「フライホイール」を含む日記 RSS

はてなキーワード: フライホイールとは

2023-12-28

寝るたびに変な夢を見る

良いことで覚えていることは、

俺が新しいマジンガーの設定画をなぜか描いてるのと、

ゾンビ映画ポスターを描いていたこ

どっちもリアル自分よりうまかった…

マジンガーはでかいフライホイールというかタービンみたいなのが二つ付いてた

ゾンビポスターゾンビ女性を食べようとしているところを横から描いたものだった

さて、これは一富士二鷹三茄子のどれ?

2023-10-07

レコードオーディオマニアが知らない今のレコードの事と「日本」の役割

島耕作持ち

晒しみたいになって悪いんだが、「島耕作描いてる人間レコードの持ち方を知らない」って言うのがバズってるワケよ。

https://twitter.com/belmie2001/status/1709766808201527649

 

こういうレコードの持ち方批判投稿がバズってるをよく見る。

「正しい持ち方」っていうのは、レコードの端をもって盤面を指で触らない。指紋が付いて溝に脂が入ったり後でカビたりするから

だけど、レコードっていうのは実はずっと現役メディアなんよ。何処でか?というとクラブDJで。

それでDJっていうのはそういう持ち方しない。普通に島耕作みたいな持ち方で扱う。

 

例えばこれは自宅でDJプレイしてようつべ配信している素人愛好家なんだが、島耕作持ちしてる。

https://youtu.be/afjS-Km6juU?si=1ldtDQ1E2mQpzdPs

別に再生しなくてもいいよ。サムネ普通に握ってるでしょ。

他にもDJ配信してる人は多数居るが、皆マニア持ちじゃなくて耕作持ちしてる。

そういえば、シスコとかのレコード店でも商品なのに耕作持ちしてたな。

レコード需要の主流って、しっとりとした音を楽しむオーディオマニアよりも、こういう感じでクラブ音楽流したりDJっぽいことしたりっていうのが主流なんで、持ち方は耕作持ちが主流って事になる。

 

島耕作は年齢的にディスコソウルHi-NRGハイエナジーDJだったのかも知れないな。

 

テクニクスダイレクトドライブという奇跡

あともう一つ、オーディオマニアが「テクニクスダイレクトドライブが(マテ)」みたいな感じでテクニクスダイレクトドライブ過去のものと思ってネタにしてるのもたまに見る。

いやいやいや、テクニクスダイレクトドライブって現役なんよ。

 

ダイレクトドライブっていうのは、レコードの回転軸にそのままモーターが付いてる形式で、ハードディスクスピンドルとか、今では当たり前の技術だ。

レコードというのは回転ムラがあると音がぐわんぐわんと揺れて(ワウフラッター)滑稽な感じになってしまう。

からモーターを高速回転させて回転ムラを平準化して、ベルトで繋がれた重たいターンテーブルを回すっていうデザインにする事が多い。ターンテーブルが重いのはフライホイールマスにして回転ムラを無くすっていう手段だ。重いものは急に動かせないし急に止めれない。だから速度を一定にしやすい。

でもこれだと一度回転を止めると回転速度が元に戻るのにタイムラグがある。

 

テクニクス松下ナショナルの高級オーディオブランドだが、1972年冒険的な製品を開発した。それがSL-1200というターンテーブルで、回転軸に直接モーターが付いている。

そのままだと回転ムラが酷くなるが、松下はこれを電子技術解決した。写真を見れば判るが、https://ja.wikipedia.org/wiki/Technics_SL-1200

ターンテーブルの横に赤い光が出ている箇所がある。これは、ターンテーブルの横に模様が描かれており、それを赤外線フォトトランジスタで読み取っているのである。今のマウスに使われているフォトエンコーダとかロータリーエンコーダの走りだ。

これで常に回転数をフィードバック制御している。この制御は今の光学ディスクNC工作機械などのブラシレスDCモータと同じだ。今のは電線が4本出てる(電源+、アース、回転数読取、制御)が、SL-1200ではターンテーブル横のフォトトランジスタからフィードバックになっている。

ただ、セイコークオーツ回路の特許を公開する前だったので初期型だけ水晶発振子が載っていない。故に少しづつ回転数ズレが起きるのでピッチコントローラスライダを付けた。

 

普通に作ればいいのに、最近技術満載で作った異形のような野心作だったわけだ。

 

ディスコDJ御用達

そしてこの変態技術満載化によって特長が生まれる事になった。

・回転が落ちても直ぐに戻る(ずっと回転数見てフィードバック制御されてるから

ピッチコントロールで曲のテンポを変えられる

ターンテーブルを逆回転させるなどラフな扱いしても壊れない(ベルトが外れたりしない)

 

これに目を付けたディスコDJが挙って使うようになる。

松下エンジニアアメリカ行くとDJがみんなこれを使ってるのを目にする。DJ意見聴取すると「いやこれ最高に使いやすいんで何もいじらないでくれよ」と。

 

そんな中で生まれたのがある意味無茶苦茶で斬新だった、ハービーハンコックの『Rock It』だ。

https://www.youtube.com/watch?v=jWeBJsg6FHA

使ってるのがSL-1200かは不明だが、これなんかダイレクトドライブが無いと出来ないような演奏である

ハービーハンコックジャズ&フージョンの人だったのが、突然気が触れたように過激な事をし出したんだが、この後はまたしっとりした曲に戻ったので、ダイレクトドライブによる熱病みたいな曲である

 

CD隆盛後も製造続行

こうして高級オーディオを作ったはずが、意に反してDJスタンダードとなってしまった。

その間にCDが普及してレコード市場は消えて行くが、DJ世界ではCDでの演奏自由度が低く、CDJ等の製品はあったがあまり普及しなかった。ずっとレコード主流だったのである

これに呼応してベスタクス社がDJターンテーブル市場に参入したりもしたが、これも日本メーカーである

だが既にテクニクスSL-1200スタンダードブランドとなっていて、クラブDJの真似事したい層の憧れはやはりSL-1200、という訳で、高級オーディオが衰退して行く中で、テクニクス製品殆ど終売になっているのにターンテーブルけが延々と世界に向けて出荷されていた。

因みに1998年頃までテクノとかハウスとかトランスなどの電子ダンス音楽CDでは販売されず、専らレコードで売られていた。電子音楽アナログメディアだけというのは今では変に見えるが、家で聞く音楽じゃないしクラブではレコードしか扱わないしで、最初からレコードだけで発売されていた。

まりクラブ音楽とかクラブ文化を支えていたのは日本メーカー音響機器特にダイレクトドライブターンテーブルであったのだ。「日本スゴイ」の人らは視野が狭いし技術にも疎いので知らない現実である

地球の何処でも松下電器とベスタクスが溝を刻み音楽を鳴らし続けていた。

 

SL-1200レコード遂に堕つ

 

はてなココロ社氏が昔書いているが、https://kokorosha.hatenablog.com/entry/20071121/p1 ずっとクラブを支えていたレコード時代2010年頃には終わってしまう。

それにはネット配信の伸張が大きかった。元々クラブ音楽は大変市場が小さい。またネット配信中間コスト媒体マージンだけなのでインディーズ特に向く。そこでクラブ音楽ネットが中心になっていった。

更に使いにくいCDJじゃなくてファイルをそのまま突っ込んで演奏できるデジタルDJ商品の使い勝手が良く、レコード市場が急速にシュリンクSL-1200も終売、これだけで持っていたに等しいテクニクスブランドも消えてしまった。ベスタックスの方は2013年倒産しており、レコード時代は終わった。

 

…と思うじゃない?

 

CDの終わりでまさかの復活

だが2014年頃になるとネット配信に押されてCD市場の方も急速に収斂してしまう。

一方で、クラブ音楽はやっぱレコードの方がカッコいいよなぁという人が増えて行く。

またYoutubeライブなどでCDプレイ披露する人も増え、デジタルDJよりも難しいが見た目がカッコいいレコードDJへの憧れも高くなっていった。

それでSL-1200中古価格は高騰、美品なら100万円を超えるような事になっていった。程度普通中古でも60万程度した。

そんな中で松下テクニクスチームが再結成SL-12002016年まさかの復活を遂げたのである

今は丁度生産の谷間のようで価格が安定しないが、新品で約12万円程度となっている。

 

たこレコードブーム呼応してパイオニアからも5万円程度の入門用ターンテーブル販売され、活気がある市場となっている。

このブームを支えているのはまた日本音響メーカーという訳だ。

因みにレコードLPアルバム)で4000円くらいとなっている。普通CDアルバムが3000円なのにぼったくり価格である

以前のレコードと違うのは、90年代レコード12インチシングルばかりでLPは無かったが、今のはLPが中心という事である

 

そういう事で、オーディオマニア達の見えないところでずっとテクニクスダイレクトドライブは現役だったし今も現役なのだ

そこではずっと島耕作持ちが作法だった。

レコードは古いんじゃなくてずっと新しくて、今もまた新しいままなんである

50年前の製品がずっと時代最先端というのは他には無いのではなかろうか?

https://jp.technics.com/products/1200mk7/

2022-05-29

ベース電源」という言葉を忘れてしまった結果www

ざっくり言うと

クソみたいな制度設計のせいで日本はもう安定供給ができる国じゃなくなりつつあるよ

この項目で言っていないこと

再エネの開発は不要

主力電源化する再エネ

 以前三菱商事系が洋上風力を総取りした件で軽く騒ぎになっていたが、日本で主力電源化しつつある太陽光、風力はコストが低下し、新規の開発案件日本だけでも目白押しとなっている。ただ、この中長期的なベース電源という言葉を忘れてしまって再エネ大正義の「限界費用ベースの電力市場趨勢のために、今まで2回(オイルショック東日本大震災しかたことのなかった電力使用制限令常態化してしまレベル日本の電力環境が本当にめちゃくちゃになりつつある現状は知られていない。太陽光、風力(まとめて変動性再エネ、以下VREと呼ぶ)の3つの特徴を踏まえた議論をしてみたい。

VREの特徴

1. 限界費用が0

2. 出力が不随意に変動する

3. 同期発電機を利用しないインバーター電源である

1. 限界費用が0

 VRE限界費用が0なので市場には0.01円で入札されており(この理論FITがある現状では額面通り受け取れないものの、概ねこの通りである理解していただいて構わない)、実際日本でも晴れた日の昼には約定価格が0.01円となっている。これはまさに燃料の投入が必要ないVRE恩恵と言え、この時間にはスポット市場では火力の電気コスト面で負けるため落札しない。しかし当然VREには発電しない時間がある(設備利用率は太陽光で最大15%、風力で20−30%出典)ため、夕方以降は火力が落札され、現在では資源価格の高騰もあり、15-20円/kWh程度での落札となっている。再エネ関連のトピックでは風力と太陽光は補完関係にあるという言葉ミスリードされることがよくあるが、蓄電ソリューションバックアップ電源なしでのVREのみでは設備稼働率の低さと稼働時間が集中しがちになるため電力を100%保証することは絶対にできない。そのため現在の電力システムへのVRE導入は火力による調整が前提になっている(蓄電池などによる蓄電ソリューションについては当然後で言及するが、少なくとも今の電力システムではあてにできない)。

 しかしながら昼間には火力の電気落札しないため、当然止めることになる。結果として火力発電設備利用率が低下するため、採算が悪化する。そのため、効率の悪い火力発電所は環境的側面というよりは経済的要請から廃止されていく。すなわち、現状のやり方でのVREの導入は火力の調整が前提なのに、VREのものによって火力が市場から追いやられているのである。 加えて、現在電源の大部分を所有する旧一般電気事業者JERA関西電力など大手地域電力系発電事業者のこと)は「自主的取り組み」として限界費用での玉出しを強制されているため、この傾向は当面続くと思われる。

 加えて言及しておかなければならないのが火力発電の燃料確保(主にLNG)における問題である。燃料には長期契約及びスポット調達の二つがある。長期契約比較長期間(およそ10単位LNGを買い続け、価格についても変動が大きくない。これは一見いいことに聞こえるが、LNG価格が低下したとき契約通りの値段で支払う必要があるため、近い将来VREの導入が多くなりLNG火力が落札せずにLNGを余らせた場合LNG転売することになる。しかしその場合(余るのだから安くしか売れないため)差損が発生することになるため、発電事業者としては長期で需要が見通せる場合のみ契約しようとするのは明白である。一方でLNGスポット依存すると、当然高騰した場合でも安定供給のためには買い続ける必要がある上に、いつも買えるとは限らないため、LNGスポットへの依存の増加が電力市場の高騰に結びつく。JERAカタールとの長期契約の終了のニュース記憶に新しい(JERA社長、カタールとの大型LNG契約は更新せず-年末に終了へ - Bloomberg)が、現状の電力市場取引システムは発電事業者スポットへの依存を招く構造になっているため、日本LNGの長期契約が次々と失われている現状がある。これは欧州の脱ロシアの流れの中においてはLNGの安定供給を危うくすると同時に余計な国富流出を招くため、政府として対処すべき問題である付言しておく(参考:https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shigen_nenryo/sekiyu_gas/pdf/018_03_00.pdf)。

 なお、火力発電設備撤廃に伴う電源不足という現在課題は既に共有されており、2024年から容量市場が導入され、電源容量(kW)に価値をつけて取引ができるようになった。発電側としては資金回収の目処がつくため発電所の新設のハードルが下がる、と思われていたが、新電力配慮したい政治的思惑もあって現在の水準は既設発電所の維持はできるが新設は難しい水準となってしまっている。加えて全く語られないので言及しておくが、九州電力管内においては初年度の2024年から既に不調な結果に終わり、供給信頼度が低い結果となっている(ざっくりいうと、九州電力管内は非落札電源はないので「物理的に」電源が不足する)。一体どうするのだろうか?2025年以降の電源容量の不足は全国的に波及しそうで、中長期的に日本国内での電源は決定的に不足している(参考:https://www.occto.or.jp/iinkai/youryou/kentoukai/2020/files/youryou_kentoukai_29_04.pdf)。

2. 出力が不随意に変動する

 これは広く知られていると思うが、稼働できる時間帯の中でも風はいつも吹かないし、太陽は雲に隠れたりする。ただ、その変動にもスケールがあり、数分ー数時間程度の短期間の変動から気候の季節変化に伴う数ヶ月程度の長期間の変動がある(冬に電力が不足しつつある現状を思い出してほしい)。短期間の変動はご存じのとおり蓄電池解決策になる上に、スポット価格が高くなる他のVREが発電しない時間帯に売電のタイミングをずらせるため、発電事業者には収入の増加も見込めるメリットがある。加えて蓄電池VREでも既に価格競争力を持ちつつあり、詳しくは言及しないが今年から始まったFIP制度がそれのインセンティブになりうると期待されており、要注目であるのだが、今のシステム設計では、あえて蓄電池コスト負担しようとする者はいないだろう。

 一方、である長期間の変動は一体どうするのであろうか?残念ながら蓄電池などの既存の蓄電ソリューションでは対応できない上に、将来的にも難しいため、やはり火力発電によるバックアップ必要かつ前提になるのであるが、既に言及したようにこの有様なのでどうしようもないのである。残念。再エネで作った水素火力発電、という声も聞こえてきそうだが、電気で作った水素を燃やして電気をつくるというこの二度手間、つまり現状の火力発電の熱効率が高くても40%程度(高位発熱基準)で電気分解で90%とするなら35%程度のエネルギーしか利用できないことを考えると発電に使うより車を走らせるべきでコスト面やエネルギー効率観点からで圧倒的に不利になる。それならブルー水素の方が良い気もするが、再エネで水素を作れる時代になればわざわざ褐炭だの天然ガスだのの採掘ファイナンスがつくわけないので非現実的。ということで詰んでいます。現状の解決策はありません。どうするんでしょう。再エネのコストが低下しつつあるのは間違いないのだが、それはあくまで発電事業者にとってのコストであり、VREを主電源化するにあたっては社会全体で追加で負担しなければならないコストが発生することはよく理解していただきたい。

3. インバーター電源である

 インバーターとは直流交流に変換する素子のこと。VRE交流発電機は直接利用せず一旦直流で発電してから交流に変えたのちに電力網に乗せるため、従来の電源(火力、水力、原子力)で利用される同期発電機という一定の回転数で稼働させる発電機は利用しない。昼間に晴れた時間帯には以前太陽光の出力制御が行われた四国電力管内の例で言うと6割程度がこのインバータ電源が占めていた。実はこの際に語られないが非常に大きな問題が発生する。と言うのも、インバーター電源には「慣性力が存在しない」のである。?となった方もいると思うので、大縄跳びに喩えてみよう。大縄跳びを飛ぶときは紐に合わせるのではなく、一般に人の声にタイミングを合わせて跳ぶ。このうち、同期発電機は声を出している人、インバータ電源はその声を聞いて飛ぶタイミングを合わせている人である。縄跳びがちょうど周波数に相当し、声が慣性力に相当すると考えてもらって良い。先ほどの晴れた昼間の例で言うならば、昼間は火力が系統から退出してしまっているので、声だしのできる人が減ってしまっている。そのため、仮に残った数少ない声だしのできる人が急に捻挫を起こして縄跳びから退出してしまった場合、声でタイミングを合わせていたインバータ電源は急に声が聞こえなくなるのでジャンプタイミングがわからなくなり、大縄跳びが成立しなくなる(周波数の乱れが起こり、UFRの作動による停電)。お分かりいただけるだろうか。すなわち系統を維持するためには一定割合の同期発電機や同期調相機といった慣性力確保のための仕組みが必要なのだが、現状のVREの導入の仕方では不可能なのである(よく話題になる太陽光発電の出力抑制もこのインバーター電源の割合を抑える目的も持っている)。以前の3/18の地震の際に火力発電所の停止の影響で関東に大規模な停電が起こったが、あれは仮に昼間であった場合、脱落しているのはほとんど火力発電=同期発電機だったため、インバータ電源だらけになってしま周波数の乱れが深刻になり、停電する地域がより拡大していた可能性が高い。復旧の際には系統投入は同期発電機から順に行っていくが、VREほとんどは分散型電源のため司令所で気軽にオンオフもできないため、逆に復旧にかなり時間を要する可能性も高い。つまり野放図なVREの導入はその分散型電源としてのイメージとは裏腹に電力系統災害時のレジリエンスをも低下させてしまうのである。昼間に地震が起こらないことを祈るばかりである

 この対策としては、慣性力をもつインバーターがまだ技術的に開発されていない上に、すでに導入されている太陽光発電の規模を考慮すれば、現実的選択肢としてはフライホイールや同期調相機としての同期発電機タービンのから回しなどなのであるが、このような施策を行えるのは大手電力のみであり、自由化で体力を奪われている彼らに期待するのは難しいだろう。このままでは晴れた日は出力抑制が続出するのに曇れば火力がフル稼働というあまりにも不健全な電力構成となってしまう。なお、送電線の強化は出力抑制問題と絡めて語られるが、この問題対策としてはあまりコスパが良くない。と言うのもJEPXスポット市場をご覧になればわかるが、例えば東京電力管内で晴れている時には隣の東北電力管内でも晴れている場合が多く、その場合にはどちらの場合でもインバータ電源の割合が高いため相互接続しても同期発電機の脱落に備えると言う観点からは(もちろん役立つこともあるが、)役立たないことも多く、この問題解決策として優先度は低い。ちなみに、この件に関しては日本風力開発傘下のエネルギー戦略研究所安田陽氏のコラムNo.275 慣性問題の基礎知識と最新動向 - 京都大学大学院 経済学研究科 再生可能エネルギー経済学講座)やこれ が参考になる。

コスト負担制度設計

 VREは確かに素晴らしい特性を持つが、裏腹にその主電源化には発電事業者ではなく電力系統大手電力会社の側で新たな投資必要となる。そのため、発電事業者から見たコスト(発電コスト)は「安い(≦10\/kWh)」のだが、電力系統全体で負担するコスト統合コスト)は「高い(~20\/kWh)」(ちなみにこれは電力卸市場VRE大規模導入をおこなっている国はどこでも直面している問題であり、Death Spiralなどの言葉検索していただくと良いと思う)。以前統合コストを論じたエントリ太陽光に火力のコストが含まれていることを批判するブコメが多くみられた(例えば、これ)が、この増田で納得いただけただろうか。筆者自身としてVREの導入は避けられないと思っているし、また賛成でもあるが、責任ある立場の人々からこれらの問題解決しようという風潮があまり見られないので非常に心配している。また、そもそもで言うならばこれらの問題の根源はVREではなく制度設計であり、限界費用の考え方のみで、VREの導入と電力市場の安定を両立させようとするのはどう考えても最初から無理だったと思う。(現在の最もあり得る)結果として安定供給担保されなくなることと燃料費高騰という二つのツケを消費者負担させるようでは現在の小売システムや脱炭素理解を得るのは難しくなるだろう。しか最も高い代償を払うのはエネルギー支出割合が大きくなり、家に太陽光パネルを設置できない低所得者層であるSDGsとは一体何だったのか(「10. 人や国の不平等をなくそう」ってあるんだが)。 再エネ議連の皆様には猛省をうながしたいところである

まとめ

2021-04-12

anond:20210412111838

フライホイールを内蔵して、空中を飛ぶように階段をまたげる機種がでるまで、

普及はしないだろうなとは思う。

2018-09-06

たとえ原発が動いていても今回の道内全域停電が避けられない理由

まず、北海道電力泊原発は207万kWのPWRが1基。一番でかい火力の苫東厚真発電所が165万kW。今回は苫東厚真発電所が大ダメージを受けた。

んで、泊原発震度2が感知されている。もちろんこの程度で緊急停止はしないが

「外部電源喪失」をしているということは、つまり発電していても送電ができないので全く意味がない。

(泊の立地。端っこにあり一応大きな送電網は2系統繋がってはいる) https://web.archive.org/web/20180816083741/http://www.hepco.co.jp/corporate/company/img/map_zoom.gif

泊原発苫東厚真発電所よりもはるかに出力がでかいので、これが寸断されると電源周波数は当然一気にイカレる。

そもそも、でかい出力のプラントを少数組んで電力網を構築するモノリシック構成だと今回の災害の時にどうしてもSPoFになって被害がでかくなってしまう。

発電量が少量でも、プラント送電網を地理的分散すれば何の問題も起きなかった。

電力分散化と都合のいい技術がある。再エネや燃料電池だ。

風力や太陽光地震には弱そうだが、なにせコストが下がり続けているので、地理的分散が容易だ。

再エネで分散化するには出力の平滑化が課題なので、これから時代災害に強いエネルギー戦略としては再エネ(風力、太陽光地熱、潮力)+蓄電(フライホイールリチウムイオン電池)+揚水などが適するだろう。燃料電池としてはMCFC、SOFCが良い。過渡期のつなぎとしては、火力の助けを借りることになるだろう。

まだ技術成熟していないが、原発もんじゅにかけてきたコストこちらに投入しておけばなにか知見が得られていたかもしれない。廃炉にかけるコストも何の"生産性"もなく無意味技術だ。

というわけで、原発がたとえ稼働していたとしても、巨大だが少数しか作れないプラント災害に弱すぎる。今回の地震で、それが改めて浮き彫りになったといえる。

ブコメ

2011-04-06

http://anond.hatelabo.jp/20110406155936

30km圏内立ち入り禁止は、放射線量的に今起きてる諸問題に目処が付いたら解除されるし、そもそも東京電力土地でも無いから。

出来たとしても、メガソーラーとか、風力ファームは、電力安定化させる手段が無いから厳しいかもな。

化学バッテリーじゃ足りないし地震可能性があるところに大規模フライホイールも厳しい

そんな事するんなら単に崩壊熱利用する小型プラントクラスタさせるとかが良いような気がする。

2011-04-03

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/dankogai/51662742

しか揚水発電は蓄電損失が3割出るのに対し、こちらはずっと少ない上、なんと普段は乗用車になる

日産リーフに搭載されるリチウムイオンバッテリーは、5~10年経過時で70~80%程度の残存容量を見込んでおります

2009-03-22

http://anond.hatelabo.jp/20090322111951

あー、フライホイールか。なるほどね。

産経ID論もそうだけど、新聞科学リテラシーはどうにかならんものかねー。

 
ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん