2014-11-08

田舎底辺中学生部活

実家母親電話いわく、地元中学校部活動強制ではなく任意となったらしい。弟は学校から帰ると、ずっと友達ゲームをして過ごしていると愚痴られた。

僕は、バスケットボール部所属していた。15時半の授業が終わると、各々は体育着になって体育館に向かう。そして18時半までひたすらドリブルを続けていた。コートの真ん中では、運動バスケが上手な奴らが陣取り、ひたすら試合をしていた。雑魚である僕らはコートの隅である。たまにボールが飛んでくると、それを真ん中に投げ返すだけの簡単な作業である

苦痛だった。家に帰って、ゲームパソコンをしていたかった。

雑魚の中でも、カーストがあった。僕はそのカーストの中で低い方だった。上手な奴らの分に加え、同じカーストから受けるイジメがった。それもあって、バスケ部活動苦痛だった。

思い返してみれば酷いものだ。たまに試合を「やらさせてもらう」としたら、笑われるか怒鳴られる。部活基準は上手な奴らに合わさっているので、雑魚は何をやっても怒られる。

そして、何かと休日は校外で試合をする。雑魚はそれに合わせて一緒に行動し、ボールや荷物を持っていく。上手な奴らの親は我が子が一番可愛いと、どこにでも車を走らせる。ビデオを撮り激励を贈る。雑魚の一人である僕は、横目で冷めた弁当を食べ、サボれる場所を探す。何もおもしろことなどない。時間を潰すのに必死苦痛だった。強い強い苦痛を感じた。

僕の中学校田舎なので、人数は東京に比べたら断然に少ない。一学年に80人はいなかったと思う。そうなると部活動の数も少なくなる。その上、なぜか部活動強制参加だった。サッカー野球、そしてバスケットボールのどれかを選ばなければならない。文化部は何か体に問題があるか、家庭に問題がある子しか入部できなかった。

他の部活も大抵同じだったが、野球部先生が皆平等にシゴいていたので、しんどそうだったが精神的に追い詰められていそうな感じではなかった。サッカーは楽そうだった、これに入れば良かった。友達もノビノビしてたし、試合半年に一度しかなかったようだ。バスケははっきりとした上下関係というイジメがあったし、顧問試合に勝つことしか言葉がなかった。

試合の日などでは、他の学校顧問は常に生徒を怒鳴ってた。頭ごなしに下手糞と怒鳴りつける。生徒は泣く。でも青春なんだと、上手な奴らは語っていた。この空間の何が楽しいんだろうと思った。上手な選手がいて、怒鳴るコーチがいて、あとは奴隷がいた。試合に勝つことが絶対で、失敗しないことが求められ、奴隷時間を潰すことに必死だ。奴隷は微塵も興味が無いバスケが上達するわけでもなく身体能力が上がるわけでもなく、雑用のためだけにいた。

バスケ部は僕の学校が誇る素晴らしい「伝統」の一つに数えられていた。上手な奴らは誇らしく、青春を感じていたのだろうか。伝統というものは、犠牲の元にあったことを知らなかったのだろうか。

その後、部活動は三年生の夏で終わり、受験勉強と塾で追われることになった。僕は勉強ができたので途端に楽しくなった。その後、受験が始まり僕は進学校に進み、できる奴らはスポーツ推薦、またはスポーツ推薦で落ち大金を払って私立校に進んだ。

何年かして、僕は大学に行き就職して今に至る。「上手な奴ら」の話は一切聞いたことはなかった。そりゃそうだろう、上手な集まりの中で高みに行くのはとても大変だ。しかも、バスケ野球サッカーほど良いスポーツではない。プロになったとしても食べていけるわけがないだろう。オリンピック日本の枠はない。上手になっても意味価値もないスポーツだ。

母と話をしていると自然と昔話をしていた。母親バスケ部は嫌だったらしい。そりゃそうだろう。休日早起きをして、何も活躍できない子供弁当を作ってたのだから。高い名前入りのジャージを買わされ、たまに車を走らせ、遠い学校施設子供を送り迎えにいってやったり。きっと、母親内でのカーストもあっただろう。僕が勉強ができなかったら、もしかしたら母親もイジめられていたかもしれない。

僕は半笑いで聞いていた。遠い昔のことだから、もうそんなに辛くはない。ただ、あの時の時間で何かもっと他の事をやっていれば、きっと楽しかったんだろうなあと思っていた。

その後、あの「上手な奴ら」の話になった。上手な奴らは高校卒業したあと、揃いも揃って地元で働いているそうだ。田舎なので大した仕事はない、それこそ工場とかしかない。できる奴らのリーダー工場で働いているらしい。朝の8時から夜の11時まで働き、体中を黒い油だらけにして帰ってくるらしい。給料も聞いたところ、手取りで15万円はいっていないそうだ。それをもう何年も続けているそうだ。

僕は母親との電話を切ったあと、ふと辛かった思い出をつらつらと思い出してみた。一日2時間半、週に12時間半、月に50時間。それが2年と半年、600時間をかける2.5して1500時間プラス月に2回ほど休日全日潰される。その時間を、僕がマックス有意義に使えたか微妙だが、とても貴重な時間に思えた。

僕は今、残業はあるとはいえ悪くない環境で働き、年齢で見て平均以上の年収を貰い、今のご時世にしては恵まれすぎている生活をしている。あの時の惨めさはもうないのだ。僕は今、立派で、幸せだ。ドリブルもできず笑われ、道具やボール試合に忘れて怒鳴られ、陰湿な嫌味を言われ続けたあの部活にいた僕は、上手な奴らより恵まれているのだ。

きっと上手な奴らは、僕と低いカースト時間を奪ってしまった罪を、たった今被っているのだ。僕が苦痛に感じていた時間を、自分の大好きなバスケに費やしてしまったことに対して、惨めな生活をして免罪しているのだ。そしてきっと、その工場は潰れフリーター生活になるだろう。昔を思い出しながら、惨めな生活を悔いるだろう。青春犠牲のもとにできていた。輝くためには燃料がいる。カーストの下の奴隷がいて、頂上へ高く登れ、そして輝くのだ。そして今、そのカーストはいなくなり、上手な奴らは地面で頂上にいたときのことを思い出しているのだろう。

別に僕はもうどうでもいいのだ、奴らとは赤の他人なのだから。でも、ああ、やった。苦痛が柔らいだと感じた。


つらつらと書いてしまったが、これで僕の黒い物が掃き出せたと思う。駄文失礼した。

もし、僕みたいな田舎暮らしていて、同じように部活動とかで惨めな思いをしている人がいたら、反発するべきだ。その代わり、何かに打ち込まなければならない。僕は勉強だった。勉強ができたから頑張ってこれた。

僕は、今の僕が決して良い大人ではないと思う。だけども、上手な奴らに加わらなくて本当に良かった。でもカーストの下にいたことは黒歴史だ。人生は難しい。

追記

コメント全て読ませて頂きました。ありがとうございます

自身スポーツ自体はとても良いことだと思う。中学生という成長期に、きちんと体と心を育てるのは素晴しい。ただ、「スポーツをしていればなんでもいい」という一辺倒であること、そしてそれを全力で応援してしまう大人、駒を無理やりでも勝たせたいと思ってしま顧問、これらは問題だと思う。夢を持つなら、それについてライフプランを立てさせるべきだし、駄目な場合が大きいということも教えなければならない。子供は、キラキラと夢を持って青春を演じさせて、大人を夢中にさせるものではない。青春ドラマ現実は違う。

特に顧問を兼ねる中学教師、彼らはスポーツ推薦で高校に入れてしまえばなんでも良いと思ってると思う。その後の事は何も考えてくれない。高校入学を完全にゴールとしてる。そうじゃなくって、きちんと大人への段階を考えさせ、一緒に相談してくれる中でなければならないと思う。今思うと、自分の実績を作るのが最優先だったんじゃないか。

それらが上手な奴らの可哀そうなところだと思う。

でも僕は同上しない。あの部活動は、僕らのカーストには何も施しはなかった。ただドリブルだけやらせて応援という声出しをさせて、徹底的に雑用に使う。何も育たなかったし、育ててくれなかった。僕らがバスケの初歩も分からない屑で、全く運動ができないせいもあるだろう。それなのに、何も指導もなかった。形だけの練習をさせて、問題にならない程度になったら、満足するまで自分たちを可愛がった。

イジメもあった。そこまで壮絶じゃなかったけどね、陰湿環境に四六時中いるから、どうしても弱いものイジメが発生する。死ぬほどではないけど、辛かったよ。それが2年半。全く無駄で辛い時間だったね。

色々トラバされてるので、適当に返信します。

所帯持ちだったらただの頼れるとーちゃんって感じがする

「頼れる」=「稼ぎがいい」 だ。 労働時間ばっかり長くてもな。

ちょっと勉強するだけで、ものすごく楽な環境に行けるのに、わざわざ底辺に行く奴ってマゾしか思えないよな。

よっぽど無能なんだと思う。

頼れるとーちゃんになっていればいいよね。その子供は良い人生をおくれますように。上手な奴ら、というより地元に残った組について僕は詳しくは知りません。ぱらぱらと、結婚したとか聞いたりはするけどね。

「上手な奴ら」がきちんとした大人になっているか、っていうのは、僕はそうにはなってないと思う。酷い言いかただけど、多かれ少なかれDQN化してるんじゃないかな、多分。奴らは無能でまともな生活じゃないと思う。

今日日の現実は、大学Fランだろうが最低限卒業しているのがあたり前で、ホワイトカラーが一般家庭の仕事だと思う。上手な奴らがバスケで成功していたらともかくして、工場なんかじゃなく一般企業に勤めて普通生活給料を貰っていたら、僕はまた嫉妬なり苦痛を覚えていただろうね。

余談になるけど、労働環境だったり、子供を育てる地域としては僕が地元を離れたときより確実に悪くはなっている。実家帰る度に思うけど、仕事も働けるところも目に見えて少なくなってきてるみたいだし、昔の風景不安になるような感じで変わってきている。パチンコ屋が増えたり、DQNが好きそうな店が増えたりね。

そもそも、その手のリーダータイプは途中で要領よく何かを見つけて他のことで儲けそうな気がする

どうだろう。リーダータイプはいたけど所詮田舎大将井の中の蛙からね。それに成功するにしても、また新たな惨めなカーストが生まれると思う。

特に名門という訳でもない田舎中学の中で「できる子」と言う程度なのにスポーツ推薦って有り得るの?

僕の小さな範囲しかないけど、ほとんどの公立私立高校であったよ。もちろん限られた数だけどね。高校に入って活躍できそうになくても、適当理由一定数は取るのでは。

バスケの上手下手を基準順位付けられ苦しんだ増田が、勉強ができるできない、収入の大小を基準に人を順位付け優越感を得ている。

収入は結果だけど、それまでの過程で優越を覚えてるよ。低いカーストの奴らを長期間いじめておいて、結局はスポーツ活躍できず、こういう惨めな境遇に落ちつく。

自分でも酷いと感じるけど、溜飲が下がったというか、なんかすっきりした。そのうちにどうにも思わなくなって忘れるだろうけど。

増田が主張したかったのはバスケより勉強ができる方がカースト上位にいくべきということだけか。

バスケがうまかった奴も勉強ができた増田も同じ。

カーストの上位を目指すのは別に主張したいことではなかったが、結局はそうなってたね。

ただ、僕は勉強という純然たる競争があって本当に良かったよ。あのカーストは、いじめ奴隷を育てる環境機能していたからね。良い競争と失敗したときの逃げ道、これが本当に必要ものだと思った。


とりとめのない返信で申し訳ない。脱線して、色々とぶれた事を書いてしまたかな。

  • 意味のないことに意味を見出す。 剣術が剣道に 柔術が柔道に バスケットボールがバスケットボール道に 労働が労道に それが日本の道というものよ

  • 朝の8時から夜の11時まで働き、体中を黒い油だらけにして帰ってくるらしい。 所帯持ちだったらただの頼れるとーちゃんって感じがする

  • 特に名門という訳でもない田舎の中学の中で「できる子」と言う程度なのにスポーツ推薦って有り得るの? スポーツ推薦って全国大会常連レベルの学校の上位の子でないと縁無いものだ...

    • 頭の悪い学校だってお勉強の推薦で入ってくる人はたくさんいるだろ? それと同じでスポーツがさほど強くない学校にだってスポーツ推薦は存在する。 これは都会でも田舎でも関係ない...

  • バスケの上手下手を基準に順位付けられ苦しんだ増田が、勉強ができるできない、収入の大小を基準に人を順位付け優越感を得ている。

    • 実際、スポーツはコストパフォーマンスで考えるときついよ。 それだけで食っていける人は僅かだから。 対して、学歴なんて、ただのペーパーなのに待遇に差がつくからな。 なんで同...

      • 大学入試に全リソース投入も十分コスパ悪くなってると思うぞ ほどほどに体鍛えとくのは悪くない

      • 増田が主張したかったのはバスケより勉強ができる方がカースト上位にいくべきということだけか。 バスケがうまかった奴も勉強ができた増田も同じ。 ただ選択が違っただけ。 正解も...

  • これ、落ち着いてもう1回見返してみたけど、リア充の方もある意味で被害者だよね。 本当はもっと自分の能力の高さを活かせる仕事があったかもしれないのに、それを活かせなかった...

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  • すごくよくわかる. バレー部とバスケ部の差はあるけど,俺かと思った. ただ, きっと上手な奴らは、僕と低いカーストの時間を奪ってしまった罪を、たった今被っているのだ。 ん...

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