2024-02-24

実家帰ったら親がネトウヨ拗らせてた

何年か前、当時最新型のandroid TV我が家に導入された。

休日には家族Huluアマプラで韓ドラや中華ドラマを観ることが増えた。

音の出力が良かったから、母はあれでSpotify掛け流しにしていて、TVから中国語の歌がずっとかかってた。

平和だったなと思う。どこで何を間違えたんだろうな、とも。

いつからだったか、ポイ活や資産運用節約生活云々のギラギラしたチャンネルを見始めたあたりから

適当フィードをかき混ぜて犬猫だらけにしておけば良かっただろうか?

...もう遅いけど!

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あの家から独立して以来、それでも月1回程度は自主的実家に顔を出すようにしていた。

秋の日、母はコーヒーを飲みながら突然声を潜めて私に聞いた。

「ねえ、クルド人川口市マフィアみたいに占拠してるの、知ってる?」

そこからがもう大変だった。最初はただのどっかの局のTV特集だった。

次に知らないYouTuber在日外国人をやたらと「寄生虫」呼ばわりする過激チャンネルをいくつか立て続けに見せられた。

その流れで今度は、例の女性支援団体話題シフトした。

知らない過激YouTuberが、支援団体やそれに類似するものを「弱者ビジネス」と言っていた。

そして合間合間には「現政権批判」と「米政権批判」がサンドイッチのように挟まっていく。

国民主権の国にいる私たちが、税金が正しく使われてる?と関心を持つことは何も悪くないだろうが、

それにしても「寄生虫」だの「弱者ビジネス」だの「公金チューチュー」だの、やたらとインパクトのある言葉ばかり。

そんなスラング、やめたらどう。下品よ。と諭すも、「チューチュー」には「公金横領」とは違う、それなりのニュアンスがあるらしい。

かに政治経済にはやや疎い私でもキッシーはまあまあやらかしている部類だと感じている。増税しかり、脱税しかり。

かにバイデンさんはそろそろ隠居したほうが彼のためでもありそうだ。あの状態ではアメリカには国際社会での抑止力機能は期待できない気もしている。

どっちかというと、なめられてんねえ、という印象だ。

でもそれもこれも、どれも、何もかも、

例えば特定国籍民族人種を名指しして差別発言をしていい理由にはならない。

「クソバイデン」の対義語は「トランプ最高!!」ではないだろう。

TV報道が当てにならない」のも、「政府干渉検閲で全て捏造された情報が耳に入っているかもしれない」のも、

別にそれは「YouTube情報こそが唯一神の如く正しいのだ」とはなり得ないだろうし、

それらに疑問を呈する娘の私に対して「お前は学校教育リベラル思想洗脳されている!外国語外国文化を学んだら、お前は日本人としての品性も無くしたのね」

と反撃するその「発言内容」に正当性を持たせることはできないのではないか

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母は私との「討論」と通して、娘が「保守思想」を受け付けられないのをなんとなく察したようだった。

すると今度は夕食に刺身を並べ、私に向かってこう言うのだ。

「この先何十年も、美味しい刺身を食べたいでしょ?そのためには領海を守らなけりゃいけない。変な密輸船の奴ら、死ねばいいのにね。

いい?これが、保守というのよ」

領海を守らなければいけないところまでは多分間違ってない。領海侵犯を犯す人たちは確かに犯罪者である

でも別にその罪の報いを死で受けろとまでは思わない。流石に。

これが、保守

女性キャリア志向なのって結局お金のためでしょう?」と母はいう。

女性管理職が少ないのは、制度のせいではない。女が小賢しく嘘つきで、キャリアやりたいって主張するだけ主張しておいて最後に『やっぱめんどい』で逃げるから」とも。

もちろん、金銭理由も捨て切れないだろう。この国の経済状況はどこまでも悪くなっているから。でも、それと同時に

女性社会の中で、頭からつま先まで全て等しく『人間』として扱って欲しい希望(や、仕事を通して「そう扱われている」と自分に対して証明するため)」だったり、

「家庭・夫・子供」以外のコミュニティに属して、より広い社会を得る、ということで得られる利益もあるだろうと思う。(主に精神的な面で)

女性管理職がーとかいうとちょっと難しいなら、

「同じ会議室で、男女同数程度で、お互い『あっちは男性からー』『あっちは女性からー』っていう観点から判断しないで、建設的に意見を交わせる空間を作る」

という考え方はどうだろうか。さっきより少しハードルが下がる気はしないだろうか。

この問題の行き着くところは、男女を問わず互いにジェンダーロールを押し付けず、相手人間として尊重するというところではないのだろうか?

でも「保守」の母は、キャリア志向母親がいる家庭は「不幸」なのだという。家庭の概念破壊される要因だから

ここでわからないのは、キャリア志向、もしくはキャリア志向と言いながら土壇場で「管理職になりたくない」という女性に対してのみ批判をしているのか。

それとも、この討論を通して、キャリア志向総合職として就職した私に、ついでに流れ弾を喰らわせる意図があるのか。

リベラルの人たちというか、差別されてますーって弱者ビジネスしがちな被害者ヅラする人たちって、『私たちもニンゲンですー』って言うのよね」

可哀想ねえ、あんたは手遅れかしら、洗脳されちゃって。

母は毎回こう締めくくる。

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特定国籍人種を指差しヘイトスラング罵倒するの、やめなさいよ。というと、

あいつらには、ヘイトされるだけの正当な理由がある」という。

下品ネットスラングも、聞いてて辛くなるからやめてほしいかな、というと、

「これは代替不可のニュアンスが含まれているんだ」という。

こだまでしょうか、いいえ、うちの母親。時々父親

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母。あなたも私も「幸せな家庭」の概念に苦しめられてきたはずだ。父、あなたもだ。あなたのお父様はあなた暴力ばかり振るっていた。

あなたがたは二人とも、片親と縁を切っただろう。

母、あなたスマホメールを打ちながら実の母親に「しね、しね!!」と怨念飛ばしていたのを私は見ていた。

あれはきっと、いつかの私の姿だと思う。遅かれ早かれ。

私は必要以上に「家庭」の概念に期待していない。私の実家はすでに最初から壊れていたから。

ただ普通幸せが欲しいだけ。

専業主婦の母の世界が「家庭」のみになった時、母は私と共依存関係を築いた。自他境界線なんてドロッドロに溶けていた。

夫と喧嘩をするたびに「離婚したら主婦ってのは経済力を持たないから弱いのよね」と怒っていたのを見ていた。

貴女みたいになりたくないだけだ。

他人に対して暴力を振るうという選択肢の「ない」夫を見つけて、過干渉ではなく共依存でもない親になりたいだけだ。

この狂った家の呪いのような厄介なものを全部壊して、リセットしたいだけ。

かつてできた元彼に「女はちょっと馬鹿なくらいが丁度いい。男を立てるということを学んでくれ」と言われたことは絶対に忘れない。

その母親に、「あの大学の子だって聞いて安心したのに、つまり、訳ありのお嬢さんってこと」と言われたことも。

好きでこの家に生まれたわけじゃない。ああ、「家庭」の概念のせいで私につけられたレッテルは最悪だ。

私はあの両親とは別人なのに!

私は声高に「差別された」というつもりは全くない。だけど母の思想に則るなら、私はこれを受け入れなければならない立場となる。

まっぴらだ。

あっちにもこっちにも都合のいい「ビューティフル・リトル・フール」になんて、死んでもならない。

あいにく、私は「お砂糖スパイスと素敵な何か」なんかで構成されていない。

私はあなた達にとっては従順な娘ではなかっただろうし、これからもそうなるつもりはない。

私は自分の力で、あなた達のいないところで、どこまでも「人間」として、地に足をつけて生きていこうと、ずっと前から決めている。

リベラルとか、保守とか、そういう問題じゃない。

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別に、親がネトウヨだろうが、パヨクだろうが、本来はどうでも良かった。

別にYouTubeTV代わりになってようが、そんなのは夫婦の好きにすればいい。

私には関係ない。

ただ、最低限「人種差別をやめなさい」と「娘の価値観を『学校教育洗脳された』と罵るのをやめなさい」

この2点を押さえたい私の、何が悪いんだろう。

私は何か間違った、道理を違えた発言をしただろうか?

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