2021-02-22

必読書コピペマジレスしてみる・哲学

日本文学編→anond:20210222080124

追補編→anond:20210218080224

プラトン饗宴

おっさん飲み会真実愛について延々語るだけなので、哲学書の入門編にいいんじゃないかな。楽しそうにしてるおっさんはいいぞ。

アリストテレス詩学

どうしてフィクションで人は感動するかについて述べた本の走りで、後半は散逸しているんだけど、カタルシスについてはなるほどなあ、とは思った。作家になりたいんだったら普通にハリウッドの三幕構成の本を買ったほうがいいかもしれないが、この読書リストを読んでいる人は実用的な知識よりも読んでいて楽しいかどうかを求めている気もする。

アウグスティヌス告白

読もうと思ったまま長い時間が過ぎてしまった本で、まだ読めてない。アウグスティヌス若いころややりたい放題やっていた時期のことも書いてあるらしいので、宗教書として以外にも楽しめるんじゃないだろうか。

マキァベッリ『君主論

塩野七海エッセイですごく推していたから読んでみたけれども、普通に面白い。例えば、中途半端に生かしておくと復讐されるから、いっそとどめを刺しておけ、みたいなことが書いてあって、優しいと人から言われてしま自分には大いに刺激になった。ところで「孫子」もそうだが、戦争政治学について書かれた本はたいてい「そもそも戦争は大悪手で、戦争になる時点で何かやらかしてる」という趣旨言葉があり、全くその通りだと思う。

モア『ユートピア

未読なんだけど、結婚とはある種の契約なんだから、まず処女童貞がお互いに裸を見せ合ってからだ、みたいなディストピア的な描写もあるらしく、ディストピア文学好きの人は楽しめるんじゃないかな。あとは非モテ界隈の人とか。実際、完全な平等社会を目指そうとするとどっかしら歪みが出るもので、それについて考えるのにも使えそう。

デカルト方法序説

自然科学的な考え方、ロジカルシンキングマニュアル。長くないのですぐ読める。得るものがあるかどうかはわからないけど、逆に普段している論理的思考そもそも存在しない時代があったことは、実感しておくと歴史を学ぶ上で面白いかも。

カント純粋理性批判

平凡社の上巻を読んで挫折純粋な理性っていうけれども、ヒトの心にはデフォルト時間とか空間とかの枠組み、基本的概念が組み込まれているよね? 的な話をやたら細かく述べていく内容だったように記憶している。長いので三行でまとめたくなる。

この本に限らず、いくつかの哲学書は「この本さえあればあらゆる哲学的論争をおしまいにできる」「この本からあらゆる結論が導き出せる」的なスタンスで書かれたものが多い印象。

キルケゴール死に至る病

エヴァヲタなら読まなきゃという謎の義務から読んだ本。要は、どうすれば自分を信じることができるか、について語った本であったような気がする。自分は救われないだろうという絶望から、それでも神を信じるという境地に至るまでの道筋を延々と語ったようなものだった、はず。

自分特定信仰を持たないが、どうせ自分なんてと己を見捨てた境地から、まあ自分自分だよね、的な気分に至った経験がある人が読むと楽しめるだろう。

ニーチェ道徳の系譜

善悪の彼岸」と「ツァラトゥストラはかく語りき」なら読んだ覚えが。自分カトリック中高一貫校出身であったせいかキリスト教思想にある欠点を指摘したこの本を面白く読んだ。キリスト教になじみがなくても、たとえば来世があると考えることで現在を生きることがおろそかになるといった指摘は、興味深く読めるんじゃないだろうか。あとは、増田で定期的に出てくるルサンチマンがどうこうとかいう話が好きな人にもおすすめマッチョぶってるところはあるが。

フロイト快感原則彼岸

新潮文庫の「夢判断」「精神分析入門」「トーテムとタブー」「一神教起源」なら読んだ。フロイト自身はヒトの心を脳から探りたかったらしいのだけれど、当時はMRIやら何やらはまだないので対話式の治療法を導入したらしい。

彼の理論は今となってはツッコミどころがたくさんあるのだろうけれど、クラインだとかビオンかについて触れるなら頭に入れておきたいし、心理学特にパーソナリティ障害について読むなら知っておきたい。自分フロイトアドラーよりもユング派だが。

ラカンについては新書を読んだがさすがについて行けなかった。

ブルトンシュルレアリスム宣言

ラブストーリーの「ナジャ」だけ読んだ。謎めいた女のあるある的な話だ。

ウィトゲンシュタイン哲学探求』

論理哲学論考」だけなら読んだ。これもカントみたいに「俺が哲学のくだらない争い全部終わらせてやる」的な立場で書かれている。定理がずらずら並んでいるだけで、余計な表現がなく、簡素

ただ、言語限界について今の人が持っている感覚ってのは大体この時代の人が言っていたことだった気がするし、そういう意味では面白いんじゃないかな。この辺は数学ともかかわっていて、ペアノとかゲーデルとかヒルベルトとかその辺興味があったらいかがでしょう。

ちなみにウィトゲンシュタインポパーとの議論でキレて火かき棒を振り回したヤバいやつだというのは哲学界隈では有名らしい。

レヴィ=ストロース野生の思考

シン・ウルトラマン予告編でちらっと映っていたので読んだらいいかもしれない。

この本そのものは未読で「悲しき熱帯」ともう一冊なんか専門書を読んだことは覚えている。面白かったエピソードの一つは、ある民族身分入れ墨にするんだけど、入れ墨のない人間白人たち)を見て面食らう。要するに身分証明書を持ってないようなものから

定期的に異民族と共に暮らすドキュメンタリーが読みたくなる性分なのだが、それはたぶん、自分のやり方や考え方が絶対じゃないってことをよく教えてくれるからで、これも本を読む効用の一つだろう。趣味なので効用なんて本当はどうでもいいが。

サイードオリエンタリズム

面白い。僕自身スタンスとしては、日本人海外で誤解されていることを批判するんだったら、自分外国に対する偏見無知を減らそうと努力するのが筋だと思っていて、それの理論的な補強をしてくれた本。身近に外国人の多い環境ではないが、すぐに役に立たないからと言って読まないというのはなんか違うんじゃなかろうか。自分イスラーム世界インドについて、どれほどわかっているのだろう?

上田秋成『胆大小心録』

雨月物語しか読んだことがない。「雨月物語はいいぞ。

九鬼周造『「いき」の構造

どっからがいきでどっからが野暮なのか、直方体を使った図があった気がするが忘れた。

柳田國男『木綿以前の事』

遠野物語しか読んだことがないし、それも「マヨヒガ」のことしか覚えていない。

おまけ:いしいひさいち現代思想遭難者たち

自分現代思想に出てくる名前がわからなすぎて最初に読んだ本の一つ。四コマ漫画だがかなり本質をとらえており、いしいひさいち本業は何だったのかよくわからなくなる。素直に笑っておきましょう。勉強ってのは楽しみながらするもんだ。

おまけ2:ローラン・ビネ「言語の第七の機能

上のリストでは省略した20世紀哲学者が実名で登場するミステリなんだけど、フーコーサウナ美青年イチャイチャしたり、七十年代音楽を聞きながら薬をキメたりしているので、現代思想だのポストモダンだのをかじったことがあるならおすすめ。著者がやりたかったのは、たぶん上の世代の脱神話化というか、強すぎる影響の破壊なんだろうけれども、ここも素直に笑っておくのがいい。


以上。

記事への反応 -
  • 哲学・思想 プラトン『饗宴』 アリストテレス『詩学』 アウグスティヌス『告白』 レオナルド・ダ・ヴィンチ『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』 マキァベッリ『君主論』 モア『ユー...

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          • 漫画編にも期待してまする

      • カポーティの「冷血」はノンフィクションノベルであってミステリではないんだが・・・

      • anond:20210215101500 10分しかないので100も書けないや。 竹取の物語 雨月物語 ピノキオ グリム童話集 アーサー王物語 絵のない絵本 不思議の国のアリス ニルスのふしぎな旅 ピーターパンと...

      • 来世の高校に賭ける!

      • 罪と罰はミステリーなのか あれが含まれるなら大抵はミステリー要素あるな

        • そらそうよ 謎があればミステリー 想像があればSF 不思議があればファンタジーだよ

      • このミステリ作家の作品だけ読めばいい、というのを1人だけ挙げるなら、俺は麻耶雄嵩だと思う。

      • 方針・目的 ミステリはほとんど読まないので読んだのだけ 最近のミステリは全然読んでない 少しでも多くの人を読書沼に引きずり込みたい 必読書を挙げるというより、自分の一押...

      • ここまではてな記法をつかいこなせるとはおまえ元は名のあるダイアラ―だな だがコピペに向かないのだよな 30%くらい読んだこと会ったけど最終的に北村薫と泡坂妻夫あたりでいい...

      • https://anond.hatelabo.jp/20210215101500 エドガー・エラン・ポオ「モルグ街の殺人」  ・しょうもない犯人、しょうもない気付き、しょうもないミステリの元祖。 ウィルキー・コリンズ「月長石...

        • コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズの冒険」は脳内でホームズのセリフを露口茂の声に変換すると最高な作品となるのは言うまでもない。

        • 売れ筋の東野圭吾は?

        • 館入れていいなら有栖川も入れてくれよ

      • 出でた〜老害の押し付け恩着せがまし〜 時代背景の違いが原因で読みづらいことが結構あるけどそれは考慮しない〜

      • 最近必読書を挙げる増田が流行っているけれど、その必読書にはなんで未来の書物は含まれていないんだろう。 過去の書物による必読書リストって、既知のリストからセレクトするだけ...

    • どうせルソーとかマルクスとか読むなら スミス『国富論』 J・S・ミル『自由論』 ケインズ『自由放任の終焉』 ハイエク『隷属への道』 あたりもついでに

      • そのへんの古典をイチから読まずに古人の問題意識から最新の学説に至るまでをコンパクトにまとめた本は無いのかしら。

        • それぞれの思想家?について研究してる人の書いた本を読めば、古典自体を読まずに思想を理解すること自体はできるだろうけど そういう本がどれぐらい「最新の研究」までカバーして...

          • いきなり古典そのものを読むより、専門家による入門解説書を読む方が良いと思う。時代背景などは解説なしでは把握できないでしょうし。

        • あるよ。たいていは定番の入門書・解説書がある。ちょっとググって調べれば見つかると思う。

    • どういう基準で選んだの? 文学は知らんのでスルーするが、哲学・思想に関して言えば、ヨーロッパと日本にえらく偏っている。かといって、何かしら思想史の体系や特定の価値観に則...

      • 検索して出てきたもので選んだだけやからそんなこと知らんわ マウンティングせんといて

        • 素直!

        • ズコー (先にマウンティングしといてソレ?!...)

        • どおりで.... 語学関連だと、ソシュールや時枝誠記は専門的すぎると思う。言語学専攻や国語学専攻なら必読だけど。 あと、ハイデッガーやヴィトゲンシュタインは大変だよ。それよ...

    • うっせー「ファインマンさん」と「グールド」と「ろうそくの科学」ぶつけるぞ

    • 以下、このリストに紛れ込ませるラノベタイトル大喜利

    • ルイズ入ってないんだけど

    • 本好きの主語デカすぎないか?

      • 日本文学の方向性がさっぱり分からんちん。 乱読家って感じがする。

    • これだけ読んでも数は数えられないのか

    • 坂口安吾『堕落論』は10〜20分で読み終えられるからオススメ

    • こーゆーのを、昔から、 『衒学者』、といーます。 (平成なら「ブッキッシュ」か)

    • こんなの100人中90人くらいは挫折するでしょ。 この辺の書籍を漫画にした、まんがで読破シリーズでざっくりよんどけばいいんじゃね。

    • ヘッセの「車輪の下」は中学受験終わった小学生に読んで欲しい そしてその時の気持ちを社会人になったときに思い出して欲しい

      • 『車輪の下』は良いね。僕も受験の頃に読んで非常に共感したよ。

    • デリダもフーコーもいらねえよゴミポモくそやろう

    • 特に若い間は。もしその古典が現代までの反駁に耐えうる素晴らしい内容を含んでいるのだったら、そのエッセンスはもっと磨き上げられた上で現代の本にも取り込まれている。無いな...

    • 残念だけど教養主義の時代はもう終わっちゃったんだよな。2chにこういうコピペが貼られていた頃、20年前頃だろうか、ではまだその残り香があったのだけれど。

      • 教養主義が崩壊したのは団塊世代と氷河期世代が馬鹿だから。 その二つの馬鹿が吹っ飛べば、教養主義はガラホやラズパイとともに復活する。 その復活の糸口は将棋や囲碁などに表れて...

    • 聖書全部読めとは言わんけど創世記だけってのはどうだろう。 出エジプト記くらいはセットで読みたい。聖書読むのにモーセが海を割る部分を読まないなんて嘘だろ。 欲を言えばカナン...

    • 方針 読んだ感想を思いついたままに、友達にだべるみたいに書く 高校卒業後に読んだ本も含める 読んだ人が「面白そう」と思ってくれたらうれしい 文学はいいぞ 古典はいいぞ 時...

    • anond:20210210225201 「100選」って書いたけど、多分50冊もないわ。トラバやブコメで埋めてくれ。順番とかは重要度とかではなくて、単に思いついた順。 外国人著者 スティーブン・ピンカ...

    • 現代詩マニアとして吉岡田村という入手性の良い二人を挙げているところに信頼はおけるが ただ近現代詩を俯瞰してまず読むべきは吉岡田村より賢治と谷川だろうよ 吉岡田村は自分が作...

    • https://anond.hatelabo.jp/20210210225201 (便乗したいだけである) 令和にもなってるのに、いの一番にバブリーズやスチャラカ勧めている人は絶対読み返していないだろと。今読むと結構キツイ...

      • 書いたな!俺の前で!TRPGリプレイのことを!   なんて嘘嘘。 当方、リプレイの歴史を語る知識も能力もござーせん。 元増田と比べてかなり薄い人。 しかし、元増田に影響されて思い...

    • を書こうとしたが普通に頭数が足りなかった n>=100 本,読破,古典anond:20210210225201 ミステリ,読破,古典anond:20210215101500 2,読むべきではない,理由anond:20210215232802 ロック,聴く,古典anond:202102...

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