はてなキーワード: レイクライシスとは
2017年10月14日(土曜日)に、「Ray'z Music Chronology」が無事に配達されました。
いい機会なので、レイシリーズの楽曲ランキングをまとめておこうと思います。
今まではこういうことをやると、ランキングに入った曲を全て聞くためにはいくつもアルバムを揃える必要があったわけですが、これからはクロノロジーをひとつ買えば全て揃いますからね。これは買うしかないですね。
注意事項
購入したのが「通常版」のため、Disc11は聞いてないので、選考からは外されています。なぜ特典版ではないかというと、購入手続きを面倒がって後回しにしていたら売り切れていたからです。その程度なのです、はい。
ランキングといっても、データを集計したり投票を募ったりしたわけではく、ひたすら私が独断と偏見により順位をつけていきます。ひとつの順位に一曲とは限りません。明確な上下を決められない場合、複数曲が入ることがあります。また、同率の場合に後ろの順位を下げるやつ(たとえば1位に2曲入った場合、次の曲が3位になるやつ)はやりません。あれは同率が例外の場合はうまくいきますが、本ランキングでは多用するので、数字が穴だらけになって意味不明になりそうなので。
音楽用語の使い方は適当です。
メロディもさることながら、音色が素晴らしい。突き抜けるような寂寥感。あの寂しい感じは、フォルクローレに通じるものがあるような気がします。そういえば rayons de l'Air でも民族楽器がフィーチャーされていました。
破滅する運命に向かって突き進んでいく荘厳な感じがして、エモいです。エモすぎて死ぬかと思いました。
それと、ラストちょい前にコイン投入音がするのがよいアクセントです。ラスボスを倒す前に全機なくなってコンティニューしたとか考えるとまた一段とエモいですね。
この曲の構成は1位の曲と似ている気がします。開始からしばらくはビートの反復が主体で、途中に一回劇エモなメロディーを挟み、またビート主体になり、最後に劇エモメロディーの無限ループに入り、フェードアウトして終わり。ということで、自分の中でこの二曲はシリーズになっています。
1位と2位の曲は最後の盛り上がりが一番ですが、この曲は盛り上がる箇所が多いです。
この曲には強烈な「飛翔」のイメージがあり、レイシリーズで最も「高度が高い」曲です。飛翔感というのが重要で、高度が高いといっても宇宙空間まで行くと浮遊感が出てきてしまいます。大気圏内にいて、それで一番高度が高い、というのがポイントです。
この曲が似合うといえば、なんといっても空中ステージのボスですね。
レイシリーズの終わりを過去形で感じる曲です。もう終わってしまった、と。
悲壮感はあるのですが、ゲーム設定やタイトルから、人がワラワラいてデスゲームをやっている光景が想起されます。悲しげだけど賑やか、という。
プレステ版レイストームをプレイしているとき、この曲聞きたさに面セレで何度も選んでいました。1分30秒あたりから始まる曲のサビとゲームの進行のシンクロ具合がとても好きです。
50秒から始まるサビの部分が好きすぎる。
ところで冒頭のほうで「クロノロジーをひとつ買えば全て揃います」と書きましたが、あれは嘘です。クロノロジーに入っているこの曲の音源は、セガサターン「レイヤーセクション」用のマスターテープと、レイフォースの基盤なわけですが、私が一番いい音だと思うのは「Ray'z PREMIUM BOX -BEYOND-」のアルバム音源のやつです。はい。というわけでビヨンドも買いましょう。やや出費は増えますが、レイシリーズの楽曲は出会って以来ずっと私のプレイリストで現役なので、あなたも今後ずっと聞き続ければ元はとれます、誤差のようなものです。
真っ暗な空間で水晶(クォーツ)がRayの光に照らされてキラキラしているような、そんなイメージ。
アンビエントを基調としつつ、5分15秒あたりや7分10秒あたりに派手に盛り上がる部分があるのもよいです。
レイシリーズで最も「巨大さ」を感じる曲です。とても巨大なものと対峙しているような、かつ、浮遊感のあるイメージ。まあ、つまりはレイストーム4面ボスです。
特に高音のパートは、自分の能力の極限まで搾り出すような緊張感があり、バトルBGMの白眉ですね。
レイシリーズの終わりを進行形で感じる曲です。終わる、終わってゆく、と。
ゲームの進行的には「聖母マリアよ、二人を何故別々に」であるとか「童話の消えた森」の方が後なのですが、なぜかこっちの方が終わりを感じます。この曲はプレステ版アレンジモードで流れるので、ノーマルモードからプレイしていった場合に、はじめて聞くのはこっちの方が後になりますから、それもあるかも。
そして、レイシリーズで最も「暗い」曲です。他に暗い曲としては「彼女の目的」もありますが、あれは光の無い暗さで、こっちは心理的にも暗いです。4分6秒付近の、ピアノのデン↓デン↓と下がっていくのなんかもうどん底ですよ。
コンヒューマンのためのレクイエム、といったところでしょうか。
この曲を初めて聞いたのはプレステ版レイクライシスをプレイしたときですが、ちゃんと聞き込んだのは「Ray'z PREMIUM BOX -BEYOND-」を購入したときで、その際、これに歌声が乗ったら良さそうだなあ、と思って歌詞を考えたりしました(出来が良くなかったので削除しましたが)。もしも公式に歌がのるならビヨンドみたいに BETTA FLASH がやるだろう、と思っていたので、クロノロジーでまさにそれが実現すると知ったときは震えました。ひょっとして私は TAMAYO 氏の楽曲を聴き続けることにより、氏との思考のシンクロニシティを獲得したのではな(以下略)。
Intolerance のプロトタイプのように感じます。個人的にレイストーム→レイフォースの順に触れたので。
ところでアルバム上では「The Fates」「Doomsday」「Q.E.P.D.」の並びなわけですが、この三曲はなんだかクラシック音楽っぽいなと感じる部分があります。
レイシリーズの楽曲には「アーバンで退廃的なムード」を強く感じるものがあります。アーバンと言っても、都会の中にいるのではなくて、都会を遠くから眺めているような、それも黄昏に、という感じです。なんのことかわからない方もいるかと思いますが大丈夫です、私の中でもフワっとしています。なんというか、この曲のような雰囲気ですよ。
ジャジーですよね。この曲のような、ベースがドゥンドゥンいってる感じは好物です。
おー、テクノだ、って感じですね。
レイシリーズのゲームをプレイしていて、最初に衝撃を受けた音楽はこの曲でした。まだスタート画面なのにすげえの来たぞ、なんだこれ、と。
普通にゲームプレイをしていると絶対に聞けないところでなんかとんでもないことになってるぞ、と、衝撃を受けました。ステージクリア後に次はどこへ行くのだろうというワクワク感を増幅させたような曲。
クロノロジーのロングバージョンではこれまで無かったパートがあって、それもポイント高いですね。
A,Cについては概ねアルバム版に取り込まれているわけですが、このBの後半のループは跡形もなくなっています。聞けてよかった。
アルバム版を聴いてきた経験が長いので、このバージョンは何か、歌謡曲のカラオケバージョンを聞いているような肩透かし感がありますね。
クロノロジーの新曲であり、まだ自分の中で消化できてないので、暫定的にこの順位です。(と書いてて、ふと「消化できたと言い切れる曲などあるのだろうか?」という疑問が湧いてきましたが、さておき。)
7分33秒あたりは「むーにゃにゃー」って歌っているように聞こえるのがちょっとかわいい。
Metaphor とは違った巨大さを感じる曲です。巨人がズンズン近づいてくるみたいな。
曲のタイトル見てると、アストロシティ(1990年代を代表するゲーセン用の筐体)を思い出します。
ジャジーですよね。
一番好きなのは、3:55付近からはじまる「ラーラー」の部分です。
初めて聞いたとき「原曲の音を変えただけのようなものか」と思ってました、すみませんでした。
アルバムの最後の曲がフラッシュフォワードしていたり、レイストームのメニュー操作音みたいな音が聞こえていたりと、小ネタも面白い。
ずっとノイタンツ版を偏愛していましたが、ビヨンドのボックスで改めて聞いてたら、やっぱりいい曲だなあと。
明るい曲調なのですが、「楽しい遊びの時間は終わりだよ、もうお家に帰りなさい」感があって、寂しくなる一曲です。セラミックハートよりもエンディング感があるような気がします。
アコースティックな曲はこれまでにもありましたが、フラメンコを踊ってる現場で録音しているような趣があり、意外な場面でレイ楽曲を使ってるなあという驚きを疑似体験できて面白いです。
セラミックハートのアレンジバージョン。通常版よりもこちらのピアノの方が好みです。
冒頭のほうで「クロノロジーをひとつ買えば全て揃います」と書きましたが、あれはやはり嘘で、このバージョンはレイストームの通常アルバムにしか入っていません。iTunesで普通に売ってるので入手難易度は低いです。買いましょう。
レイシリーズで最も「アーバンで退廃的なムード」の曲です。また、最もアーメンブレイクな曲です。
最も「深さ」を感じる曲です。まったく光のない深海のような。
アルバム版においては、ラスボス曲の前座だなあという感じで印象が薄かったのですが、アーケード版はまるで印象が違います。
レイクライシスの設定的に、ダイブしていたのが現実の近くまで浮上してきて、心臓の鼓動とか医療機器の発する電子音が聞こえてくる感じがします(コンティニューするとまた潜っていく)。ビヨンドのムービーでも医療機器の電子音が鳴ってたりしてましたね。
はい。以上です。これ以降をやると大半の曲を入れることになってしまうので、ここまでです。
いかがだったでしょうか。「あの曲が入ってないのおかしいだろ」という感想を抱かれたかもしれませんが、これは私のランキングですからね、仕方ないですね。あなたも自分のランキングを発表しましょう。待ってますよ。
それにしても、客観的なランキングなぞ端から諦めていますが、主観的なランキングとしても正確なのか自信が持てません。「この曲、本当にこの順位でいいのだろうか」などと考えだすとキリがないですね。まあ、極論を言えば序列をつけること自体が不可能といえます。みんな違って、みんなRAY。ですが、それを振り切ってあえて順位を決めてしまう、そんな蛮勇を振るうのもまた、RAYと対峙する一つの方法だといえるでしょう。
レイシリーズは三部作なわけですが、音楽的にはレイフォースとレイクライシスの方が近い印象があります。ストーリーの連続性もさることながら、 RUBBING BEAT が出たのは NEU TANZ MIX よりも後というのも影響しているかもしれません。
ランキングで何度か出てきた「アーバンで退廃的なムード」の曲は、レイストームには無いと思っています。
クロノロジーを聞くにあたり、レイシリーズは、面クリア型のシューティングゲームであり、自機が戦闘機でラスボスが人工知能、というのは押さえておきたいところです。
音楽が作られる背景には、たとえば宗教の儀式のためであるとか、祭りで踊るためであるとか、戯曲の劇伴であるとか、クラブで踊るためであるとか、そういった理由がある場合がありますが、本作の場合はそれがビデオゲームだということです。
面クリア型のシューティングゲームは、いくつかのステージ(面)で構成され、ステージの中はさらに「道中」パートと「ボス」パートに分かれます。
道中は概ね固定時間で終わり、ボスは倒すまで続きます。(概ね、と書いたのはコンティニューの仕様によっては少し延びるからです。全機失うと、ゲームがポーズしてコンティニューするかどうか尋ねられますが、このときBGMは止まらないゲームもあります。)
なので、ゲームをプレイしているときは、道中の曲はいつも同じ場所で終わり、ボス曲は何度もループする、ということになります。
曲が短かったりステージが長いと道中曲でもループするのですが、そうでない場合は曲の後ろの方が聞けないため、サントラを買って聞くのが楽しみになります。(まあ、聞けている部分であっても、ゲーセンだと音が鮮明に聞こえないのが普通なので、サントラで聞きたくなるものですが。)
レイクライシスのBGMは道中とボスがシームレスに繋がっているので、Disc8のアーケード版は、道中は固定時間でボスはループ、というのが顕著ですね。
近現代の戦場においては、機械が主役です。人間は生身で存在できず、機械のアシストが必要です。
人を戦場へと運ぶ兵器のなかで、戦闘機は特権性を持ちます。人間との関係性が、他の兵器と違うのです。
まず、兵器にとって人間は部品でしかありません。戦艦や潜水艦を航行させるには多くの人手を必要とします。主役は兵器であり、人間は兵器を下から支えるモブでしかありません。
誰も搭乗している敵兵を殺そうとは思っていません。目的は敵の兵器の破壊なのですから。人が死ぬのは機械の巻き添えを食ったときです。民間の船や飛行機ではありえないような危険な運用を求められるため事故も多いでしょう。
人間は兵器の都合によってすりつぶされ死んでゆくのです。
しかし、単座の戦闘機は兵器と人が一対一なのです。そう、単座であるというのが重要なポイントで、爆撃機には複数人で乗りますし、戦闘機でも複座のものもあります。
人間が機械に奉仕させられる戦場において、戦闘機とパイロットの関係は対等に近い。そういう意味で、戦闘機にはロマンがあるというわけです。
過去において、ロマンといえば剣でした。兵器としての剣は決して最強だったわけではない。にもかかわらず(いや、であるが故に?)、力の象徴となっていました。銃の時代になって以降も、文化として継承されています。現在、剣のような象徴性をまとっているのが戦闘機なのです。
フィクションにおいても戦闘機(と剣)は他にない存在感を放ちます。(ここで具体的な作品などを論じるのは、キリがないのでやりませんが。)
レイシリーズにおける戦闘機は、ロックオンレーザーというオーバーテクノロジーを搭載した唯一無二の存在です。
面クリア型のシューティングゲームのプレイヤーキャラクターは、唯一無二の存在でなければ務まりません。敵キャラクターとの武装の非対称性が顕著ですから(対戦格闘ゲームやFPSなどは、逆に敵と味方のキャラクターに対称性がありますね)。
面クリア型のゲームでは、ステージをクリアするたびに難易度は上昇します。
難易度の上昇にともない、対決する敵のスケールも大きくなってゆくことが求められ、その到達点がラスボスです。こいつを倒せば敵勢力は瓦解する、というスケールの敵でなければラスボスは務まりません。
現実においては、国家の最高責任者といえどもただの人であり、いくらセキュリティが厳重であってもゲームでいえば2面あたりで登場するような通常兵器でしかありませんし、倒したところで国が滅びるわけでもありません。
そこで人工知能です。人工知能ならば、ゲーム難易度と敵スケールの頂点であることに説得力があるような気がしてきます。
剣を携えた戦士と神や悪魔、に替わる神話的なモチーフとしての、戦闘機に乗るパイロットと人工知能。
レイフォースとレイクライシスは、主要キャラクターとして認識できるのはパイロットと人工知能だけであり、非常に個人的なストーリーだとみることができるでしょう。一方でレイストームは個人のキャラクターは用意しておらず、モブの人がたくさんいる印象があり、そのへんが「アーバンで退廃的なムード」の有無に出ているのかもしれません。(ビヨンドのムービーは、複数の作品の設定が混ざっている感じがして面白いですね。)
戦闘機を強く感じる曲といえば「生命の風が吹く場所」です。前述のとおり「飛翔」のイメージですし、ゲームの記憶から「翼」も思い浮かびます。
「The Fates」「Intolerance」はラスボス曲なわけですが、この二曲には壮大さや聖性があり、ラスボスへの畏怖の念をかきたてるようになっていると思います。一方、「安置 -Antithese-」は、畏怖よりも滅んでゆくところに重きを置いている気がします。ラスボスの終焉とレイシリーズの終焉が重なって、とても物悲しい気分になります。
最後に。
レイシリーズの音楽は、私の胸の中で決して消えることのない光です。
クロノロジーにより、その輝きはより強くなりました。
今またこうして新作が出たことに感謝します。