増田は数か月前に中規模の入居介護施設に転職した。施設毎に配置が義務の医療系資格で入ったが、今回体調を崩し、ドロップアウトした。子育ても自信がなくなった。
女の敵は、頭が戦前の『上のほうにいる』おじいちゃんたちと、大部分は、すでに今『成果を上げている』女性じゃないかな。。
近しい人にもなかなか言えない話題なので、書いて整理させてください。
増田のスペックは30代後半、氷河期世代、MARCH卒、その中では落ちこぼれ。
4歳と3歳の子持ち。
職長である稼ぎたいAさんは、率先して残業し冗談抜きに24時間おり(そして居るだけで重たい業務は平民にやらせ)、自分のせいで次々辞めていく派遣の面接を毎月行って自分で業務を増やしていた。
時間がない、忙しい、と言いながら、応接室(説教部屋と職員が本当に呼んでいた)に『やらかした』職員を連れ込んで業務時間の圧迫もお構いなしにつるし上げた。
人に良く思われるのは大好きで、ご利用者様などに見えるところでは素敵に見えるようにふるまっていた。
『閉めておかないなんて丸聞こえじゃないの! 閉めておかないなんて気が利かない! 常識がほんとないんだから!』
と後でつるし上げられたこともあった。だが当時は本当に申し訳なくてひたすら謝っていた。
Bさんも楽しそうに日付をまたいで事務をし、自分だけの常識で派遣や新人職員のあら捜しをしてAにご注進した。
Aにさんざん怒らせておいてから、派遣にフォローするどころか喜々として
『普通のことだもの。周りを見ていれば感じるでしょう? なのに○○ができないなんて、10代の子ならともかく、おばさんが何を言っているのか分からないわ。今までの仕事のお里が知れるし、頑張るって言ってたのに嘘つきなのね、あなたが悪いとみんな思っているわ』
とかよく言っていた。
Cは支配欲旺盛で、とにかく自分のやり方以外は鼻で笑って異なるやり方を『できない、知らない、技術がない』とレッテルを張り、罵倒した。
常に他者ができないせいで自分の仕事が圧迫されている、自分は大変な苦労をしてつらい、なのに世間は冷たい、というのが世界観で、人を引きずり落とすのが好きだった。
辞めてやる、他に面接を受けに行った、安定剤の世話になってる、と言いながら書類のクオリティを上げるために終電まで残業し、自宅に中3の娘をほったらかしていたので、娘は進学せずフリーターになった。
自分で娘はだめだと言っていた。Cはよい資格を持っていたので良条件での転職は可能だったはずだが、『辞めたら負け。くやしい』という理由で娘の人生を棒に振ったように私には見えた。
本社の部長はそのうち二人と不倫していて、あまりそれを隠していなかった。
A、B、Cみんな女性で、シンママもしくは独身だ。年齢は4,50代だ。
自分たちは頑張っていて責任を持って働いていて素敵な輝いている女性だ、と3人はお互いでよく話していた。
面接では定時17時で残業はほぼなしのはずだったが、19時ごろ帰っても『早く上がる』『残業ほぼなしで帰れていいわねー』という雰囲気で、残業代は出ないうえに残業は増えてしまった。
こちらとしては面接で嘘をつかれてしまったのだが、多少正確でないにしろ、給料を払っているんだから黙って働け、と本当にそういう文化だった。
また、介護職や事務職の女性からすると医療系は年間80ほど賃金が高いため、
『この給料をもらっておいて、もっともっと働けるはずだ、申し訳ないという気持ちになるはずだ。定時の後にいろとは言わないができることはあるはずだ』と言われた。
増田からすると、同じ学歴からすると相当低いが、子育てのため残業のない職場を選んだつもりだったし、残業をつけられないので給料は前の職場よりむしろ下がっていた。
それに医療系の資格を取るのに3年学校に行くコストを払っている。そもそも、そういう考えでは誰の賃金も上がらないんじゃないかな!? 今はそう考えられるが、当時はとにかく期待に応えられなくて申し訳なかった。だから施設内のチラシ作りなど積極的に引き受けてしまった。
夫は早く帰れるという条件で転職したはずなのにおかしい、とまっとうなことを言って怒ったが、こちらも追い詰められていたので、夫を折れさせて最初の三か月は曜日を決めて遅くまでいた。
だが寝るまでに会えない日があると子供が不安定になったので、できる限り全曜日で早く帰ることに調整した。
そのぶん昼休みに書類整理し、朝は30分早く出勤し、残りの業務に当てた。家にも仕事を持ち帰った。
ちょうど夫の転勤が決まったのでそれを機に退職を申し出たら、もはやいじめとしか言いようのない毎日を過ごした。ある朝、保育園に行く前にだだをこねる下の子をなだめながらご飯を食べさせていたら、しんどいな、消えてしまいたいなーと思った。気が付いたら洗い物をしようとして手に取った包丁で手首を切っていたので、もうこれはだめだと思って、体調が悪い、もう行けませんと電話した。
増田はクズだ、最低だ。ご利用者様に申し開きもできないことをした。増田は逃げた。最低だ。
増田は介護系は天職だと思っていた。ご利用者様が好きだった。でももう関われる気がしない。こんなの母親として子供に言えない。胸を張れない。だが普通の男性だったら? 嫌なことなんて聞き流して、仕事ができたんだろうか。生活のために。
介護のように世界に先駆けることが求められていない職種ならば、ご利用者様の満足に直結しない部分のクオリティはそこそこでいいのではなかろうか。
長時間労働でGDPが低いとか言ってるけど、ほんと無駄ないびり止めればすぐ欧米並みになるんじゃなかろうか?
見えないとこの足の引っ張り合いを止めればいい。
任せきってしまえばいい。
責任は本人に取らせればいい。
仕事を何回もやり直しさせて増やしたり、段取りをひっくり返すことを悪とすればいい。
役所の監査がOKだったらお局が何回もやり直しさせる必要はない。
時間的に長くいる人が職場を牛耳るのを辞めればいい。しゃべる時間を減らせばいい。
ホームの施設内イベントチラシを細かいとこまで何回も作り直すとか、別の人が出したものは一度でOKとか、書類が本社の内監でOKが出てるのに別職種が表現気に入らないからって夜10時まで何回も作り直しを自主的にさせるとか、馬鹿だと思う。
でも筆に起こしてみると、これは一般的な女性の社会進出の話かと思っていたけど、今回の職場がダークサイドだったってだけの話かもしれないね。。実際介護でも転職前の会社は不満なかった。残業が増えて保育園のお迎えが間に合わなかった以外は。。結局また間に合わないとこに行っちゃったわけだけど。。
でも、
『仕事にはいじめが当然含まれている。仕事は仕事だから続けて当然だ。辞める奴は多いが、当然辞めるほうが悪い』
という反応が多かったら、日本社会は考え直したほうがいいと思う。効率を阻害している。ぜったい仕事を教えてないし、仕事で判断してない。好みで判断してる組織になってると思う。
でも、前の会社は前の会社で、女性は子供が小さいときは専業主婦だったというパートさんも多かったから、『小さいのにずっと保育園なんてかわいそう!』攻撃はすごかった。増田も30そこそこだったし、そんなものかと思えたから、360度回転しながら各方面に謝り倒して、熱を出した子供の時は早く帰らせてもらっていた。でも価値観が違うだけで、うるさいはうるさかったけど、基本善意の人たちの心配だったから、内容はすごく参考になった。躾とか。
しかし、今回の職場は確かに仕事が好きな女性たちが多かったが、子供がいる女性が多かったが、家庭とのバランスがとれているかは、かなり疑問だった。
入居施設だから24時間営業だし夜勤者もいるし、管理者は夜中のコールはしょっちゅうだし、たしかに長時間勤務してしまう環境は整っているけれど、それでいいと女性が思っていたら、親と同居や子供の大きい女性やと独身しかいられない。
19時に保育園にお迎えし、21時半に寝かしている。
もう一時間本当は早く帰れれば、毎日の夕飯、お風呂、歯磨き、ひらがなや算数の勉強、寝かしつけの本読みに余裕が出るかなと思う。
増田は小さいころ野菜が嫌いだったけど、今の野菜はおいしいのか、根気よく出していたら、結構食べてくれるようになったし、増田は小さいころ公園とかあまり連れて行ってもらえなかったから、休日に毎度公園に連れて行ったら、友達と楽しそうに遊んでいるうちに、スムーズに自転車に乗れるようになったり、蝉取りしたりしている。
増田にとって一番は家庭だ。でも、どうして正社員で仕事するかと言ったら、子供に私の面倒を負わせたくないからだ。増田が母親だけになってしまったら、子供の将来に口出ししてしまいそうだ。それに教育にはお金がかかる。理系なら大学院が当たり前の時代だ。
『こんなにちゃんと子供育ててたら、平日はそもそも作れない。休日は子供の相手でそんな気にならない』
2人目、3人目についてよく話題に出る。
増田の周りには古風な感性のお母さんが多く、子育てをほとんど一人で抱え込んで、お父さんを週末泊りがけで遊びに行かせたりさせてあげている。
今回、増田は今まで頑張ってきた女性の気持ちを逆なでするようなことを言ったかもしれない。育休復帰ののち、何年かで折れて子供にシフトして離職するお母さんが多いのもむべなるかな。でも、もうこんなの無理だとみんな内心ではわかってると思う。
7時間寝るのはパートしか不可だとしたら、それは社会がおかしい!!
でも、親が不規則でも、ちゃんと力を出せるよう育っている子供も多いのかもしれない。増田が、頭が固いとこもあるのかもしれない。ぜひ『うちこうだよ!』とか、『ここの本読むといいよ!』とか『ここの会社やってるよ!』とか教えてください。精一杯勉強します。
あと、頑張ってる女性、頑張りすぎてるからって、ヒス起こすの、やめようよ。。
(言ってやった! 言ってやった!)
責任を取る立場の人は、たとえ家に帰っても、長時間労働から逃れられない。
優秀な人が寝ないで働いてくださってる現場もあるから、社会で私たちが息をできていることももちろんあると思う。
増田は頭が悪いけど、メンタルも弱いけど、主婦が6時間労働くらいでちゃんと働けて、家庭も大事にできるましな職場を今後作っていきたいと思う。
それを早く実現できるなら、寝なくてもいいような気がしてきた。でも、増田は笑って働くんだ。ぜったいに。