2019-04-27

ヘイト漫画家に囲まれしまった話

とてもとても長いので、ごめんな。

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自分もその道に身を置いている手前、日々会話するのもソシャゲ仲間も飲みに行くのも旅行に行くのも、みんな漫画家だ。

同人時代からの友人や、漫画家漫画家を呼ぶような繋がりでどんどん増えていった。

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最近、ある少女漫画家が「ジェンダーバイアスのかかったマンガは滅びればいい」、と作中とインタビューで語ったことが話題になった。

自分の周りの漫画家たちも、この件では賛否両論が起きた。

以前から、「表現の自由」と「人権配慮(性/暴力/犯罪/LGBTQ他)」に関して、たびたび紛糾してきた。

規制に反対し表現の自由を守りたい漫画家たち。

悪いものを悪として描かないなら描くべきでないという漫画家たち。

いやゾーニング対処するべきという漫画家たち。

様々な意見があった。

いずれも、漫画で何をどう描くのか、漫画という作品をどう扱うのか、自由権利に対する漫画家としての真摯な考えを見ることができて、自分も考えを新たにしなければ、と肝に命じた。

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しかし、あれ?と思うことも多かった。

漫画表現の以外の、日常場面では?

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先に言ってしまえば、自分の周りの漫画家たちはみな、軽々しくヘイトスピーチする。

他者を、性別を、人種を、国を、嗜好を、年齢を、仕事を、病を、弱者を、あらゆる属性を。

それは日常会話でも、Twitterの呟きでも、LINEグループでも、飲み会の席でも、ごくごく自然ヘイトスピーチをする。

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いくつかの、実話。

最初同調することも多いが、おかしな方向へ白熱することが多い例。

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漫画家Aは、国産アニメソシャゲ2.5次元舞台などが好きな成人向け漫画家

表現規制についてよく勉強しており、国産コンテンツを守りたい意欲が伝わってくる。

フォロワーとこう話す。

暴力だろうが性だろうが、多種多様ジャンル作品表現を産み出せる文化が好きだ」

白人文化白人が主導した主張がいつも最先端で正しいと思ってるコンプレックス恥ずかしい」

「さすが日本海外ならこうはいかない、特にお隣の国では」

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漫画家Bは、洋画アメコミ海外俳優が好きなファンタジー漫画家

metooや反ルッキズムなどに賛同して、海外から翻訳されたツイートをよくRTしている。

フォロワーとこう話す。

漫画表現国際感覚に遅れると恥ずかしい」

着物和柄萌えダサい国産アニメ邦画ダサい日本のものって遅れてて古くてダサい

日本終わってる、この国消えていいよ」

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漫画家Cは、犬猫大好き男性アイドルゲーム大好きなBL漫画家

動物保護里親探し、動物虐待注意喚起RTし、女性人権話題にも熱心。

フォロワーとこう話す。

女性が今まで迫害されてきた、その被害補填をこれからの男たちも負うべき」

二次以外の人間オスはみんなしねばいいのに」

推しは顔がいいから許す」

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漫画家Dはかつて一般誌で連載を持ちながらも現在ネームが通らない日々、同人出身

スポーツ観戦や映画漫画ソシャゲを広く楽しむが病気勝ちであまり社会的なことに興味はない。

フォロワーとこう話す。

自分幸せをなにより優先できる世の中がいい、結婚恋愛子供もいらない」

子供や子持ちや障害者年寄貧乏人や、そういう人に税金を使われるのが嫌だ」

「でも自分病気医療費は全部国で賄ってもらいたい、漫画で当てるまで出版社に養ってもらいたい、自分こそ本当の弱者だ」

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憤るような事件現実記事という形で流れてきた時に、自分も彼らも不快感を露にしてお互いの不快感の表明に「いいね」をすることがある。

だけど、そこから先の「だから□□は◯◯だ」、と属性人種なんかをまとめて貶すようになると、自分は「いいね」を押さなくなる。

彼らは「いいね」を押したフォロワーと、どんどん過激に何かについての属性を、貶めて攻撃し始める。

いつもこうだ、とうんざりしてしまう。

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彼ら彼女らは、自分の好きなものに対してはそんなことはしない。

自分の好みから外れたもの、嫌いなものについての嫌な面だけRTして、

まずは「悪いものに対する”正当な”批判をする」

そして「嫌いなものに対する批判材料にする」

最終的に「嫌いなもの属性でまるごと否定する」

最初に正当な批判があるから、続くヘイト差別さえ「正当だ」と自信を持って放つのだ。

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中にはそういったヘイトする仲間たちに、真正から苦言を呈する人もいた。

ある打ち上げの席、アメコミ洋画ファンアニメ邦画ファンが、興業収入ポスターデザイン話題からヒートアップし、お互いの好きなものを「知識として知りうる悪例を持ち出した正当な批判」で攻撃し始めた時だった。

「なんで大きな主語使ったの?攻撃材料に使ってない?それは差別だよ」

言った彼女は今はもう漫画家をやめてしまっているが、今でも彼女発言はハッとするものがある。

その時喧嘩をしていた二人は、それからも今でも、ことあるごとにアメリカ文化を、日本人を、大きな主語で罵りあっている。

しかし、変わった人もいた。

上に出てくる漫画化Cは、最近男性人権にも少し余裕を見せ始めた。

きっかけは、女性人権仲間がトランス女性女性から排除しようと差別した事だった。

その流れでLGBTQでも、生まれもった性別でだけ判断するべきという主張が暴走した。

彼女BL作家で、LGBTQ友好者として、許せなかったようだ。(BL嗜好者からのLGBTQへの態度や捉え方はまだまだ問題があるとしても)

いまでさえ男性嫌悪的な部分はまだまだ強いが、つい最近、「誰であっても、たか属性によって他人に決めつけられる事」への反対表明をしていてホッとした。

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ここで余談であるが、自分純粋日本人ではない。育ったのは日本と、アメリカ

ルーツ母国に、こだわる感覚が少しばかり薄い。

からこそ、◯◯人は、あの国は、この国は、という言い方に抵抗を感じる。

自国の事だから言っていいものでも、ルーツがその国だから言っていいものでも、ましてや理由さえあれば他者の国について言っていいものでもない。

自分も、制度政治や仕組みや慣習について、変えてほしい、これはおかしい、とよく言っている。

けれど、大きな主語属性を指して貶めることはけしてしないように注意している。

それとこれとは別だからだ。

それを指して全てをダメだと終わらせるのは、変えたいという前向きな人達まで否定してしまう、それが、先の漫画家たちのように好き嫌いという個人の嗜好で行われているならなおさら

じゃあ問題に対して声をそもそもあげなければいい、と言うかもしれないが、被害者の口を塞ぐものであってはならない。

正当な怒りや正当な批判という入り口自体は間違っていないと思っている。出口がヘイトにすり変わっているだけで。

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自分の周りは漫画家だらけなので嗜好が見えやすく、こういう内容になったが、あらゆるグループ集団のなかでも行われているであろうと想像する。

これを、ここまで読んでくれた人達の身近ではどうだろうか。

嫌いな人の人権に対する態度、でその人の人権意識が分かる、と自分は思う。

好きな人人権を守りたいのは当然だか、嫌いな人に対してはどうだろう。

人権は誰にでもあるものだと忘れてないだろうか。

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最後に、

これを読んで「漫画家ってそうなんだ」って思った人がいたら、それは違う。

それこそが、都合のいい例を使って属性で決めつける差別に他ならないからだ。

漫画家人間で、個人で、個々に人格がある。

この「自分の周りの漫画家の話」は事実であるか、それとも作り話であるか、読んでいる人にはきっと永遠にからない。都合の良い実例としても、とても杜撰な例でしかない。

自分漫画家だが、こんなヘイト差別もしない!」

そう、思った漫画家がいたらぜひそれを表明してほしい。

属性で大きな主語で、自分の嗜好を理由差別をしない、その表明はとてもとても大切なものだ。

どうかどうか大きな声で言ってほしい。

  • 特定した。

  • うんち

  • 今日も女はめんどくさい(大きな主語で)

  • 耳の痛い話だと思うよ、だいたいみんな都合よく差別してるから。 差別したくてしたくて、毎日頭使って差別してんだよみーんな。

  • ヘイターに囲まれると病む。 フェミニストだろうが出羽守だろうが、みんなヘイター拗らせた末に尤もらしいこといってるだけ お仲間とつるんで正しくて強いつもりでいる 笑える

  • 漫画家って、全員頭おかしいから

  • はてなにいるような奴等にはこういう文章は響かないと思うぞ 差別と悪口しか楽しみがないような奴等がブログやってる場所なんだから 増田はキレイなお外へ帰るといい

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