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2014-09-10

人を昆虫に喩えた増田投稿を読んで

ある小説を思い出した。

こんな感じだ。

  

 ガンカメラ映像を見てのノーマの最終的な感触は

 --無人機

 だった。人間が搭乗しているとしたら自殺願望を植え込まれた被洗脳者だろう。

 紛争時、敵ゲリラがよくそういう兵士を使っていた。こちらの陣地の遥か手前で洗脳が解けかけた敵洗脳兵がきりきり舞いをしているのを二度ほど見たことがある。洗脳兵は楕円を描いてグルグルと同じ場所を走り回っていた。どこに行きたいのか自分でもわからなくなってしまったのだ。

 若い兵士たちはあれを指差しゲラゲラ笑い転げていた。

 洗脳兵は時間が来ると爆発して四散した。安全スペクタクルだ。

 それを私物カメラ撮影している兵もいた。あの若かった男はまだあの写真を持っているだろうか?

 

 --人間は何度も何度も何度も何度も同じことを繰り返す

 --間違った方向に突進し、とんでもないものを信じ、親の世代と同じ失敗を繰り返すのが我々だ

 --その多くが無用の死を迎え、悲惨さで地を覆い尽しながらも生き残る

 --自分の置かれた環境を学ぶための繰り返し、リブート

 --だが、これがわれわれの生存戦略なのだ

 このことを最近理解できるようになってからノーマフレイクソ虫になった理由がわかったような気がした。

 しかし、ノーマクソ虫なんかにはならず、まだ先に進み人に語りえぬ一文の価値もないものを探求するつもりだった。

 

(幾原邦彦×永野護シェルブリット Ⅱ ABRAXAS」より「生存戦略」)

http://www.amazon.co.jp/dp/4041000629/

 

幾原邦彦には、苦悩を抱える同世代人間たちの姿が

楕円軌道を描いてまわる洗脳兵や「無人機」のように見えていたのかもしれない。

あるいは洗脳兵を見てゲラゲラ笑ったり撮影したりする兵士に。

 

この小説を書いたあと、幾原邦彦

輪るピングドラム」というアニメシリーズを作った。

ここで書いているおまえもオレも

輪るピングドラムのようなものかもしれない

 

http://www.gentosha-comics.net/story/cat1988.html

 

そういうわけで幾原邦彦原作マンガユリ熊嵐」(月刊コミックバーズ連載)のアニメ化が決定したので

各自関連情報をチェック願いたい。

http://www.gentosha-comics.net/story/cat2414.html

 

 
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