少し左手で支えて、狙いを定め、ぼわっと体の内から湧き上がる尿意が直接尿に変換されるような感覚を覚えながら、ささやかな水の流れを尿管から噴出する
打ち損じのフライみたいな軌道を描いて、着地する黄色の液体が、先ほどまで透明だった水面をほんのり侵食し、汚していくのをぼんやりと眺める
亀頭の先に垂れ損じた尿つぶを筒を振る勢いで、ぴちょんと落とす
小さなハンドルをひねると、狭い場所にとらわれた汚水が外の世界へ開放され、また汚れるための水が代わりに溜まっていく
どうせ後でまた洗面所で洗うのだからと、指先だけをちょんっと水にさらして、形だけ手を洗った気になる
どんなクリスマスイブを過ごした人も、たいていは朝トイレで眠気眼でじょぼじょぼじょぼと用を足し、明くる日の朝を始めるだろう
暗がりと日の出の間に甲高く鳴く鶏の声よりも朝の到来を実感させる音は股間からのじょぼじょぼじょぼだ
あんたが起きてクソしたか、しょんべんしたか、出そうで何も出なかったかは知らない
トイレのドアを開けるとまたそこにはいつも通りの尿ったれ同士の世界がある