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2023-07-31

anond:20230731001659

ニンテンドースイッチゲーム50本遊んで感想書いたのでまとめ(23〜47)

探偵・癸生川凌介事件譚 永劫会事件

携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第十弾。

シーズン1最終作ということで、今までの縦筋として伏線が貼られていた過去事件永劫会事件がついに描かれる。

今までの癸生川シリーズ全部盛りな贅沢な作品で、ミステリらしい意外な展開、文書の書き方で読者を騙すものマルチサイト構成の妙、小説として情緒的な染みる文章と、良かったところが沢山ある。

シリーズを通じての伏線が回収される展開も多いため、必ず全作遊んでからここに辿り着きたい。

人によってはこの作品シリーズで一番に据える人がいそうな、ゲームとしての完成度は抜群だった。


探偵・癸生川凌介事件譚 対交錯事件

携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第六弾。

マルチサイトシステムを導入していて、伊綱さんと、生王の視点を行き来しながら事件を追う。

構造自体に仕掛けがある系の作品になっていて、ミステリやってる感がかなり強い。

人によってはこの作品シリーズで一番に据える人がいそうな、トリックの魅せ方としての完成度は抜群だった。


探偵・癸生川凌介事件譚 白鷺に紅の羽

携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第四弾。

助手の伊綱さんの過去編で、とても情緒豊かな小説的な作品

もちろん、ミステリらしい意外な展開や、文章での表現を利用したトリックなどもあってそちらも楽しめる。

人によってはこの作品シリーズで一番に据える人がいそうな、物語としての完成度は抜群だった。


少女首領の推理領域 -黄金島の密約-

株式会社オレンジロマンティックミステリの第二弾で、女性主人公事件捜査して解決しながら男性キャラといい感じになっていくストーリー

普通女子大生が突然マフィアボスになるという突飛な開幕ながら、割と丁寧で良い意味で地味な捜査解決をしていく。

とはいえマフィアボスらしく、違法行為をしてでも事件の手がかりを集めるところなんかは今作独自の魅力があり、このシリーズ女性主人公の成長も魅力なんだけど、今作ではマフィアボスらしくなっていくという本当にその方向で成長していいのか? と困惑しながら遊ぶことになる。

そして本当にマフィアボスらしくなっていくのが本当に面白くて、好きなところだ。


ルートフィルム

あのルートレターシリーズ的には続編に当たる角川ミステリシリーズの第二弾。

奇作、怪作としか言いようがない前作とは違い、しっかりと地に足が着いた丁寧な良作だった。

主人公八雲マックス映像作家としての矜持を持つプロに徹する人間性なのも好印象で、熱苦しいものの痛快な好男子で好きなキャラだった。

またもう一人の主人公新人女優のリホも駄洒落に拾い食いと評されるひょうきんなキャラで、主人公がどちらも魅力的な作品だった。


ゴシックマーダー-運命を変えるアドベンチャー-

株式会社オレンジロマンティックミステリ第一弾で、女性主人公事件捜査して解決しながら男性キャラといい感じになっていくストーリー

主人公他人の死を夢で予知できる能力を持っているが、メイドという立場なのでそれをありのまま報告しても信じてもらえないので、色々と工夫して殺人事件を阻止するという展開。

この夢で見た予知の死を覆すという展開が短編連作的に続くのだけど、どれも同じ人、攻略対象で主人として支えている男性キャラの死を予知するため、何してもこの人死ぬじゃん、とシリアスな笑いを感じてしまったのは不謹慎から反省したい。

貴族平民という立場の差のエピソードなどは興味深く、伝えたいことの取捨選択がしっかりしてて短いボリュームながらしっかりまとまっている好きな作品


バディミッション BOND

ニンテンドーコーエーテクモがバディを組んで送る超贅沢なアドベンチャーゲーム

タイトルの通り二人組の関係性がかなり重要キーワードになってくるが、あくまでバディなので男女問わず楽しめる王道ストーリー

舞台となるミカグラ島に住む市井の人々にもサブエピソードがいっぱいあって、モブキャラ活躍する展開が大好きな自分としてはそちらの方向も嬉しかった。

ヒーローを目指す主人公ルークに延々とずっと辛い展開が続くので、遊ぶ手が止まりかけるほどだったのだけど、バディのアーロンがそれを引っ張り上げる展開が熱くて沸る燃えるゲームだった。


幻想牢獄のカレイドスコープ

女の子万華鏡、といえば何をやっても良いと思ってるゲロカス美少女デスゲームもの

ふわふわした可愛い4人の美少女が、罵倒有り暴言有り暴力有り可愛げ無しのデスゲームに巻き込まれながら、剥き出しの人間性露出していく。

そんな残酷なデスゲームの間に、いかにもな可愛い萌え過去日常パートが挟まり、この落差の凄まじさが独自の味わいになっている。

罵倒シーンの声優さんの熱演も見所で特に茜屋日海夏さん演じる五条風華暴言下品すぎて、日常パートでの可愛さとの差が凄かった。


死印

ダンジョンRPGの老舗エクスペリエンスが送るホラーアドベンチャーで、怪異の噂をDRPGのような探索パートで調べてからRPGボス戦のような怪異との対決パートに挑む構成で、テキスト主体アドベンチャーゲームらしくない画面構成になっている。

とはいえ、要するにで言うと、事件の手がかりを見つける捜査パートと、容疑者を追い詰める尋問パートみたいなもので、怪異と言いながらも探索パートで手に入れた情報からフェアに対決パート選択肢を推理可能なように作られている。

RPGっぽいパラメーターの表現フレバーに過ぎず、テキストをしっかり読むことが大切なので、そういうゲームが苦手でも問題なく遊べた。

印人と呼ばれる仲間を連れて探索するのが特徴で、中年男性ながらかなり露骨ツンデレキャラ萌え真下悟さんが僕はお気に入り


普通

THREE-3つの記憶-

三つしか記憶を保持できない主人公自身恋人をなぜナイフで刺したのかを巡るサスペンスコマンド選択ADV

時系列未来から過去へ進んでいくため行き来する渋谷の街のモブキャラ達にも物語があり、当時の雰囲気を感じられる。

フラグ記憶出来るにも三つだけという設定をシステムに落とし込んでいるのが見どころ。

ただし、この試みが成功しているのかは若干疑問が残り面倒なだけだったかもしれない。


いづみ事件ファイルVol.1潮騒編

編集者美女としての自覚が強い木戸いづみが担当作家鏡月正宗から無茶振り事件捜査することになるコマンド選択ADV

物語としての起伏は少なく、ミステリというよりはクイズの趣きが強い。

美女自称するいづみの強引な聞き込みパート面白く、話がテンポよく進む。

携帯電話ゲームから移植だが背景絵のクオリティが高くあの当時に遊んでいたらまた違う感想があったかもしれない。


イヌワシ~うらぶれ探偵とお嬢様刑事の池袋事件ファイル~

うらぶれた探偵狗神エイジとお嬢様刑事鷲宮ヒナのバディもの

舞台池袋に住む市井の人々の協力を得ながら様々な事件解決しつつ、エイジの相棒でありヒナの兄が死んだ真相も追う縦筋の物語もある。

協力者の面々がかなり優秀な人が多く、主役の二人よりも探偵として優秀なのでは? と思ってしまう良い意味でのテンポの良さが楽しい

システム面では、よくわからないミニゲームや、頻繁に挟まる話に区切りがついているわけでもない暗転など、運営スマートフォンゲーム移植故のシステム的にしっくりこないところがあった。


神田アリスも推理スル

少女同士の恋愛を描きつつ、幾つかの日常の謎を解決する公称ジャンル百合ミステリ

ただ、ミステリ部分は少女同士の恋愛を際立たせるための背景のようなもので、あっさりと進んでいく。

その分、恋愛に関する描写はかなり多めでかつ濃厚なもので、恋と友情の差を自覚しつつ、はっきりと恋愛的な意味で好きになっていく過程が描かれていた。

それだけに短編連作で4つしかエピソードがないのは、良い意味で物足りなかった。


探偵・癸生川凌介事件譚 五月雨は鈍色の調べ

携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第九弾。

白鷺に紅の羽の裏を描く、と言っても時系列人間関係のそれではなくて、モチーフ的なというか、表現が難しいやつだ。

癸生川シリーズを通しての、探偵は何のために事件解決するのかを端的に示した短編になっている。

テーマ性の塊みたいな剥き出しの作品なので好き嫌いは別れそうだけど、僕はかなり好きな方だ。


探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻影殺人事件

携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第八弾、元々はDS版の移植である

久々にスピンオフ短編マルチサイトではなく、いつメン達のいつもの構図。

ただ、ボリュームが多いのにいつもの構図をやるせいで、伊綱さんの推理がひっくり返るのが、少しもったいなさを感じてしまった。

あくまであのいつもの構図は短編や中編だから決まるもので、長編にはあまり向いていなかったかもしれない。


探偵・癸生川凌介事件譚 昏い匣の上

携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第五弾。

ちょっと今まではとは毛色が違い、いつものレギュラーメンバの出番も控え目で雰囲気ホラー寄り。

とはいえ、我らが名探偵癸生川凌介が出てくるシーンは格好良く決まっている。

彼をなぜかホッとすると評するのは、なるほどな意見で、なかなか自己分析が出来ているセリフだと思った。


探偵・癸生川凌介事件譚 音成刑事の捜査メモ

携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第七弾。

今作はちょっと箸休め的なスピンオフ短編で、正直ちょっと読みどころはあまりない。

可愛い可愛いゲーム一言で終わっても良いぐらい犬は可愛い

とはいえ、これだけ遊ばないのも勿体無いので通して遊べば良いと思うな。


探偵・癸生川凌介事件譚 死者の楽園

携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第三弾。

三作目ともなると、いつメンのいつもの構図でいつものやつと簡単に評したくなっちゃうね。

とはいえシリーズを通しての縦筋なんかもで出して、探偵・癸生川凌介事件譚として好きになれる要素が増えていくキッカケも多い。

今作は割と聞き込みや証拠品集めから推理が多く、今までの突飛な発想の飛躍が求められるものじゃないのも特徴的かつ、以降はこれが主になっていく。


探偵・癸生川凌介事件譚 海楼館殺人事件

携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第二弾。

前作の流れは踏襲しつつも、本格ミステリさながらの大胆なトリックが映える面白作品だった。

とはいえこの類の方向性はしっくりこなかったのか、これ以降はもう少し社会派だったり、テーマ性だったり、文章の書き方で読者に対して何かを隠蔽する類の方向性になっていく。

物理トリックの類はゲームだと映えるんだけど、携帯電話の容量の少なさを考えると難しかったんだろうなあ。


探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻想殺人事件

携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズ第一弾。

名探偵癸生川凌介、その助手白鷺洲伊綱、彼らの事件ゲームにしている生王正生、いつもの面々のデビュー作。

伊綱さんと生王が捜査をしてそれらしき答えに辿り着くも、癸生川がどんでん返すいつもの構図は初見だと結構驚く。

携帯電話という限られた容量の中でしっかりとミステリをやろうとする気概が素晴らしい、


マルコと銀河竜

めちゃくちゃ豊富なスチル絵に軽快なBGM、そしてカートゥーン調のアニメーションハイスピード物語が展開していくSFもの

テキストを読むことが主体ゲームって落ち着いた作品が多く、議論をしたり腰を据えてお話を聞いたりが多いんだけど、この作品はとにかく主人公たちが走る! 動く! 飛ぶ! と終始忙しなく動いてばかりで色々な物語が手早く展開していく。

テーマソングの飢餓と宝玉はオープニングテーマでありながら、作品の全てを包括するような歌詞になっていて、クリア後に聞くとまた違った感想になる曲で大好き。

ただ、このスピード感故に細かい部分の整合性説明カットされているのは好みが分かれそうかな。


√Letter Last Answer

奇作としか言いようがない、実写のテキストアドベンチャー

とにかく全体を通じて奇妙な作品で、十数年ぶりに高校時代文通相手との手紙発見して、彼女に会いたくなりその地元島根に向かう。

こんな如何にもな青春振り返り系エモストーリーの導入だが、全くこんなストーリーではなく、罵倒悪口恫喝を繰り返す反社会的主人公に振り回される恐ろしいお話

ストーリーリアリティラインルートによって様々すぎて、突飛な展開が続くかと思いきや、現実的な着地を見せたりと、唯一無二な奇妙すぎる作品だった。


GOODBYE WORLD

インディーゲーム開発者女性二人の関係性を淡いドット絵の演技で描くナラティブアドベンチャー

全てを文章で語らず、キャラクタの演技で語るストーリーが見所でかなり細かい演技が丁寧に表現されている。

また、途中で挿入されるゲームボーイライクなパズルゲームが、レベルデザインでなにかを暗喩しており、キャラクタがなにを感じたのかを、台詞や演技だけでなく、このパズルゲームでも表現しているのが今作独自の特徴的な部分。

なかなかハード現実的な部分が多く、少し心に余裕がある時に遊んだ方が楽しめそうだ。


マリンエクスプレス殺人事件

修学旅行で水中を走る列車に乗り込んだ学生たちの中で起こる殺人事件お話

スペインインディーメーカー作品だが日本サブカルが大好きな人たちが作っているようで、そういうのが好きな人向けの小ネタがたんまり入っている。

とはいえジェンダー政治的な正しさ規定とした問題提起が挟まるなど、日本ではあまり見られないストーリーもあり独自の良さがあった。

殺人事件にまつわる解法も、トリックロジックなどのあれこれではなく、人間関係の妙に重きが置かれているのも、ある種のらしさなのだろうか。


デスカムトゥルー

奇妙なホテルの一室で目覚めた男性がいきなり殺人事件容疑者報道されるニュースを見るところが始まるホットスタートな実写ゲーム

短編ほどのボリュームながら、ゲームシステムを利用した演出や、繰り返しループする世界での面白コメディや、シリアスな男女の恋愛など色々な要素がみっちり詰まってる。

特にヒロインのサチムラアカネは、敵なのか味方なのか、頼れる強キャラなのか守るべき弱い子なのかが目まぐるしく変わる上に、扇状的なシーンも多く、演じている栗山千明さんの魅力が盛りだくさん。

取捨選択がしっかりしてる小粒ながらも好きな作品だ。


48作目以降はこちら

2023-03-12

[]3月11日

ご飯

朝:カップスープチーズクラッカー。昼:袋ラーメン。夜:マクド

調子

むきゅーはややー。お仕事は、おやすみ

探偵・癸生川凌介事件譚 五月雨は鈍色の調べ

携帯電話配信されていたアプリニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているものの第九弾。

今回は、4作目で登場していた伊綱さんの前任者であり、癸生川が唯一自身に並び立つと称していた白鷺洲涼二のエピソード

婚約者借金を代わりに返すために貯金を降ろそうとしたら、事前に父親貯金を盗まれた!」と主張する依頼人の話を聞き調査を始める涼二、その裏には一体何があるのか。

プレイ時間は1〜2時間ほどの短編だが、家族を想う気持ちの尊さと自己犠牲の切なさが存分に詰まった悲しい良いストーリーだった。

癸生川とはまた違った形で優秀な白鷺洲涼二が操作キャラになり、短編という縛りありきなのかもしれないが、捜査はかなりサクサク進む。

そのため今作は事件捜査のロールプレイというよりは、上述した家族愛情を描くことに専念しており、その目論みは見事に成功している。

シリーズでは割とお馴染み感もある文章の書き方で読者を騙すテクニックや、縦筋となるあるシリーズキャラクタの意外な登場による驚きなどが、キチンと依頼人家族愛のエピソードへ繋がっていくのが見事。

依頼人父親母親が何を感じて子供を育てることになったのかが、依頼人言葉で伝えられるのではなく、繰り返される状況に陥るからこそ理解できる構造寄与している。

こうやって物語と関連付けたサプライズ演出は大歓迎、とても良かった。

(ただただ驚きたいだけなら所謂「5分間ミステリーだって驚けるわけでね)

短い作品ながら、ゲストキャラたちの家族エピソード物語の冒頭に答えがあった構図、シリーズを通しての見どころある展開とかなり身が詰まった面白い作品だった。

これで都合九作遊んできたが、次が原作者的な意味ではオーラスとなり、何やらすごい作品であると噂を聞き、ここまで来た十作品目「永劫会事件」だ。

何度も何度も言及だけはされており、今作でもその片鱗が幾つも見えており、はっきり言ってハードルはかなり上がっている。

探偵・癸生川凌介事件譚面白いです。

 
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