同人誌の感想が貰えるとか貰えないとか仲良くなりたいとか送ったら筆折られたとかみんな本当に色々考えているんだなと思う。特に最近は、あっちを見てもこっちを見ても感想感想ねこも杓子もバナナも感想の話をしている。すごい。みんな感想についてそれだけ思うところがあるということなのだ。思う方向性はバラバラかもしれないが、とにかくみんな感想の話をしている。しかしその中に自分と同じような意見を見かけることが少ないので、せっかくだから匿名ブログで書いてみようかなと思った。読んで気分が悪くなっても何もしてあげられないので、繊細な人は読まないでほしい。感想欲しさが原動力で作品を作っている人もできればやめておいた方がいい。あと胃腸が弱い人もやめておいた方がいい、胃腸はメンタルにかなり引きずられると病院で聞いたことがある。お体を大切にしてほしい。
ちなみに筆者は最近巷で話題の「二次創作を中心に活動している女オタク」というやつなので、そこだけご了承いただきたい。
はじめに:感想ほしい?
「ほしい!」と即答できる人は元気でよろしいと思う。「貰えたら嬉しいけど色々あるよね」と言える人は大人で素晴らしいと思う。「ほしくない」と言える人はこれを読んでもあまり面白くないだろうと思うので、やめておいた方がいい。
さて、感想が欲しい、もしくは貰えたら嬉しい人は、「感想をもらうためにやった方がいいこと!」みたいなweb記事とかをまあ一度くらいは見たことがあると思う。しかしそういう記事は、その記事の執筆者が「本当に実際感想をしこたま貰っているのか」ということには言及しない。そらそうだ、そんなこと書いたら普通は叩かれるだろうから。というわけで、あくまで「周囲と比べて」沢山感想を貰っているらしい自分がやっていることを書こうと思ったのだ。ちなみに友人がみんな謙遜してウソをついていた場合は友人全員足の小指をぶつけて一週間くらい地味に痛い思いをしてほしいと思う。
その1:どのくらい感想来る?
ネットで記事やアンケートを見てみると、「感想は1%未満」とか「3桁頒布したのに1件も来ない」とかざらに見かける。とても悲しいと思う。
自分は、50部頒布した作品に15件ほど感想が来たことがある。知り合いや友人はノーカウントだ。pixivで閲覧数1万程度、ブクマ数1000程度の小説作品に大体80件くらい感想を貰っている。80件の内半分くらいはそれなりに長文だった。インターネット引きこもりクソオタクなのであんまり知らなかったが、これは多い方なのだと友人たちに言われて初めて知った。勿論こんな弱小キモオタサークルよりいっぱい感想を貰っている人もおられることと思う。そういう方の参考になることは書けそうにない、すまない。自分のような若輩者でこれだから、壁やシャッター作家なんてのはもっともっと感想を貰っているものだと思っていたが、実はそうでもないらしい。世の中には毎日50000通くらいファンレターの来る神作家もいるのかもしれないが、自分は出会ったことはない。
「感想こじき」というスラングがある。大声で言えない悪い言葉を使っているが、インターネットスラングなのでそういうものなのだろう。ではこの言葉の対義語、つまり感想をびっくりするほど貰っている人は何だろう? という話をしていて「感想富豪」という対義語が出来た。周囲と比べてみると、自分は感想富豪なのだと思う。ありがたいことだ。自分はインターネット上ですらクソ引きこもりオタクなので、交流とか新刊読みました〜(読んでない)とかお世辞合戦とかそういうのはしていない。pixivメッセージやメールやぷらいべったーのメッセージボックスやマシュマロ、時には同人誌即売会でのお手紙やTwitterのリプライなど。色々なものを利用して、読んだ人が感想を送ってくださる。羨ましいと言われたこともあれば、友人だと思っていた人に「あなたはいいよね、有名作家に擦り寄ってコネで感想もらってるんでしょ」と即売会の会場で面と向かって罵られたこともある。しかし、特別なことをした覚えはあんまりない。ちなみにその友人だった人とはもう連絡もしていない。
自分がしていることは他人とは違うんだろうか? 自分の同人誌は何かおかしいんだろうか? 自分ではよく分からないが、みんなが感想富豪になったら感想が来なくて発狂する人を減らせるかもしれない。あともう友達だと思ってた人に罵られなくて済むかもしれない。そんな感じである。
その3:一に中身、二に中身、三、四がなくて五が中身
感想を沢山貰う作品というのは、大体どれも「中身」がちゃんとすごい作品だと思う。雑でテキトーだったり、やる気も技術も印象深いところもない作品は、やっぱりあまり感想が来ないと思う。だから作品の中身、クオリティをまず上げなくてはならない。絵ならデッサンや色彩、小説なら文章表現や構成、キャラクターの魅力を的確に捉える努力、それを自分なりの形で表現する情熱。そういうものの具体的な鍛え方はたぶん詳しい人が色々書いていると思うので、そういう記事を探してほしい。
ちなみに個人的な印象としては、ストーリーがきちんとあり、起承転結、盛り上がり、カタルシスなどが備わっているものが、同人作品としては「感想を貰いやすい」ものだと思う。送る側の心理として考えると当たり前のことだ。SNSのいわゆる1p漫画でも、起承転結のある(あるいは感じさせる)作品には何かを言いやすいし、ストーリーを感じられないものには感想を言いにくいからだ。
その4:どんな感想ほしい?
「好き」だけでもいい、とか「良かった」の一言でもいいとか、そういう人もいる。気持ちはわかる。
お前らが欲しいのは感想じゃなくてファンレターだろwwみたいな言説もよく見る。同人活動は趣味で赤字出しまくったりして仕事の合間にやってることなので、真面目に批評を頂いてもまあ困る人もいる。同人屋全員がプロを目指している訳ではない。向上心とは素晴らしいものだが、基本的には趣味でやっていることだ。同じものを好きな人が作品を気に入った時にそう言ってくれれば良いのではないかと思う。なので欲しいのは感想じゃなくてファンレターだろと草を生やすような人はちょっと論旨がずれている。そういうのはプロ志望の人に言ってあげてほしい「感想」であって、趣味の世界で見知らぬ人に向かって言ったら空気読めてないだけのキモいウエメセになる可能性が高い。
とにかく褒めてほしいという人もいる。なんでもいいし嘘でもいいから褒めまくってモチベ維持に協力してほしい、という気持ちもまあわからなくはない。
だが、そういった人たちも含めて大勢の作家が「こういう感想が欲しい」と憧れるようなヤツ、というものが世の中にはある。
もう何年も前に見たあなたの作品をずっと探していました、とか。
ジャンルが変わった作家を追いかけて、あなたの二次創作が読みたいから原作を読みました、とか。
即売会に参加したことは今までなかったけど、あなたの新刊が欲しくて今日は勇気を出して来ました、とか。
色々ある。どれも、送る側はお世辞では言いにくいデカめの感情のこもった感想だと思う。だからこそみんなそういう感想が欲しいと思うし、貰った人を羨むし、自分もそうなりたいと思うのだろう。ちなみにこれらは自分が貰ったことのある感想の一部だ。とても嬉しかったし、ありがたいことだと思っている。
しかしネットを見ていると、とりあえず即薬物(感想)を注射しないと死ぬ! みたいな意見もけっこう見かけるので、まずは一つでも感想を貰うためにできることを書いておこうと思う。
語彙力喪失エッチダネイイネ! 絵文字大乱闘! みたいな感想が欲しければ、アホエロに特化すればいい。長文で解釈や説明をしながら感想を言ってほしいなら、ストーリーものの重たい話を作ればいい。出来れば長い作品だと感想も長くなりがちだ。とにかく褒め言葉だけ聞いていたいので今すぐベタ褒めしてくれ! というなら、とにかく短いスパンでどんどん短編を出すことだ。なおどんな作品でもクオリティを上げるのは前述の通り最低条件である。クオリティはこつこつ努力するしかない。
どういう感想が欲しいかで、どんな人に見てもらいたいかは変わる。見てもらいたい人が違えば、作品も変わる。だからまずはどういう感想が欲しいのか、自分によく質問してみるといいと思う。その次はマーケティングだ。読んでほしいと思う層に的確にヒットするように、傾向を探る。そしてマーケティングに合わせて作品に味付けしてやればいい。
装丁は本の化粧である。人間だってメイクで別人のようになれる人がいるので、本も装丁ですごくよさそうな感じに見せることは出来る。中身が伴わなければ顔面詐欺とか言われるかもしれないが、まず即売会の会場やSNSのサンプル画像などで「おっ」と思ってもらうためにも装丁は大切だ。
装丁というとすぐに特殊紙! ニス盛り! 変形本! とか言い出す人もいるが、はしゃぐなはしゃぐな。まずは「目で見て分かる平面のデザイン」からだ。どんなに特殊紙キラキラ金かかり装丁にしても、デザインがクソだと台無しになる。特にサンプル画像だと紙の質感とかはわからないので台無しになる。同人誌のデザインについてはその手の本もあれば親切な講座サイトからフリー素材配布者さんまでいろんな専門家がいる。周囲に目を引くデザインの同人誌を出している人がいるなら、本人がデザインしてるのか、外部に頼んでいるなら誰に・どんなサービスに頼んでいるのか、聞いてみてもいいだろう。
良い装丁の本になれば、それをきっかけにして手に取ってくれる人が増えるかもしれない。中身と装丁が釣り合っていて噛み合った本なら、装丁も含めて「一つの作品」として感想を貰えることだろう。
即売会ならポスター、サンプル。SNSなら他人の紹介記事やRT。宣伝になることはたくさんある。一次創作か二次創作か、それにジャンルによってもどこで宣伝するのが効果的かは違う。自分の出したい作品に合わせて宣伝方法や場所も選ぶといい。宣伝することで作品を見てもらう機会が増やせるなら、その分感想を貰える確率も上がるかもしれない。当然これらの宣伝もクオリティに気を使った方がいい。ただし、宣伝は他人任せになる部分が多い要素だ。自分で宣伝しても限界があるので、その分の労力を作品の中身に使った方がいい場合も多い。初心者は特に。
その7:感想への反応
これは本当に人によって様々だし、ジャンルや界隈の人たちの暗黙の了解みたいなものも関係してくる。なのでここには自分のやっていることを書いておくが、あまり参考にはならないかもしれない。
自分は前述の通り、長文の感想や熱意の高い感想を貰うことが多い。そうした感想に対して、「わ〜ありがとうございます〜!」一言だけで済ませてしまうのは、自分は嫌だと思っている。一生懸命に書いてくれたと伝わる感想なら一生懸命に心を返す。好きなところをたくさん抜粋して書いてくれた感想なら、その抜粋部分に対する作者側からの話をする。クソデカ感情ぽい感想なら、その感情受け止めたぜ! という心意気を目一杯返す。そういう感じで返事をしている。感想を送った人は、何も「コイツにすり寄ってウマイ汁すすってやるぜ」とか思っている人ばかりではないと思う。作品を読んではちゃめちゃ楽しんで、その気持ちをくれた人に喜んでもらいたいと思って送る人もいると思う。だから自分も、そう思ってくれた人に喜んでもらえたらいいなと思って返事をしている。どうせ同じ穴のオタク、お互いを尊重していきたい。
もし相手が喜んでくれなかったらそれは残念だが、喜んでくれれば次の作品にもまた感想を送ってくれるかもしれない。感想が貰えたら自分もやる気が出てどんどん作品を出せるかもしれない。win-winの関係、幸せのスパイラルというやつである。
同人活動は趣味でやっていることだから、「感想こねーからやめるわ!」も自由だし「感想ほしいから他人にお世辞を言ってでもお返しを貰う」のも自由だ。全員が本当に欲しい感想を貰うことは難しいだろうし、感想が来るかどうかには運やタイミングも関係する時があると思う。でもやっぱり、少しでも多くの人がハッピー創作活動できた方がいいと思う。
まずは一に中身、二に中身、三、四がなくて五が中身。マーケティングして、装丁頑張って、宣伝して、感想が届いたら頑張って返事をするといい。それでもうまくいかない時もあると思うけど、それはたぶん神作家と呼ばれるような人にもある悩みなんだろう。がんばれ同人屋。無理するなよ同人屋。体大事にしてね同人屋。自分もこれからもその辺のネットの端っことか即売会の島でがんばるので。
結論から先にいうと感想文ってのは結局読んだヒトのためにあるのよ 私はこのように噛み砕いて消化しましたっていうことだからね プロ意識があって御飯(=同人商品)作って...
なっげ〜自慢だな
作り手が感想もらえなくてやる気出ないことがあるなら、感想送って反応薄いと次送る気あんましないってのは当たり前だよね 忙しいんだろうからそれで文句言うとかはないけどさ そ...
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