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2022-06-21

余命投票制度医療における期待余命年数

余命投票制度を反射的に否定する人は、莫大な費用のかかる手術をしないと死亡する幼児と老人がいる場合、どちらも対等に扱うべきだと考えているのだろうか?

費用の制約により救える命が限られている場合原則としては余命の年数をベース優先順位をつけるのは自然な発想であり、実際に根拠に基づく医療(EBM)の考えではQOL考慮した期待余命の年数(質調整生存年)をもとにした費用対効果に基づき判断するのが一般的である

日本でも質調整生存年に基づく費用対効果を考慮した薬価基準制度2019年にに導入されており、余命をもとに物事を考えることはそれほど反倫理的ではないといえる。

参政権付与には直接的なコストが掛からないとはいえ、余命投票制度も反射的に否定されるべきことではないのではないか

2019-05-06

チーズケーキ革新陰謀

ある街には5件の菓子店があった。それぞれの店で看板商品は異なっているものの、その街に住む人々の飽くことなき食への欲求を満たすべく、積極的商品開発を行なっていた。

そんなある日、ニューヨークのある企業革新的菓子を開発した、とのニュース流れる。その新たな菓子は、分類するならば”チーズケーキ”と表現するべき物のようだが、その味たるやチーズケーキはおろか、過去に作られたいかなる菓子とも比べても桁違いの芸術であるニュースは伝える。その味は個々人の好みを凌駕し、すでにニューヨークの大半の人々を魅了しはじめているようである

何より驚くべきことは、そのチーズケーキの開発元企業インターネット上でレシピを公開していることであるWebページではレシピに添えて、この公開が世界公益資するものと強く信じている、という社長メッセージ掲載されている。彼らはもともと食品販売を専門とした企業ではないとはいえニューヨーク中を虜にしたケーキレシピをなぜ一般に公開するのか、その真意は今のところ誰にも知りようがない。

レシピを見る限り、決して高価な材料特殊調理法必要としない。むしろ安価で広く手に入る材料ばかりで構成されている。取り立てて珍しいものとしては寒天くらいであろうか、ただチーズケーキ作りに使われることは珍しくとも、一般的な菓子作りにおいて決して風変わりな食材であるとも言えない。

ともあれ、このレシピの公開を受け、この街の5件の菓子店も大きな決断を迫られることになる。

というのも、例のチーズケーキニューヨーク菓子店の店頭に並ぶやいなや大きな人気を博し、従来の菓子市場をあっという間に席巻した。明日この街において同じ状況が訪れないとは限らないのだ。今すぐこのチーズケーキ商品化に取り掛かるべきなのか?

奇しくも5つの菓子店が出した結論は全て同じであった。「このチーズケーキ商品化しない」

一体何故だ?決して製法が難しいわけでもコストが高い訳でもない。

その理由は、彼らの既存商品ラインナップにあった。彼らは、今の看板商品の売上がチーズケーキによって奪われてしまうことを恐れたのであった。

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以上、駄文でお恥ずかしい限りです。しかし愚にも付かない創作ですが、この結論違和感を感じはしなかったでしょうか。

5つの菓子店はなぜチーズケーキの開発を進めないのか。仮にそのチーズケーキの味が本物で、5つのうち1つの店でもチーズケーキを売り始めてしまえば、彼らが恐れている看板商品の売上は他店によって大きく損なわてしまうでしょう。

ひょっとすると何らかの理由で5つの店は談合しており、このチーズケーキ販売を見合わせる協定をしているのかもしれません。たとえそうであっても、第6の新たな菓子店がそのチーズケーキをひっさげ、街の菓子市場に割って入るのも時間問題でしょう。

市場経済が常に企業間の競争連続の上に成り立っている以上、既存商品とのカニバリゼーションだけを理由に、あえてチーズケーキに手を出さないという決断をし、その結果市場チーズケーキ供給されないという考え方は合理的ではないと考えています

(もちろん現実はこれほど単純ではなく価値の捉え方・企業戦略多種多様ですし、イノベーションのジレンマが示したのはチーズケーキに手を出せなかった過去巨大企業実例でしょう。ただしその際は新たなイノベーター市場破壊しにきます。)

ただ、何故か医薬品においては起こりうるべきこととして考えてしまう人も一定数いるようです。(痛ニュー記事一般論として書くのはいかがなものですが)

http://b.hatena.ne.jp/entry/blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1989967.html

今、世界中の製薬企業はアンメットメディカルニーズと呼ばれる既存薬での治療法が確立されていない病気治療薬を、それこそ血眼になって探しています。そして、がんはその中でも最も大きな市場となっており、多くの製薬企業の主戦場となっています

もし虫下しで癌が治るのであれば、2004年発見から15年経っても市場に現れないということはまず考えられません。そしてそれが製薬企業陰謀であるなどということも、まずないでしょう。一般的な薬の開発にかかる期間は7-10年程度かなと思います最近

製薬におけるパラダイムシフトはすでに起こっており、これまでの低分子薬ではすでにあらかた取り尽くされてしまい、最近新薬ではバイオゲノムなどこれまでと全く異なる方法での研究開発が主となっています

世界中で星の数ほどの製薬ベンチャーが生まれ大手製薬企業はその中で見込みがありそうな薬を持つ企業の買収や提携により薬の種を仕入れることが珍しくありません。

これが製薬企業陰謀なら、世界中のありとあらゆる製薬関係者が関与するカルテルでも作るんですかね。毎年研究者の卵が生まれるので大変ですね・・。どんな談合があったとしても、裏切ったもん勝ちな感じもします。囚人のジレンマってやつですかね。

なお別の記事ブコメで、この薬剤では治験にかかる費用がペイできないのでは、というコメントがありましたが、これも可能性としては低いものと考えています

まず薬価については、日本では新薬薬価算定方式厚生労働省によって定められておりそれに従い価格が決定されます

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000144409.pdf

虫下しががんに効くとすれば、これまでの作用機序とは全く異なる新薬で、薬価基準制度における原価計算方式になります。ここで研究費や開発(=治験費用一般管理費として計上した上で、さら営業利益等を上乗せした価格が最終的な薬価となります

ただし日本医療費は年々上がる一方で国も薬価引き下げのための施策を多数取っていますし、原価計算方式であっても必ず利益が出る薬価になるという担保はありませんが。オプシーボも想定以上に販売数が上がり、その結果劇的な薬価の引き下げに繋がりました。

いずれにせよ、がん細胞をこれまで止まったく異なる機序死滅させるとすればそれこそオプシーボのような画期的新薬となり、採算を気にしなければならないような話ではありません。

ちなみに余談になりますが、がんに効くと言われた虫下し薬がどれだけ安価に作られるものだとしても、人間治療に使う医薬品が同じような価格帯となることもまたありえません。薬が保険適用対象となるまでには10スパン研究〜開発〜承認の流れがあり、また製造においても品質担保するための様々な規制があります。それらのコストが全て医薬品にはかかっており、動物用薬と並べて比べられる類のものではありません。

かかるコストは決して安いものではありませんがそれが命、健康の重みでもありますし、万一承認された医薬品安全性問題があったとすれば、国も裁判賠償責任を問われることとなるでしょう。私個人としては安心して薬を使うことができるということの価値を感じますし、総じて日本医療制度は(先行きが不安であるとはいえど)非常に優れたものであると感じています

話を戻して先ほどの虫下しがまだ上市されていないことを考えると、おそらくはまだ基礎研究段階、もしくは動物等を使った非臨床試験での問題が解消されていないものか、またはそもそも2004年時点で話に尾ひれがついてしまったのではないかと思います

最近SNSの発展とともに(特にがんがひどいのですが)見ず知らずの他人代替療法提案したりするところを目にしてしまます。これまで積み重ねてきた人類の叡智を以ってしても完治が難しい病気存在する、というのは辛いですが間違いのない事実です。

いざそのような病気に直面した時、どこかに魔法のような治療がある、という言葉を信じたくなってしま気持ちは察するに余りあります。(これは病気となってしまっった当人だけではなく、その周りの親類や友人にも当てはまります

ただ今私たちが受けている医療は、それだけ多くの科学エビデンス過去から積み上げてきたからこそ享受できているものです。決して第三者の甘い言葉だけに惹かれてしまことなく、担当医の見解を聞く、セカンドオピニオンを取る、各種支援団体相談する、など出来る限り多くの情報を、出来る限り冷静に集めてみてください。

また治験では未承認ながらより新しい治療薬が利用できることもあり、条件さえあえばまた違った選択肢を取ることができおることもあります治験についてもWeb上で実施している病院などの情報が公開されています。(治験という性質上、通常の治療とは異なりますリスクを含め必ず専門医相談の上、治療方針検討してください)

長々と書きなぐってしまいましたが、これがこの連休を締めくくる最後活動になりました。少しでも薬についての理解につながることを祈って。

 
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