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2017-09-02

COOL JAPAN韓流 恋ダンス削除騒動を受けて

「“恋ダンス”動画削除を」 星野源が所属するレコード会社が要請、9月以降は削除手続き
一世を風靡したドラマ逃げるは恥だが役に立つ」のEDテーマ「恋」使用した恋ダンス動画が削除されるらしい。
日本人のみならずアメリカ大使館職員動画投稿する程流行っていて、正に大ブーム!という感じだったけれども、どうやらドラマ放映期間だけビクターが「見逃して」いてくれただけで、ドラマが終わって約1年経った今、著作権理由動画削除要請を行っていくとの事。

今回の騒動を見て、私が学生時代に感じた海外における日本ドラマアジアドラマ特に韓国)の普及の仕方と著作権問題についてちょっと述べさせてほしい。

小学3年生~高校卒業まで某東南アジアインターナショナルスクールに通っていた。
住んでいたのはいわゆる発展途上国だったけれども、インターという事で生徒のほとんどが先進国出身、または発展途上国エリート一家だった。(物価が安かったのでそこまで裕福でなくても先進国出身ならなんとかインターに通えた)一歩外に出ると発展途上国一般的な人が通う市場なんかにも足を運べる環境大学3年生でアメリカ交換留学もして、まあインター通っていたので英語特に問題もなく現地の友達もでき、友達国籍のばらつきとか考えて多分(欧米とかアジアだけに偏りすぎてはない目で)日本ドラマ愛好家について少しは語れると思う。
ただ、私はエンタメ関係仕事をしている訳でもないし、著作権専門家でもない。
インターに通っていたのだって10年程前。アメリカも4年前で今とは事情も違うかもしれないし、あくまで「学生だった頃の私」が感じた「海外から見たクールジャパンおよびアジアエンタメ」でしかない事は了承してほしい。あとネットお隣の国話題だすと荒れそうだけど、どっちが優れてる・劣ってるじゃなくて、お互い見習うとこあるよねって感じだって事を先に言っておきたいし、人種差別的なコメントをする人に対しては一切反応しません。(実際、韓国エンタメ面白いしね。最近だとコクソンよかったよ)

海外日本ドラマを観る人って私から見ると3種類タイプがいて
 ①漫画アニメが好きなのでその延長線で日本ドラマも観る
 ②アジア系なので、流行っている海外ドラマ(=欧米ドラマ)にイマイチ親近感を覚えられず同じアジア系ドラマとして日本ドラマに行きつく
 ③母国海外わず色んなドラマを観る
ここから見てわかる通り、入り口アニメでもない限り海外日本ドラマ愛好家って韓国ドラマファン層と被っている。(詳しくない人以外だと東アジアひとくくり。日本人白人を見て「アメリカ人!」っていうのと同じような感じ。)
そして、こういう人達がどこからアジア系ドラマに接触するかって言うとほとんどが違法DL、または違法DVD屋さん。

私の家の近くには違法DVDを売っている屋台があって、様々な国のドラマ映画DVDが売っていた。特に買っていたわけでもないけれども近所のスーパーに向かう近道沿いだったのでたまに近くを通る。
某国に行ったすぐの頃はまだ日本エンタメ産業に力があったので、面白いアジア系ドラマジャパニーズみたいな認識だった。東アジアルックスである私達家族屋台を通ると必ず「Japanese Dorama!」(日本人にもわかりやすいようにドラマ日本語発音してくれる笑)と声がかかる。
慣れてる店員さんだと日本人韓国人見分けて韓国人にはコリアンを勧めていたけれども基本はジャパニーズ中韓のお客さんも日本ドラマが嫌いな人は少なかったし(少なくとも海外に出て来れるような教育レベルだと反日の人は少ない)、面白いから勧めておいて損はないだろ、的な感じ。この頃の日本ドラマだとフードファイトとかごくせんとか人気だったかな。あと古いけど中国系東京ラブストーリー鉄板だった。
中華系は見分けるの難しかったみたいだったけど。そもそも北京語広東語聞き分けるのが素人には難しいし、北京語話してたからと中国ドラマを勧めてみたら台湾人で機嫌を概してしまったとか、そもそも現地に馴染んだ華僑なので中華ドラマに興味がないって人もいたので)

ところが一時期からこうしたお店でJapanese Doramaを勧められる事が一切なくなってしまう。時期としては多分冬のソナタがでてきた数年後くらいだったと思う。
別にその頃から急に日本ドラマの質が下がったとかじゃない。(冬のソナタ以降韓国ドラマの質が上がったっていうのはあると思うけど)
理由は明快で、その頃から日本ドラマDVD規制が激しくなって、DVDに焼くのが難しくなったから。
結果DVD屋さんのメイン商材は韓国ドラマ中心となっていった。

アジア系ドラマ観てみたいけど何から観ればいいのかわからないって人は、そういったDVD屋さんに行って店員さんにお勧めを聞くんだよね。
店員さんも商売なので持っている商品の中から勧めるしかない。ドラマを気にいってくれた人がいたらじゃあ同じ俳優さんがでてるこのドラマは…とか同じ雰囲気ドラマだったらこんなのもあるよって。
あるもの勝負なので売れるのは韓国ドラマ人間やっぱり長く観てると愛着が湧いたりなじんできたリする訳で、普段から韓国ドラマを観てる人間はやっぱり日本ドラマよりもそっちを選んじゃう傾向がある。こうした人達が周りの友人に勧めて口コミで広がる。日本ドラマが売っていないので日本人及び純粋日本ドラマファンはこうした屋台に行かなくなってさら韓国ドラマが増えていく、というループ
アジア系ドラマ専門の人以外も例えばハリウッド映画DVDを探しに行ったらたまたま面白そうだったし(違法なので)安いからという理由日本ドラマを観る機会がなくなっていく。

で、これって同じ現象インターネット違法DLでも起きていて。同時期から日本ドラマを追いかけるにはものすごい苦労をして違法UPされた動画に辿りつかなきゃいけなくなっていたらしい。私は運よく親戚がDVD録画したもの日本から送ってきたりしてくれていたが、そういうツテがなく、日本語ができない人は日本放送された直後にファン字幕を付け、数時間でそれが消される前に観るしかない。
そこまでして日本ドラマを観るか?ってなるとじゃあ韓国ドラマでいいやってなってしまう。特にさっき言った日本ドラマを観ている人間タイプのうち②の人なんかは日本ドラマが好き!という訳でもなくアジア系ドラマ面白いのを探しているだけなので、探しやす韓国のを…となる。

著作権的にどうなんだ?!って声がかかるのもわかるし、個人的に今オタクをやっていてブルーレイとか買っている私から見ても違法視聴は許されないと思う。
ただ実際、口コミでってマニアから始まるので、例え違法であっても露出が多いのって確かに有利だ。

こんな話がある。
私が学生の頃、涼宮ハルヒの憂鬱インターオタク仲間の間で流行っていた。確かその頃京都アニメーションかどこかの人が「海外でも受け入れられるとは思っていなかった」という旨の発言をしていたのを覚えている。萌えアニメ海外流行った事はあまりなかったし、そもそも話の順を入れ替えて放送するっていうのも最初から原作ファンのみを狙い撃ちしていたかららしい。それが爆発的にヒットしたのは、その頃台頭してきたYoutubeEDダンス拡散され、オタク達がそれを真似た動画やパロった自作MAD話題になったから。(恋ダンスみたいだね!)今や海外アニメファンの間でもKyo-aniって言えば通じる程のブランド力を持っているけれども、結局入口は(少なくとも私の周りでは)ネットでの違法視聴だったと思う。

今回の恋ダンス削除騒動を受けて高校までのインター生活大学でのアメリカ留学で感じた「とにかく露出を増やす!」っていう点がやっぱり日本は遅れてるのかもしれないなって思ってしまった。The Melancholy of Suzumiya Haruhiみたいに恋ダンス経由で逃げ恥を知って、日本ドラマを観始める人だっているのになって。ビクターの言い分もわかるんだけど。

もちろん日本エンタメ産業の人だってただ手をこまねいていただけではない。今はCrunchyrollで合法アニメ配信をしたり民放も一週間以内だったらネット番組が視聴できるようにしてたりする。でも結局その波に乗るのは韓国の方が上手かったかなって感じ。
アニメ除くと民法ドラマバラエティ英語字幕はついていないし、民放ネット配信って海外からだとアクセスできない事も多い。(韓国はArirangっていう英語字幕つきのケーブル番組とかある)
因みにアイドルとかでも同じ現象が起こっていて、アメリカ出会ったK-POPファン友達は「昔はJ-POPを聞いていたけれどもYoutubeでフルであげてくれるとこが少なくてK-POPに移った。」と言っていた。今ほとんどの韓国アイドル新曲をフルでネットにあげてるんだね…確認すると日本だとハロプロくらいかな…?LDH日本事務所の中ではかなり海外に目を向けてる感じはするけれどもやっぱりShort ver.しか上げていないし、坂道MV集出してからShort ver.のみ。ジャニーズ基本的に全てアウト。例外的AKBはフルで上げてるのもあるけど、あれは握手会ありきなのでカウントはしない方がいいのかもしれない。

あと、先に行っておくけどネットとか特にツイッターとかだと絵師の間で「欧米では文化お金を払う土壌ができている!」みたいな事聞くけど、正直一般の人は正直そんな事全然ないよ。ちょっと前にイタリアケーキ屋が「インスタで宣伝してやるからケーキ無料でよこせ!って客には何もだしません!」って表明して話題になってたの覚えてる方もいると思う。
個人レベルでも某アニメDVDボックス欲しいっていうのに「え?ネットでただで観れるのに?」って返してきたの何人も欧米人いるからね。
実際にそれを仕事にしている人や趣味漫画を描くような人だとその感覚理解してくれるけど、趣味で絵を描く(例えば同人誌を描くとか)ってのが割とアジア系に多いので日本人の他だと確率的に台湾韓国人が多いかなって気はするけど。

何度も言うけど別に日本エンタメコンテンツが弱いわけではない。「逃げ恥」始め今だって素晴らしいドラマ映画が生み出され続けている。
中国人の友人は「日本ドラマ映画の静かな感じはなかなか他の国ではだせない」と言ってるし、国内外わず一番好きな映画は「桐島、部活やめるってよ
アメリカ人の友人は「おくりびと」を絶賛していたし、フィリピン人の友人は「ホタルノヒカリ」の大ファンで一番好きな日本語は「ブチョー」。
でもこの人達って日本エンタメ産業が強かった頃の日本ドラマを観て育っているかJapanese Doramaを観るという習慣ができている人々。上述した日本ドラマをよく見る外国人の中で②③の内、日本ドラマ面白いと知っているから、その中から自発的面白いものお探してみようとした人々だ。で、入り口違法視聴でもファンになった人達はきちんと公式DVDなりサントラなりをネット販売を通じて買っている。

日本エンタメ露出が減っている中で、これから次の世代日本ドラマファンをどう増やしていくのかってのはすごく問題になっていくと思う。この人達の何割かは母国テレビ業界に入ってアジア系ドラマバイヤーをするかもしれないし、Japanese Doramaを見ていた人なら放映権を買ってくれるかもしれない。

じゃあ①のアニメから入って日本ドラマも観るようになった人は?それはしばらく安泰なのではってなるけれども、冬のソナタ~今の韓国ドラマレベルの上がり方を見てると、正直漫画なんかも追いつかれるんじゃないかなって思ってるんだよね。特に「紙の」漫画がどうしても重宝されがちな日本に対して、韓国漫画WEBで攻めているという話も聞いた事あるし、割と面白いのもある。欧米人ってオタクとかエンタメ産業の人以外ネットで言われてる程文化お金払わない。そうするとやっぱりただで読めるWEB漫画は強い。日本漫画最近WEB配信してるけど、それが「公式で」英語に訳されているか…もしないのならば非公式で訳されたものが黙認されているかってのはある。

どっちがいい悪いじゃなくて、お互い見習うところがあると思う。ただ、よく言われている事だけれども日本って宣伝が弱すぎるし、COOL JAPANかいう前に、正直もう少しネットとかでの宣伝方法とか考えた方がいいんじゃないのかな。

終わり。

 
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