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はてなキーワード: 雪隠とは

2024-01-31

めちゃ下痢檸檬

 えたいの知れない不吉な塊が私の腹を始終圧えつけていた。焦躁と言おうか、嫌悪と言おうか――飯を食ったあとに宿酔があるように、飯を毎日食っていると宿酔に相当した時期がやって来る。それが来たのだ。これはちょっといけなかった。結果した裂肛や神経衰弱がいけないのではない。また胃を焼くような粗餐などがいけないのではない。いけないのはその不吉な塊だ。以前私を喜ばせたどんな美しい音楽も、どんな美しい詩の一節も辛抱がならなくなった。蓄音器を聴かせてもらいにわざわざ出かけて行っても、最初の二三小節で不意に立ち上がってしまいたくなる。何かが私を居堪らずさせるのだ。それで始終私は厠から厠を浮浪し続けていた。

(中略)

 ある朝――その頃私は甲の友達から乙の友達へというふうに友達下宿雪隠転々として暮らしていたのだが――不浄が大壺へ出てしまったあとの空虚空気なかにぽつねんと一人取り残された。私はまたそこから彷徨い出なければならなかった。何かが私を追いたてる。そして厠から厠へ、先に言ったような裏通りを歩いたり、駄菓子屋の前で立ち留まったり乾物屋の乾蝦や棒鱈湯葉を眺めたり、とうとう私は二条の方へ寺町下り、そこの果物屋で足を留めた。ここでちょっとその果物屋を紹介したいのだが、その果物屋は私の知っていた範囲で最も好きな厠であった。そこは決して立派な店ではなかったのだが、果物屋固有の香しさが最も露骨に感ぜられた。(中略)

 その日私はいつになくその店で弄便をした。というのはその店で麗しい”檸檬”が出たのだ。(中略)いったい私はあの”檸檬”が好きだ。オリーブブラウンの絵具をチューブから搾り出して固めたようなあの単純な色も、それからあの丈の詰まった紡錘形の恰好も。――結局私はそれを一つかみだけ拾うことにした。それからの私はどこへどう歩いたのだろう。私は長い間街を歩いていた。始終私の腹を圧えつけていた不吉な塊がそれを握った瞬間からいくらか弛んで来たとみえて、私は街の上で非常に幸福であった。(中略)

 私は何度も何度もその果実を鼻に持っていっては嗅いでみた。それの産地だというインテスティンが想像に上って来る。漢文で習った「売柑者之言」の中に書いてあった「鼻を撲つ」という言葉が断れぎれに浮かんで来る。そしてふかぶかと胸一杯に匂やかな空気を吸い込めば、ついぞ胸一杯に呼吸したことのなかった私の身体や顔には温い血のほとぼりが昇って来てなんだか身内に元気が目覚めて来たのだった。……

 実際あんな単純な温覚や触覚や嗅覚視覚が、ずっと昔からこればかり探していたのだと言いたくなったほど私にしっくりしたなんて私は不思議に思える――それがあの頃のことなんだから

 私はもう往来を軽やかな昂奮に弾んで、一種誇りかな気持さえ感じながら、美的装束をして街をした詩人ことなど思い浮かべては歩いていた。汚れた手拭の上へ載せてみたりマントの上へあてがってみたりして色の反映を量ったり、またこんなことを思ったり、

 ――つまりはこの重さなんだな。――

 その重さこそ常づね尋ねあぐんでいたもので、疑いもなくこの重さはすべての旨いものすべての美味しいものを重量に換算して来た重さであるとか、思いあがった諧謔からそんな馬鹿たことを考えてみたり――なにがさて私は幸福だったのだ。

 どこをどう歩いたのだろう、私が最後に立ったのは丸善の前だった。平常あんなに避けていた丸善がその時の私にはやすやすと入れるように思えた。

今日は一つ入ってみてやろう」そして私はずかずか入って行った。

 しかしどうしたことだろう、私の心を充たしていた幸福感情だんだん逃げていった。

(中略)

「あ、そうだそうだ」その時私は腹の中の”檸檬”を憶い出した。本の色彩をゴチャゴチャに積みあげて、一度この”檸檬”で試してみたら。「そうだ」

 私にまた先ほどの軽やかな昂奮が帰って来た。私は手当たり次第に積みあげ、また慌しく潰し、また慌しく築きあげた。新しく引き抜いてつけ加えたり、取り去ったりした。奇怪な幻想的な樋箱が、そのたびに赤くなったり青くなったりした。

 やっとそれはでき上がった。そして軽く跳りあがる心を制しながら、その樋箱の底に恐る恐る”檸檬”を据えつけた。そしてそれは上出来だった。

 見下ろすと、その”檸檬”の色彩はガチャガチャした色の階調をひっそりと紡錘形の身体の中へ吸収してしまって、プーンと冴えかえっていた。私は埃っぽい丸善の中の空気が、その”檸檬”の周囲だけ変に緊張しているような気がした。私はしばらくそれを眺めていた。

 不意に第二のアイディアが起こった。その奇妙なたくらみはむしろ私をぎょっとさせた。

 ――それをそのままにしておいて私は、なに喰わぬ顔をして外へ出る。――

 私は変にくすぐったい気持がした。「出て行こうかなあ。そうだ出て行こう」そして私はすたすた出て行った。

 変にくすぐったい気持が街の上の私を微笑ませた。丸善の棚へ黄土色に輝く恐ろしい爆弾を仕掛けて来た奇怪な悪漢が私で、もう十分後にはあの丸善美術の棚を中心として大爆発をするのだったらどんなにおもしろいだろう。

 私はこの想像を熱心に追求した。「そうしたらあの気詰まり丸善も粉葉みじんだろう」

 そして私は活動写真看板画が奇体な趣きで街を彩っている京極を下って行った。

2023-12-08

anond:20231207234226

うそ

キヤノンの御手洗会長が〜って感じだったよね

雪隠会長雲隠れしてぜんぶ竹中のせいにされた

2023-08-03

ハッタショ増田に告ぐ

あのステロタイプ攻撃的で性格の悪いITエリート気取った増田

まず自分いかエリートで若くして稼いでいるかを自慢した後に付き合ってる若い彼女をボロクソ言って泣くまで雪隠詰めにする構文また作ってくれよぉー

嘘松とわかってるのに引き込まれるんだよあれ

2023-02-13

anond:20230212103024

あっさり 逸失 鬱屈 越権/謁見 億劫

葛藤 切先 屈託 結構 骨格

早速 失格/漆黒 すっきり せっかく/雪隠 即刻/ソックス

タックル 窒息 つっこむ 徹底 突沸

納得 日程 ぬぬぬ 熱湯 のっぺり

はっきり ひっきり 復活 別当 没頭

真っ当 三日日 むっつり めっきり 最も

やっぱり ゆっくり よっぽど

楽観 栗東 ルックス レッテル 肋骨

ワッフル

ぬだけみつからない

2021-06-04

anond:20210604132602

肉詰め→肉を詰める

寿司詰め→寿司を詰める

袋詰め→袋に詰める

雪隠詰め→雪隠に詰める

折詰め→折に詰める

ジャップ語さあ・・・

〇詰めの〇が容器なのか中身なのか統一しようよ

2020-04-28

anond:20200428091241

元が禅宗用語であることは間違いないが、中国の禅僧の故事に由来するにしては中国側に「雪隠」という言葉がないのが不思議だ、ということなのか。

http://repo.komazawa-u.ac.jp/opac/repository/all/36029/kzh001-10-osawa.pdf

anond:20200428091241

なるほどね・・・江戸時代には堆肥価値あるものだったので、銭池(せんち)が訛って雪隠だとか、

雪隠亀子ってそういってみるとなんかおめでたい虫に見えてくるから不思議

anond:20200428091044

キンカクシは、まあ近代ぐらいからの言葉かなあと察しがつくけど、

雪隠”の語源・由来がわからん...

雪隠亀子っていう名前の虫がいることにショックを受けた

なぜトイレの虫はキラキラしているのか。

2019-05-21

anond:20190521132135

相手特定できないほど混んでる

声もだせない

スカスカの社内の場合雪隠詰めでもなってないと無理だし。

2018-08-23

anond:20180823102824

いやまあ、2019年2020年の話やけんどな。

特に情報追ってる訳じゃないからアレだけど、森田健作さんの自宅を開催委員会メンバーで囲って雪隠詰めにしたとかそういうニュースは出てこないじゃん。

交渉プライオリティ大分低めに設定されてるよな。

2017-11-24

anond:20171123210453

なるほどなあ、中途半端国語に関心があるとこういう増田になるのか

詰められるっていうのは「雪隠詰め(せっちんづめ)される」の略から来ているのを知らないんだな

2016-09-29

フルボッコにされた真偽よりも国家機関がこんな雪隠詰めするようなことを1企業に対して行っていいのかね?

顔真っ赤になってるようにしか見えないんだけど。

JTからしたら商売道具100%有害扱いされたら存命に関わることだから別の見解というか逃げ道を探したくなるだろう。

そういう心を見透かしているならそれこそ大人対応として言わせておけばいいだけで、

JTを信じる人たちの逃げ道を用意してやるのが筋だろ。

なのに国立がんセンターが行ったのは強制的に逃げ道を塞いで現在無知喫煙者に冷や水を追い打ちで浴びせかけた行為に値する。

そこまでの権利国立がんセンターにあるのか?

何の権限があって夢を持って煙草を吸ってるやつに往復ビンタする権限があるんだ?

ただのマウンティング行為しかないし自己顕示欲の塊にしか見えない。

これで「国立がんセンターよくやった!喫煙者死ね万歳!」みたいな反応してるやつがいたとしたら、ここは闇の中だ。

こういうパワープレイ強制的選択肢排除していくやり方がこれから日本に求められているとしたらディストピアしか待っていない。

してやったり顔をする前に次はぜひアルコールの毒性について研究してほしい。

アルコール健康被害を「確実」なものにしてほしい。

2015-06-06

妄想wikiとは

妄想wikiとは、妄想であり、wikiwiki的なシステムであり、うんこ((こう書いておくといいって増田が言ってた。ほんとか?))である本日13:35に雪隠でひらめいた、雪は降っていないが。

システム的にはwikipediaであるが、本文は人気投票がついた各IDが手前勝手に書いた投稿文別の寄せ集めであり、他ID文章編集できない。人気が高い妄想は上位に表示され閲覧しやすい。新しい妄想投稿は人気票に下駄が履かされ多少目立つ。管理人はこれを突いた修正スパムと戦うハメになる、合掌。

なお人気が高い記事記事分岐(forkだっけか)がかかり、投稿者にも修正できなくなる。よって「あの名妄想はもう見られない」ということが拒否される。これはひどい

妄想なんでデマの温床であり、警察公安などの関係から目をつけられる。下手をすれば総理から怒りの制裁が飛んでくる。だがその場合政府妖精より削除」とかい文章になる。バレバレであるフェアリーなのはお茶目である

各項目の記述は実にひどいものである。やれ総理うんこを常食してるだの、原発ラピュタ計画の本丸だの、宗教までエグいこと書かれていて、アメリカイスラエルISISロシア中国アノニマスの各情報機関もびっくりである投稿者IDと項目ID記事IDのつながりの分析にみな必死である。噂ではコンピューターウイルス腐葉土となっているということだ。

……という暇なおっさん妄想。あれ、これ単にインターネットなだけなんじゃ……。

2010-11-27

http://anond.hatelabo.jp/20100521232949

久しぶりに増田にインしたら昔の日記を思い出したから書くよ!

僕を小学校2年生の時にいじめた彼は、うちの銀行融資を切って、そのあといくつか筋の悪いお金をつまんで、最後個人保証雪隠詰めにあって、家族を置いて首をくくったよ!

もちろん生命保険債務に充当されて、ご家族には何も残らず。娘さんは評判の美人だったけど、そのため(以下略 ま、お金は儲かる仕事だよね!

うん。娘さんはかわいそうだと思いました。

2009-02-06

http://anond.hatelabo.jp/20090206211418

その本は信用に欠けるように思います。

真っ当な研究ならばこっちの方が良いかと。

「アンネナプキン社会史」

http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/30723999/introd_id/Xmo46Wk9o3649X99i81Gi1X462Gi396X/pg_from/u

江戸時代川柳にはこうあります。

越中女房がすると事を欠き」

越中褌生理帯として使われていました。

雪隠手綱捌きをする女」

十三四姫はお馬をのりならい」

生理帯は馬の腹帯(お馬)に似ていた。

 
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