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はてなキーワード: 若おかみは小学生!とは

2020-08-01

タイトルが「君」から始まるアニソン、毎年1曲はある説

anond:20200801034304を見て思いついたが、結論から言うとそうでもなかった。

2020

君といるなら(number24)

君と重ねたモノローグ(ドラえもん のび太の新恐竜) *公開前

君は天然色(かくしごと)

君はヘレネス(別冊オリンピア・キュクロス)

2019

君に届くまで(MIX)

君に伝えたストーリー(MIX)

君のEntrance(アイカツオンパレード!)

君のとなり わたし場所(同居人はひざ、時々、頭のうえ。)

君を許すように(蒼穹のファフナー THE BEYOND)

2018

君 君 君(銀の墓守りII)

君にふれて(やがて君になる)

君のステージへ(若おかみは小学生!)

君のせい(青春ブタ野郎バニーガール先輩の夢を見ない)

君は友達 一番の恋 〜way to love you〜(フルメタル・パニック! ディレクターズカット3rd SECTION “イントゥ・ザ・ブルー”)

2017

君色スマイル(Room Mate)

君、ヒトヒラ(宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第三章「純愛篇」)

君を呼ぶ場所(映画 プリキュアドリームスターズ!)

2016

君色に染まる(魔法少女なんてもういいですから。セカンドシーズン) *カバー

君といた空(蒼の彼方のフォーリズム)

君とボクの1日(ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかOVA)

君に捧げる鎮魂歌(初恋モンスター)

2015

君色シグナル(冴えない彼女の育てかた)

君はソレイユ(ストライク・ザ・ブラッドOVA)

君への嘘(名探偵コナン)

2014

君じゃなきゃダメみたい(月刊少女野崎くん)

君と彼と僕と彼女と(FAIRY TAIL)

君の待つ世界(まじっく快斗1412)

君へ贈る魔法(サンタカンパニー)

2013

君色ラブソング(マジカル☆スター かのん100%)

君が笑む夕暮れ(東京レイヴンズ)

君とのなくしもの(リトルバスターズ!Refrain〜)

君と二人(断裁分離のクライムエッジ)

君のいる町(君のいる町)

君の引力(恋旅True Tours Nanto 晴喜と葵編)

君の笑顔がなによりも好きだった(名探偵コナン)

君の銀の庭(劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語)

2012

君が夢を連れてきた(さくら荘のペットな彼女)

君だけを(緋色の欠片 第二章)

君と僕挽歌(君と僕。2)

君にまつわるミステリー(氷菓)

君の神話アクエリオン第二章(アクエリオンEVOL)

君の涙にこんなに恋してる(名探偵コナン)

君は(妖狐×僕SS)

君は友達(僕は友達が少ない あどおんでぃすく)

君へ(中二病でも恋がしたい!Lite)

2011

君+謎+私でJUMP!!(バカとテストと召喚獣にっ!)

君にご奉仕(まよチキ!)

君に届け…(君に届け 2ND SEASON)

君ノカケラ(夏目友人帳 参)

君の中の英雄(機動戦士ガンダムAGE)

君の僕へのかくしごと(みのりスクランブル!)

君の真剣をちょうだい(真剣で私に恋しなさい!!)

君を知ること(侵略!?イカ娘)

君を守りたい(フリージング)

2010

君がいるから(FAIRY TAIL)

君がいる場所(世紀末オカルト学院)

君が主役さっ!(極上!!めちゃモテ委員長 セカンドコレクション)

君といる時間の中で(おまえうまそうだな) *2004年発表

君と太陽が死んだ日(学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD)

君の歌(COBRA THE ANIMATION)

君ノ記憶(薄桜鬼)

君の胸にLaLaLa(ポケットモンスター ダイヤモンド&パール)

2009

君がいない未来(犬夜叉 完結編)

君がまってる(バトルスピリッツ 少年激覇ダン)

君が微笑うなら(COBRA THE ANIMATION)

君に、胸キュン。(まりあ†ほりっく) *カバー

君の知らない物語(化物語)

君は太陽(ホッタラケの島 〜遥と魔法の鏡〜)

君へとつなぐココロ(かなめも)

君を守って 君を愛して(BLEACH)

2008

君が残したもの(ToHeart2ad)

君=花(純情ロマンチカ)

君へと続く道(ポルフィの長い旅)

2007

君がいる限り(キスダム)

君が光に変えて行く(空の境界 殺人考察(前))

2006

君がいるから(史上最強の弟子ケンイチ)

君だけを…(僕等がいた)

君との未来図(タマ&フレンズ 探せ!魔法のプニプニストーン)

君のそばで 〜ヒカリテーマ〜(ポケットモンスター ダイヤモンド&パール)

2005

君色100%(いちご100%)

君が待っているから(機動戦士Zガンダム A New Translation -星を継ぐ者-)

君という名の光(CLUSTER EDGE)

君に届くまで…(陰陽大戦記)

君にジュースを買ってあげる♥(ケロロ軍曹)

君の愛に包まれて痛い(格闘美神 武龍)

君の思い描いた夢 集メル HEAVEN(メルヘヴン)

君のこと(涼風)

君は僕に似ている(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)

2004

君色パレット(Φなる・あぷろーち)

君が空だった(舞-HiME)

君となら(陰陽大戦記)

君にこの声が 届きますように(金色のガッシュベル!!)

君を飾る花を咲かそう(モンキーターン)

君を見ている(ジパング)

2003

君という光(名探偵コナン)

君といた地球(FIRESTORM)

君と同じ青空(聖闘士星矢 冥王ハーデス十二宮編)

君と約束した優しいあの場所まで(名探偵コナン)

君に吹く風(フルメタル・パニック? ふもっふ)

2002

君がいた物語(.hack//Liminality)

君と生きていく(シスター・プリンセス Re Pure)

君よ 強くなれ(冒険者)

2001

君との未来(Dr.リンにきいてみて!)

君にスマイル(コメットさん☆)

君のぶぶチャチャ(だいすき!ぶぶチャチャ)

君のままで(こみっくパーティー)

2000

君さえいれば(ラブひな)

1999

君と僕(こちら葛飾区亀有公園前派出所)

君は魔術士?(魔術士オーフェン)

1998

君がいて僕がいて爆外伝(Bビーダマン爆外伝)

君がいるから…(金田一少年の事件簿)

君さえいれば(中華一番!)

君に触れるだけで(るろうに剣心)

君、微笑んだ夜(快傑蒸気探偵団)

1997

君がいない夏(名探偵コナン)

1996

(見つからず)

1995

君のハート狙いうち(アイドルプロジェクト)

1994

君色思い(赤ずきんチャチャ)

君の中の永遠(機動武闘伝Gガンダム)

君らしく(ピンクパンサー)

1993

君が好きだと叫びたい(スラムダンク)

君は君だよ(姫ちゃんのリボン)

君を好きでよかった(ここはグリーン・ウッド)

1992

君に逢えたから(フランダースの犬 ぼくのパトラッシュ)

1991

君にまた逢う日(冒険!イクサー3)

1990

君に止まらない 〜MY GIRL,MY LOVE〜(魔神英雄伝ワタル2)

1989

君の夢のために(名門!第三野球部)

1988

君がいるから(ドラえもん のび太パラレル西遊記)

1987

君が通り過ぎたあとに -Don't Pass Me By-(タッチ3 君が通り過ぎたあとに)

君の手をとり(チロヌップのきつね)

君のフリーダム(げらげらブース物語)

君はトランスフォーマー(トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ)

1986

君は流れ星(がんばれ!キッカーズ)

君をとばした午後(タッチ)

君をのせて(天空の城ラピュタ)

1985

君がいなければ(タッチ)

1984

君にWoo...!(よろしくメカドック)

1983

君に贈るララバイ(特装機兵ドルバック)

君は何かができる(キャプテン) *2005年版、2006年版でも使用

1982

(見つからず)

1981

君は走れ 君は歌え(どんべえ物語)

1980以前

(見つからず)

2018-11-27

意味がわかると怖くなる"若おかみは小学生!"の話

おっこの父母は花の湯温泉の幼馴染同士。だからおっこの父の実家も花の湯温泉のどこかにある。

しかしこの事実映画TVアニメそしてノベライズはもとより、原作20巻+番外編スペシャル4冊のどこにも語られていない。

2018-10-11

若おかみは小学生!」は児童労働性的搾取

何処に行けばワイを食わせてくれるグローリー・水領さんに会えますか?

2018-10-10

[]若おかみは小学生!

若おかみは小学生!』を見てきたので感想。いつものごとくネタバレ気にしてないのでネタバレ嫌な人は回避推奨です。あらすじ解説とかもやる気ないので見た人向け。またこ作品書籍漫画版アニメ版あるけれど、それらは横に置いといて映画の話します。

総評

これは120点っすな。点数の基準は「上映時間映画料金を払ったコストに対して満足であるなら100点」なので、「見れて大満足! もうちょいお布施したい」でした。

演出とは裏腹に内容的にはかなりヘビー(というのを見越して爽やかで明るい演出を用いていた)なので、児童文学原作でお子様向け痛快娯楽活劇とは言い切れないんですが、個人的にはクオリティさえ伴えば子供を思いテーマや悲しい作品でぶん殴ってもええやないか、いてもうたれ、子供ってのは子供なりに受け取るんだ派なので、クオリティでぶん殴ればいいと思いますふるぼっこドン

この映画に関してはTwitter児童労働がどうのこうのという話もちらりと耳にした程度で事前情報収集もなく見に行ったんですが、そういう物語じゃなかったですよ。

喪失を乗り越えるという話

じゃあ、どういう物語だったかといいますと、大きく2つの柱が絡み合うストーリーでした。それは大きなテーマで言えば「喪失を乗り越える」と「自分自身と居場所を見つける」という話。

初っ端から重いですが、主人公である女子小学生・関織子(通称おっこ)は、本作冒頭の交通事故において両親を失います。もうこの時点で軽い話になりようがないわけですよ。にも関わらず事故被害のシーンはグロカットされ、葬儀とそれに続くドタバタのシーンも描写はされず、おっこは新生活の場であるところの、祖母の営む温泉旅館「春の屋旅館」へと向かいますトランクひとつ持って別に落ち込むわけでもなく、ちょっと大変なだなあくらいの顔色で一人旅をして、到着し、新しい部屋(いままでのマンションとは違う昭和的な和室)を与えられ、転校して新しいクラスメイト挨拶をして、ひょんなことから家業である温泉旅館を手伝うことになります

若おかみは小学生!』って言うタイトルから当たり前ですが、こうして女子小学生おっこの若女将修行生活が始まるわけです。

「春の屋旅館」がある「花の湯温泉」は歴史のある温泉街で、古都然としたまちなみに浴衣姿の観光客が歩く割合賑やかで、カラフルな町です。この辺音楽美術演出あいまって、しみじみと明るく暖かく描かれていて雰囲気良いですね。美術レベルは高かったです。

でも、この明るく爽やかなあたりが(とうぜんそれは演出意図に沿ったものなんですが)、ある意味ホラーでもあるわけです。

小学生児童にとって、両親を失うというのは、最愛家族を失うということであるのみならず、加護者も生活基盤も導き手も失うということです。もう、それは世界崩壊かいレベルでの悲哀なわけですよ。

にも関わらずおっこはそこまでの苦しさを見せない。両親を思い出してちょっとうつむくことはあっても、笑うし、日常生活を送るし、新しい出会いにも前向きでいる。それはよく考えればとてもとても異常なことなわけです。

異常なおっこの新生活は、やはり物語後半に向けて徐々に破綻してゆきます。「両親がまだ生存していて自分と一緒に暮らしている」という幻想を何度もみてしまうおっこは、あるシーンにおいて事故の原因となった(もちろん別のですが)大型トラックを見て、事故フラッシュバックから過呼吸になってしまう。おっこは、両親の喪失という悲しみを乗り越えたわけではなくて、ただ単に今まで封印をして日常生活を演じていたに過ぎなかったわけです。

あらすじなんかにおいて本作は「主人公おっこの成長を描く」なんてサラリと書かれているわけですけれど、それは不誠実な欺瞞であって、おそらくおっこの身になってみれば、それは成長じゃなくて引きちぎられてバラバラにされてしまった自己の修復というサバイバルなわけです。失った何かから目を背けて、決定的な破綻をしないようにごまかしながら疾走するというのが、この物語の前半部分でした。

自分自身と居場所を見つけるという話

そういう意味で、おっこが若女将をやるというのは、児童労働とかそういうレイヤーの話ではないのです。両親を失って加護者も生活基盤も支えも失ってしまったおっこにとって「いまできるなにか」に必死に飛びついて自分を騙そうとしていたとも見ることができます祖母である旅館経営者(現女将)の後継者問題という、旅館側の都合があったにせよ、おっこが旅館雑務に飛び込んで笑顔で充実していく背景にはそれがあるはずです。

事実おっこの若女将雑誌に取り上げられて評判を呼ぶという広告的な価値はあったものの、従業員としてみたとき、お客さんに感情移入しすぎて夜闇の中に駆け出すなど(一般的社会人価値からすれば)行き過ぎな面もありました。

でもそれも仕方がないと思うのです。両親という生活基盤を失ったおっこは、同時に目指すべき将来の自分像も失っています。「将来こういう自分になったらいいな」です。その空隙を、目の前に提出された安易な「若女将」で埋めてしまったわけですから、その意味では、おっこの若女将労働としての若女将ではなく「若女将ごっこ」でもあって、つまりはある種の自分の居場所探しなわけです。

たとえおっこ自身がそれを言語化できるレベルで気づいてなかったとしても、まだ収入もなく住む場所自分では決められない小学性にとって、他にできることなんて事実ないじゃないですか。それはせめて居場所を獲得するという生存努力です。

おそらく祖母はそのおっこの悲痛に気がついていて、周囲が無責任に「若女将誕生!」とはしゃぐなかで、決して自分からは手伝え、継げとはいいませんでしたし、おっこの労働危惧してた素振りも見えました。経営者として「子供接客なんてさせられない!」と拒絶することもできたでしょうけれど、おっこから女将をとりあげて、じゃあ不安定彼女精神に何をしてあげられるかと言えば何もない。だから黙認しかないわけです。

だいたい「自分自身と居場所を見つけるという話」なんてもの現代社会において、大学卒業して就職して一年二年経った青年が、俺はどうやらこういう方面には我慢が効くがこういう方面は苦手だぞ、どうやらおれはこういう仕事とこういう人間関係の中でなら生きていけそうだ――みたいなのをやっとこさやるものなわけで。そんなものを、小学生が引きちぎられるような喪失を乗り越えるのと二正面作戦でやるのは無茶というものです。

そういう意味では、周囲の大人たちはもうちょいどうにかフォローしてやれなかったのかよ、とも感じるんですが、でも逆にそれこそ大人視点傲慢物言いであって、大人だろうが子供だろうがどんな人間でも自分自身の心の中の悲しみや未来とは、自分一人で向き合うしかないというのも一面の真実です。

おっこは画面上の軽やかさやおっちょこちょいさに隠されがちですが、実は誇り高い女の子です。特に自分が設定した自己目標に対しては愚直なまでに誠実です。だからこそ、宿泊客のために対立している真月に頭を下げて教えを請うこともします。その実直さが両親を失うという危地の中で彼女孤立してしまった原因だし、それが巡って彼女の味方を増やす原因でもあったのは素敵だったと思います

ふたつの話の交差点

おっこは「喪失を乗り越えること」から逃避して、目の前のロールである女将に飛びつき、そこで必死に働くことによって苦しかった過去ある意味塗りつぶそうとしたわけですが、その逃避が「自分自身と居場所を見つける」ことにつながってゆきます

幾つかの出会いがあって、目指すべき未来のヒント、ロールモデル出会います。たくさん登場人物がいるのですが特筆すべきなのは三人でしょう。

まずは旅館女将である祖母。登場シーンは少ないのですが、彼女個人人格職業倫理が融合してしまったあの佇まいは、今は亡き母経由もふくめておっこの誠実さの根っこのように思います職業倫理がついには人格化しちゃうって、昭和的な善人のあり方としてすごく共感できるんですけど、今の時代では流行らないのかもしれないと思ってちょっとロリしました。

二番目には、おっこの同級生、秋野真月(大旅館の跡取り娘、通称ピンフリ)でしょう。この娘は小学生女子なのですが、広い視野旅館業と湯の花温泉京の未来を見つめていて、顧客に対して誠実であろうという、幼いながらある種の達人系キャラです(傲慢物言いをする残念キャラでもあるのですが)。この娘と同年代として出会うことができた、ライバルとして対立したり和解したりできた、というのはおっこを取り巻く幸運の中でも格別のものでした。彼女との交友は、悲痛から逃げ出して飛びついた「若女将ごっこ」に、その内実の精神性を加えて「本当の若女将」へ進化させてくれたと思います

(余談&劇中では語られませんが、温泉郷に住まう子供の中でも誰よりも本気で町の未来について抱え込んでしまってる真月の孤独にとって、その孤独の闇に現れて、自分の高さまで登ってくれると約束してくれたおっこの存在は、想像すると涙がこぼれるものが有ります。真月からみてもおっこは救いであったと思うし、そうだと良いなあ)

三番目は宿泊客である占い師グローリー水領です。長い黒髪をたなびかせたこ宿泊客は、都心部事務所を構える凄腕の女占い師なのですが、私生活での失意から「春の屋旅館」で飲んだくれ生活をしています

抑制的な演出描写される彼女鬱屈をおっこはどうにかして励まそうと、浴衣を着たことのないという彼女着付けを手伝います浴衣経験のそんな彼女艶姿におっこが感嘆した感想が「格好いい!」でした。

ものすごくさり気ないシーンだったのですが、それはおっこが喪失していた「自立した憧れるべき大人の女性像」を見出した場面だったんじゃないでしょうか?

私生活で辛いことがあっても他者に当たらず、それどころか宿泊先の幼い従業員おっこに気を使っておどけてまで見せる。グローリー水領はおっこ視点では「素敵な大人のお姉さん」です。その素敵な年上のお姉さんに、「可愛い」でも「素敵」でも「綺麗」でもなく「格好いい!」と小さく叫んだおっこに、少し泣けました。お洒落で(←女子小学視点では重要です)、颯爽としてて、自立をしてて、視線を合わせて話してくれる。そんなお姉さんはおっこにとってどれほど輝いて見えたことでしょう。暗闇の中で我武者羅に迷走していた、それでも笑顔だけは守っていたおっこにとって、それは小さな灯火で「未来自分」「目指すべき形」です。

祖母の言う「誰も拒まない花の湯」、同級生真月のいう「客を癒やすレストスペース」、女占い師自分仕事を「他人を励ます仕事」だと評したこと。それらは全て本作テーマに重なるパラフレーズです。そしてそういう人々の輪の中に、自分も入っていける。癒やしたり癒やされたりしながら前へ進んでいくコミュニティの一員になる。「若女将」という「自分自身と居場所を見つける話」は、おっこにとっては生存努力であり逃避だったわけですが、それを誠実に、ごっこから実体にしていくのならば、結局逃げていた「両親の喪失という苦しみを越えていく」につながっていくのだ、という脚本はすごく良かったです。

別れ

ここまで触れてませんでしたけれど、おっこには霊感があるという設定で「春の屋旅館」にきてから騒々しい幽霊少年やおませな幽霊少女出会い、励まされています。両親が今でも生存していて日常は壊れていないという幻想に悩まされていた頃おっこを支えていたこ幽霊たちですが、物語終盤でおっこから見えなくなってしまうという形で別れが示唆されます

でもそれは、おっこが人間社会のなかで居場所確立した――七つまでは神のうちといういわばまだ神様たちの一員であり神楽の主役でもあったおっこたちが、社会の中で着地して、痛みも悲しみも乗り越えていく季節がやってきたのだというエピソードです(おそらく魔女の宅急便黒猫ジジが喋れなくなる、も同様の構造ですよね)。

見終わってから気づいたのですが、この作品幽霊や鬼たちは、幼いおっこが空想したイマジナリーフレンズだとしても物語が成立するように設計されています

おっこは自分の中の勇気かしこさと一緒に自分の悲しみと戦った。「春の屋旅館」はその舞台であり、若女将はおっこが戦うための姿だった。

すべてのフィクションファンタジーなので現実視点を持ち込みすぎるのは野暮というものなわけですが、今後おっこは中学入学卒業して、大学はともかく高校くらいは出るはずで、一人前になるまで十年近い時間があります。(このお話のおっこは絶対旅館業一筋だと思うのとは別に一般化するのならば)そのなかで、旅館から離れるかもしれない。現実に寄せて考えるならその可能性は高い。

でもそんなことはおっこの戦いとそこで得たものとは関係がないわけです。おっこは若女将というコスチューム身分を手に入れたわけではなく、戦いの中で手に入れた人間関係自分自身がある。将来どこでなにをしようと、おっこの手に入れたものが曇ることは二度とない。それがこの映画の中心であって、それは児童労働とかそういうのではなく、もっとパーソナルで尊いものだったと思います

ps.おう真月ちゃんパート書き足したで!

 
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