はてなキーワード: 内地材とは
去年は大変でした。今年も大変になっていますが、マスコミが客寄せに使う分かりやすい「ショック」とは言えない、構造転換といえる変化が起きています。
昨年は、施主が得られるはずだった、住宅ローン減税での還付分を木材を筆頭に値上(2.5倍程度)したコストで吹き飛ばされた方を複数見てきました。
相場を舐めていた建設会社と設計事務所が、適切な積算ができない、材料の調達が間に合わない。その失敗を費用増や工期延長という結果から、施主から時間と資金を奪っていく様を見てきました。
施主はローン上限一杯借りるのに、「住宅価格の中で木材価格は1割内だからそこが上がっても問題ない」みたいな報道が昨年あって、実際にそう話すメーカーがいたのであっけに取られたのを覚えています。
「2つの」とタイトルにあるように、注目を浴びている北洋材(ロシア)より先に、北米にて2021年晩秋に一つの法案が通りました。この法案は150年生以上の立木伐採を規制するものです。日本国内で建てられる住宅、特に注文住宅では、窓枠やドア枠に良質な無垢材を使用します。この部分に使用される無垢材は、米栂、スプルース、米松、米ヒバ、Wオーク等、北米原産材を使用しますが、昨今の居室空間の大型化、サッシの大型化から要求される木材に、150年生以上の天然木(オールドグロス材)を使ってきました。しかし2021年の規制により、現地大手製材会社Mが法案に合わせ生産を停止し、日本の輸入量が昨年対比50~80%減になりました。そして底が抜けた円安。
この法案、SDG'sによる持続可能な森林資源を保護していく理念で制定されました。が、ソロバン勘定をする先進国なので、良質天然木の売却益<CO2排出権の売買益、になったと思います。この状況は、カナダ政府が政策転換しない限り持続していく状況です。
2021年の材料争奪戦は、無尽蔵の購買力がある北米が北米産材だけでなく、欧州材にも手を出し、各国のロックダウンにより輸出入港が制限され、検疫により迅速な荷役が出来ずコンテナ船の渋滞が混乱に拍車をかけました。翌年(2022)の材料調達計画は各社、それぞれの考え方で、西欧の既存仕入先との関係強化をした所、内地材の調達を強化した所、ロシアに多額の投資を行った所がありました。昨年の記事では、末尾で素敵なパートナーと茶化しましたが、契約主義と民主主義の西欧文化圏から外れた、力を信奉する権威主義の国との貿易がいかに難しいか、通商の途絶という最悪の形で現れました。主な貿易樹種は、赤松、カラ松、タモ、ナラ、カバ、既にカラ松を使用した合板(ラーチ合板)が国内需要に対して供給が足りず国内産丸太価格が上昇。仕上材であるタモは夏以降欠品や高騰による仕様変更を迫られると思います。今秋のプレカット市況は昨年と同じ状態になるかもしれません。
64年の木材自由化以降、石炭と同じように良質な海外産材が出材コストの安さと共に日本に普及していきました。より「適材適所」になった材料選択の自由さに、日本の杉と桧は平成不況の中で製造コストも押さえつけられ、信じられないかもしれませんが、直近まで構造用木材価格は60年代の相場より10%程度高い程度の金額で取引されていました。この環境が不自由な貿易環境の中で改善されるかもしれません。カラ松や杉の丸太価格が上がっており、より適切な利益が国内の森林組合や製材会社に回る形になりなりそうです。2021年は無くなった海外産材の需要を何とかカバーしようと増産を行っています。まだ「ショック」と形容される内容でしたので、設備投資に踏み切れる訳もなく、需要家から色々言われながら各設備が残業をしたと考えると、黙々と増産に励んでいた方々には頭が下がります。2010年代、各地域に50億前後の中規模製材工場が建設され、改善された生産設備が上手く稼働できたのがショックで済んだ一翼を担っていますが、自給率30~40%の現状で仮に30%の増産をしたとしても、50%台にしか届かないので、足りない海外材の代替には設備投資が必要な状況です。また、杉は加工性が高く構造材から仕上材に幅広く使える利点があり、昔から建築用材として使われた歴史がありました。杉の学名は「日本の隠された宝」という名前もついていますが、昔の長屋のような間取や平屋建てならともかく、洋化された生活空間による住宅においては、広い空間を保つ梁の強度が足りず、仕上材も柔軟な加工性が仇となり、非常に傷つきやすく正確に内部造作に加工するのが難しい、水に弱い、和風内装の不人気という側面もあります。世界中の木材から、使用用途に応じた強度や耐久性、質感の選択をしている適材適所かつ現代のノックダウン方式住宅製造では、杉単体で立ち向かうには難しく、集成材でのコスト革新が待たれるところです。
実際にはアメリカの住宅需要急増で原木含めて外材の輸入量が極端に減ったのと、コロナ絡みでコンテナが動かなくなったのが始まり。
当初は外材の製材業者も手持ちがあるけど薄くなると製品価格は上がる→安かった内地材に需要がシフトしていくって流れになり、それが昨年秋くらいから。
原木を山から切り出す→市場で原木を売る→製材業者が買って製材する→製品を市場で売って、それを加工業者やビルダーなどが仕入れて建材にするってのが一連の流れなんだけど、山師さんは冬場は雪で切り出せなかったりするから需要が増えて値上がりし始めた頃から原木が減り始める時期でもあった。
ビルダーも冬場は着工少なくはなるんだけど、値上がり絡むから安いうちにおさえたい、でも原木少ないから絶対数も少ない、製材所も売れるから原木仕入れたい、でも原木少ない…となると、製品価格上がる→原木価格も上がるの無限ループ。
冬が終わっても4月5月は補助金がまだでていないから山師さんもそこまでまだ動かないから無限ループが今も続いてる。
ただコンテナがそろそろ動き始めてるから梅雨から夏にかけて落ち着いてはくるだろうってのが大方の見方。
今回のウッドショックで体力のないビルダーや工務店は事業縮小や撤退もそれなりに出てる。
これが全てだけどね。
ニュースでチラホラ取り上げられている木材高騰。複合的な原因によりここまで深刻になりました。
憎い花粉をまき散らす杉や桧ですが、現在不足している原因は昨年下半期に行った減産調整が原因です。
昨年春からのコロナ禍により、住宅業界や施主も1年程度の着工延期を行ったケースが多発し、
当時進行中の現場も緊急事態宣言に合わせて工事が止まるという事が起きました。
結果昨年5月~9月にかけ、国産木材価格が暴落したんです。在庫が余って滅茶苦茶になりました。
知っているケースだど、桧役物、関東尺6寸1分の板で3万㎥です。平時の3分の1でしょうか。
結果市場価格安定と余剰在庫払底の為、減産調整が行われ供給が一気に減りました。
木材というのは、葉が枯れ幹に水分が少なくなる晩秋~春までしか伐採できない性質があります。
現代ではKDという強制的に乾燥させる技術がありますが、設備と容量に限りがあるので、今の時期に木材を切っても
今年の伐採時期には沢山木を切るでしょうから、来年春には品不足がある程度解消されるでしょう(価格が戻るとは言っていない)
直接の原因は米国の住宅バブルと言われています。大都市圏のアッパー層が付加価値税が安いフロリダ等への移住を積極的に検討しており、
NY等の異常な高さの賃貸契約から解放され、土地がタダに近い地域に建物を建てられるので、上物(建物)に掛けられるコストが無尽蔵に出せられるんです。
都内の山手線内側だと、立地の良い30坪の土地で5千万円~です。こういった土地を買える人でも、土地が高すぎるので建物は1千万~2千万円のショボ物が多いのですが、
100万程度で買える地域だと、建物に7千万円のコストが掛けられる訳です。材料が高い?倍の値段でも余裕ですよね。
しかし、業界に居る人から見た直接の原因は、インフレギャップの顕在化とみています。
日本の購買力はバブル期から全く変わっていません、インフレしていないので当然ですが、諸外国は毎年数パーセントの経済成長をした結果、2%換算で60%の購買力差が付けられています。
具体的な数値だと、日本の世帯年収の中央値が437万ですが、米国の中央値は670万です。バブル期は米国と同等の経済水準だったので、30年で35%の差が付いた事になりました。
欧州にしろ、北米にしろ、相手も先進国ですから、金出さない貧乏な客は、客でないんです。国内では無知な安売り建設会社が、木材会社やプレカット会社の値上依頼に抵抗して、
金の支払いを渋っているケースが多いですが、まあ潰れるまで売上ない状態で頑張ってくださいという形ですね。
皆さんがホームセンターで購入されるSPF材、現時点で昨年の倍、今年冬には3倍になっていると思います。
垂木(30×40㎜の断面)という材料がありますが、これを製造しているロシアの商売が一番エグイです。
実はこの木材高騰の中でロシア材(赤松)は全く関係のない状況でした。しかし欧州や北米の金額が上がった事をしった連中は、
現在日本の市場在庫が尽きるまで売り止めを行っています。日本市場の在庫が払底するころに