カテゴリー「献血ポスター」

2020-10-11

■[献血ポスター]献血に行ってきた

※時系列に少しフェイクがありますが、それ以外は全部ノンフィクションです。:

ブコメでid:fai_fxさんに京都でも赤月ゆにのコラボをやっていると教えてもらった（https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.asahi.com/articles/ASNB14QG6N9ZUNHB00H.html）ので、献血に行った。

正直、赤月ゆにをよく知らないし、グッズもさほど欲しくない。けど、自分はオタクかつ過激な自由主義者なので、ある種の人たちの宇崎ちゃん叩きには滅茶苦茶ムカついていたので、「文句を言う資格を得る」という邪まな目的のために行った。

以下、実際に行って気付いたことなど。

前提

自分のスペック：30代男性、O型、中肉中背、持病無し、京都在住、これまでの献血経験２回
献血は、献血バス以外だと各地の献血ルームに行って行うシステム。
コラボは9/19からだったけど、公式ページ（https://www.bs.jrc.or.jp/kk/kyoto/2020/09/youtuber919.html）を見ると、「献血ルーム四条・京都駅前での配付は終了致しました」ということなので、残る「献血ルーム伏見大手筋」に行くことにした。これから行く人は注意されたい。
なお、「献血ルーム伏見大手筋」は京阪・近鉄の駅近なので、結構行きやすい。

受付のやり取り等

スタッフさんはみな手慣れており、入った瞬間、「さあ、いらっしゃい。こちらへどうぞ」という勢いだった。日曜の今日は混んでいるということだったが、全体的にスムーズで特にストレスは感じなかった。
以前の献血履歴を聞かれ、かなり前のうろ覚えの知識で答えたら、データベースが残っていた。次回以降、「献血カード」を残しておくと良いかもしれない。
選択肢としては、普通の献血 200ml/400mlと成分献血とがあったが、成分献血は血の一部の成分を体に戻すため、長々と拘束される。体の負担は少ないというが、以前それでしんどい思いをしたので、普通の献血にした。
食事時間、睡眠時間、病歴、性病の有無等について、タブレットで回答し、その後、血圧を測った。
待合ルーム兼受付スペースは、意外と（失礼？）きれいで、飲み物おかわり自由、漫画も好きに読んでね、という空間だった。ロッカーもあるので、多少荷物があっても大丈夫っぽかった。ドコモショップをちょっと小ぢんまりさせ、小ぎれいにした感じ。
20代～30代の男性が多く、僕と同じくコラボ目当てで友人と来ている人もいた。「どうだ見たか。やはり男性オタクが主な客層なんだ。コラボ企画というのは“俺たち”のためにやっているんだ」という傲慢が気持ちがなかったと言えば、嘘になる。
すでに終わった人も待合にいて、景品受け取り時に、「〇〇の企画はもう終わっていて」といった趣旨の説明を受けていたので、「あ、こっちも品切れか。まあ、仕方ないな」と思った。
２～３分後、別室でおじいちゃん医師から簡単な問診を受けた。内容的には、タブレットの回答の再確認という感じ。
なお、受付時にリストバンドを巻かれ、そこに書かれている整理番号で呼ばれるスタイルだった。
このとき、気が付いたが、明らかに連続しない整理番号の人がいて、その人に抜かされることがあった。どうやら、事前予約という仕組みがあるらしく、なるほどと思った。また、このとき、事前予約までして（おそらく）常連として献血に来ている方が数名いて、30代～40代くらいの女性だった。さっきの「俺たちが主役だ」みたいな意識をちょっと反省した。

血液検査～採血前

そのあと、10分くらい待って、また別室で、採血前の血液検査をした。
採血担当のお姉さま看護師から、「半袖でここまで来たのか。手が冷えている。非常によろしくない。とりあえず、グッパーを繰り返して手を温めろ。後でカイロをやる。温かい飲み物も飲んでおけ」と軽く怒られながら、採血をした。ちょっと楽しかった。
「本番の採血時と反対側の腕でやる」とのことだった。
血液検査用の採血は健康診断でやるのと同じようなもので、２分もかからなかったのではなかろうか。

採血

待合ルームに戻って、言われてたとおりカイロで手を温めつつ、ホット紅茶を３杯くらい飲んだ。ちょっと気持ち悪くなった。
さらに、20分後くらいに番号で呼ばれて、さきほどの血液検査と同じ部屋に行った。
歯医者さんの施術用の椅子みたいなものが6～7台ほど並んでいて、２～３人先客がいた。
ベテランの落ち着いた感じの看護師さんに案内されて、その椅子っぽいやつに座って、腕に消毒をしてもらって、１分後くらいに採血用の針を通してもらった。
気分が悪くなる場合もあるとのことで、足を組んで５秒ほど力を入れる体操っぽいことを軽く繰り返してね、と言われたので言われるがままやった。
施術台には、なぜか小型のテレビもついていて、プロ野球の解説をやっていた。10分くらいで終わるとのことで、特にこだわりもないので、そのまま見ていた。
試合が始まる前の放送席の様子を映しており、梨田さんという方（確か近鉄の監督をされていた方？）が新型コロナにかかって、一時期重態だったけど、なんとか帰ってこられた、って話をしていた。梨田さん自身は素朴な方で、他の人が色々と心配して質問していたのが、なんか良かった。
それを見ながらぼーっとしてたら、ベテラン看護師さんが、「今日は久しぶりに献血に来られたのは何かあったんですか」と話しかけてきた。
まさか、それを聞かれるとは。看護師さんは50代くらいの上品な女性で、「赤月ゆに」とか「Vtuber」とか言っても多分通じなそうだと思って、とっさに「あの……コラボ企画があったので、それで来ました。まあ、どうも品切れみたいなんですけど、まあいいかな」と、ボソボソと答えた。なんとなく恥ずかしく、少し、いや、まあまあ顔が赤かったと思う。
看護師さんは特に気にすることなく、「まあ、そうなんですか残念ですね」「コラボのこと、皆さんよく知っておられますね。ほかの県からも結構来てらっしゃるんです」と言ったので、「ネットでいろいろ騒ぎになりましたので」と宇崎ちゃんのことをにおわせようとしたけど、なにかそれは違うと思って、結局、ただ黙ってうなづいた。
その後も、看護師さんは献血後の運動・入浴などの注意点について説明してくれたので、それを聞くうちに、採血自体が終わった。多分、実際、10分くらいだったと思う。
400mlのパックは、結構でかくて、ウィーダーインゼリーの４倍くらいあった気がする。「これだけ抜かれても気分が特に悪くならないとか、なかなかやるじゃん、俺」とか思ってた。

採血後

元の待合ルームに戻って、受付処理を待ちつつ、休憩を取った。
「採血後は栄養状態自体に問題はないが隠れ脱水症状になっているので、ゆっくりでいいから小まめに何度も水分を取れ」とのことだったので、無料自販機から何杯も飲んだ。
そうやって待っている間に家族連れがやってきた。お母さんが献血するということで、その間、お父さんが３～６歳くらいの子供二人の面倒を見ていた。子供たちは、『鬼滅の刃』を読んでいて、幼い方の子供は一文字ずつ音読していた。「子供ってそうだよな。大変そうだけど、本人はあれで結構楽しかったりするんだよな」とか考えてた。
受付の人に呼ばれ、景品（ポッキーと赤月ゆにのクリアファイル）と今回のコラボ企画についてのアンケートをもらった。品切れと思ったのは、勝手な勘違いだった。多分別のキャンペーンも並行してやっているのだろう。
「急いで書いてもらわなくてもいいので、ゆっくり休憩しながら書いてください」と言われた。
さて。

アンケートについて

アンケートはオーソドックスな内容で、回答者の属性（年齢・性別・居住県など）や「コラボを知った媒体」「献血に来た理由」「その他自由記述」となっていた。
「知った媒体」については、「赤十字の公式 HP」と「SNS上の知人」とした。はてなは多分広義のSNSだし、id:fai_fxさんは知人ではないけど、まあ、そこは言葉の綾で。
「来た理由」については、迷った。一度、「その他の理由」を選んで「オタクが馬鹿にされて腹が立ったから」と書こうとしたが、なにかがそれを押しとどめた。自分がここに来た理由は本当にそれだけか、思い返し、「一度延期になったと聞いています。赤月ゆにがかわいそうだったから」と書いた。実際、かわいそうだったのだ。https://ytranking.net/blog/archives/18963
自由記述欄にも、「一部の声に負けず～」的なことを書こうと思ったが、止めた。代わりに、「様々な意見がある中で、再度このコラボをしてくださってありがとうございます。多くの方との調整等でかなりのご苦労があったことと拝察します」とだけ書いた。
改めて会場を見ると赤月ゆにとのコラボを示すポスター等はない（京アニの響けユーフォニアム関連はあった。なんでだ）。知らない人は、景品のときに「かわいい絵だねー。なにかのアニメかな？」と感じるくらいだろう。別にそれでいいのだ。興味のあるオタクは別経路で大抵知っている。別に見せびらかす必要はない。担当者の方々もいろいろ考えてこの形に落ち着けたのだろう。
結局、我々オタクとしても、別に公共の場になんとしても掲示したいわけではない。ただ、一部の方に、絵そのものやその絵が含んでいる文化的背景を侮辱されたのに腹を立てただけなのだ。
「性的であるからけしからん」といった趣旨の発言も、「性的でない身体の表現など不可能だ」と正面から対決するのではなく、「過度に性的な表現の場合は、TPOを考えた方がいいかもしれませんね」くらいにふわっと受け止めてあげればよいのである。
他者を頭から否定する必要はない。分かり合える部分を探せばいいのである。悪を嘆く以上のエネルギーで、善をなそうと努力している人々を応援しよう。机上の情報だけで観念的に考えて決めつけるようなことはせず、とにかくいろんなものを見よう。
そんなことを考えていると、なぜか涙が出てきた。今日はなんだか感情的になっていると感じたが、なんの感情なのかはわからなかった。ただ、謎に涙ぐんでいる不気味なおっさんと化し、具合が悪いのかと心配されかねなかったので、トイレで洟をかんだあと、アンケートを出して、さっさと帰ることにした。
カイロをもらったので、外はそんなに寒くなかった。