はてなキーワード: サイコロジカルとは
公開年: 2023年
「関心領域」は、街中で淡々と駆除される弱者男性たちと、それに見向きもせずに日常生活を送る女性たちの冷酷さを描いたサイコロジカル・ドラマです。映画は、眼の前で悲劇が起こっているにもかかわらず、全く関心を向けない女性たちの無関心と冷淡さをテーマにしています。弱者男性たちが駆除されるシーンは直接描かれず、セリフや背景から暗示的に伝えられます。映画のラストには視聴者に対する挑発的なメッセージが込められており、観る者をもその冷酷さに同調しているのではないかと問いかけます。
物語は、都会の無機質な風景から始まります。主婦の美奈は、平凡な日常を送っています。彼女の生活は、家事、買い物、友人とのランチといった普通のことに満ちています。しかし、街中では、弱者男性たちが駆除されているという不穏な噂が流れています。
観客は、駆除される男性たちの姿を直接目にすることはありませんが、背後にある会話やテレビのニュース、そして女性たちの無関心な態度から、その存在を感じ取ります。美奈とその友人たちは、この問題について全く触れることなく、日常を過ごしていきます。
映画の中盤では、美奈が日常の中で幾度となく駆除の痕跡を目にするシーンが描かれますが、彼女はその度に意図的に無視し、話題を変えます。街の雰囲気は次第に冷酷さを増し、観客はその不気味さに引き込まれていきます。
美奈の演技は淡々としており、無関心な主婦を見事に演じています。彼女の表情や態度から感じられる冷淡さは、映画全体のテーマを強調しています。友人たちも、それぞれが無関心な態度を自然に演じ、物語にリアリティを加えています。
監督は、視覚的に直接的な暴力を避けつつも、観客にその不快感を巧妙に伝える手法を用いています。背景のディテールや登場人物の何気ない会話を通じて、物語の裏にある冷酷な現実を描き出しています。
音楽は控えめで、むしろ静寂が多くのシーンで支配的です。これにより、日常の中に潜む不安感が強調され、観客の緊張感を高めます。
映画は、視聴者に対して強烈なメッセージを投げかけます。ラストシーンでは、観客自身が映画の中の冷酷な女性たちと同じ無関心な立場にいるのではないかと問いかけます。この挑発的な結末は、観る者に強い衝撃と反省を促します。
「関心領域」は、現代社会における無関心と冷淡さを鋭く描いた作品です。直接的な描写を避けながらも、そのテーマを強く観客に伝える巧妙な手法は評価に値します。視聴後に残る不快感と自己反省の感情は、この映画の最大の特徴であり、サイコロジカル・ドラマとして非常に成功しています。
このレビューが参考になれば幸いです。「関心領域」は、視覚的な暴力を避けつつも深いテーマを持つ挑戦的な作品です。観客に強い印象を残すこと間違いありません。
★★★☆☆
萌はお嬢様。
昔両親を殺したけど心神耗弱で釈放された天才科学者真賀田四季が世間で話題。
所長のオッサンも殺害される。
もともと原作も気になってはいたけど、実際に手が伸びるところまではいかなかった。
アニメ化するってきいて、ちょうどいいと思って見た。
原作の膨大なテキストを適度に取捨選択してバランスよくまとまってた感じ。
直近で見たノイタミナがガリレイドンナだったり残響のテロルだったりしたせいで、12話で過不足なく構成されていたということだけで普通以上の評価をしてしまうくらいには、ノイタミナへの期待度は下がってる。
各話ごとだと書きづらい感じしたから全部まとめて書こうと思ったけどそれはそれで難しい・・・
1.6倍速で見たのもあるけど、結局真賀田四季が両親を殺した理由とオッサンを殺した理由がよくわかんなかった。
愛の形はいろいろあるからって感じの会話を犀川はやってたけど特別な理由はないってことなのかなあ・・・
なんか釈然としない。
これに浅野いにおのキャラデザが割り当てられた意味がよくわかった。
スカした気だるげな空気とか意識高い系が好きそうな会話だらけで、
浅野いにおっぽさがムンムンしてた。
でも実際のアニメで動いてる絵は、いい意味で浅野いにおっぽさがなかったからよかった。
原作とか漫画版はしらんけど、浅野いにおのスカしたキャラデザはどうも好きになれないから。
カメラワークによっては作画が大変になるところとか、物理演算的な無機物にCGをうまく使えば、アニメ制作のコストも下がるし視聴者も違和感を持たないからウィンウィンだね。
もともと、原作の一番最初のページに書かれている文字だけ見てオチがわかったとか豪語してるヤツがネットにいたんだけど、自分で文字を見てもそれがわからなくて悔しかったから読んでなかった。
今考えたらそんなことありえなくて、それは書き込んだ人間のただのハッタリ、自分を賢く見せようとする幼稚で見栄っ張りなプライドの現れでしかなかったけど、それを見抜くことができるほど自分も大人ではなかった。
なんつって。
西尾維新読んだあとに影響されるのと一緒で、作中のやりとりに影響されてこんな文章書いてしまいたくなる。
うーんしかし長台詞は、半現実とでも言えるアニメに持ってくると、不自然極まりないな・・・
大きな展開やアクションなどの派手なシーンがないから、記憶に残りにくい。
毎週見てたら先週の話を忘れてて見る気なくなってたと思う。
テンポも遅いし。
イッキ見で正解だった。
つーか劇場版にすればよかったのに。
あと印象的だったのは英語ネイティブのキャラ(真賀田四季の妹)がちゃんと英語で話してたところ。字幕つきで。
ジョジョで多国籍のメンバーがみんな日本語話してるのおかしくね?っていうはてな人力検索があったけど、このアニメはそういう現実に即したところはちゃんと気を遣ってるんだなと感じた。
これメフィスト賞第一作なのかー
クビキリサイクルでの天才をテーマにするところとか、孤島をテーマにしたところとか、サイコロジカルでの密室研究棟での殺人事件とか、最後のネタばらしの仕方とか、至るところにオマージュがあったんだな・・・
なんで今さらこんな古いのをと思ったけど。
確かにアニメより実写向きだわな。
犀川が考えこむとなんか内面世界みたいな描写になるけど、そこに何の意味もなかったのがいただけなかった。
本人も再三言っていた、その人物にしか見えない世界っていうのを表現したのかもしれないけど、あんなの見せられても結局何の意味もなかった。
変な鳥っぽいのやら黒い苦しんでるような人が地獄っぽいところにいるような描写やら。
アニメならではのトリップ表現といえば聞こえはいいけど、ぶっちゃけ見せ方は空振ってたと思う。
途中までは割とまともに推理してやるーって思ってたけど、これが出てきてから諦めた。
原作ではどういう表現になってて、それをなんでこういう表現にしたのかが非常に気になる。
密室に入る時点で真賀田四季は妊娠しており、密室内には二人存在していた。
そんで本当は殺害されていたのは真賀田四季の娘で、真賀田四季は逃げおおせる。
子どもがいるっていうネタバレは後から考えてみるとちょっとあんまりな気がするな・・・
追記
ネタバレ部分は移動させました