あまりにも下手なゲーム運営があったので、記録として残しておきたい。
オンライン人狼サーバーはいろいろあるが、このサーバーの特色は以下だ。
・シンプルな役構成なので推理と発言の内容に重きをおくスタイルが多い
PCの人狼サーバーは先駆者は多いが、スマホ全盛の今にスマホアプリとしては割と早くリリースし、そして何よりwebもアプリも両対応というサーバーは今も唯一の存在だ。
このサーバーの魅力として、PCユーザーは見やすいUIから濃い推理(長文多用傾向)が出来、気軽にオンライン人狼をやってみたい層やPCの接触が少ない層をアプリから流入させるといういい流れが出来た。
他に人狼パーティや、mixiの人狼の最盛期の方が人口は多いのかもしれないが、スマホとPCの両立という強みもあり、2015年頃はかなりの賑わいをみせていた。
もちろん、広告費のみで運営していたので、大した利益は上がってないだろうし、運営者のツイッターを見る限りは月10万〜20万前後の収入だったと推測される。
企業規模が大きければ、生産性が薄い事業になってしまうが、運営者はほぼ個人事業主で、身内で遊ぶために作ったのが動機とツイートしていたので、事業度外視の若干利益が出てれば美味しいレベルで置いていたのだろう。
せいぜいOSのバージョンアップの対応アップデートと、過去ログの増加や、ユーザーが増えた時のサーバー対応くらいだし、常時誰かが張り付いて監視や対応する必要性もない。
しかし、2017年の7月頃から一気にこのサーバーが斜陽となる。
ここまではまだ継続利用していくうちに慣れてくるという可能性があるが、このアップデートでは、発言更新が自動更新になったのが、最も大きな変更点だ。
それまではユーザー任意のタイミングで更新ボタンでログを読んでいたのだが、自動的に画面がスクロールしていく事となった。
まだ画面の位置は固定で、ユーザー自身がスライドする事により、どんどん発言が増えていくという仕様なら良かったのだが、放っておくと勝手にどんどん画面がスライドしていき、夜時間が明けた時などは、前の発言を確認しないうちに画面がずれていき、戻って確認しようにも、また新たな発言で画面がずれるというストレスフルな仕様になった。
この辺りから、ユーザーサイドも仕様を戻して欲しいとの声が強くなり、使いづらくなったので離れる、ゲームへの参加機会を減らすという声が多くなった。
また、自動更新と同時に広告も至る所に表示されるようになり、処刑投票後に30秒もの動画広告を流す事も多くの反発を生んだ。
熟練したユーザーは、人狼ゲームの夜時間に当たる投票時間に昼時間の発言を確認したり、前日の情報をメモでまとめたりする事が一般化していたからだ。
このサーバーのユーザー文化や、ユーザー同士の繋がりを重視し残るものも多くいたが、ユーザーのモチベーションは低下気味で、明らかに対戦中の村は減少した。
そして最大の障害は
という、頓珍漢なルールを強いてきた事だ。
そして何より恐ろしいのは、企業ホームページを見れば会社としての個人情報保護方針はあるが、これも英文で書かれていて一般には到底理解できると思えないというものの上に、認証要求時に利用規約の同意も個人情報保護方針の提示もない。
一般論でいえば、そんなものに電話番号を渡す方が愚かなレベルだ。
何故、電話番号認証を強いてきたかというと、複数アカウントを持たせない為である。
特に人狼ゲームでは、単一ユーザーが複数アカウントで同じ村で対戦すると当然ゲームとして成り立たないので、それ自体を禁止するのは理に叶っている。
そして、悪質なユーザーを特定しても複数アカウントを保持する事で、アカウント停止する意味がなくなるからだ。
しかし、これには前段階があり、単一ユーザー単一アカウントの徹底の為にアプリからログインしていないアカウントではwebにログイン出来ないという対策を取っていた。
そもそものアカウント管理はgmailアカウント登録でしており、後付けでアプリに紐付けしたので、iOSではアンインストールし、gmail再設定すれば何事もなく複数アカウントの保持が出来た。
このように書くと、複数アカウントでゲームに参加してゲームが成立しない為に対策をしたように見えるが、実際はそうではない。
このようなゲームでマナーが悪いユーザーや、迷惑行為をするユーザーは当然存在するのは止む得ない。
通常通りにゲーム終了すれば1つプラスされ、投票しない、複数ユーザーからの通報で低下するルールのものだ。
単純にゲーム参加回数が多ければ増えていくので、ユーザーのレベルの目安にもなるし、実質、100以上村等の参加者のレベルを保つ、非初心者向けという概念でユーザーには使われていた。
運営はおそらくこの評価の価値が悪質なユーザー排除の抑止力になると考え設計したのだろうが、実際にはゲームをやり切らずとも参加し、即退出を繰り返す事だけでも評価がプラスされるというザル仕様なので、ほとんど意味を成してないし、この点に関しては設計ミスとしか思えない。
単純に別個で、通報履歴やゲーム離脱の突然死行為の管理ステータスを持たせれば良かった話である。
そもそも【評価】が何ら悪質ユーザー対策になってない仕様で、尚且つ複数アカウントも保持出来るという状況を運営は看過出来なかったんだろう。どんどんユーザーへの対策を進めていき反発を生んだ。
また、運営は大きなミスとして、複数ユーザーから通報が10回あるユーザーは強制アカウント削除というルールを作り、それを愚かな事に発表してしまった。
それにより、複数アカウントを保持する、あるいはグループが特定ユーザーのアカウント停止を行おうとすればいくらでも操作する事が可能になった。
単純にゲーム終了後一定時間過ぎた通報は受け付けないという仕様にすればいいのだが、1年前だろうが同じ村でゲームしていたユーザーからの通報は通報として処理されるというトンデモ仕様で目立つユーザーはどんどんアカウントを停止させられる悪用をされた。
もちろん、一部ゲームを壊す行為のユーザーがいたのは事実だが、ユーザー同士で情報交換したり、任意のユーザーだけが参加できるアクセスコード付きの村を作ったり、運営の数少ない功績のキック機能を使い強制排除したりと、ユーザーはユーザーなりにその環境で最良の手段を模索していた。
また、悪質な荒らしユーザーも、全くゲームにならない程いるかといえばそうでもなく、ほとんど村は通常通りに対戦していたし、不穏なユーザーが動いている時に様子見をしたりと柔軟に対応していた。
運営側からすれば、一般ユーザーの参加意欲を削る荒らし行為は取り締まらければならない使命感はあったのだろうが、ユーザーからすれば、オンラインゲームでそういうユーザーが一定数存在するのは仕方ないという認識もあったし、仮に運営が対応しようとも突発的な荒らしには対応出来ないだろうし、まして、荒らし自身が悪なのだからと割りきっていたと思う。
通報機能は自らの不備により逆に悪質ユーザーに悪用されるという状態だ。
オンラインゲームという雑多な環境でたくましく育ったユーザーは多少の迷惑行為は割り切り、気軽にgmailアカウントのみで参加できるゲームなのだからと不思議な均衡が保てていたのが崩壊し始めた。
理想論でいえば、ユーザー認証をしっかり行い、悪質ユーザーはすぐ排除し復帰出来ない環境が正しいのだろうが、運営はその為の説明責任を果たさなかった。
11月より電話番号登録必須になります、とのみツイッターでアナウンスし、認証時に規約や目的すら提示しない。
既存ユーザーは何となく理由の想像はつくけれど、これから始めてみようというユーザーはまず間違いなく認証しないだろう。
公式に何のために行うのか、その行為がユーザーの保護に繋がる事なのか、取得した個人情報はどのように管理するのか。
その説明は一切無い。
そして、運営も技術的な問題なのか、意欲の問題なのかわからないが、アプリへ7月のアップデートからバグが多く出るようになり、ローディング時間の増加と通信量の増加するようになった。
通信量については正確に測った事はないが、あるユーザーの意見だと1ゲームで300MB〜600MB消費するらしい。若年ユーザーが気軽に出先でゲームをするのを躊躇うのも頷ける。
強制的に動画広告を見せられて通信量を増やす。これでユーザーの不満が溜まらないわけが無い。
技術的に詳しい事は知らないが、自動更新で読み込み回数が増えれば当然通信量も増加するだろう。
そして、ローディングも長く、誰が発言してるか表記のないバグや、androidに於いては特定端末では背景色と文字色がほぼ同じになり、システムから送られてくる【占い結果】【霊能結果】を読む事が出来ない、投票時に何回投票してもエラーが起きるバグ等、ゲーム自体を遂行する事が不可能なバグが多発している。
そしてついに11月18日に突然の発表がある。
『web版サービスをサーバー負荷増大により運営費の圧迫のため終了。アプリ版は様子見する』
バグ対策に文字が読めない時や投票エラー時にweb版からゲームをするというユーザーもいた。
そしてもちろんPCからゲームを楽しむユーザーはもっと多くいた。
この発表を行うという事はPCユーザーの切り捨てなんだろうけれど、だとしてもあまりに杜撰かつ非誠実的な態度だ。
まして、7月にアップデートとweb版改良を行い11月1日から利用者への電話番号登録を義務とし、僅か18日でサービスの一部終了を発表するのだ。
サーバー負荷増大なんて、自動更新等を行えば当然増えてくるものだろうし、電話番号認証システム導入で運営費も増えるのは必然である。
そして、登録のハードルを上げれば新規ユーザーが減少するのも必然だ。
自ら、新規ユーザーの心理的障壁を作り、それに対して十分な説明もユーザーに提示せず、既存ユーザーの個人情報だけ取得し、バグだらけのアプリのみで遊んで欲しいとか正気の沙汰ではない。
バグだらけのアプリもweb版を閉じるというアナウンスをしている運営が対応してくれる期待も持てないし、そもそもOSアップデートに対応してくれるかすら不明である。
人狼ゲームとしてシンプルな配役の為に個人の発言や考察が勝ち負けのウェイトを占めた。
『こんなに人狼ゲームにハマると思ってなかった。人狼オンラインxで人狼にハマった。今までで一番遊んだゲーム。』
かく言う私も当然、人狼オンラインxに夢中となり今までで一番ハマったゲームだ。
事業規模が大きくない会社でも、月数十万の事業なら縮小する経営判断もあるだろう。
サーバー負荷やらのアナウンスも建前で本当は別の理由で縮小するのかもしれない。
しかし、運営の発表が真実だとするならば、そこから導き出される結論はあまりにユーザーを馬鹿にし、行き当たりばったりな運営方針だと強く批判と絶望を感じてる。
そこまで理解しているなら旧仕様完コピしてリリースすればごっそりユーザ奪って利益出せそうじゃん