はてなキーワード: 文体とは
OK、おれはこの件に関して最終的かつ不可逆な結論にたどりついてる。そして、俺以外の人間はそうではないように見えてる。
そんなことがあるかって?
もちろん、普通に考えればありえない。
だから俺はこのステキな結論を一晩寝かせることにした。ビールを飲んで、VNLで日本がストレートを喰らうのを見て、読みかけの「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を進めてーーああ、もちろん、この文体はその影響ってわけだ、別にいいだろーー、たっぷり8時間は眠り、先ほど昼飯も食った後に、やっぱり、どうやら俺は正しいってことで、今ラップトップに向かってる。幾つかの議論を見ると、幸いにして、この考えは俺だけのものではないようだ。いや不幸にしてか?俺だけが真のヒーローだってチヤホヤされるチャンスを失ったわけだから。
さて、前置きはこれくらいにしよう。あのMVが炎上したのは、「相手の顔がサルだから」だよ。
例えばこんなことを言う奴らがいる。
https://rna.hatenadiary.jp/entry/2024/06/15/110134
とかだ。簡単に言うと「MVに登場する猿人はいい家に住んでるしマカロン食ってるしメンバーとの交流も一方的には見えないから、『コロンブス一行が文明を教えてやった』ていう筋立てじゃないじゃないか」てわけだ。
でも顔がサルじゃん。
顔がサルってことは下位であって自分が上位だ。サルにはそういう意味がある。
「そんなことない!サルの表象に上下や侮蔑の意味なんてない!そのことを証明するために俺は明日から同僚に親しみをこめて『エテ公』て呼びかけるし、アメリカのダイナーじゃ、『ヘイ、そこのモンキー!ビールを一杯頼むよ』なんて具合で行くぜ」
ていうなら、もちろんそうしたっていいんだけど、眉間をぶち抜かれる時には俺が止めたってことは思い出してくれよな。
あと、こういう奴らもいる。
「コロンブスって実は虐殺ヤローだったってのが定説なんだが知らないのか?」
https://lady-joker.hatenadiary.jp/entry/2024/06/16/011301
とかだ。
でも、これはまったく的外れ。だって虐殺ヤローだからNGってことは、してない奴ならOKってことだろ?そんなのバカげてる。
タイトルが「マルコ・ポーロ」だったら、その相手、つまり中国人(皇帝含む)がサルだったことになるし、「伊藤マンショ」だったらヨーロッパ人(法王含む)がサルだったことになる。どっちだってやっぱり問題アリだ。リンカーンに扮した大森元貴がサルと仲良くやってたら炎上しなかった、と信じられる理由は何ひとつない。
つまり、「実在の人物を出したら、その相手も実在(またはその比喩)と見なされるんだから、それをサルにしちゃダメだよ」ってことだ。ほら、虐殺とかは関係ないだろ?
じゃあサルじゃなかったら、コロンブスが人間たちとキャッキャしてるだけだったら?もちろん、それでも炎上したかもしれない。その場合は虐殺とかも関係あった。でも、それって無意味な仮定だろ?
いつだって、誰だって、実在する誰か(たち)をサルにしちゃいけないんだよ、何も複雑なことはない。作り手たちに不足していたのは、知識なんかじゃない。あのサルを見て「俺らのことか?」て考える奴がいるんじゃないか、て想像力だ。
俺が気に食わないのは、「実在する誰か(たち)をサルにした」っていう、このシンプルで疑いようのない結論を、ほんとうは誰もがわかってるんじゃないかってことだ。どう見たって明らかな理由に、「映像読解には一家言ある勢」とか「歴史認識には一家言ある勢」がワラワラ群がって、見当違いなことを書き散らしてややこしくしてる。彼らが、「顔がサル」であることが見えてないなら、その批判は的を射てると思う。顔がサルじゃなければ、MVの筋立てには啓蒙の意味合いはないし、炎上の理由は虐殺ヤローを脳天気に扱ったからだろう。
でも顔がサルじゃん。
見えてないわけなんかない。でも彼らはそのことを「そっと脇に置いて」自説を高々と垂れている。
いったい彼らは何がしたいんだ?
大半がどうでもいい駄文。
どうでもいいことに執拗にこだわる文体もあいまって、部外者は「関わるだけ無駄」という印象をよりいっそう強めるだけだろうね。