされながら、自慰行為にふける。彼女は私を見下しながら、背中の脚で体中を引っ掻いてきます。胸を、腹を、背中を。私の体は蚯蚓腫れだらけになり、会社のトイレでズボンを脱いだ時に思わずその傷を目に留めてしまい、興奮し、一人でしてしてしまったこともあります。
ただ、私は彼女の言葉に信じることが出来ない部分があります。それは、「女の子ならだれでも脚を持っている」という部分です。本当にそうなのでしょうか。今まで私は生きてきたけれど、そんな話は聞いたことがないし、もちろん見たこともありません。私はこれまで妻一人しか経験がないので、他の女性の肌を見ることが叶わなかったのです。
「誰にも言ってはダメ」と、彼女は最初の晩、初めて脚を出しながらセックスした時に言いました。「これは私たちだけの秘密なの。もし男の人にバレたら、それを知っていると知られたら、大変なことになる」
しかし、私はどうしても知りたくて、こうして匿名で筆を取らせていただきました。
最近、朝の通勤電車に灰色のブレザーを着た女の子を見かけます。近所の女子高生であろう彼女は、毎回私のマンションの最寄駅から二つほど行ったところの駅で降り、私の会社の最寄駅から三つほど離れた駅で下りていきます。ある日、たまたま仕事が早く終わって家路についている時、彼女が部活仲間らしき子供たちと一緒に乗ってきたことがあります。私はマンションの最寄駅から二つほど手前の、彼女の最寄駅で降りて、彼女の後を追いました。ボブカットの黒い髪と、健康そうな肌が私の目には瑞々しく映りました。彼女は私の見ている前で、自宅へと帰って行きました。
彼女にも脚があるのでしょうか。妻の言い分が本当だとするならば、彼女もあの艶めかしい脚を持っていることになります。彼女の脚の爪に引っ掻かれることを思うと、私の体は火をつけたように熱くなります
夢を見た。
十年前初めて会った時にちょっと好きになって、その後会うたびに好きになって。でも彼女いるからそっとしていたら、その彼女と結婚して。でも結婚して四年たった去年から、また私と二人で会うようになったFくんの夢だ。
夢の中で、Fくんと例の展覧会に行く約束をしている。でも展覧会に向かう道の途中で迷っていたら、同じように迷っているFくんに会った。二人で迷っていると、おばさんが道を教えてくれる。教えてくれたのは、暗い神社の階段に続く不気味な道だった。Fくんと一緒に不気味な神社を通り抜け、不気味で狭い石の階段を降りていく。道には蜘蛛の巣がはっていて、私は手で払いながらFくんと歩いていく。階段の下に何が見えたのかは分からない。結局展覧会には行かれなかったのじゃないかと思う。
そんな夢から目が覚めた昨日の朝は、夕方にFくんと例の展覧会に行くために待ち合わせしている日だった。
Fくんと会えるのはいつもとても楽しみなのに、どうも気分が乗らない。準備をするのが遅れる。でも夢の中とは違って、私は迷わずに行き慣れた待ち合わせ場所──展覧会の会場に着いた。遅れているFくんを待ちながら、夢のことを思い出していた。そして、きっと今日はついに、「どこか」「不気味な場所」へ、二人で行ってしまうような気がしていた。
展覧会を観終えて、食事と飲みの後、夢の中で見た暗い神社とすごく雰囲気の似た場所に行った。
暗いホテルの部屋だ。
私がこの想いの果てに望んでいたのは、Fくんと関係を持つことだったのだろうか?Fくんはどうだったんだろう?よく分からなかったけれど、何だか噛み合わずに最終段階に至る前に途中でやめてしまった。
結婚を控えている私も、結婚している彼も、相当な犠牲を払ったし、払わせていたのに、暗いホテルの部屋でのすべてが、幸せからは到底かけ離れていた。こんな「蜘蛛の巣のはった」「暗い階段」を「一緒に降りる」ために、今までの十年間の優しい関係があったわけではない。ひどく不気味なところに行き着いてしまった。
誰かを好きになる気持ちのクライマックスが、あんな不気味なことにしかならないのならば、人を好きになっても仕方ない。
階段の下には何があったのだろう。きっと、天国は下にはないはずだ。だから、途中で止まってよかったのに違いない。そして、いつも明るい君にあれ以上暗い階段を降りることをさせなくてよかったと思う。
もうきっと道を迷うことはないだろうし、下り階段には近づかない。今まで通りたまに明るい場所で会って、笑顔とくだらない話で交わろう。──少し気持ちが落ち着いてから。それこそが、一番、この想いがかなっている幸せを感じられる時間だったのだから。
ふう。少し整理できた。もう考えるのやめよう。
「憎いよつんく!この後一曲目がモーニング娘。の新曲“ハッピーサマーウェディング”なんですけど、もう目の付け所が銭だね!番組でプロデュースコーナーやるんで参考にASAYANを見てたんですけど、この曲って今まで結婚式で新婦のお友達のOL達が歌っていた“てんとうむしのサンバ”利権を根こそぎ奪って『黄金色のモチじゃ!モチじゃ!』って…俺は何で音楽業界を泥臭い話でしか語れないのかが良く分からないんですけど。」
「いや違う違う、全国の幸せな瞬間に自分の歌が流れる喜びか?しかし…如何にも『サッ子は職場のアイドルで、私達に振りまいてた明るさを…明るさがタカ君だけの物になるなんて少し羨ましいですけれども』ってなんかもういい話じゃないですか。そりゃあね、車庫から俺の特別仕様の8tバキュームコンボイが出てくる映像が克明に頭に浮かんできますよ!」
「OL時代の友達が3、4人配置に分かれて、ホテルマンがそれぞれのマイクの高さを調節し、カラオケの最初の何章節かが流れ始めますわな。その瞬間、俺の車庫でスポットライトが点灯し重厚なエンジン音が響き渡り!自動車庫のシャッターが途中まで開きかけた所でバキュームコンボイがシャッターを突き破って出てきますよ!物凄いスピードでフォーミュラ用のタイヤが唸りを上げながら火花を飛ばし、角のゴミ収集場のポリバケツをふっ飛ばしながらめざすは結婚式場!」
「やっと歌い出す段階で既にホテルの入り口ですよ!『そのスピードで駐車場は無理です!』と言いながら警備員のおじさん達が蜘蛛の子を散らすように果てたところで、サイドブレーキをガツーンと後輪ロック!扇を描くように車体が回転しながら1階大宴会場に横付け!『ハッピーウェディング!ハッピーウェディングでございます!』と逆墳ボタンをボチィ!あまりの急制動に頭がフロントガラスを突き破り、額を血で染めながらも『結婚おめでとう!』」
僕はビートたけしが大好きで、著作は、絶版になったものまで探して読んでしまう。映画は、北野武監督作品では『その男、狂暴につき』しか見たことがないんだけど、近いうちに全部見ようと思っている。『オレたちひょうきん族』のビデオとか、『オールナイトニッポン』のテープも、どうにかして手に入れたい。
この間、こんな夢を見た。
ビートたけしがヤクザの組長で、僕がたけし組長の運転手、ということになっていた。一丁前に、ベンツ(ベタだけど、夢の中でも“ヤクザ=ベンツに乗る”ということになっている)なんか運転させてもらっている。たけし組長は黒いスーツにサングラス。後部座席に座っている。顔がルームミラーに映っていて、すごい迫力。映画『HANA??BI』のビートたけしだ。ちょっと怖いけど、かっこいい。なんだかうれしくて、自然に背筋がピンと張った。ていねいに運転しようと思った。
「おい、おまえ。暇だから、そこのコンビニで適当な文庫本、2,3冊買ってこい」
「はい」
車を路肩に駐車して(なぜかコンビニの駐車場ではない)、小走りにコンビニに入って、急いで本を選んで、レジに持っていった。愛想のない店員が、レジを打っていた。動きもダラダラと面倒臭そうだし、あげく、文庫本の値札シールをはがすのに失敗して、本に汚いシールの跡をつけた。それなのにまったく表情を変えず、気に留める様子もなく、そのまま袋に入れようとしている。あんな汚い本を持っていったら、たけし組長に怒られる。もしかしたら殺されるかも…。
「馬鹿!おまえ、なにしてんだよ!シールの跡、汚ねえだろ!」僕は今、運転手とはいえども、ヤクザの一員なんだから、躊躇せず、すんなり文句が言えた。「なんとか言えよ!」
「あー」店員は相変わらずの無表情で、「あーすいません」
かなり頭にきたけど、外にはたけし組長を待たせている。モタモタできないし、相手にするのをやめた。
「覚えてろよ!」
コンビニを出て、車に戻って、
「組長、聞いてくださいよぉ。コンビニの店員のやつが…」
と事情を説明すると、たけし組長は、
「よし。今晩、やるぞ」
かっこよかった。
その夜、数台のベンツで、そのコンビニの前に乗り付けた。店員を脅しつけて、全員縛り上げて、店を締め切った。なぜだかわからないけど、そのコンビニの奥のほうには、畳敷きで床の間のついた和室があって、宴会用の長いテーブルまで置いてあった。売っている商品も魚の切り身とかが多くて、コンビニというよりもスーパーの食料品売り場のようだ。
店の商品を使って料理の準備をし、いや、気がついたらもう準備されていて、たぶん組員であろうスーツ姿の人たちが20人くらい席についていた。よく見ればそれはたけし軍団で、見たことのある顔ばかりだ。すぐに宴会らしきものがはじまった。
何時間かが過ぎて、宴会がほどよく盛り上がってきたころ、突然、警察が踏み込んできた。みんな、蜘蛛の子を散らすようにパーッと逃げた。オレも逃げなきゃ、と思ったけど、なぜか逃げ方がわからなくてオロオロしていた。その時、グレート義太夫が、裸に白いブリーフ一枚という姿で、両腕を上げて、「ワーッ!」と言いながら、窓から庭(なぜかコンビニに庭がある)へ逃げていった。それを見て僕は、なるほど、あんな風に逃げればいいんだ、と思って、義太夫さんのあとを追おうとしたんだけど、いくら探しても靴がない。そんな非常時に、なぜ靴を探そうとしたのかわからないけど、靴を置いて逃げることがやけに心残りで、ギリギリまで探していた。だけど、どうしても見つからなくて、仕方がないから裸足で庭へ出て、走って逃げた。
そこでいきなり場面が切りかわって、僕は車の助手席に乗っていた。車を運転しているのは、なぜかうちの母。場面はかわっても、なにかから逃げていることに変わりはないようで、山の中の峠道を、すごいスピードで走っている。なにしろすごいスピードだから、カーブにさしかかるたびに対向車線に飛び出して、もう、本当に危ない。タイヤがキーキー鳴っている。
「かあちゃん落ち着けよ!線からはみ出るなよ!」
何度も叫ぶんだけど、母はまったく気にも留めない様子で、表情は真剣そのものだ。それは、“事故を起こさないように気をつけている”真剣さではなくて、“ 絶対トップに立ってやる!”という真剣さだ。と言っても、他に走っている車はいないようだし、わけがわからない。
どういうわけか、対向車線を走っているのは車ではなくて競馬馬で、しかも5,6頭が横に並んで走っている。道路はきちんと舗装されているのに、なぜか土ぼこりが舞っていた。
夢にはまだ続きがあったような気がしたけど、すっかり忘れてしまった。なんだ、これは。別にどうでもいいんだけど…。
「SF映画批評するのに古典SF小説全部読んでる必要がある、と言ってるのと同じ」っていうはてブのコメントを見て、全然SF知らんのにガチ評論の必要性があるならどうすっかなーということをちょっと考えてたらなんとなく面白かったので、とりとめもなく書く。
SF映画のガチ評論をしてみようって考えたら、まずはSF好きな奴に話ききにいくかなあ。おうよ、ちょっとSFについて教えてちょー。誰読めばいいの? そもそもSFってなんぞ? どこで流行ってんの? なんかわかりやすいSF論のお勧めある?
んで大体SFの概要をつかんだあとは、どうするかな。1、2冊はお勧めされた奴を実際に読んでみると思う。(誰に質問したとしても、必ず「夏への扉」を読む羽目になるのだろう)そんでああこういう感じかーって思ったあと、次はもう個別撃破じゃなくて全体像の把握に行くかな。SF小説批評の材料として使うには、作品のあらすじとメインアイディアと作者の略歴把握してSF史ではどういう位置づけをされてるかを把握しときゃー十分かな。それは古典SF小説そのものを読まなくても、SF評論家の人の書いた文献を読むだけで把握できる。はず。そういうのある? ってこれは図書館で司書にきくかな。あるって言われる。貸してちょいいよー。SFガイドとかSFベスト100とか、そういったSF評論をまとめた本ってどのくらいあるんだろ。100冊くらい? 一日2冊で2か月弱。これはもう全部読めそう。んじゃそれを図書館行ってもりもりSF論を読みつつ、メモって、どうも大物っぽい奴の名前は検索かけたらSFマガジンって雑誌でよく特集組まれてるし、んじゃこれ専門誌っぽいからバックナンバーぱら見しよーかーとか。あとなんか有名っぽい賞があるな。受賞作品の傾向とスポンサーも調べとくか。
こんな感じで毎日SFを考えた生活を送れば、1年後には的は外さぬガチ評論ができそうって思えた。最初に興味がなかったとしても、やってる間にSF好きになって、そしたら加速するかなと。
なんか懐かしくなってきた。青春時代にネットもなく彼女もおらず運動音痴で音痴で無趣味でぶさいくで友達いない俺は、一日中海外SFとファンタジーの有名作品を黙々と読んでいた。それと並行して毎月ドラマガとウォーロックとSFマガジンとログインとニュータイプも読んでた。そういった雑誌に掲載されてる書評は次に読むべき1冊を探すための貴重な道しるべだった。そんな暇あるならサッカーでもすればよかったのにと思わんでもないけれど、サッカーしてたら絶対あのクソクソ超絶面白い「蜘蛛女のキス」をホモじゃん! って切り捨てて読んでないからまあいいや。大丈夫よバレンティン、これは、全部、夢の中のお話なんだから。ちょっとエッチな福袋じゃなくて、喜多嶋隆の海外SF紹介コーナー目当てで読んでるんだ!って己に言い訳しつつ購入したコンプティーク。「殺人プログラミング」がドエロいという評論を読んですみやかに購入し、まあ衝撃的にドエロかったんだけど(町中の人間をたった一言で催眠状態に陥れることができるって設定は今思い返しても天才ちゃうか。しかもド田舎なのに全米ナンバーワンレベルの美人ばっかり住んでるの)、そこからモダンホラー御三家を知った。黙々とエロいクーンツをこなし、キングを読んで読んで読んですぐにマキャモン。そうこうしてるあいだにあの超怖い「リング」が発刊されてモダンのホラーの言ってる場合じゃねえよ! 怖いよ! 超怖い! 日本人すげえの? じゃあ和製ホラーもっと読まないと! って小池真理子読んで鳩が豆鉄砲食らったような顔になってうろうろした。でもあのころのがつがつした焦燥感に駆られた「ジャンル内の有名作品は全部目を通すぜ」読書ってやけに楽しかった。
ところで映画評論家の人が映画批評のために参考文献としてSF評論読むかーって思ったときに、SF界が想像以上にてきとーな業界でまともな評論が一本もなかった場合、映画評論家はどうするんだろうなあ。しゃーねえなあ、じゃあ古典SF全部読むべか! ってもりもりSF読んでどんどん造詣深くなっていって、そのうち肩書が「映画評論家・SF評論家」ってなるのかね。5年後とかに。知り合いの教授はいろいろやっててふと気がついたらアベック評論家って肩書きになってうろたえてた。
「今でもな、口だけは達者なんよ」
一見廃墟にすら見える店内で,100才にもなろうとしている彼女は呟いた.
この日僕ら双子の兄弟が、この駄菓子屋を訪れたのは全くの偶然だった.
10年以上前、僕らが小学校だったとき、その駄菓子屋は僕らの社交場だった.
親からもらった100円玉を宝物のように握り締めて、少年達がそこを訪れる.
10円ガム、20円のチューベット、5円のメンコ。
50円で当てたくじびきの一等賞。かけがえのない、価値あるゴミたち。
その頃、100円は確かに大金だったのだ。
また、キラキラに光るメンコたちもそこでは価値ある交換財として流通していた。
そこはまさに僕らの経済の中心地だったのだ。
のみならず、そこは政治の中心地でもあった。
放課後の夕焼け空の下、僕らは店の前で毎日真剣に討議していた。
例えば、とある日の案件は担任の先生が「バツイチ」であることについてだ。
2時間に渡る討議の末、ぼくらは「バツイチ」を「何かあまりよくないこと」であると定義した。
女の子を泣かしたか、など話題には事欠かなかった。
兎にも角にも、僕らは毎日その駄菓子屋に入浸っていたのだ。
最後にそこを訪れてから一体何年になるのか、思い出せないほどの時が経った。
ましてや大学で東京に行った僕はもはやその駄菓子屋の存在すら忘れていた。
再びその駄菓子屋を訪れたきっかけは、祖父の一周忌だった。
有難いお経を眠気に打ち勝ちながら聴き、
1万回ほどは繰り返されてるであろう親戚との会話を嗜み、
へとへとに疲れた法事の帰り道、たまたまその駄菓子の前を通った.
外から見る分には以前と何も変わらない様子の駄菓子屋の戸が開いていた.
「珍しい、ここ半年ぐらい戸が開いてなかったのに」
弟が気づいた。せっかくだ。十数年ぶりにあの店で何か買おう。
懐かしさも手伝い、我々は店の中に入ってみることにしたのだ。
戸の前まで来た、僕らは足を止める。様子がおかしい。
立ち込める埃独特の匂い、棚に張った蜘蛛の巣。
「ここ、もうやってないんとちゃうん」
そう呟きつつ中に入る。
おそるおそるカウンターの方を眺めると、
僕の存在に気づいた店主が、ゆっくりと顔上げる。
「すまんなぁ、もう何も売ってないんやわ」
と申し訳なさそうに言った、その時弟も店内に入ってきた。
ゆっくりと顔を上げてスーツ姿の2人を交互に眺めた店主はつぶやいた。
「あんたら増田はんか?」
店主は双子の僕らのことを、憶えていてくれた。
そのことに、驚きと喜び、そして懐かしさがこみ上げた。
「店、もう、やめてしもたんですか」
戸惑いつつ尋ねる僕に、店主は答える。
「もう、しばらく前からやっとらんのよ。
今日はな、たまたま用事があって、ついでに店よったんよ。
ここおったら顔なじみが来てくれるからなぁ。」
なお続けて、店主は語る。
「ちょっと前までは、アイスクリームだけ売ったりしよったけどな。
もう今はスーパとかで特価で売いよるから、こんなところで買ったら親に怒られるやろ」
僕らのかつての経済の中心地は、あっさりと巨大な資本主義の渦に飲み込まれていたのだ。
「けど、元気そうですね」
「今でもな、口だけは達者なんよ。もう体が痛ぁなって動かんもんな」
「そんなこといわんと、長生きしてくださいよ」
「いやぁ、あんたらもう結婚するような年のに、こんなに生きとって申し訳ないわ。
お迎えが来るんを待っとるんよ。」
意味がわかりつつも、こういう時どう言葉をかけて良いかまだ知らない僕は、
鸚鵡返しをしてしまう。
「お迎え?」
「中々な、父ちゃん、迎えにこんのよ。
早よう向こう行きたいけど、中々向かえがこんからな。
こっちから行くわけにもいかんからな」
店主が朗らかな笑顔で呟くと、ゆるやかな沈黙がしばし場を包み込む。
「会えて、良かったです。」
弟がフォローにならないフォローをする。
「また、来ます。」
入る前は何も変わってないように見えた駄菓子屋。
改めて見ると、戸は少し歪んでおり、壁の色は以前よりもずっとくすんでいた。
帰り道、頭の中で輝かしい思い出と、廃屋で朗らかに終わりを待つ店主の顔が交錯する。
あらゆるものが、目まぐるしく変化していく。
しかし、それでも店主は僕らのことを覚えていてくれた。
そこには、意味があるのだと思う。
日本語の豊かさを感じるのはこのような言葉遣いに出会ったときだ。
能動と受動を区別しない、あるいはできない境地に達することが悟りである、みたいな信念というか。
作為と自然が溶け合ってしまうというか。
日本人ないし日本社会は世俗的であるといわれるが、裏返すと、現世のそこかしこに宗教的なものが遍在しているような気がする。といっても八百万の神とかアニミズムではなく、現世こそが修行の場であり、そこで得られた結果によって救済されるかどうかが決まるというか。だから、何よりも事実を重んじる。観念や知識よりも事実が大事。しかし、その事実もまた拡大解釈されたものであり、たとえば体感不安といったものも含まれてしまう。
日本がいまだにデフレを脱却できない、あるいはしようとしないのも、デフレというのはある種の人々にとって望ましいものなのだろうと思う。それはつまり、現世における救済の閾値が上がることで、より信仰を確かめやすいものとなるのだろう。あるいは蜘蛛の糸を垂らす、垂らさないといった生殺与奪の権利を恣にしておくことへの欲望なり快感もあるのかもしれない。
間違ってるかもしれないが、そうとしか思えない。