2018-10-30

本屋痴漢盗撮をされた話

http://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.bengo4.com/c_1009/n_8761/

渋谷ハロウィン痴漢問題に関してのブコメ

いい加減露出度の高い服を着てるのが悪いとか危ない場所に行く女がとか

自己防衛とかそういうの、目にするのがつらい できることならやめてほしい

いつか書こう書かなければと思ってずっとエネルギーなくて書けなかったけど、

10年程前に書店盗撮に遭ったときの話をしま


私は当時165センチ60キロの太めの20歳台はじめのどう見ても地味できれいではない女性で、

暗いグレーの膝上までのコートに膝丈のスカート、脹脛を覆うくらいの暗い茶のブーツを履いた地味なファッション

ある資格のための一次テストが終わってほっとして地方都市の大きな書店に久々に立ち寄って

マイクロプレゼンスゾウムシというゾウムシを精細に撮影した写真集立ち読みしていました

そのときごく近くの本棚に隠れながら張り付いて鋭い目つきでどこかを凝視している男性がいてぎょっとしましたが、

そのときは「万引き監視スタッフだろう」と思って驚きながらも気にせずにいました

他のフロアもまわりしばらく書店内をうろうろし、私は書籍を何冊か持って書店の端にあるベンチに座り、

どれを買おうか吟味し始めてしばらくすると、私が座っている正面の書架書架の間で

先ほどの鋭い目の男性がもう一人その場にいた男性に「撮ってるでしょ」と声をかけていて

そうするとその男性は突如火がついたように駆け出して私のいるベンチの方へ走って逃げてきました

「待て!」と言って万引き監視員と思われる男性はその逃げた男性に飛びかかり、

私のいるベンチに二人してものすごい勢いでつっこんできて転倒しました

ベンチは倒れ、辺りは取り押さえられた方の男性の口や鼻から出た血でいっぱいになっていて折れた歯が落ちていて、

私が驚いて立っていると女性書店員が私にそっと触れて「大丈夫ですか、あなたが撮られていたみたいです」と言って声をかけてきました

私は目の前の状況とまさか自分なんて撮られるわけがないということに驚いて言葉もありませんでしたが

そのまま事務所保護されて警察が来るのを複数書店員さんと共に待ちました


しばらくして犯人を取り押さえたスタッフ

(この人は万引きではなく盗撮監視スタッフで、そこで書店での盗撮はとても多いということを初めて知った)

が息を切らして戻ってきて、隙をついて逃げられた、と言いました

犯人スタッフを振り切って逃走したようでした カメラ書店ゴミ箱に捨ててありました

しばらくして警察複数人やってきて、現場検証と私への聞き取りを始めましたが

身長体重も年齢も職業書店にやってきた理由も何もかもを全部詳らかに言わなくてはなりませんでした

私が加害者でもないのに…というモヤモヤと今更物事を実感した恐怖と

また当時は美人でもない私が盗撮なんて、という気持ちもあってそういったことを話すのがすごくつらかった

そして極めつけに、犯人カメラで撮ったものを一枚一枚自分確認しなければならなかったのですが

これがとてもつらく気持ち悪く、今思い出しても本当に涙が出てきます

犯人は私の後ろや側面をフロアを跨いでずっとつけてきていて、順番に全身や膝の裏を何枚も何枚も執拗に撮っていて、

長い時間マークされていることがわかりました ベンチに座ってから写真が最も多く、

ズームで何枚も何枚も膝の間を撮っているのです 意地でも中を見てやろう、という感じがすごく怖かった

ただ私はきれいではない女の子だったけど当時も世の中では「女性自己防衛」が強く言われていましたので

膝をきちっと閉じて座っており、下着などは写っていませんでした

それで刑事(本当に踊る大捜査線刑事みたいないでたちだった)が「下着が写ってないので立件は難しいと思うんだよね~」

というような事を説明し出して、私としてはうそでしょ、という思いでした

こんなにも執拗に何十枚も追われて写されて、犯人カメラと言う物証もあるのに、

血まみれの捕り物劇まで見てしまってこれで犯罪として扱うことができない、と言うんです

下着写ってないんだから実質撮られてないだろ大げさな」って言う人もいるかもしれませんが、

犯人は逃げていて、しかも流血していて私のことを逆恨みしているかもしれない、と思うと

何らかの決着がつかないことにはとても恐ろしい事態でした 事実私はその後4か月ほど電車バスに乗れず、

犯人男性と同じような容姿男性を見れば犯人当人ではないかと思い

件の書店には今も足を踏み入れることができません 今も怖い どこかで会ってしまうのではないか


とにかくそときは連絡先を警察に託し、スタッフの方にはお礼を言って場を辞しましたが

事務所を出た途端大泣きしてしまいました スタッフの中には大げさなって思った人もいたでしょう でも恐ろしかった

父は連絡しても(あとで訊いたら「大したことはないと思った」と)迎えには来てくれず、

母が来てくれましたが帰りの電車が怖くてしかたなかった 犯人の姿と似た人を見てはビクついていた

犯人いるかもと思った 母が私を落ち着かせるために喫茶店に入って座らせてくれましたが、

そのとき母は「お前に隙があったから」「油断して歩いていたんでしょう」というようなことを言いました

隙がないか下着が写ってないのに!下着が写ってないから立件もできないのに!です

世間で言われる自己防衛が私を守り、しかしかつ私を傷つけるという皮肉な現状がありました

(母の内面化された性差別心もまた私も傷つけましたが、のちにその母もまた若い頃同じような目に

合っていてその都度それを言われ続けただろうことがわかりこの価値観連鎖地獄だ、と思いました)

何とか家に帰りついてもよく眠れず、あの血が飛び散った瞬間のことを何度も何度も思い出しました

怒りと復讐心と恐怖で血眼になってネット検索をして犯人らしき人間掲示板に書き込んでいるのも見たけど

立件できないと言われた以上それを警察に報告することも間違いなのかと思いできず、一人でもやもやとそれを見ていた

翌日も部屋に閉じこもっていると、女性警官の方から電話が来て「犯人自首してきた」と告げられ

「直接会って謝りたいと言っている」と言われました「どうする?」と 選択肢なんてこういう場合あるんでしょうか

犯人自己満足のために謝罪を受け入れることも勿論できなければ会って自分の身を危険さらすこともできるわけがない、

私はすごく苦しかったけど社会的に見てそんな大したことではないから大騒ぎできない、とも思っていたか

性犯罪被害者のための悩みを打ち明ける場がある」とその女性警官に言われても

「他にもっと酷い目にあった人からすれば私なんて大したことされてない、つらいと言うことは悪い」

と思ったので大丈夫です、と電話の向こうの彼女に告げ、それですべて終わりました

犯人はただ厳重な注意を受け、以降何の詳細もその後もひとつも知らないままです


それから私は元気になりましたが、今でも当時の事を突然思い出したりして苦しくなります

あの血まみれの床と折れた歯の画面が頭の中から消えてくれない、

自己防衛を徹底していたために犯人がわかっていて裁かれないという皮肉

今回のような事件議論を目にするたびに悔しい想いとしてよみがえります

私の中で前述の体験が一番強烈だったために霞んでしまってはいます

10年くらい前の盗撮以前にも小学生高校生の間、社会人になってから書店や他の場所で何度か痴漢に遭っていて、

広い通路なのにわざと私の臀部に触れながら何度も通り過ぎて逃げても隣の100円ショップまで追いかけてくるおじさんやおじいさん、

書店以外でも道を訊いてきて親切に答えるとそのうち自らの自慢話をするなりホテルに行こう、と腕を掴んでくるおじさん、

普通に住宅街を歩いていて自慰を見せつけてきたり自分の履いたパンツだと言ってそれを無理矢理渡そうとする若い男性などがいました

いずれの時にも私はただ地味で太目で気の弱そうな制服姿やスーツ姿のきれいではないさえない女性でした

痴漢盗撮犯はただ狙いやすそうで反撃されなさそうな女性を狙っているだけで、

女性防犯意識露出や美醜にはひとつ関係がないのだ、ということを私はそれで身を持って知り、

今もそれは間違っていないと思っています 事実それから私は体を鍛え始めて当時よりずっと痩せ、

主張の強い恰好を心掛け、濃いメイクをしてぱっと見はきれいに見える程度くらいになり

付き合いで書店路上等よりももっと危険一般的に思われている繁華街等にも足を向けることもありますが、

以来それとわかる痴漢には遭遇していません 「触ったら殺す」を主張している強そうな女には気の弱い人間は近づかないのです

(気の弱くない相手には通用はしないでしょうが…)


最初に貼ったような場では集団の力や環境によってその閾値が低くなる、ということなのだと思います

どちらにせよ露出の高い恰好でもなんでもその女性身体はその女性のもので、好きな格好をすることはその人の権利で、

またどこを歩いていようとどこにいようと犯罪を行おうとする人間のいる限りそこに犯罪が発生するだけのことで、

場所もあまり関係がなく性犯罪(だけではない、犯罪に関してはすべて 被害者性別年齢に関わらず)において、

自分身体自分身体他人身体他人身体 どちらも誰にも自由にできない

痴漢盗撮問題に関して自己責任論に関係なく大事なのはそこだけだと私は思います


私は件の犯人のことを今も怖がり恨み続けてあの当人でなくとも次に痴漢盗撮に遭えばその犯人を殺してもいいよ、

自分に言い聞かせて電車に乗り書店に入り、日々を生きています しかしもちろん私は絶対犯人を殺しはしないでしょう

なぜなら私は理性のある人間という生きもので、合理性を持ってそれを間違いだし損だと判断できるので決してやらないのです

その決意だけが私は犯人とは違う、と自身に強く思わせてくれることによって私のお守りたり得ています

私は決して他人身体自由にしない、してもいいと思わないと言いたい

事件になったわけでもレイプされたわけでもないのに大げさだ、と思う人はやっぱりいるでしょうが

こうやって積み重なってきたひとつひとつのことで疲れてしまっている人たちがたくさんいるのは紛れもない事実です

その辛さや現状は一人一人違っていてそれは誰にも否定できないことです 私はそれを言いたいし、

そうやって苦しんでる人にあなたは間違ってないし、苦しまなくてもいいのだと言いたいです

今回のような記事についての反応を読んで苦しんでいる人がいたら、世間の言う自己責任論こそひどく無責任もの

あなたのことを何も知ってはいないし、知る気もない人の言葉から気にしないで(無理でしょうが)と言いたい


そしてこういった話のうえでそれでも被害者にも責任がある、とまだ言いたいと考えている人がもしいたら

女性だけでなく誰もがいつどんな犯罪被害に遭うかわからない世の中で、属性によって被害者の責を問うことは

いずれもしかして自分にも降りかかる事態なのかもしれない、と少しでも考えてもらえたらと思います

犯罪は(社会で考えるべき部分は別として)犯罪を行うそ人間個人の罪で、その性別を包括している側の属性の罪ではないのです

から被害者の側の属性やそれに付随する文化趣味のものが罪だとは責めないでほしい

もうすでに起こってしまたことに怒ったり苦しんでいる人を、さらに苦しめる言葉を見るのは辛いです

痴漢盗撮という行為について、ただそれを行使する個人問題とする世の中になってほしいと思います

正直この記事犯人の目に入ると思うと怖いと思って迷ったけど、

こんなふうに事件としても扱われない、人に相談してもお前が悪いと軽くあしらわれるような事態が未だ多くあると思うし

もういい加減自分のためにもどうしても書かなければならないと思ったので投稿しま

長くなりましたし論旨がブレているだろうと思いますが、以上です

  • でもお前結局エビつけてオタク叩きしてるんでしょ しょうもない

    •         _ ,, ‐----‐ ,,___      /        /|    ,,-: :´: : :--‐、`ヽ   /         / |  //|`\/\|ヽ: |` /      /  | /: /|ヾ|    ...

    • エビを食べてはならない、とか異端教徒の言うことに耳を傾けてはならない

    • お前の母ちゃんも女兄弟もいとこも彼女もエビ付けてオタク叩きしてるの?

  • 性犯罪者は常に弱そうな人間を狙う 低能先生は性犯罪者じゃなかったんだな 低能先生よ貴方は強かった

    • ハゲ子先生は体格小さくて物腰柔らかで弱そうだったから狙われたっていうようなブログ記事どっかで見たよ

  • 盗撮は立件しても数年刑務所に入れられるわけじゃないし裁判も面倒だからそこを後悔に含めるのはやめたほうがいい。 近代国家の法律だと危険人物でも重大犯罪を起こす前に予防拘禁...

    • 傷は治るけどこの増田のトラウマは消えないよね。 加害者には下半身不随になるくらいの怪我を負わせるべきだった

  • こうやって置換すればいいのね。

  • 辛かったね。 自分も痴漢された時、加害者は厳重注意で自分は電車怖くて乗れなくなったっていうあまりの非対称さに、次に加害者に会ったら必ず線路に落として確実に殺そうと思って...

    • でもキモくて金のないおっさんが痴漢冤罪容疑をかけられる恐怖によって電車に乗れなくなり鬱病になってしまうような非対称性は問題ないんですよねわかります

  • 何で女性増田はこう長いんだ 読めないよこんなの

    • 絶対文字数半分にまとめられるしそっちのほうが反応増えるよね

      • でもはてなーって読むんだよねこういう長いの よくわからん 読むの早いのかも

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