はてなキーワード: GTOとは
押尾学が出てたのはサイコメトラーEIJIでしょ?
少し前に「学年ビリだったギャルが慶應に行く」という本が売っているのを見かけた。
思わずこのタイトルを見ただけで思い出してしまった、未だ忘れられない私の高校時
代の思い出を語りたい。
私の通っていた高校は県立の中でもかなり下&定員割れというよくある新興校だった。
基本バカしかいなくて、中学の勉強をほとんど理解できてない人が入る高校である。
不良とギャルが圧倒的に多いのだが、たまたまうちのクラスは雰囲気が明るくて不良
もギャルもオタクも皆仲が良く、担任の若い熱血女教師も皆から好かれていた。
コースが分かれている関係で、クラスは基本1年から3年まで担任ごと持ち上がりな
のでその点でもかなり恵まれていたと思う。
私自身はよくいるキモオタで皆からは「パープル」と呼ばれていた。
これは当時発売されたばかりで流行っていたユニクロのフリース(紫)を愛用してい
たことから名付けられたのだが、まあ私のことはどうでもいいんだ。
ギャル子はバカだけど明るくて人見知りしないクラスのムードメーカー。
当時流行っていたガングロに憧れすぎて、数学のおじいちゃん先生から「サンボ」と
一方、秀才君は不遇の秀才で、中学生時代に大病をして出席数が極端に少なかった上
に一番頭のいい公立高校に落っこちてしまい、二次募集で定員割れのうちに来たとい
う経歴の持ち主だった。ちなみに秀才君に関しては結論から先に言うと慶應大学に進
学し(開校以来初の快挙)今は都庁職員として忙しい日々を送っている。
事はギャル子が突然「先生になりたい」と言い出したことに始まる。
当時、GTOが大流行中で多分に漏れずギャル子も「不良→教師」という分かり易い
感動のツボにまんまと乗せられた一人だった。
言うまでもなく誰も真剣に受け取っていなかったがギャル子は秀才君に勉強を教えろ
と絡みだし、秀才君は最初嫌々ながらも放課後ギャル子の面倒を見ることとなった。
それが確か3年の5月位だったかな。
同窓会で秀才君がしみじみ言ってたけど「小学校からの復習だからね」というレベル
だったらしい。まあ私自身を振り返れば高校がそんなレベルだから仕方ないと言うこ
とは皆分かっていたし、すぐにギャル子も音を上げると思っていた。
「そこまでヤル気があるのなら」と熱血女担任も乗り気になり、担任が仕事をしてい
た教務室の隣の席を開放し、毎日毎日放課後担任が帰るまで2人で勉強していた。
夏から秋・そして冬へとあっという間に時は過ぎギャル子は日に日に変わっていった。
日サロ通いを辞めたせいかサンボの面影も徐々になくなり、二学期が始まる頃には秀
才君が「教え甲斐がある」と言い始めた。大半は就職し(私も就職組)、進学組もほ
とんどは専門という状況でクラスで大学を受けるのは秀才君とギャル子たった2人だ
けだった。
それでも正直、ギャル子が大学に受かるなんて本気で思っていた奴はいなかったと思う。
何でよりにもよって国立なんだ!私立ならなんとかなるとこありそうなのに!
というのが私たちの声だったが、ギャル子は熱血女担任の母校であった埼玉大学に進
学して教師になると決めていた。
この高校生活最後の一大イベントを見逃すわけには行かず、クラス有志でギャル子の
合格発表を見守る集いを募ったところクラスの大半が参加する事になった(ギャル子
は嫌がったがw)。
私達は年明けの自主通学になった後も「祈る!合格」や「必勝」などのポスターや横
忘れもしない。
秀才君が華麗に慶應大学に合格しうちのバカ高校に激震が走るのもつかの間、
その日はどんよりとした天気で北浦和から受験生1人と全く関係のない応援軍団がバ
いつも明るく天然なギャル子はガチガチになっていて、馬鹿な私達は「横断幕はやり
すぎだったんじゃないか?」とか今更な疑問に困惑していた。
テレビで見るような東大なんかの合格発表と違い、たくさんの人がワイワイ賑わって
いるような光景じゃない。時間帯的にもピーク後だったら気持ち程度の学生っぽい人
「いってくるね」
私達は祈った。とにかく祈った。
こんなに頑張ったギャル子にどうか春を迎えさせてやってくれ!神様!!頼む!!
みんな固唾を飲んで見守っていると、ギャル子がクルッとこちらを振り返った。
ギャル子は泣いていた。泣いたままゆっくり私達の方に近づいてきた。
鼻水と涙でボロボロになりながらギャル子は私達に抱きついてきた。
横断幕を掲げた怪しげな集団が歓喜の怒号を上げ、ギャル子を胴上げした。
皆自分の事のように喜び、女子や一部の男子(私)は泣いていた。
ギャル子がどんなに頑張ったか知っている秀才君はボロボロ泣いて胴上げしていた。
世間から見れば何てことはない一地方大学の合格発表かもしれない。
でもギャル子にとって、私達の高校にとってギャル子が成し遂げたことは東大合格に
も優らぬとも劣らない大偉業だったから。
私達はわざと熱血女担任には連絡しないでそのまま高校の職員室に雪崩れこんだ。
「先生!受かった!」
職員室は俺達にも引けをとらないほどの歓喜の渦に巻き込まれ、ギャル子と熱血女担
任は抱き合って泣いて喜び合った。
騒ぎを聞きつけた校長先生が職員室に飛び込んでくると何故か校長も泣いていたw。
不良が多いうちの高校で本当に苦労していた校長や他の先生たちは、ギャル子が成し
遂げた事がどんなに凄いことかとてもよく理解していた。
と言うとそれまで泣いていなかった他の先生もボロボロ泣きだした。
と校長が叫んだ。
と書き加えられた。
あれからもう十数年が経過した。
定員割れが続いた我が母校は統廃合されて名前こそ変わったものの
とりあえずなんとか存続はしているみたいだ。
ちなみに私は某鉄道会社の車掌として右往左往する日々を送っている(皆さんに会っ
てるかも^^;)。
そしてもちろんギャル子は、県立高校の国語教師として忙しい毎日を送っている。
【おことわり】
しかし元・ギャルの大逆転劇やクラスの話は間違いなく事実ですので、ちょっと前
にも「学年ビリのギャルが~」のような話が実在していたと思っていただければ幸
いです^^;