結局国民の信頼を金で買ってるだけなんだよね
よほど恋愛経験豊富でレベルの高い親なら別だけど、99%、無償の愛から繰り出される的はずれなアドバイスがやってくる。最後の最後、自分がやりたいと思ってるけど怖くて背中だけ押してほしい、くらいの時なら良いと思う。
なんてったって、
さすがに東京に住んでるだけで東大卒名乗ってもいいとは言ってない。
ホワイト大企業とか中央官庁とか入ると、周囲はみんなマーチ以上、半数は東京一工早慶って環境は普通にある。
東京に親の家があるマーチ卒と地方出身で家を買わなければならない東大卒とどちらが結婚相手として選ばれるかとか考えてみなよ。
そんな不謹慎なことが出来るかよ。
真面目に、狭い会議室で唾を飛ばしながら激論して仕事をするよ。
第二波は来ないよ。日本人はほとんど真面目で、不謹慎なのはごくごく例外。その例外をマスコミやお前らが面白がって叩いているだけ。
すぐさま父たちは急ごしらえの企画を携え、親会社に乗り込んだ。
「オリジナル作品~? ちょっとバクチが過ぎるんじゃないのぉ?」
「ワタシたちは、そのギャンブルを楽しめる程度の額でいいんです」
「でも楽しむにしたって、何らかの勝算は欲しいよ?」
「確かに赤字だったかもしれませんが、作品の出来は客観的に見て悪くなかったでしょう」
「バズりっぷりも、今期ではトップクラスです」
そう言えたら楽なのだが、下手に機嫌を損ねられては企画が通らない。
気前よく予算を出してもらうには、正論や糾弾以外の弁が必要だ。
「シューゴさんを留守にさせて正解でしたね」
「ええ、彼なら既に5回はキレてます」
担当の気だるそうな喋り方と相まって、父とフォンさんは内心イラ立っていた。
それでも二人は根気よく、詭弁を交えながら説得を試みた。
「監督のシューゴって人だけど、実績がないじゃん? それでオリジナル作品ともなると、しんどくない?」
「シューゴさんは監督としては若手ですが、アニメーターとしてはこの道10年以上のベテランです」
「それに実績なら『女子ダベ』があるじゃないですか。あれだって世間の評価自体は高いんです」
不利なことは迂遠に表現し、逆に少しでも有利なら大仰にアピールした。
「でも、スポンサーが集まるかなあ?」
その甲斐もあり、上役は予算をどう捻出するのかと、自ら切り出してきた。
そもそも「予算を出す出さない」の話をしていたのに、気づけば「どうすれば可能か」という話にもつれ込んでいる。
こうなったら、後ひと押しだ。
「……つまりですね、予算を抑えつつ一定のクオリティを維持できる!」
難しい説明は省き、とにかくお得であり、損はしないことを強調した。
「要はコスパがいいんです」
上役が好きそうな言葉を添えることも忘れない。
アプリ、マッチングしても、やり取りする気力がないから、やり取りができない。
転職活動もしたくない。エージェントから日程出すよう連絡来たから入れたけど、やるべきこと全然できてない。
こんなうんちなんだから、まともな社会生活送れることを前提にしないで欲しい。
俺は根がニートなんだ。
とにかく、寂しいのは嫌だが、社会不適合者だから、人間関係構築できん。
ニートでも魅力的な人は友達できるから、ニートとしてもカスやねん。
まあ、要は、18時間ぶっ続けでゲームやってたから疲れて弱気になってるのだ。
コンディションは最悪だが、会社には行かなければ。
いやはや、しかし、俺っていつもこうだな。
一周回って開き直ってきたわ。
社会不適合者の力見せたるぞ。
みんなってだいたい7割ぐらいだろ