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初音ミクなどバーチャルシンガーを好む層の中では話題となっているのだけれど、2022年3月1日にCASIOからカシオトーンブランドの新製品「CASIO CT-S1000V」が発売開始となったけれど、このCT-S1000Vが最高なので語ってしまいたいと思う。
「カシオトーン?電子キーボードの?よく家電量販店に売ってるアレ?」と反応してくれる人は流石だ。
その通りで「家電量販店に並んでる電子キーボードでネコ踏んじゃったを弾いた。それはたまたまカシオトーンだった」なんていう経験を持ってる人は少なくはないと思うけれど、CT-S1000Vはそのカシオトーンブランドの新製品だ。
「電子キーボードなんて興味ないし」というそこのアナタ、実を言うと筆者は電子キーボードのみが好きというわけでなく様々なガジェットを愛するガジェットマニアなんだ。
筆者は単に電子キーボードをパソコンやスマホ、カメラなどに並ぶものとして見ていて、言ってみればそれは古き良きFM音源のPC-9801-86やPC-9801-26K、SoundFont全盛期のSound Blasterの延長線上にあると思っているわけだよ。
例えば多くのガジェットマニアが同意してくれると思うんだけど2000年代はパソコンや携帯電話(スマホ)が面白い時代で、2010年台はカメラが面白い時代だったわけじゃん?
では2020年代って何が面白くなる兆しを見せてるのかを筆者に言わせてみれば電子キーボードシンセサイザーなんだよね!ソフトももちろんなんだけどハードもメチャクチャ面白くなってるんですよ!
そんな電子キーボードシンセサイザーが面白くなっている2022年3月1日に発売開始したのがCASIO CT-S1000Vというわけだ。
前述した通りCASIO CT-S1000Vには「ボーカルシンセシス」というボカロのようなバーチャルシンガー音源が搭載されており、このボーカルシンセシスの技術ははてな界隈でも話題となった自然な歌声を実現したCeVIO Pro(仮)のテクノスピーチが関わっている!
実際に演奏してみると何より驚くのは和音が鳴ることで、これまでのハードウェアボーカルシンセサイザーは基本的に単音だった。発音機構を複数搭載することで和音を実現する方法はあったが、単一の発音機構で和音を、しかも処理能力を上げると販売価格へ跳ね返ってくるハードウェアで価格を抑えつつ和音を実現したことは素直に驚くと言って過言がない。
しかも、歌詞はiOS/iPadOSやAndroid OSなどから入力し転送することが可能で、AIベースで構築されたアルゴリズムによりボカロで言うところの調教がほとんど必要がなく、ただ弾くだけでボカロ文化黎明期で話題となっていた神調教を実現してくれるので驚きを超えた驚愕だ(初期のボカロはベタ打ちしただけでは聴くに堪えなかったよね。それも味ではあったけれど)。
ただ、こんなことは楽器系Webメディアやガジェット系Webメディア、情報技術系Webメディアなどが既に伝えているし、今はYoutubeもあるのでボーカルシンセシスへフューチャーしたレビューなんてのは(何故か海外を中心に。日本勢なぜ興味が薄い?)Youtubeで観て聴くことが出来る。
CASIO自身もそこが推しの1つであるようだし全面に出しているけれども、ガジェットマニア、シンセマニアからすると注目点はそこだけではない。何なら実際にCT-S1000Vの開発者だって「ボーカルシンセシスだけじゃないんだぞ!」と言いたいだろう。
ボーカルシンセシスは素晴らしい、ハードウェアで鳴るバーチャルシンガーはイケると踏んだCASIOの英断には敬意を表したいレベル。
確かに現状の電子キーボードシンセサイザー界隈で唯一足りないと言って良いのがボーカルシンセサイザーだ。
2020年以降アナログシンセサイザーもFMシンセサイザーもウェーブテーブルシンセサイザーも革新的で優秀なものが沢山リリースされたが、ボーカルシンセサイザーだけはそこに空白があった。
2020年以降、革新的なシンセサイザーを牽引しているのは間違いなくKORG。
KORGは2020年1月26日にウェーブテーブルシンセサイザーの「wavestate」を発売開始するのだけれど、これがかなり出来の良いシンセサイザーだった。
実は2010年代にソフトウェアのウェーブテーブルシンセサイザーとして「Xfer Serum」が登場してウェーブテーブルという方式そのものが徐々にその評価を上げて行っていた。そのなかでもSerumはソフトウェアウェーブテーブルシンセサイザーの代表格として捉えられていたんだ。
2022年現在では電子音が特徴的な楽曲でのSerum採用率は異常なほどで世界中のヒット曲を影で支える存在だ。
そんな注目集まるウェーブテーブルシンセサイザーだけど、前述した通りKORGはその機運へ即座に反応しwavestateを発売。
ウェーブテーブルシンセサイザーは複数の特徴的な音声波形を並べシームレスに繋げ、繋がった音声波形の任意ポイントを選択し発音させることが出来るという、言ってみればノンリニア音声波形編集ソフト(有名所のフリーソフトだとAudacityとかSoundEngine Freeとか)をそのままシンセサイザーにしたかのような発音構造を持つ。
シームレスに繋がった音声波形の任意のポイントを選択して発音するというウェーブテーブルシンセサイザーの方式からKORGはシーケンサーと相性が良いという発想を持ち、シーケンサー上で発音する波形や発音ポイント、音の高さ、波形に掛けるエフェクトを指定するウェーブ・シーケンシング2.0という高度なシーケンサー機能をwavestateへ搭載した。
これが凄かった凄すぎた。ウェーブテーブルシンセサイザーが流行ってることもあり、ソフトウェアウェーブテーブルシンセサイザーの中には明らかにwavestateを意識した機能を搭載したものも多数登場したんだ。
KORGの革新はこれだけでは済まなかった。2020年11月28日にはFMシンセサイザー「KORG opsix」を発売開始。ウェーブテーブルの次はFMである。
ハードウェアFMシンセサイザーと言えば原初にして最高峰「YAMAHA DX7」が有名だけれど、シンセサイザー界隈では「リングモジュレーターとFMはシンセサイザーの2大難解機構」と古くから言われており、少しパラメーターをイジるだけで大きく音色変化がして面白いが、予測がしにくく音作りが難しいとされてきた。
そのように難解とされるFMシンセサイザーへKORGは6つのノブと6つのフェーダーを搭載し、まるでアナログシンセサイザーのように感覚的な音作りを可能とさせてしまった。
そして実際に販売開始されるやいなやopsixへの反響はwavestateを遥かに超えるものとなった。wavwstateが凄すぎたのならばopsixは一体なんなんだと。こんな簡単に音作りできるFMシンセサイザーがあって良いのかと。でも我々の前へ確かにopsixは存在する。
しかしKORGの革新はwavestateとopsixだけでは終わらない。2021年8月8日「KORG modwave」が発売開始する。
modwaveもwavestateと同様にウェーブテーブルシンセサイザーで、次の試みは何と物理エンジンを搭載してきた。シンセサイザーに物理エンジンだぞ物理エンジン!
物理エンジン上でボールを転がし、その位置によって割り当てられたパラメーターを変化させるという機構だけれど、ボールには反発係数や摩擦係数を設定することができ、更にボールが転がるフィールドへ凹凸を作ることで直線的なボールの軌道すらも歪ませることが出来るようにした。
もちろんwavestateで得たモダンなウェーブテーブルシンセサイザーのノウハウを反映しつつmodwaveへ最適化した高度なシーケンサー機能である「モーション・シーケンス2.0」も搭載しており、なおかつ、ウェーブテーブルとして読み込む音声波形になんと前述したソフトウェアウェーブテーブルシンセサイザーSerumの音声波形もインポート可能としてしまった。大胆不敵すぎる!
こんなKORGの様子を見ていればライバル各社も大人しくしているはずがなく、Rolandは過去に製造販売した名作シンセの再現であるBoutiqueシリーズへあの小室哲哉が好んで利用した銘機JD-800の再現「Roland Boutique JD-08」を追加!Boutiqueシリーズへいつか追加されると言われていたが切り札を使うなら今しか無いと出してきた!
YAMAHAは2020年5月にライブパフォーマンスを意識した61鍵ステージキーボード「YC 61」を、更に鍵盤数を増やした「YC 73」「YC 88」を2021年1月23日に追加販売する。
その中でも特にYC 88はYAMAHAがアコースティックピアノの鍵盤を再現することに注力したステージキーボードで、そのタッチフィールは幼少期からピアノを習っていたものほど評価すると言われており、プロのピアニストからピアノ演奏系Youtuberまでが愛用することを現に見ることが出来るほどの完成度!
KORGは革新、Rolandは銘機、YAMAHAは演奏という激アツな2020年代の中でCASIOはCT-S1000Vで勝負しようというわけだ。
筆者は言ったCT-S1000Vはボーカルシンセシスだけではないと。
CT-S1000Vのボーカルシンセシス以外の特徴は何と言っても新しいAiX音源と、そのAiX音源を活かすために設けられたK1〜K3として割り振られている3つの物理ノブ!
カシオトーンと言われて何をイメージする?楽器音色選んで、リズム鳴らして、鍵盤叩いて、ハイ終わり。これだろう?
他に出来たとしてもデモを再生したり、サラウンド機能をONにしたり、ベロシティ感度(タッチ感度)を変えたり、残響感を調整したりとそんなもんだ。
あぁCASIOは鍵盤が光るやつもあるな。オモチャも含めて家電量販店で最も売れる鍵盤楽器はCASIOっていう地位を確立した大ヒット商品で大事な存在だが本題とは違う。
カシオトーンは楽器音色選んで、リズム鳴らして、鍵盤叩いて、ハイ終わりだが、カシオトーンであるにも関わらずCT-S1000Vは違う。
シンセサイザーを少しでも触ったことある、もしくはシンセサイザーで音作りをしている動画などを観たことがある、またはシンセサイザーを中心としたいわゆるマシンライブを観たことがある人ならシンセサイザーがミョンミョン鳴ったりミョーンミョーン鳴ったり音の長さや高さが変わるのを観たことがあるだろう。
他にはEDMなどの電子音楽が好きな連中には籠もった音が段々と明瞭にフェードインして行く定番の変化をよく聴かないか?
実はそれCT-S1000Vに搭載されている機能で実現可能なのだ!
そしてそれら変化をさせるパラメーター調整に利用可能なK1〜K3として割り振られている3つの物理ノブの存在が非常に大きい。
いや確かにアナログシンセサイザーの一般を考えればノブが3つというのは非常に少ない。もしシンセサイザーに詳しい人がこれを読んでいるならば「メニューに潜るんだろ?」と言うだろう。返せる言葉は「その通り」だ!
ただ、ノブがゼロなのと3つあるのとでは全く違う。音作りでも実際のパフォーマンスでも物理ノブはあったほうが良いに決まってる。
しかもよく考えてみろコイツはカシオトーンだぞ?楽器音色選ぶだけの「あ の カ シ オ ト ー ン」だ。
CT-S1000Vはカシオトーンなのにリード作ったりベース作ったりパッド作ったりドラム作ったり出来るようになったんだよ!
しかも61鍵で最大発音数64和音で最大パート数3だ。カシオトーンには唯一の良い部分として豊富なプリセット楽器音色があるけれども、そのプリセット楽器音色は802種類もある。アルペジエーターだって150種類もある。バーチャルシンガーもある。ステレオスピーカーもある。ノブも3つある。
これ値段いくらだと思う?55,000円だぞ?5万円台で10和音鳴れば御の字、普通に5万円台の単音モノフォニックシンセサイザーが存在するシンセサイザー界隈で64和音だぞ!?
アコピ鳴る、エレピ鳴る、ギター鳴る、ドラム鳴る、SFX鳴る、ボカロっぽいもの鳴る。802種類のプリセット楽器音色をレイヤー・スプリットで最大3パート重ねられて同時に鳴らせる。
おいおいおい・・・おいおいおいおい!55,000円!?カシオトーンなのにミョンミョンできるブンブンできるパワワワワできるシュオォォォできる、それが55,000円ってアンタ、中高生が親におねだりしたらワンチャン買ってもらえるレベルの価格帯じゃねぇか!
ボーカルシンセシス確かにスゴイよ!?でもCASIO CT-S1000Vは55,000円で買える64和音ポリフォニック・3パートマルチティンバー・バーチャルアナログ/ボーカルシンセサイザー(スピーカー付き)であるという事実の方にこそビックリするわ!
CT-S 1000Vを家電量販店は店頭に並べるべき、そして店頭に並んだCT-S 1000Vをアナタたち皆さん触ってみるべき。ピアノ経験者・シンセサイザーマニア・バーチャルシンガー好き・DTMユーザーはなおさら触ってみるべき。何度も言うけどコレ55,000円だぜ?嘘でしょと。
(トラバへ続く)
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私としてはまとめブログを山ほど作ろうが余所様に迷惑かけない限りは勝手にやってくれという方針です。
スクショ見ただけだけど、
あんな三下悪役みたいな台詞吐く役を一話使い捨てのモブじゃなくてサブメインくらいのキャラにやらせてたの?
うわー。
かつて彼女は、園児の泣き声で集中力が乱れるからと保育園にクレームを入れ、その時のトゲパワワがオシマイダーの素体に利用されたことがある。
うわー、うわー。
そこは「うるさくすると困る人がいるから静かにしましょうね」じゃないの?幼児向けで、幼児を教育する目的ならさあ。
「今の母親はこういう事考えてるんだからそれに媚びてりゃ許されるだろw」と言うノリで作ってる感じ。
まあ分かるよ、育児なんてろくにやってないであろう男性が育児という地雷原をテーマにして母親が見るアニメを叩かれないように作れと言われたら
今の育児界で話題になっている事柄をリサーチして、そこで表向き「正論」とされてる事に従う、って方針になるだろうとは思う。
ネットでも割と話題になっているのでなんとなく知っている人が多いと思うが、今年のプリキュアはとりわけ出来が良い。
ベテランの佐藤順一監督がこれまでのキャリアを全部ぶち込んで全力で殴りに来ているような出来の良さである。
ストーリー・セリフ・キャラクター造形に関して、よく練られているというか、あらゆるツッコミを想定して作られているような盤石ぶりを感じた。
あらゆることに対して相当な配慮がなされている作品だと感じた。
しかし、それ故に私は少しその「正しさ」が怖かった。
吉見リタがファッションショーのテーマに「女の子だってヒーローになれる!」を掲げた時、私は「こんなにわかりやすくメッセージ性を掲げてしまって大丈夫?」とかなり不安になった。
もうこの時点で、放映後にはジェンダー的論点から語る人がたくさん出てくるのが想像できて、いやになった。
そして、アンリに対してはなが「いいんだよ!男の子だってお姫様になれる!」と言ったとき、ああ、この回は「そっち」に持ってかれちゃうな、と思った。
どういうことかというと、
私が恐れていたのはこの三つである。
一つ目。
この回では、「女の子だってヒーローになれる」「男の子だってお姫様になれる」という二つの言葉によって、「ジェンダー」という特定のテーマばかりが強調されてしまっている。
しかし、物語は特定のメッセージを伝えるだけのものではないはずで、あらゆる側面を持っているはずである。
この回はシリーズの第19話であり、当然それまでのお話と地続きの物語であるわけで、そのテーマ以外のあらゆる側面が存在するはずである。
例えば、佐藤順一監督がツイッターで言及していた、えみるとルールーの関係。
『HUGプリ』19話の脚本は坪田さん。ルールーの方がえみると二人であることを大切に思ってて、えみるの方がルールーと自分は違うと感じている事がセリフでなく会話から自然に感じられて、そして子供たちに伝えたい事はきちんとセリフにする。届けたい思いのある脚本、素敵ですよね。 #プリキュア— 佐藤順一 (@satojumichi) 2018年6月10日
この二人の、「ふたりでプリキュアになる」という目標につながっていく感情の動きがこの回では描かれていた。
他にも、正人のトゲパワワをもとに作られたオシマイダーに対し、アンリが「君も苦しいんだね」「自分を愛して」と言ったこと。
一言では片づけられないような正人の苦しみが存在していること。
そして、「自分を愛する」という言葉に対し、ルールーが反応していたことにも、ジェンダー的テーマ以外の側面が感じられる。
別にジェンダー的なメッセージは、お話の一つの側面に過ぎないわけで、その一つの側面のみで作品が語られてしまうのは、正直残念である。
二つ目。
「ジェンダー」というテーマが独り歩きし、キャラクターに、そのテーマに対応する「役割」が付されてしまっている。
代表的な例が、えみるの兄、正人だ。
彼は「ジェンダー」的な観点でいえば、いわゆるステレオタイプな古い価値観を持った人間として見られるように描かれている。
だがしかし、キャラクターは、物語を動かすための「装置」ではない。
否定されるべき古い価値観のメタファーとして彼が見られてしまうのは、非常に残念である。
キャラクターは、特定の役割のために存在しているのではなく、あらゆる側面を持った生きものである。
兄としてえみるに向ける感情は一言で片づけられないものであるだろうし、ただ「男の子らしさ・女の子らしさ」の価値観に縛られているからそれを逸脱するアンリを敵視したのだと断言することも出来ない。
彼には彼の物語というものが存在していて、この回における彼の言動は、その結果でしかない。
また、「女の子だってヒーローになれる」を掲げたファッションデザイナーの吉見リタにしても、単にこの回のために用意されたキャラというわけではない。
かつて彼女は、園児の泣き声で集中力が乱れるからと保育園にクレームを入れ、その時のトゲパワワがオシマイダーの素体に利用されたことがある。
さらに、前回ではアイデアが浮かばないスランプのトゲパワワで再びオシマイダーの素体にされている。
そんな彼女が、今回のファッションショーでこういうテーマを掲げるようになった経緯についても、小さいながらも物語があるのだと想像できる。
特定のテーマに対する「役割」という考え方では、人間的な深みがオミットされてしまうし、作品の世界観を狭めてしまう。
私は典型的な優柔不断で、断定するのが怖いタイプの人間である。
それが原因なのか、今回登場したような、「人の心を縛るな!」等のメッセージ性がはっきりとした強い言葉が苦手だ。
彼女たちの言葉は正しい。しかし、正しいことを断言することで切ってしまう何かもある。
アンリというキャラクターが初登場時どうであったかを思い出してほしい。
彼は自分がいいと思ったもの、正しいと思ったことに対して真っ直ぐに行動する人間で、それは今回の話でも同様であった。
しかし、かつてアンリは、自分の信じる正しさでもって、ほまれをはなたちから引き離そうとしたことがある。
アンリは間違ってはいなかったが、その正しさで別の何かを切ってしまった。
ツイッターでよく「正論で相手を論破する漫画」を見るが、それに感覚としては近い。
正論をはっきりと示すということは、何かを正すことになる。
「僕は君のために僕を変えることはできない」
これは正人が、自分の価値観に合うようにアンリを変えさせたかったことからくる言葉と捉えられるが、逆であっても同じことが言えるのだ。
正しさをもって他人の価値観を否定することは、「人を変えさせる」行為であり、攻撃的側面を持つのだ。
だから、今回、メッセージ性がはっきりしすぎている言葉が出てきたとき、その正しさが、何かを攻撃することになるのではないか、と思ったのである。
それが正しいのだとしても、それは自分にとっては少し怖いことでもあった。