あの人はふだんから本を読むような人ではないから、読むペースは俺と比べると遅かったけど、それでも毎日少しずつでも本の話ができるのは嬉しかった。
クリスマスイブイブを一緒に過ごせたのは嬉しかったけど、はしゃぎすぎた俺は思わず気持ちを口に出してしまった。もちろん丁重にお断りされたけど。
そして今日の朝、俺の机の上には、一枚のメモとあの人に貸した本が置いてあった。
「〇〇さんへ 昨日はすみません これ返します、面白かったです」
本を開いてみると、後半のページに栞が挟んだままになっていた。最後に読んだと話していたシーンで物語は止まっていた。
ああ、あなたはもう俺とは話してもくれないのですね。
少し左手で支えて、狙いを定め、ぼわっと体の内から湧き上がる尿意が直接尿に変換されるような感覚を覚えながら、ささやかな水の流れを尿管から噴出する
打ち損じのフライみたいな軌道を描いて、着地する黄色の液体が、先ほどまで透明だった水面をほんのり侵食し、汚していくのをぼんやりと眺める
亀頭の先に垂れ損じた尿つぶを筒を振る勢いで、ぴちょんと落とす
小さなハンドルをひねると、狭い場所にとらわれた汚水が外の世界へ開放され、また汚れるための水が代わりに溜まっていく
どうせ後でまた洗面所で洗うのだからと、指先だけをちょんっと水にさらして、形だけ手を洗った気になる
どんなクリスマスイブを過ごした人も、たいていは朝トイレで眠気眼でじょぼじょぼじょぼと用を足し、明くる日の朝を始めるだろう
暗がりと日の出の間に甲高く鳴く鶏の声よりも朝の到来を実感させる音は股間からのじょぼじょぼじょぼだ
あんたが起きてクソしたか、しょんべんしたか、出そうで何も出なかったかは知らない
トイレのドアを開けるとまたそこにはいつも通りの尿ったれ同士の世界がある
自宅訪問は「ここはイタズラされるかもだからこうしたほうがいいよ」とかアドバイスもらえてそれはそれでよかったよ。
報告に関してはまともな団体なら最初は週次だけど1ヶ月経てば月次、半年間経ったら年一度くらい、と頻度落としてくれるはず。向こうだって暇じゃないしね。
映画『REVOLUTION+1』見てきた。
どうぜ時間が経てば自分よりずっと良い批評が出てくるだろうからあまり詳しくは書かないけど、
あくまで個人的な動機での暗殺を成し遂げた者として描いていたのが良かった。
「才能もカリスマ性も無いのに祖父のおかげで全てを手に入れた男
これで日本が良くなるんだ、みたいな事は川上は全く言ってなかった。
高価な墓石を建てるより安くても生きてる方が素晴らしい
30歳。今年もクリスマスを一緒に過ごしてくれる恋人はいなかった。まあ生まれてからいたことがないんだけど。
難病持ち、そんで多分鬱。食欲と性欲と睡眠欲が、毎日どれか1つスポッと抜けるっていう、それはそれでおもしろい生活がここ1ヶ月。
そのくせ仕事はなかなかできてしまって、でもこぼれた球を拾うような仕事しか与えられなくて、今は大きなプロジェクトを前にうろたえるおじさんたちをなだめるばかり。
みんな奥さんいるんだからさあ、少しは独身に気を遣ってほしいってのよ。
クリスマスの予定は当然ない。でもここ数ヶ月全然行けてなかったジムにようやく行けるかな~って思ってたら会社のシステムが止まったとの連絡。
おいおいマジかよ、まあたまった仕事片付けようと出社するところだったから(んで出社しようとすると気持ち悪くなるので帰るところだったけど)、迅速に現場に着いちゃうのよね~。
そんで情報収集、こっちのおじさんやヤングボーイたちもうろたえるばかりだから冷静に説明、取り急ぎの対応を指示してとりあえず沈静化をはかる。
明日も障害対応で出社なんだけどさあ、そのこと上司に電話で相談してるとき、おれちゃんと言ったんだよ。
上司に「クリスマスですし、ご家族とのご予定があるでしょう。僕が出社します」って。
ああ~おれって最高にかっこいいな~。さみしくて、みじめで、ものすごくしんどいんだけど、こういうとこすんごいかっこいいんだよなーおれって。
あの子もおれのこういうところ見たらおれのこと好きになってくれたかな。でも見せられないんだよな。
わかってる。もう限界が近いし、人を気遣うとかそんなこと全部捨てて休むべきなんだろう。そんなことわかってるんだよ。
でもさあ、せっかくだから、ほんの少しぐらい、うぬぼれたっていいじゃない。クリスマスなんだもん。
サンタさん、ブックサンタとAmazonの欲しいものリストで児童施設に届くやつ、あれでいっぱい買っておいたから、あとは頼んだよ。
おれがサンタだ!って言えるのもかっこいいよね。島本和彦先生、おれなりたい自分になれたかも。
そんじゃ、メリークリスマス。
すごいわかる
草の味しかしないやんあれ。(ドレッシングかければドレッシングの味になるけど)
今年もこの季節がやってきたか