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はてなキーワード: サービス産業とは

2010-09-03

2冊のアクション書評 ピーター・ドラッカー堺屋太一

http://twitter.com/zaway/status/22888381585

ドラッカー堺屋太一。2人にはある1つの共有点がある。

それは、未来経済社会のあり方についての「ビジョン」についてである。それを堺屋太一は「知価社会」とよび、ドラッカーは「知識社会」と呼ぶ。キーワードは「脱工業化」、そして「知」だ。従来型の産業構造の転換が求められているという議論は、今も日本で話題になっているが、これは新しいようで古い。そこで今回は、彼らの著作の紹介を通じて、過去の議論をざっと見てみようと思う。

堺屋太一「知価革命

1985年に刊行された、堺屋太一未来予測本。

当時はかなりの反響があった。鉄鋼やエレクトロニクスなど日本製造業が絶頂期にあった中、周囲からのひんしゅくを恐れずに堂々と脱工業社会の到来を予言した。ある意味で、時代を先取りしすぎた本と言えるかもしれない。

まず著者は、古代以来の世界史の「精神史」的側面を振り返りつつ、現在世界が直面している変化を位置づける。むかしは、カネや領土を追い求めた「物質」尊重型の古代文明ローマ帝国中国漢王朝のような)、古代の巨大帝国が崩壊すると今度は、信仰に篤く慎まやかな生活をおくる「精神」尊重型の中世が到来した。それが、産業革命以後の近代ではまた「物質」を追い求める時代へと転換した。その意味では、現代社会価値観古代帝国が基底にある。

しかし、足下ではこれが中性的な「精神」尊重型の社会に立ち戻る動きが見られる。2度の石油ショックが起こり、これで資源が有限であることに人々は気づき環境意識が高まっている。「このまま大量生産、大量消費を続けたら我々はまずいのではないか」、そうみんなが確実に思い始めている。この流れの延長線上にある社会の姿と位置づけるのが、「知価社会」である。

知価社会とは「デザイン性やブランドイメージ、高度な技術、あるいは特定の機能の創出といったことが、物財やサービス価格の中で大きな比重を占めるようになる社会」と定義する。ここで、単に情報産業サービス産業などという特定の業種転換より広い意味をもっていることに注意したい。むしろ、強調されているのは製品としての「コモディティ」の終焉である。彼は確かにこう書いている。「安い規格品よりも高級なブランド品が、より長く使われる「知価」の部分が肥大化した価格攻勢が一般化する」(文庫版p225)。

すでにアメリカでは知価社会への適応が進んでいる。単純な製造業が衰退する一方、ブラディング、マーケティングサービス産業の比率が高まっている。翻って、我々日本にとられるべき選択肢は2つ。知価社会への移行を推し進めるか、それとも従来の工業社会の基盤に固執するか、だ。日本が取るであろう道について、彼は製造業での成功体験が忘れられず従来型産業構造維持型の政策を取り続ける可能性は高いと予測している。しかし、その道は安易であり、長期的に有利とは限らない。国際環境の変化に適用できない硬直化に陥る危険性があると警鐘を鳴らし、締めくくる。


ピーター・ドラッカーポスト資本主義社会

原著は1993年刊。この時齢83歳。

ドラッカーといえばマネジメントだが、 本来は政治社会批評家である。彼がマネジメント研究に入っていったのは、その思想を実践するための手段としてマネジメントが有効だと気づいたからにすぎない。

彼はまず産業革命が起こった要因について振り返り独特の解釈をする。産業革命を起こったのは、生活水準資本の変化意外に、1700年以降から変わったある決定的な要因があった。それは職業組合などの内部のみで、数千年に渡って発展してきた秘伝としての技能が、初めて収集され,体系化され、公開された。技術学校や「百科全書」のような書物によって経験は知識に、徒弟は教科書に、秘伝は方法論に置き換わった。この「知識」こそ、道具,工程製品への応用の連鎖をうみイノベーション加速度的な発展を促したものだった。

そして、今、知識の役割はさらに重要になっている。放射線治療機器CTスキャナ、高度なCVD装置、超高速のスパッタリン装置。今の製造業の基盤になっているこうした生産手段は、労働者の高度な知識があって初めて動く。昔の資本主義がそうであったように、けっして労働者歯車のように資本家に所有された代替可能な機械ではなくなっている。従来の資本主義にあったような「資本家労働者」という次元は今や完全に消滅している。今や富の創出の中心は、資本労働土地から、人間の知識そのものへと移行している。

ドラッカーは、このような形で変化しつつある社会を「知識社会」と称した。そうした社会では、労働者達の知識を効率的に活用し、いかに収益にむすびつけていくか(これをドラッカーは「知識の生産性」といっている)がこれまで以上に国,産業企業競争力にとって重要になってくる(p244)だろう。それはこれまでもそうだったし、これからはさらにそうなっていくだろう。イギリス過去CTスキャナコンピュータ抗生物質ジェット機を開発したが、それを製品サービス仕事転嫁できず、アメリカに抜かれていった。他方、アメリカアメリカマイクロチップコピー機、工作機械などのパイオニアだったにもかかわらず、日本企業がそれらの市場を奪取するのを指を加えてみるしかなかった。そして、日本は、自らが事業の先鞭をつけたほとんどの主力産業液晶テレビカーナビ、電池)で韓国中国企業の強烈なキャッチアップを受けている。

では、いかにして知識の生産性を高めることができるのか?それを実現する手段が「組織が成果を生み出す機能を高めること」。つまり、マネジメントなのである。この結節点において、社会学者としてのドラッカー経営学者としてのドラッカーとががっちりと連結される。

2010-08-21

工業社会を捨てよ」論に対する疑問

 「日本工業社会を捨てよ。産業構造を転換してサービス立国を目指そう」と何の留保もなく主張する野口悠紀雄のナイーブさに思いのほか虚脱感に襲われている自分がいる。唖然としている。ダッチワイフのジェニファーちゃんぐらい開いた口が塞がらない。いったいどんな神経が、こんな大きなことをこんな不用意に言わせるのか。

 まず、まったく不確かのままに留まっている論点として、今の工業中心の産業構造を転換しろという主張が経済学的にいってどのようなことを意味するのかが、わからない。私たちは政策金利最低賃金の引き上げについて、そのありうる帰結についてかなり多様な議論を戦わせることができる。しかし、「脱工業化を進めよ」と言った場合どうなるのか、その政策を実行したときに、それが経済社会雇用経済成長に実証的にどのような効果・影響を与えるのかは、びっくりするほど整理されていない。

 そもそも、脱工業化という経済現象自体、よくわからない。一般的に、どんな経済的条件下において、どんなドライバーによって、どのようなステップでそれは促進されるものなのか。そのメカニズムが不明だ。たとえば、産業革命以後の西欧の中でも、イギリスのようにあっけなく工業が衰退した国がある一方、ドイツのように競争力のある工業基盤を普通に維持できている国があるのか。

 加えて、脱工業化する国がたどる道は、ざっとどのような種類のルートに分けられるのかも、よくわからない。1つの手がかりは40年前から指摘されている「知識社会」への移行だが、それは必ずしも金融サービス産業への一本道とどまるものではない。例えば日本メーカーが出すプラズマクラスター空気清浄機や年々進化するホームベーカリーは完全に「製造業」の枠組みながら、十分に「知識社会」としての産物になっているような気がする。この辺もっと詳しくカテゴライズしてほしい

 また、各ルートに一定の基準によって優劣を付けられるとしたルート選択は極めて重要な判断になるが、そのフラグ発生条件はどのようなものなのか。いやもっと根本的な点として、脱工業化において政策がどれだけの役割を果たせるのかもよく分からない。もし国の政策が、脱工業化の推進もしくは阻止、あるいは方向性に誘導することについて、無力にとどまるのならば(おそらくこっちの方が自然な想定だが)、野口悠紀雄のように「べき論」で脱工業化を主張する意味はない。ていうか税金無駄だ。

 つまり、指し示した指の先は真っ暗闇なのである。脱工業化への産業構造転換というのはなんなのか。そもそも政策として意味があるものなのか。YESならば、そうでない場合と比べてどのようなプラスマイナスをもたらすのか。そもそも日本イギリスのように脱工業化が要請される条件下にある国なのか。

 もちろん、日本製造業の閉塞感は確かだし、日本はこのままじゃまずいっていう点はわかるよ。共感する。だからって、僕たちをいったいどこへ導こうとしているの?教えてエライ人。

http://twitter.com/zaway/status/21684114111

2010-07-30

http://anond.hatelabo.jp/20100730194451

今日本に必要なのは消費だ、っていうことだっけ?

コメントしたのは途中からで、指摘があったのはコレかと思います。

日本経済大国まで発展するくらい物が売れたのは主に海外な?輸出大国っていわれてたんだから。

物が売れなくなった という 事に対して その主要な要因が国内市場の低迷なのか?海外市場の低迷なのか?というのがポイントです。

 

私の主張は

海外輸出が伸びた > 輸出業を中心に収入が伸びる人が増えた(A) > 収入が伸びた人が国内お金を落とした > (A)の人向けに外食産業や衣類・娯楽産業など国内サービス市場が伸びた(b) > (b)により収入が伸びた人が国内お金を落とした > (b)の人向けに さらにサービス産業が伸びた (c) > (C)により収入が伸びた人が国内お金を落とした(以下連鎖)

という連鎖であった物が

海外輸出が低下し・海外売り上げに変化していった(産業空洞化工場海外移転) > 輸出業を中心に収入が減る人が増えた(A) > 収入が減ったので国内お金を落とさなくなった > (A)の人向けの外食産業や衣類・娯楽産業など国内サービス市場が減った(b) > (b)により収入が減った人が国内で消費しなくなった > これに気がついた政府か 国内消費をのばすために 公共事業を増加した > 赤字国債が増えた > 見かけ上の消費は公共事業により増え続けたが、借金で遊んでいるだけで国としての収入は減った(E) > 公共事業が削減されていった > (b)(c)(d)と連鎖して消費が減った・収入が減った > 国内消費は冷え込み(E)の借金だけが残った

という連鎖だと思います。

つまり、経済車輪の物が売れなくなったの起点は海外市場での冷え込みがまわりまわって、国内消費に影響を与えている。

したがって、海外売り上げを伸ばさずに、国内消費を上げようとするのは歴史的経緯から非常に厳しい。

という感じの主張です。 

言い方を変えると、日本製品家電であったり車であったり、石油などでも良いですが規模のビジネス依存しているところが大きいです。

規模のビジネスとは固定費変動費のなかの固定費が一定の割合を占めており、作れば作るほど儲かる、大量のロットほど儲かるというビジネスという意味です。

海外市場で売れている場合研究費などの固定費の回収が楽ですが、国内市場のみの場合マスが小さいので固定費の回収が厳しく利益率が悪化します。

こういった、今まで牽引してきた輸出産業利益率が悪化することで、収入が減り、サービス業などを直撃した結果、連鎖して消費が落ち込んでいる。と考えています。

もちろん、他にも海外工場で作り海外で売り上げる企業が増え、法人税日本に落ちないなど様々な経済的な理由はありますが、

基本的に輸出産業の低迷が、連鎖して、日本の消費を押し下げていると考えます。

2010-07-13

http://anond.hatelabo.jp/20100713003534

金集めてくるのはいいけど、何に使うんだよw

 ちゃんとペイするタイプの事業、いわゆる投資マネーであれば、国内にだってうなっとるわw。

今問題なのは、投資に値する分野ってのがすでに、どの分野もハイテク化してしまって、スキルが必要な分野になっているが、そういう分野であればあるほど国内外賃金格差が激しくて

まともな技術者だと海外に持って行かれるって話とかもあって、国内ハイテク産業を起こそうにもなかなか起きないってことじゃね?

 国内向けのサービス産業医者弁護士なんってあるけど、この手の職業はどんだけ栄えても国益には貢献しないしな。

 

いわゆる、国内マネーが流れこんで、人が国内で必要になってという製造業みたいな分野の産業が必要なんだが、

 頭数がキーファクターなものについては新興国に負け

 頭の中がキーファクターなもののついては、日本独自の村社会的発想が邪魔をして

いったいどの分野に資金を突っ込めっていうんだよ。

2010-03-01

http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.htm

12月の就業者数は6223万人と1年前に比べ108万人減少

町を歩いていると、じわじわと不況足音が聞こえてくる。

今年も大規模なリストラが待ちかまえている。

 

これって、単にリーマンショックの影響とか、デフレという事じゃない。

産業が無くなっている。

製造業の力がなくなっているから、そこに物を売っているサービス産業の力もなくなっている。

 

新しい産業、それも実業が必要。なんとかしないといけないが、みんな他人の上前をはねる事ばかり。

どうすればいいんだ、この国は。

2009-10-11

http://anond.hatelabo.jp/20091011150733

その前に、サービス産業ボロボロになって、失業率が上がって、女性の就労どころじゃなくなるかと

現在の税バランスの調整は、生活が困窮している層にはメリットがあるが、

可処分所得を直撃する税制。

可処分所得が大きい、高所得者層は平気だろうが(可処分所得が大きいので、個人事業主にして経費落としができるので痛くない 上に所得税が20%~50%から15%に減額 お得)

可処分所得が、もともと小さかった中所得者層は、家賃生活費でカツカツになる。(結果 増税

低所得者層は、もともと、家賃生活費でカツカツ。(増税されるも、給付がお得)

何が起きるかというと、移民が増えるので人口は増えるが、家賃生活費に消えていくという事で、サービス産業に金が周らない。

まず直撃するのが、外食だろうね。低中そろって、自宅で食べるが基本にシフトするだろうから、いくつか潰れるだろうね。

いままで主な利用者だった中が外食しない組みにはいることで、特にファミレス当たりしんどいだろうね。

その他、衣料品はじめ高額品を扱っているところは、いくつか直撃するだろうね。ブルジョア向け以外。

結局、上はさらに上に、中間ぐらいは下へ、下はやや上にという政策だけど、結局、格差拡大するだろうね。この税制だと。

結果、デフレで、失業率上がるだろうね。

人口増加で失業率増加だから、そうとうしんどいだろうね。

2009-05-13

http://anond.hatelabo.jp/20090513013347

会社ってのは、予約が埋まってくれれば誰でもいいのだ。

増田が予約が取れなくてもイベントに参加できなくても、会社はぜんぜん困らない。

無駄に早くから予約入れられるのも、会社にしたら迷惑で非効率的。そんなもん無視でいい。

電話番は、増田みたいな面倒な奴を回避するために、安く使えるのを置てるだけ。

そもそも日本サービス産業生産性は低いしね。

でもって、予約が取れなかったら、それは増田自己責任

これが新自由主義市場至上主義)の本音。

ま、新自由主義市場至上主義)とか恨んでおけってことだなw

2009-05-04

http://anond.hatelabo.jp/20090503072508

ニッチな高付加価値製品の少量生産サービス産業を中心とした、新しい情報化社会

戦略としてはありきたりだなあ。今言われてることじゃん。

わたしたちが社会に出る頃には、すでに団塊の方々が引退してくれているからです。

戦術としては「果報は寝て待て」なんだな。さすがはゆとりだが、ちょっと受身過ぎないか?

団塊の世代に認められて出世するのって、マインド的に団塊世代を引き継いでるんだよな。

マインドセットが入れ替わるまでには団塊世代の引退ぐらいじゃ無理な気がするな。

2009-05-03

ゆとり世代未来が明るいただ1つの理由



私は90年代前半生まれの、新人類ジュニア、またはゆとり世代です。


わたしたちは、平成の大不況による「ロストジェネレーション」の次の次くらいの世代です。失われた時代に幼少期を迎え、ファミコンがすごく古めかしいシロモノに見えて、物心ついたときはITバブルで、小中学生からカメラ付きケータイを持ち、ハチロク世代以上に情報機器と融和した生活をしてきて、受験勉強をしながらサブプライムの崩壊と世界同時不況を眺めてきた、という世代です。

はてな」の年齢層を正確に知っているわけではありませんが、わたしたち子供と、この文章を読んでいる増田のみなさんは、せいぜい、10~20くらいの年齢差でしょうが、世代における平均的な価値観は大きく違っていると思います。ずっぷりゆとり教育に使っていますから。(もちろん、同世代の方もいらっしゃると存じますが)


さて、その、わたしたちゆとり世代未来(「日本未来」とも言えますが)は非常に明るいものであると思っています。

理由はとても簡単です。

わたしたちが社会に出る頃には、すでに団塊の方々が引退してくれているからです。

現在50~60代の彼らが、団塊ジュニア層に日本の「支配者ポスト」と「既得権益」を渡すその瞬間が、日本が変わり始める瞬間になるのです。わたしたちが生きる日本を地に落とし、ロスジェネを生み、現在社会問題の大半を生み出したのは、団塊の世代です。社会の中枢で、バブルバブル崩壊、それに続く長期不況引き起こしたのは彼らです。その上残念なことに、世の中が動き出している今も、彼らはまだ、支配者層に居ます。彼らが既得権益にしがみつき、私たちの上の世代である現代の「若者」層に痛みを押しつけているもうしばらくの間は、暗いニュースが流れ続けるのでしょう。

でも、わたしたちは幸運です。

わたしたちが社会に出る頃には、支配者層の世代交代が始まっています。痛みを知っている世代層が、社会の中枢を担っていきます。こうしてようやく、高度経済成長期の遺物、年功序列大量生産・輸出型経済のような旧世代的産業構造が崩れていき、日本社会ニッチな高付加価値製品の少量生産サービス産業を中心とした、新しい情報化社会適応するのです。

なんとわたしたちはタイミングよく生まれたことでしょうか。

さて、わたしたちには、もう少しアイドリングする時間があります。ただその間、「ちょっとだけ上の世代」には痛み苦しみ、時間稼ぎをしてもらうことになるでしょう。わたしたちは、その時間を使って、もうしばらく、「そこそこの努力」をしておきます。

数年後、良くなり始めた日本社会に飛び出しても、ちゃんと社会歯車として機能し、「そこそこの幸福」をつかめるように。


では、わたくしはリア充学生ライフを満喫せねばならないので、みなさん頑張ってください。ごきげんよう

2009-03-09

最近若者日本ものづくりを殺そうとしているのではないか

理系離れについて、大学生の兄に聞いてみたところ、完全に軽視していてやばいなーと思った。

・電化製品は安物でいい。本当に必要なのだけ買うけど、それもネットで調べて良かったら買う。

・だから、国内に工場とかいらないと思う。中国生産すればいいじゃん。

自動車なんて乗らないからいらない。

サービス産業内需拡大ができればいいから輸出の製造業とかもいらなくね?

と言っていたので、違うよ!と反論してみたのだが、よくわからない様子。

わかりやすくするためにいろいろ例えを出したのだが、それもだめだった。

製造業人材を提供している理工学部なんかはどうなるのか→別にいらない。

・そうなると理科とか数学とか科学的なものもすたれていくよね?→衰退すればいいんじゃない?

と言っていた。

これからを担う若者たちがみんなこういう考えだったらマジで日本終わるなーと思った。

自分たちは何も産業を創り出さないくせに、産業を殺す方向にしか考えがいかず

その理由は、別に買ってもしょうがない、という『必要でなければいらない』という発想。

何故工業製品お金を払うことに対して積極的ではないのだろう?

不況もあるとは思うが、そんなこといってたら不況ならば科学は廃れて当然なのか、というお話になってしまう。

なんでだろう?

2009-01-27

[][]競争力生産性、時々床屋

クルーグマン「良い経済学 悪い経済学」p53(日経ビジネス人文庫

経済概念に対する誤解がいくつもある。たとえば、世界市場競争している産業生産性は、貿易対象にならないサービス産業生産性よりはるかに重要だとプレストウィッツは主張している。輸出産業賃金によって、経済全体の賃金水準が決まるのがその理由だという。たとえば、アメリカ第三世界に比べて、製造業労働者生産性がはるかに高いので、アメリカの理容師も、生産性の面でそこまで優位に立ってるわけではないが、高賃金を得られるという。

しかし、プレストウィッツは、逆の関係も成り立つことに気が付いていない。

先進国床屋途上国床屋より何倍も稼ぐのは、先進国世界市場競争してる製造業生産性を大幅に押し上げ、それがさほど生産的でもない床屋に、ずっと高い賃金水準をもたらす、と言うのは誤解か。

この誤解って、一向になくならないよな。

競争力とか生産性重要だ、と言う人ってたくさんいる。

マクロ経済学って、難しいね。

しかし、プレストウィッツは、逆の関係も成り立つことに気が付いていない。サービス業生産性は、製造業労働者実質賃金に影響をあたえているのだ。アメリカ製造業生産性は高いが、理髪業の生産性はそれほど高くないため、高賃金の理容師がはたらくアメリカの理髪店では、第三世界の理髪店に比べて、散髪代がはるかに高くなっている。この結果アメリカ製造業労働者実質賃金(つまり散髪も含めて、どれだけの財とサービスを購入できるかという基準で見た賃金)はアメリカの理髪業の生産性がもっと高かった場合より低く抑えられる。注意深く考えていけば、実質賃金経済全体の生産性によって決まることが分かるはずだ。製造業生産性、あるいは貿易対象になる産業全体の生産性を特別に扱って、他の産業生産性以上に注目すべきだとも、支援策をとるべきだとも言えないはずである。

製造業貿易対象になる産業を特別視するのは間違いか。

でも普段の経済ニュースではこれと全く逆だよな。

2008-11-06

[][]2008年11月3日 朝日新聞 スティグリッツインタビュー記事 全文

米国は「毒のモーゲージ住宅担保債権)」を世界中にばらまいてしまった。

サブプライム住宅ローン証券化による不良債権のことだ。そのせいで世界が危機に陥り、苦しんでいる。

1929年に始まる大恐慌の時は、危機が主に貿易関係を通じて世界に広がったが、今回は金融市場を通じてグローバルな危機を招いた。責任はまず、金融界やモーゲージ業者、そして私が「共犯者」と呼ぶ格付け会社にある。背景にあるのが、自由な市場経済を口実にしたブッシュ政権規制緩和企業優遇策だ。

問題は経済思想だけではない。イラク戦争アフガン戦争富裕層向け減税は、米国経済を弱体化させ、財政面でも金融面でも政策への重圧になった。それが連邦準備制度理事会FRB)にしまりのない金融政策をとらせたとも言える。FRBにも不良債権の毒を爆発的に広げた重大な責任があるが、とりわけ非難されるべきはブッシュ政権の政策だ。

我々は歴史経験を通じて、危機を大恐慌に転化させないための知識や政策手段を持っている。米国経済サービス産業化や労働者パート化も、かつてのように失業率が高まるのを阻んでいる。それでも恐慌の再現を防げるかどうかは、政府の行動いかんだ。

苦い教訓として思い出さなければならないのは、97年から98年にかけて起こったアジアなどの金融危機だ。米国国際通貨基金IMF)も正しい方策を採らなかったために、インドネシアなどで金融システムの崩壊や深刻な不況を招いてしまった。知識や政策手段があっても、正しく行使しなくては役に立たないのだ。

今回の危機に対し、ブッシュ政権は、巨額の金を金融界につぎ込めば他の人々もいくらかは助かるだろうという「トリクルダウン」(金持ち企業が富めば、そこからしたたり落ちた富で全体が潤うという考え方)の手法を取っている。企業を助けるだけで、働く人々を助けようとはしていない。何もしないよりはましかもしれないが、まずいやり方だ。

ウォール街の特殊利益を優先する「企業温情主義」の発想が、正しい政策を阻んでいる。ポールソン財務長官バーナンキFRB議長は、もはや市場の信頼も米国民の信頼も失っている。

米国政府がまずなすべきは、ローン返済に行き詰まった人が、担保の住宅を失うのを防いだり、失業者を支援したりする事だ。景気を刺激して、経済を回復に導かなければならない。予定されている減税は速く実施すべきだし、インフラ整備も必要だ。高速道路建設も有効だが、長期的な視野に立って地球温暖化対策に力を入れ、「グリーンアメリカ」をつくるべきだ。

民主党はそういう政策を掲げている。しかし、(11月の大統領選民主党オバマ候補が当選しても)新しい大統領が政策を打ち出す来年1月の就任式まで、まだ3ヶ月もある。この期間中、共和党内の支持すらも失ったブッシュ氏が大統領の座にあることが、対策を遅らせる要因になっている。

この危機をきっかけに新自由主義は終わりを迎えなければならないと思う。規制緩和と自由化が経済的効率をもたらすという見解は行き詰まった。

ベルリンの壁の崩壊で、共産主義が欠陥のある思想であると誰もが理解したように、新自由主義市場原理主義は欠陥のある思想である事を、ほとんどの人々が理解した。私の研究はすでにそれを説明してきたが、今回は経験によって示された事になる。

基軸通貨としてのドルと、米国の役割も、やがて終わっていく事は明らかだ。

ただ私がすでに著書「世界格差をばら撒いたグローバリズムを正す」(原題はMaking Globalization Work)に書いたように、各国が保有する準備通貨がドルから二つや三つに分散すれば、より不安定なシステムになってしまう。

もし、ドルとユーロの二つになれば、米国に問題がおきたときは、みんながユーロ買いに殺到する、逆に欧州に問題が起きれば、ドルに殺到するだろう。それでは不安定きわまりない。

結局のところ、特定の通貨依存しない多角的でグローバルな準備通貨システム、すなわち「グローバル紙幣」が必要とされているのだ。それは各国通貨バスケット方式であり、IMFのSDR(特別引き出し権)を恒久化したようなものだ。ケインズが44年のブレトンウッズ会議でドルやポンドの代わりに主張した国際通貨「バンコール」の現代版でもある。

同時にIMFに代わる国際機関を創設する事も必要だろう。新たなブレトンウッズ会議を開催すべき時なのだ。その意味では、今月半ばにワシントンで開かれる「G20サミット」は、今後のグローバルな金融制度について議論を始める場として意義がある。

しかしそのG20を、もはや誰もが尊敬しなくなっている大統領が主導するのは問題だ。危機を克服するには素早く行動しなければならないのに、それが出来ないという困った状況に我々は直面している。

日本バブル崩壊後の不況を克服するのに長い時間を費やした。今回の危機を長期化させてはならない。

これまで米国は最大の消費国として世界経済を引っ張ってきたが、現在世界危機と不況を克服する上で、「経済成長エンジンの多様化」も必要だ。特に日本の役割は重要であり、できる限り力強い経済成長を実現する事が求められる。

2008-11-02

anond:20081102233412

所詮、弱者連合だと思うし、これって自分の情報が登録されているかどうか照合する権利ぐらいはあるんじゃないか

まあともかくこんな記事が面白かった

派遣法撤廃を要望する中小ソフト業界団体JIET

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080118/291433/

「むごい法律だ」。特定非営利活動法人日本情報技術取引所(JIET)の二上秀昭理事長は、労働者派遣法に怒り心頭だ。このままでは、JIET会員企業の中小ソフト会社は事業縮小など厳しい経営環境に追いやられると危機感を募らせている。

 設立11年を迎えたJIETは、営業力の弱い中小ソフト会社に代わって、システム案件の商談場を設けるなど営業活動を支援してきた。社員50人から 100人規模の中小ソフト会社の会員に数多くの案件を紹介することなどで会員は急速に拡大し、現在約1300社。ソフト業界で最大規模を誇る。

 こうした中、労働者雇用安定などを目的派遣法が2003年度に施行されたが、JIETが問題視するのは派遣法40条の5だ。「派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとに同一の業務について、派遣元事業主から3年を超える期間継続して同一の派遣労働者の係る労働者派遣の役務の提供を受けている場合において、当該同一の業務に労働者を従事させるため、当該3年を経過した日以降労働者を雇い入れようとするときは、当該同一の派遣労働者に対し、雇用契約の申し込みをしなければならない」と定めている。

 つまり3年を経過したら、派遣先ユーザー企業なり、大手ソフト会社なりが派遣者を雇い入れるというものである。「3年間、派遣先に送り込み業務内容の理解度を高めたところで、元請けに持っていかれてしまう」(二上氏)とし、JIETはソフト技術者の適用除外を求める考えだ。「この条項は特別な技能教育を必要としない現業労働者を念頭に置いており、いわば使い捨てのような格好にならないよう、労働者雇用の安定を図ることにある。だが、それをプログラマSEシステムエンジニア)に適用されると、業務に著しい不都合が生じる」というのがJIETの言い分である。

 派遣が増えたのは理由がある。システム構築の業務を遂行するには、ユーザー企業から要求事項を聞かない限り難しい。だからプログラマSEは、ユーザー企業に近いところにいた方が効率的に業務できる。しかし、こうした労働形態偽装請負になりかねないので派遣に切り替えたところが多いようだ。

 それが派遣施行から3年経ったことで、ユーザー企業や大手ソフト会社は、今度は派遣法をたてに派遣者の雇用を始めたという。「我々は1人を採用するのに100万円かけている。さらに教育時間も費やしているのに、やっと1人前になったところで引き抜かれてしまう」(二上氏)と嘆く。

 このためJIETは「プログラマSEは、システム構築に当たり専門的な知識や技能が必要不可欠な専門職だ」と主張し、早急に厚生労働大臣に早期撤廃を要望する方向で準備を進めている。JIETは、情報サービス産業協会などソフト関連業界団体にも撤廃運動への参加を働きかけ始めた。だが、派遣元派遣先もあるソフト団体からは、今のところ同意を得られていないようだ。その場合は、JIET単独でも要望書を提出する決意である。

 今後、IT投資が活発化すれば、ITベンダーや大手ソフト会社中国インドなどへのオフショア開発を加速させるに違いない。派遣先も中小ソフト会社のすべての技術者雇用するとは思えないので、不足分は海外に求めることになるからだ。ソフト会社にとっても本来は稼ぎどきだが、大手ソフト会社や ITベンダー二重派遣をさせないように、下請け管理を徹底化させているのが実態である。

 そうした状況が続けば、もはや中小ソフト会社は立ち行かなくなるのではないか。ビジネスモデルを変革しない限り事業継続が困難になるかもしれない。今までのやり方を改め、例えば得意技を明確にする、新サービスを創出する、中堅・中小企業向けサービスやソリューションを開発するなどを推進する、などいわゆる“何でも屋”から脱却することが重要だ。そこから、ソフト会社の明日の姿が見えてくるだろう。

要するにタコ部屋的商売やめたくないからこんなこと言ってるんだろ

だめだこりゃ

ってか、ここのDBに登録されている会社はむしろやばいってことでいいんかな

2008-06-20

競争力生産性、時々床屋

クルーグマン「良い経済学 悪い経済学」p53(日経ビジネス人文庫

経済概念に対する誤解がいくつもある。たとえば、世界市場競争している産業の生産性は、貿易の対象にならないサービス産業生産性よりはるかに重要だとプレストウィッツは主張している。輸出産業の賃金によって、経済全体の賃金水準が決まるのがその理由だという。たとえば、アメリカ第三世界に比べて、製造業労働者生産性がはるかに高いので、アメリカの理容師も、生産性の面でそこまで優位に立ってるわけではないが、高賃金を得られるという。

しかし、プレストウィッツは、逆の関係も成り立つことに気が付いていない。

先進国床屋途上国床屋より何倍も稼ぐのは、先進国世界市場競争してる製造業生産性を大幅に押し上げ、それがさほど生産的でもない床屋に、ずっと高い賃金水準をもたらす、と言うのは誤解か。

この誤解って、一向になくならないよな。

競争力とか生産性重要だ、と言う人ってたくさんいる。

マクロ経済学って、難しいね。

しかし、プレストウィッツは、逆の関係も成り立つことに気が付いていない。サービス業生産性は、製造業労働者実質賃金に影響をあたえているのだ。アメリカ製造業生産性は高いが、理髪業の生産性はそれほど高くないため、高賃金の理容師がはたらくアメリカの理髪店では、第三世界の理髪店に比べて、散髪代がはるかに高くなっている。この結果アメリカ製造業労働者実質賃金(つまり散髪も含めて、どれだけの財とサービスを購入できるかという基準で見た賃金)はアメリカの理髪業の生産性がもっと高かった場合より低く抑えられる。注意深く考えていけば、実質賃金経済全体の生産性によって決まることが分かるはずだ。製造業生産性、あるいは貿易の対象になる産業全体の生産性を特別に扱って、他の産業の生産性以上に注目すべきだとも、支援策をとるべきだとも言えないはずである。

製造業、貿易の対象になる産業を特別視するのは間違いか。

でも普段の経済ニュースではこれと全く逆だよな。

2008-06-02

http://anond.hatelabo.jp/20080602173609

理系職は基本的に第二次産業だから儲からないのはどうしようもないと思うぞ。

金融の方で未来に分布した価値を現時点で考慮して取引する技術が発達してるように、「イノベーションは膨大な凡人理系の死骸が作り上げる巨人の肩の上に乗った天才が起こすものである」とかいってイノベーション価値を凡人理系にも配分する仕組みを作ればいいのかもしれないけど、「じゃあ巨人部品になれる凡人となれない凡人の違いは何よ」って話になるし、「めんどくさいから一番設けた奴が一番偉いってことでいいっしょ」となるのがビジネスマン的思考だろう。

文系社会で一番稼いでる奴は必ずしも一番価値を生み出した奴ではなくて、「俺はすげー価値生み出してるぜ」と周りに信じ込ませるのが一番上手い奴であることが大半だし(信じ込ませれば金出す奴がいっぱいいる)、そもそもサービス産業って本質的にそういうとこあるし。

実直にモノ作らなきゃいけなくて、人間じゃなくて自然が相手だから口先で誤魔化すこともできなくて、製品が厳密に決定するから価格自由度も低くて、「まぐれ」が効くこともあまりない理系仕事じゃ金にならないのは当然だと思うよ。「世の中そんなに馬鹿ばかりじゃない」という前提が成り立つならそうでもないかもしれないけど、絶対に成り立たない前提だしね。

一応言っとくと俺は生粋理系(理論物理専攻)ですよ。

2008-05-29

IT業界の重鎮v.s.学生 2008春

IPAX2008で行われた公開対談シリーズ。もちろんはてブでも大人気だ。

ちょっと参加者の比較をしてみよう。

前回(IPAフォーラム2007) http://www.atmarkit.co.jp/news/200710/31/ipa.html

情報サービス産業協会会長(NTTデータ取締役相談役) 浜口友一

TIS代表取締役社長 岡本

IPA理事長(当時) 藤原武平太

v.s.

東京大学筑波大学日本電子専門学校現役学生10人

そして今回(IPAX2008)

http://www.atmarkit.co.jp/news/200805/28/ipa.html ・http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080528/304458/

CSKホールディングス取締役 有賀貞一

コムチュア代表取締役社長 向浩一

IPA理事長(元NEC代表取締役社長) 西垣浩司

v.s.

慶應義塾大学九州大学千葉工業大学東京情報大学東京工科専門学校から各校2名の学生

東大を外した時点で日本若者による産業議論としては終わってると思う。せめて京大くらいは入れるべきだった。

会社側の顔ぶれを見ても、正直ちょっと物足りない。業界リードするような魅力ある会社の役員を迎え入れて議論すべき。

結局疲弊した現場の罵りあいに終始する、志の低いつまらんトークに終始してしまった感が否めない。

まあ、プロレスとして見れば面白いか?

ところで

田口氏は「日本学生ぬるま湯につかっていて頼りないという話になっていますが、実は日本企業ぬるま湯ということですね」とまとめた。

http://www.atmarkit.co.jp/news/200805/28/ipa.html

あー、こういうのを上から目線って言うんですか?

2008-01-28

製造業賃金水準 クルーグマンプレストウィッツ、山形の説明

クルーグマン「良い経済学 悪い経済学」p53(日経ビジネス人文庫

経済概念に対する誤解がいくつもある。たとえば、世界市場競争している産業の生産性は、貿易の対象にならないサービス産業生産性よりはるかに重要だとプレストウィッツは主張している。輸出産業の賃金によって、経済全体の賃金水準が決まるのがその理由だという。たとえば、アメリカ第三世界に比べて、製造業労働者生産性がはるかに高いので、アメリカの理容師も、生産性の面でそこまで優位に立ってるわけではないが、高賃金を得られるという。

しかし、プレストウィッツは、逆の関係も成り立つことに気が付いていない。サービス業生産性は、製造業労働者実質賃金に影響をあたえているのだ。アメリカ製造業生産性は高いが、理髪業の生産性はそれほど高くないため、高賃金の理容師がはたらくアメリカの理髪店では、第三世界の理髪店に比べて、散髪代がはるかに高くなっている。この結果アメリカ製造業労働者実質賃金(つまり散髪も含めて、どれだけの財とサービスを購入できるかという基準で見た賃金)はアメリカの理髪業の生産性がもっと高かった場合より低く抑えられる。注意深く考えていけば、実質賃金経済全体の生産性によって決まることが分かるはずだ。製造業生産性、あるいは貿易の対象になる産業全体の生産性を特別に扱って、他の産業の生産性以上に注目すべきだとも、支援策をとるべきだとも言えないはずである。

クルーグマン「良い経済学 悪い経済学」p117-p118(日経ビジネス人文庫

賃金はその国の平均生産性によって決まってくるのであって、ひとつの工場生産性によって決まるわけではない。ある国に最先端の工場がいくつかできても、その国の平均生産性はそれほど上昇せず、したがって、賃金が高くなるとは予想されない(そして、全体的な生産性は低くても、小数の製品アメリカに近い生産性を達成できた国は、そうした製品を輸出するのが通常である。経済学ではこれを比較優位と呼ぶ。)

プレストウィッツによると、アメリカ第三世界に比べて、製造業労働者生産性がはるかに高いので、アメリカの理容師も、生産性の面でそこまで優位に立ってるわけではないが、高賃金らしい。

クルーグマンによると製造業生産性、あるいは貿易の対象になる産業全体の生産性を特別に扱うのはよくないらしい。また、最先端の工場がいくつかできても、その国の平均生産性はそれほど上昇しないらしい。

山形浩生

日本床屋官僚ガーナの 20 倍稼ぐのは、生産性が 20 倍だからではありません。両者の生産性は似たようなもので、せいぜいが倍ってとこでしょう。

そこでぼくは、全体としての賃金水準がその経済の平均的な生産性で決まるんだと指摘しました。そしてその平均的な生産性押し上げている要因の大きな部分は、製造業生産性です。トヨタソニー任天堂が、ガーナでの相当産業(またはその他貿易財製造業)より何万倍も高いから、それが平均的な生産性を大幅に押し上げ、それがさほど生産的でもない他の職業についても、ずっと高い賃金水準をもたらすんだよ、と。

http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20070219/p1

山形によると日本床屋官僚ガーナの 20 倍稼ぐのは、製造業が平均的な生産性を大幅に押し上げ、それがさほど生産的でもない他の職業についても、ずっと高い賃金水準をもたらすという事らしい。

2007-04-22

http://anond.hatelabo.jp/20070422162842

消費社会において商品価値を創り出すテクノロジー(広義のテクノロジーだよ)は、

人文学的な知と関係が深いよ。

今はほぼ全ての産業がイメージ産業でありサービス産業になってしまったから。

いわゆるテクノロジー(狭義のテクノロジー)が即座に商品価値には繋がらなくなってしまっている。

2007-02-12

http://anond.hatelabo.jp/20070212165304

前回述べたように、こうした企業が高い生産性を実現できるのは、その他の人々の支えがあればこそ、ではある。そうはいっても、やっぱり肝心なのはすさまじい労働生産性を達成している製造業なんだよ。

とりあえずこれを信じることにして(http://anond.hatelabo.jp/20070212044554って意見はあるけど)、これと

実はサービス業の多くは、あまり生産性が高くないんだよ。(中略)でも、だからこそ第三次産業/サービス産業雇用吸収力がある。

http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20070204/p1

これで、何故

人は仕事がないことに耐えられるか、一パーセントに養われる存在に甘んじられるか、という問題設定はそもそもがナンセンスだ。

http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20070204/p1

になるのかさっぱり分からん。

ただ単に生産性の高さと雇用吸収力は別で生産性が低いからといってなくしてもいい仕事ではないって話では?

生産性の高い仕事(製造業?金融?)が出来る人に生産性の低い仕事(サービス業}させるのは労働力無駄使いでしょ。生産性が高い人だって働ける時間は有限だから、わざわざ他の人でも出来ることをさせるのは全体としてみると非効率。

わるい子

単にオイラの読解力が無いだけかもしれない、という言い訳から入るけど。

http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20070211/p1

別に『賃金水準は、絶対的な生産性で決まるんじゃない。その社会の平均的な生産性で決まるんだ。』って部分にそんな文句はないけど、とにかく煽りすぎだろこれwwwww

前回述べたように、こうした企業が高い生産性を実現できるのは、その他の人々の支えがあればこそ、ではある。そうはいっても、やっぱり肝心なのはすさまじい労働生産性を達成している製造業なんだよ。

とりあえずこれを信じることにして(http://anond.hatelabo.jp/20070212044554って意見はあるけど)、これと

実はサービス業の多くは、あまり生産性が高くないんだよ。(中略)でも、だからこそ第三次産業/サービス産業雇用吸収力がある。

http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20070204/p1

これで、何故

人は仕事がないことに耐えられるか、一パーセントに養われる存在に甘んじられるか、という問題設定はそもそもがナンセンスだ。

http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20070204/p1

になるのかさっぱり分からん。教えてエロイ人

はてなに巣くうお気楽大学生どもが、バイト途上国高級官僚の何倍ものお金を稼げるのも、究極的にはシャープソニースズキのおかげなんだよ。腐ったアーティストだの、エコロジストだの、勉強不足の新聞記者だの大学教師だのが高い給料をもらってのほほんとして、大企業批判にうつつをぬかしていられるのは、実はかれらが往々にして忌み嫌う大企業大量生産システムのおかげなんだ。2ちゃんねるに巣くう(一部の)くされニートどもだって、その安楽な生活はかれらがとかく批判したがる大企業が高い生産性を実現している余剰にたかっているだけなんだよ。

んじゃもう、生産性的に(比較的)労力の無駄食いが多い部分なんてゴリゴリカットして、99%ってのは多少言いすぎにしても、これからは大企業様の恩恵を賜りながら僕ら皆でニートしてりゃいいんじゃね。マジで。出来ればその方がシアワセだと思うよ、僕は。

後どうでもいいかもしれないけれど

もっと卑賤なほうへ! メイド喫茶の女中さんがいる。日本の女中どもは、やはりメイド喫茶のあるタイの女中さんの数十倍の時給だ。どうして? 日本の女中さんはなんか手際がいいの? 目にもとまらぬはやさでオーダー取るとか? 「お帰りなさいませご主人様」というのを 100 倍の速度で言えるとか? 日本ならタイ女の子の 100 倍の媚びを売って、萌え度 100 倍、タイの女中喫茶なら平気なキモヲタくんが、アキバの女中喫茶だと店に入った瞬間に萌えオーラでいきなり射精とか? ねーよ。

ここの小見出しが『生産性の国際比較――サービス業は世界的に大差ありませんわよ』なんだが、サービス業をこんな感じで比較することに意味があるのか?よくわからん。タイでティーポット傾けられても、日本のご主人様のティーカップには一滴たりともお茶は入ってこねーべ。

「ゴッドランド経済学」で生産性の話を書いて、インドから戻ってきてみると反応がいろいろついてた。

ではワタクシはしばらくガーナにいってきますので、みんないい子にしているんですよ。

あー、感覚的に世界を縮めまくってるとか?

それなんてストレイト・クーガー。

たとえば、ぼくは先日、ウィリアムバロウズアレンギンズバーグ麻薬書簡』という本を訳した。所要時間は一日半。しかも品質最高。一方、この本には既訳があって、某大学先生がどっかに缶詰にされて「たった二週間で仕上げた」と自慢し、しかも「やっつけ仕事だ」と自負なさるとおり、目を覆うばかりのまちがいだらけ。この場合、ぼくの生産性と、この大学先生の生産性のちがいは簡単に計算できる。時間だけで見ても、ぼくの翻訳の生産性はこの先生の 10 倍弱。品質を考慮すれば 20 倍以上だろう。

どれだけ数量作れたって、価値が無けりゃ意味が無いんじゃないんですか先生(いや、別に翻訳本に価値が無いって言ってるわけじゃないです)。生産性って生み出した物そのものによるのか?生み出した価値によるんじゃないのか。

上のメイド喫茶の話でもそうだけど、なんかこの辺りが(主に僕の中で)よく分からんことになっとる気がする。タイで「お帰りなさいませご主人様」って言われても、その笑顔も見えなきゃ声も届かない日本のご主人様にとってはほぼ無価値だもんなぁ。

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