はてなキーワード: 囲碁・将棋チャンネルとは
プロ将棋界の2023年は、藤井聡太王将に羽生善治九段が挑戦する第72期王将戦挑戦手合七番勝負で事実上の開幕を迎える。
2017年、藤井がデビューからの29連勝を達成した時、羽生は「檜舞台で顔を合わせる日を楽しみにしています」という言葉を贈った。
その時は、誰もが王者・羽生に若き挑戦者・藤井が立ち向かう構図を思い浮かべたはずだが、そこから5年半、ずいぶんと形を変えたものの、いよいよ1月8日、静岡県掛川市でその幕が開こうとしている。将棋のタイトル戦としては極めて珍しい、両対局者への前日記者会見がネットで中継され、ニュースに様々な記事が踊り、メディアの空気はずいぶんとそわそわしている。
先にこちらを書いておいたほうがいいかもしれない。王将戦は普段のようにabema将棋チャンネルで無料で対局を見ることができない。CSの囲碁・将棋チャンネルが独占放映権を持っているからだ。以下の方法のいずれかを選択することになる。
すでにチューナーとアンテナを持っている人、またはCATVに加入している人にとってはこれが一番確実だろう。CATVによっては、契約の基本セットに入っていて追加料金無しで視聴できるかもしれない。
今回はabemaでは「1局ごとの有料課金」というかたちで囲碁・将棋チャンネルの番組をそのまま配信している。abemaのチャット欄が好きだという人はこれを選ぶのがよいかも。
囲碁・将棋チャンネルのYouTubeの有料チャンネル「https://www.youtube.com/@igoshogiplus 囲碁将棋プラス」でも月額390円の課金で視聴ができる。こちらは第1局が無料配信のため、おすすめできる。
これについては、率直に言えば多くの将棋ファンはそこに期待していない。羽生の奪取を「信じている」ファンはもちろんそれなりの数がいるが、他方でそれを「期待している」ファンの数はそこまで多くない。メディアが沸き立つこの番勝負に、ファンが大きな楽しみを抱きつつも、熱量が沸騰しそうになっていないのもそこが理由である。両者の現在の実力を示す指標であるeloレーティングによる期待勝率が示す番勝負結果のケース別発生確率にそれがよく現れている(出典:第72期王将戦(シミュレーション) 将棋連盟 棋士別成績一覧(レーティング)2023/1/7 現在)。
藤井聡太 | 4-0 | 羽生善治 | 47.00% |
藤井聡太 | 4-1 | 羽生善治 | 32.34% |
藤井聡太 | 4-2 | 羽生善治 | 13.91% |
藤井聡太 | 4-3 | 羽生善治 | 4.78% |
藤井聡太 | 3-4 | 羽生善治 | 0.99% |
藤井聡太 | 2-4 | 羽生善治 | 0.60% |
藤井聡太 | 1-4 | 羽生善治 | 0.29% |
藤井聡太 | 0-4 | 羽生善治 | 0.09% |
もしブックメーカーがこの勝敗で賭けをしようと思ったら、仮に本命である藤井4勝0敗のオッズを1.05倍に設定したとしても、控除率を50%にしないと儲けが期待できないことになる。もちろん本場イギリスのブックメーカーはそんなに高い控除率は設定しないので、これはやるだけ胴元が損するたぐいの賭けにしかならない。
だが、往年の絶対王者が、競合揃いの王将戦リーグを6戦全勝で勝ち上がったのに、これほど圧倒的な差が本当にあるものなのだろうか?
2021年度にプロ入り後初の年度での負け越しを経験した羽生が、2022年度に勝率を6割5分にまで戻してきた理由については様々な考察がされているが、ここでは明確な説明がされているものとして、プロ棋士のhttps://www.youtube.com/watch?v=6PYg7IpYucg 中村太地の解説を紹介したい。要約すれば次のようになる。
スポーツファンなら、モハメド・アリがジョージ・フォアマンを相手に自らロープを背負う不利を負いながら、フォアマンの疲れを待って一気に逆襲に転じて勝った「キンシャサの奇跡」を想起するかもしれない。いかに自らが有利な条件にあるからといって、アリや羽生ほどの実力者を相手に有利をそのまま拡大していくのは極めて難しい。そこに逆転の余地が生じる。
羽生がこういう戦法を選択するようになったのは、「将棋AIが強くなった時代において、プロ棋士はいかに自らの身を処すべきか」というテーマに向き合った末のひとつの答えに辿り着いたという意味合いがある。将棋AIの示す最善を追求するだけではなく、敢えて不利とされる順に自ら入っていっても、それでも勝負に勝つことができる程度には将棋は自由なものであるし、それを示すのが人間の生きる道であろうということを、自ら結果を出すことで証明しているようにすら見える。
ところが、この方法は藤井聡太には通じない。デビューから6年を過ぎてなお生涯勝率が8割3分を保つ藤井の強みは、たまに話題になる「AI超え」ではなくて、むしろ選択の難しい局面でAIが最善とする手を正しく選び取っていくその確実さにある。こうなると、わざわざ自分を不利にしてまで複雑な場面を作っても意味がない。そのまま有利を拡大されて押し切られてしまう。
羽生は2022年度、藤井と2局戦って2敗している。1局は後手番で、上記の動画で解説されていた「横歩取り」戦法を採用し、1手の疑問手を正確に咎められて完敗した。もう1局は先手番で正攻法を挑んだが、中盤戦の何気ない自然に見える1手、ただしAIに言わせれば選ばない、そんな手をきっかけにじわりじわりと藤井が優勢を拡大し押し切られてしまった。
かつて「コンピュータ対人間」の対決として行われた電王戦のときに「コンピュータに勝つための準備は人間に勝つための準備と全く違う」と言われた。今、同じことが藤井について言われている。曰く「藤井さんに勝つには他の棋士に勝つのと全く異なる準備が必要になる」と。あくまでも現段階においては、羽生が藤井相手にどういう手札を切ってくるのか、そこが最大の興味になっているのは、自然なことなのである。もちろん、この先の成り行き次第で、そこは大きく変わることになる。
なので、あくまでも現段階では、勝敗以外のところにそれぞれの楽しみを見出すような状況になっている。私が楽しみにしているのは、138回目のタイトル戦にして、初めて羽生が「明確な挑戦者」として迎える、というそのシチュエーションそのものである。
羽生は、タイトルを獲得する前の段階において、すでに実力では棋界でトップであった。以来、同格の相手と争うことはあっても、自分よりはるかに強い相手と戦うということはついぞここまでなかった。つまり、もうすぐ40年に届こうとする羽生の棋歴の中で、これはまぎれもなく初めての状況なのである。そういう未知の状況にあっては、過去のことを材料にした分析はそこまで意味をなさない、むしろ真っ白な頭でこの誰も見たことのない景色を楽しむに尽きる、そういう姿勢でこの第1局を見てみたいと思っている。
なお、逆のシチュエーション、つまり羽生が実力的に懸絶していると見られていた状況でタイトル戦に負けたことがあるか、というと、これがある。以下に、タイトル戦が始まった日において羽生が対戦相手よりeloレーティングで250以上上回っていて敗れた例を示したい(なお現在の藤井と羽生のレート差が273である)。
羽生が七冠を独占し無人の野を進むがごとくの進撃を続け、誰が羽生の牙城を崩すのかに興味が集まっていた中、それをなしたのは当時としては意外な伏兵の三浦弘行だった。2年連続で羽生の棋聖位に挑戦しており、すでに単なる有望な若手の域ではなかったにせよ、羽生に勝つにしてもここではないだろうという見方が一般的な中での快挙だった。
前年の2011年度に羽生から4勝3敗で名人位を奪取した森内だったが、この年度は名人戦以外の成績が全くふるわず、年度勝率.345を記録して2ch将棋板では「3割名人」なる蔑称をつけられるに至った。これに対し捲土重来を期す羽生はA級順位戦を9戦全勝で制して森内の名人位に襲いかかる。結果は火を見るよりも明らかと思われていたが、名人位防衛の準備を進めていた森内が4勝2敗で防衛する。羽生は翌2013年も森内に挑戦するが1勝4敗で名人戦で3年連続で森内に敗れる。星数だけでなく年々内容も悪くなる一方で羽生の威光に翳りかとも見られたが、翌2014年に4年連続の顔合わせで羽生は4勝0敗のスイープで名人位を奪還する。
絶対的な強者に対して「失うものがない」立場で応じる側が強者であるということを、羽生ほど経験してきた棋士はほかにいない。その立場を羽生は今回初めて逆転して勝負に臨むことになる。これはきっと面白いことになる、それは間違いないだろう。
id:BigHopeClasicでした。
囲碁・将棋チャンネルが2018年に再認定されたことが不自然なような書きっぷりだが、実際はごく自然な認定でしかないことが明らかなので書いておく
結論:審査基準の優先順位①~⑤の順番で唯一④だった囲碁・将棋チャンネルが認定されるのは当然
囲碁将棋チャンネルは2012年10月1日から東経110度CSデジタル放送にてSD放送を開始した。この時点では 3.2スロットで放送を行っている。
ちなみに、スロットは周波数幅の量を表していて多いほど放送のビットレートを高くして高画質の放送を送れる数値と思っておけばいい。HD放送は12スロット~
時は流れて2017年、新たに周波数割り当てを行うために再編の募集が行われ、2018年4月6日に認可の発表が行われた。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu11_02000101.html
https://www.soumu.go.jp/main_content/000544266.pdf
この審査基準は平成 23 年総務省訓令にある審査基準の順番に審査を通していったらしい。この審査基準自体はggっても改定部分を改めていくのが面倒だったのでやめた。
読んでないけど、いくらなんでも審査順くらいは守られているでしょう。
で、その実際の審査を行った順番として、5つが上げられている
①~③までは関係ないので無視して、④が囲碁・将棋チャンネルに関する部分となり、
2012年に3.2スロットでSD放送をしていたのを6スロットの割当に増やして高画質化する目的で申請を出したようだ。
動画に詳しい人なら理解できるが、同じ画面サイズのTV放送でもたくさんの周波数を割当してビットレートを上げればよりキレイな画面になる。
ちなみに東京MXは一つのチャンネル幅を3分割して放送しているので、他の地上波よりも画質が明らかに悪い。深夜アニメの画質が汚いので今すぐやめて欲しい。
そのうち1社はSD放送の申請も出していたようだが、比較審査を行う以前にそもそも放送法に適合しないとして審査以前に、却下されている。
残りの1社は⑤その他の申請に係る審査のSD放送となり優先順位で囲碁・将棋チャンネルよりも下となっていた。
HD放送のチャンネルは全て①~③で優先して割当が決定され、続いての基準④で唯一の囲碁・将棋チャンネルがまずSD放送で認定をとるのは基準上ものすごく当たり前の結論になるのだ。
⑤で応募していた1社は割当する周波数がなくなったので、比較する以前に落選。
恣意的な審査のしようがないところに囲碁・将棋チャンネルはいたのだ。
残りのSD放送応募の2社は第2希望としてSD放送を出していたが、HD放送が通ったので不要となった。
じゃあ、審査基準④が菅に都合がよいように恣意的に作られたのかと思う人もいるが、この基準は平成 23 年、2011年のもの。民主党政権時代のものだ。
さらには囲碁・将棋チャンネルがCS放送開始する前から見越してたとか考えるのは陰謀論としかいいようがない。
そもそも、囲碁・将棋チャンネルはHD放送設備を持っているのだ。スカパー!プレミアムサービスではハイビジョン放送「囲碁・将棋チャンネルHD」を放送している。
しかもCS110度のSD放送開始した2012年10月から。免許貰う頃にはとっくにHD放送の設備投資済んでます…。
むしろ、囲碁・将棋チャンネルはHD放送できる能力があるのに、新規HD放送局を増やすために総務省の内々の調整でSD放送のままのアップグレードの申請を出したような気がする。
HD放送化なら②の優先順位になるので審査も安泰なはずだったのに。
話を書くことになった元の記事など
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/mainichi.jp/articles/20210212/k00/00m/010/251000c
こんにちは。ほんの思いつきで書いた「観る将」入門記事( https://anond.hatelabo.jp/20170623083815 )が怒涛のブクマをいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。増田で1000どころか20もついたことないのに!
なるべく平易に、軽く、それでいて軽薄にならないように書いたつもりでしたが、「本当にこれで分かりやすいか?」「飯の話しかウケないんじゃないか?」などの葛藤もあったのでこの反響は素直に嬉しく思います。
Twitterを見ると将棋漫画の作者様や本職の将棋ライター・観戦記者の皆さんに怒涛のごとくシェアされており、極度の緊張で1日8時間しか眠れません。
さて、29連勝ですね。何が何やら分かりませんが、ともかく未知の領域です。
対局の雑感や今後の展望を語るとともに、前回の記事にいただいた質問等、私に分かる範囲でお答えしたいと思います。
仕事の合間に中継をチラチラ見ていました。夕方頃には増田四段が勝ちやすそうな局面に見えたのですが、その後の藤井四段の角と桂を生かした反撃が鮮やかでしたね。
私のへっぽこ棋力では増田優勢に見えても、プロ的にはまだまだ難しかったということなのでしょう。
増田四段も持ち味を見せましたが中終盤にかけて藤井四段の強さが際立ったといった印象です。はてなの皆さんはもちろん増田推しでしたよね?残念でした~。
竜王戦本戦は比較的持ち時間が長い(各5時間)ので、昼夜2回の出前チャンスがあります。
藤井四段→昼:豚キムチうどん 夜:五目炒飯品切れのためわんたんめん変更
増田四段→昼:ミニとんかつ定食 夜:ヒレカツ定食ライト(+肝吸い)
不本意な注文変更を強いられた藤井四段に対し、増田四段が気合のカツ連投で藤井四段の作戦変更を咎めていく展開となりました。
しかし藤井四段が得意の麺類に切り替えて頑強に抵抗したため、最終的には増田四段にミニ+ライトという軽い打撃のツケが回ってきた格好です。
歩は将棋で最も重要な駒だが、歩のみで勝つことはできない。同様に、ジャブだけで飯対決には勝てないのだ。
ちなみに私が確認した中で藤井四段は本対局を含めこれまでに出前を22回、うち15回麺類を含むメニューを注文しています。特に多いのはうどん(6回)や日本そば(6回)などの和麺であり、みそ煮込みうどんなど熱々系の注文も辞さない構えです。
これは「鍋焼きうどんも好きなのですが、熱いので、冷めるまで待っていると15分ぐらいかかる」とうな重に転向した加藤一二三 九段とは対照的ですね。
いつも対局料とか賞金見ると将棋界のお金の回り方がよくわからなくて、スポンサーってどのくらいいてスポンサードすることでどれだけ利益があるのだろう
スポーツにも囲碁・将棋にも言えることですが、競技へのスポンサードは広告だけでなく文化振興という意味合いも少なからずあるので、スポンサードすることでこれくらい利益がありますというような定量化が難しい側面があります。
分かりやすい例としては出版関連事業でしょうか。報道各社は主催する棋戦の観戦記等を出版したり、本紙に棋譜を掲載しています。またマイナビ女子オープンを主催するマイナビも棋書を多く出版しています。
このような事例はスポンサードしたことによって直接的な利益を得ているとも言えるでしょう。
ちなみに日本将棋連盟の「棋戦一覧」( https://www.shogi.or.jp/match/ )から各棋戦の「詳細情報」を見ると主催者(スポンサー)が分かります。
主要タイトル戦は全国紙主催や地方紙の共催が多いですね。他には囲碁・将棋チャンネルやNHKなどの放送局、リコーなど民間企業、加古川市や倉敷市など自治体主催のものもあります。
日本将棋連盟の収益が実際どうなってるのか気になる!という方は財務諸表(https://www.shogi.or.jp/about/information_disclosure.html )などを眺めてみるのも面白いかもしれませんね。
「プロ入り28連勝の棋士を5敗もさせる3段リーグとかいう地獄があるのか」
そうなんですよね。前回もさらっと説明しましたが、三段リーグは年に2回開催され、奨励会三段たちが各18局を戦って上位2名が四段昇段・プロデビューを果たすという地獄のリーグ戦です。
これまでに60回開催されたものの未だに全勝で突破した三段はおらず、現時点では16勝2敗(5名)が最高成績です。
中には11勝7敗で辛くも昇段した者(2名)もいれば、14勝4敗という好成績を挙げながら昇段を逃した者(4名)[注1]もおり、年齢制限と相まってこの辺りも地獄とされる所以でしょう。
三段リーグで5敗してるってことは、やっぱこの連勝中に飛躍的に強くなってるってことだろうか。それともいまの三段に化け物の卵がひしめいているのか。
これはどちらとも言えるかなと思います。前回の記事でも触れましたが、棋士の力のピークは30代半ばまでとされており、例えばそれを過ぎた棋士が絶賛修行中の三段とまみえれば敗れることもあるでしょう。
新人王戦では都成竜馬三段(現四段。イケメン)が奨励会員でありながら優勝を勝ち取った例もあります。インターネット対局や棋譜データベースの発達で研究の障壁が下がった点も無視できません。
このあたりは現役棋士・大平武洋六段のブログ( http://oohira243.blogspot.jp/2017/06/blog-post_36.html )が現場の肌感覚として参考になる気がします。
ただ、その一方で藤井四段が急速に成長しているのもまた事実だと思います。ここで彼の奨励会時代の成績を見てみましょう。奨励会ウォッチャー情報の継ぎ接ぎなので多少ずれがあるかもしれませんがご了承ください。
段級位 | 勝敗 | 規定 |
6級 | ○○○●○○●○○○○昇 | 9勝2敗 |
5級 | ○●○○○○○●○●●○○●○●●○●●○○●●○○○●○○●○○○●○昇 | 9勝3敗 |
4級 | ○●●○○○○○○昇 | 6連勝 |
3級 | ○●●○●●●●●●B○○○A●○○○○○○昇 | 6連勝 |
2級 | ●●○○●●○●○○○●●○○○●○○●○●○●●○○●○○○○○●○●○昇 | 9勝3敗 |
1級 | ○●●○○○○○○●○○○○○昇 | 12勝3敗 |
初段 | ○●○●○●○●●●○●●●○○○○○●●○○●○休○○○●○昇 | 12勝4敗 |
二段 | ●●○●○●●●○●○○●○○○○○○●○●●○●○○○●○○○昇 | 14勝5敗 |
三段リーグ | ○●○○○○○●○●○○○●○○●○ | 13勝5敗・1位 |
通算208局132勝76敗(.634)
ご覧の通り昇級・昇段ペースはかなり早い部類ですが、プロデビュー後の彼ほど圧倒的ではない、というのはお分かりいただけるでしょうか。
3級まではあっという間でしたがここで少し足踏みをします。6連敗してるんですよ!6連敗!【アルファベットの補足:成績が悪いと「B」を取り、Bを保持した状態で再びBを取ると降段級、という仕組みです。規定の成績でA(通常の状態)に復帰します。】
初段・二段あたりが顕著ですが、昇級・昇段直後に少し黒星を重ねたのち、ぐっと勝率を上げています。カテゴリが上がるごとに成長曲線を描いてきているというわけですね。
二段で白星を重ね始めた頃から新たな成長曲線を描き始め、その勢いのまま三段リーグを突破し、プロデビューしたとすれば…?今の大ブレイクも決して不思議ではないのかもしれません。いや十分不思議だけども。
"三浦弘行九段の騒動で揺れる将棋界に一時の安寧をもたらしました。"三浦九段は冤罪被害者である事を今や将棋連盟も認めているのでここだけ訂正して欲しい
この件に関しては記事の本題から外れていたので詳細への言及を避けただけであり、三浦九段へ嫌疑をかける意図がないことは当該段落から十分読み取っていただけると思っています。
したがって文章自体の訂正はしませんが、三浦九段への処分は明確に不当であったという事実はこの場で申し添えておきます。(「訂正」ではなく「補足」してほしい、という趣旨ならば理解できます。)
ほんとだ……え、ほんとだ!すごい!気づかなかった!ちなみに18の下は17連勝(佐藤天彦、佐藤康光、丸山忠久)なのでたぶん偶然です…たぶん…。
これはニコニコ(ドワンゴ)がというより、インターネット環境それ自体の普及がもたらした現象であると言えるでしょう。もともと観戦記などで棋士の食事が話題にあがることはありましたが、
ネット中継が始まると盤上・盤外問わずあらゆる情報がコンテンツとして逐一伝えられるようになりました。中でも画像情報は非常に訴求力が大きい。その流れにぴったりハマったのが食事・おやつではないでしょうか。
各々の将棋スキルが観戦の満足度を左右していた将棋中継において、初心者も上級者も一緒になってあれが旨そう!これが旨そう!と楽しめるものができたということは、昨今のブーム形成にとって非常に大きかったと私は思います。
このあたりは観戦記者・松本博文氏の記事( https://cakes.mu/posts/12986 https://cakes.mu/posts/16722 )が参考になります。
どちらも圧巻の記録ですね。四冠時の18連勝(2005~2006)を例にすると
日付 | 勝敗 | 先後 | 氏名 | 棋戦 |
9月10日 | ○ | 後 | 藤井猛 | 第64期順位戦 A級 3回戦 |
9月12日 | ○ | 先 | 佐藤康光 | 第46期王位戦 タイトル戦 第6局 |
9月16日 | ○ | 先 | 佐藤康光 | 第53期王座戦 タイトル戦 第2局 |
9月21日 | ○ | 後 | 佐藤康光 | 第46期王位戦 タイトル戦 第7局 |
10月1日 | ○ | 後 | 佐藤康光 | 第53期王座戦 タイトル戦 第3局 |
10月6日 | ○ | 後 | 鈴木大介 | 第64期順位戦 A級 4回戦 |
11月25日 | ○ | 先 | 谷川浩司 | 第64期順位戦 A級 5回戦 |
12月2日 | ○ | 先 | 井上慶太 | 第77期棋聖戦 最終予選 1回戦 |
12月11日 | ○ | 後 | 中村修 | 第55回NHK杯戦 本戦 3回戦 |
12月14日 | ○ | 後 | 郷田真隆 | 第64期順位戦 A級 6回戦 |
1月12日 | ○ | 先 | 佐藤康光 | 第55期王将戦 タイトル戦 第1局 |
1月16日 | ○ | 先 | 久保利明 | 第64期順位戦 A級 7回戦 |
1月19日 | ○ | 先 | 佐藤康光 | 第55期王将戦 タイトル戦 第2局 |
1月24日 | ○ | 後 | 先崎学 | 第19期竜王戦 1組 ランキング戦 1回戦 |
1月26日 | ○ | 先 | 佐藤康光 | 第55期王将戦 タイトル戦 第3局 |
1月30日 | ○ | 先 | 村山慈明 | 第77期棋聖戦 最終予選 2回戦 |
2月1日 | ○ | 後 | 佐藤康光 | 第64期順位戦 A級 8回戦 |
2月12日 | ○ | 先 | 谷川浩司 | 第55回NHK杯戦 本戦 準々決勝 |
◎王位戦・王座戦・王将戦(全棋士参加棋戦を勝ち抜いた1名とタイトル防衛戦)
以上の5棋戦で驚異の14勝(!)を挙げています。ちなみにそのうち8勝を挙げた相手が佐藤康光ですが、当時の彼はA級に所属し、棋聖のタイトルを保持し、王位・王座・王将の3棋戦全てを勝ち抜いて羽生四冠への挑戦権を得た強豪中の強豪です。
その他の棋士たちも皆当時の一線級ばかりです。もう何が何だかわかりません。一体何なんだよ。将棋星人かよ。
次の対局は前回と同じ竜王戦決勝トーナメント2回戦!勝てば77万円!
https://www.shogi.or.jp/match/ryuuou/30/hon.html
相手は佐々木勇気五段(4組予選優勝)です。ジュネーブ生まれ埼玉育ち、ピュアで熱い好青年です。レーティングは1779で全棋士中14位。(2017/7/1)
昨年藤井四段が最年少(13歳2ヶ月)で奨励会三段となってちょっとした話題になりましたが、実はそれまでの最年少三段記録保持者(13歳8ヶ月)が彼、佐々木勇気です。
1回戦の増田四段と同じく16歳でプロデビュー。竜王戦4~6組予選は若手の登竜門であり、若手有望株はやはりデビューが早い傾向にありますね。
そうした経緯もあってか、彼自身藤井四段に対しては胸に秘めたものがあるのかもしれません。
叡王戦(藤井聡太四段vs梶浦宏孝四段)では定刻前の対局室に現れて並外れた存在感を放ち話題になりました。おそらく彼は秘めてもバレるタイプですね。(参考: http://www.nicozon.net/watch/sm31378949 )
そしてこの二人がいつ戦うのか?という話になるわけですが…なんと明日です!
https://www.shogi.or.jp/news/2017/06/72_12.html
将棋連盟ライブの他にもニコニコ生放送やAbemaTVで中継されます。日曜日なので視聴者数がすごいことになりそうですね。
いい機会なので将棋よく分からない…という方も少し覗いてみてはいかがでしょうか。おすすめ時間帯はお昼前と夕方です。昼前にはどういう戦いになるかがおおよそ定まり、昼食予想でコメント欄が賑わいます。
また夕方以降は一手一手が形勢を左右するスリルがあり、飯だけでない真剣勝負の一面を垣間見ることができるでしょう。
本当は昨日書き上げるつもりでしたが、プレミアム残業フライデーで無理でした。
藤井四段の連勝はいずれ止まります。それは明日かもしれないし、ひょっとしたらあと何ヶ月も続くかもしれません。それまでの間、将棋界の外をも巻き込んだ狂騒を楽しみたいと思います。
ちなみに私の今日の昼食はベーコンを大量に入れたペペロンチーノでした。シンプルで奥深い棒銀のような料理ですね。では。
[注1]14勝で昇段を逃した4名は全員その後のリーグで四段昇段を果たしているため、14勝できるほど強ければいずれは上がれるとも言えます。4名の中にはあの豊島将之八段も!