はてなキーワード: 建設機械とは
海から来る怪獣で、なんか水爆実験が関係してて、悪いだけのやつじゃないっぽい・・・とか、それくらい。
ガメラは2と3だけテレビでやってたの観たけど、あんまり覚えてない。
庵野監督のことも「エヴァの人」ということはわかるけどエヴァは観たことない。
使徒と戦うとか、シンクロが云々とか、「逃げちゃダメだ」とか「ありがとう」とか、なんとなくは知ってる。
特撮は日曜朝の戦隊ものをたまに観るくらい。ゴーバスターズは良いぞ。
(今、私が同じ映画を何度も観たり、映画館に年20回以上行ってるのも、すべてはパシリムがあったから)
そんな思いに駈られて、行ってきました、シン・ゴジラ。
最後列やや下手より。一席あけて右にはおじさん、左には若いカップル。
全体的な客層は男の人が多いような気がした。
「思ってたんと違う!!!!」
これにつきる。
断っておくけど、良い意味で。
良い意味で予想と期待を裏切られまくった。
以下、ネタバレ注意の覚書。
とはいうもののすでに記憶がかなり曖昧なので、間違ってるところもあるかもしれない。
シン・ゴジラのゴジラは、第一形態から第四形態まで「進化」する。
それを全く知らなかった私は、初めて巨大不明生物(=ゴジラ)がその姿を現したとき、驚いた。
なんかもうひたすらキモい!
目玉ぎょろぎょろで、エラから赤い液体ドバドバさせて、不格好に地面を這いずる姿は、キモいとしか言えなかった。
私の知ってるゴジラは二足歩行で、もっと無骨な、かっこいい怪獣というイメージがあったからだ。
「このキモい変なやつを倒しに来るのがゴジラなのかな」とか思ってた。
そんな私の目の前で、ゴジラは突然「進化」した。前足が生え、直立して、吠えた。
そんな私の想いをスクリーンの中で口にしてくれたのが長谷川博己演ずる矢口だ。
進化する未知のゴジラは、そんな両者の溝を埋めてくれた気がする。
あの瞬間の「そんなんありかよ」という気持ちは、間違いなく私と映画の中の人々との間で一致していた。
そして完全に「私の知っているゴジラ」になった瞬間に流れるゴジラのテーマ!これにはめちゃくちゃ興奮した。
ゴジラだ!ゴジラがやってきた!!!!うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!
応援上映とか絶叫上映とかなら確実に叫んでた。
というか叫びたいからどこかの映画館でやってほしい。やってくれると信じてる。
ゴジラに対する「何だそれ、すごい・・・」の瞬間は、完全体の第四形態になってからも何度も訪れる。
まずこのゴジラめちゃくちゃ硬い。
完全にノーダメージかつノーリアクションで、なんかもう絶望感がすごい。
そんな絶望がさらに増すのが、火炎放射からのレーザー光線発射のシーンだ。
米軍の攻撃が効いた!これでゴジラを倒せる!と思った瞬間、ゴジラは口から火を噴く。
この瞬間まで私はゴジラが火を噴くことを完全に忘れていた。
やはりここでも、ゴジラのことを何も知らない映画の中の人々と同じ驚愕と絶望を味わうことになる。
しかもゴジラは口からだけでなく背面から無数のレーザー光線を発射。
なぎ倒され爆発するビル群、あっさり撃墜される米軍機、理解の範疇を越えた圧倒的攻撃力。
もう東京は・・・日本は・・・人類はおしまいだ・・・という気持ちになってくる。
思ってたんと違う姿で現れたゴジラは、私が知らず知らずの内に抱いていた「ゴジラってこういうもので、きっとこういう話で、こういう映画でしょ」という先入観を完全に破壊した。
私はシン・ゴジラを、パシフィック・リムやマッド・マックス 怒りのデスロードを観に行くのと同じような気持ちで観に行った。
ドーンってなって、バーンってなってズダダダドカーンってなるのを楽しみにしていた。
そしたら、全然違った。
シン・ゴジラの破壊シーンや戦闘シーンは、全体的にとても地味だと感じた。
最初に上陸した第二形態のゴジラはずるずる移動するだけだし、第四形態のゴジラも積極的に街を破壊している印象はなかったし、対する人間の方にも必殺技や秘密兵器があるわけでもない。
というかそもそもゴジラは、そういうアクションがメインの映画ではなかった。
ド派手なアクションで魅せる洋画とは全く違う、上手く言えないけれど、とても「日本の映画」だった。
でもそれは決して悪い意味ではない。むしろめちゃくちゃ良かった。
東京に巨大不明生物が現れた。そんなとき動き出すのは巨大ロボでも特殊戦隊でもなく、日本政府。
「はやくドギャーンってなるとこ見せてくれよぉ」と思いながらも、堅苦しい言葉と、面倒くさい思惑が飛び交う会議シーンに釘付けだった。
正直、政治には明るくないし、次々と表示される役職名は全然頭に入って来ないし、聞き取れなかった台詞もあったが、でも入って来なかった情報はきっとなくてもいい情報だったんだと思う。
大事なのは、「今の東京に本当にゴジラ(のような巨大不明生物)が現れたらきっとこうなるぞ」という感覚だと思う。
前例のない事態に混乱しながらも結論を急ぐべく無理やり型に嵌めようとして結局対応が後手に回ったりして、そういう「上手くいかない」「そうじゃない」ってとこも含めて、リアルでとても良かった。
でも、もたもたして見える政治家たちも、みんな事態を解決し、東京(日本、国民)を救うために全力を尽くしている点は皆同じである。
そうして面倒な会議を経て、ゴジラの脅威を一通り目の当たりにして、ようやく立ち上がるのが、巨大不明生物災害特設対策本部、通称・巨災対だ。
この巨災対はいわゆるオタクや変人の集まりで個性派ぞろいなのだが、みんな論理的なことしか言わないのがとても良い。
きっとこんな事態じゃなければ日の目を見ることのなかった厄介者たちが活躍するロマン。
アツいのは現場で戦う者だけじゃないのだ。
だからと言って、現場で戦う者たちがカッコ良くないわけがない。
だからこそ、隊列を組んで飛ぶヘリや、次々と持ち場につく戦車のかっこ良さが際立つ。
作戦を練り「確実にやります」と言い切る自衛官や、黙々と遂行する自衛隊員たちのストイックさにも惚れる。
戦闘シーンといえば、私が一番興奮したのが新幹線爆撃と在来線爆撃だ。
ここでまたゴジラの有名な曲(曲名思い出せない)が流れるのもアツい。
とくに在来線爆撃は、色とりどりの在来線が同じタイミングでゴジラに突撃し、爆発と共に宙を舞うのが最高だった。
リアルを追求した今作の中で、実際にあるものを使ったありえそうな攻撃ながらいったい誰が思いついたんだというこの攻撃。
戦闘シーンで最も「思ってたんと違う!!!!」のは、ヤシオリ作戦だ。
物語の終盤、核兵器による解決をなんとか回避しようと急ピッチで進められたこの作戦。
無人機による攻撃や在来線爆撃、ビルの爆破によるゴジラの保定を成功させる流れは堅実ながら華があり、とても良かった。
工事用車両(建設機械)が好きな私としては、コンクリートポンプ車の活躍も嬉しかった。
そうしてゴジラの活動を完全に停止させ、ヤシオリ作戦は大成功に終わるのだが、何が「思ってたんと違う」かって、この作戦終了の瞬間が地味なのだ。
観ている側としては、
「やったーーーーーー成功だあああああああああああああああ!!!!!!」
と飛び上がってハイタッチして抱き合いたいくらいの気持ちなのに、映画の中の人々は一切そういうことはしない。
でも、あとから思うと、この映画の中ではそれで正解だったのだと思う。誰もが想像もしなかった巨大不明生物の来襲。大きすぎる被害、多すぎる犠牲者を出しながら、成功するかわからない作戦にかけた結果なのだ。
現実感がない中で、静かに「俺たちはやった・・・やりきったのだ・・・」と噛みしめるのが、似つかわしいような気がする。
「倒したぞやったああああああ」は、きっと、ゴジラが虚構だと知っている側の感想なのだと思う。
シン・ゴジラに対して言いたいこと、話したいことはまだまだたくさんある。
豪華すぎる出演陣どこにいたのか全くわからなかった、とか。
石原さとみやっぱりめちゃくちゃ美しい可愛いZARAはどこ?、とか。
巨災対のメンバーの活躍だけにクローズアップしてもう2時間観たい、とか。
でもまとまらないのでこれくらいにしておく。
そもそもこうして書き殴っているのは、こういうことを話したくても話せる相手が周りにいなかったからだ。
劇場を観たあと、複数人で来ていた人たちが口々に感想を言い合っているのが、とても羨ましかった。
その物足りなさを埋めるように、今まで封印していたネタバレブログやレビューを漁って、それでますます我慢できなくなって、この文章を書いている。
ネタバレブログを読んでいて気になったのが、「万人受けはしなさそう」とか「知らない人はわからないんじゃない?」みたいな意見だ。
とくに昔からゴジラが大好きで、新作公開を待ち望んでいた人たちが、よくこう書いていた。
とりあえず私は少なくともあと2回は観たい。
そして売り切れていたパンフをなんとかして手に入れたい。
何も知らなくても、なんかよくわからなくても、ゴジラはすごかったです。
おわり。