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2024-05-18

日産自動車がどういう悪い事やってるかいまいち分からない人へ

まず端的に言うと、日産自動車がやっていることは

調達部門員(※1)による下請事業者(※2)の買いたたき(※3)」である

これは”下請代金支払遅延等防止法通称下請法)”という法令に対する違反行為であり、

早い話、法人としての日産自動車はもちろん、それを行った一社個人も完全なる犯罪者である

そしてゆくゆくは日本経済全体を不況に陥らせる元凶ともなるほどの悪行なのである

度々報道されているのに世間が今一つ騒ぎ立てないのはいまいち聞き慣れない言葉が多く、

日産自動車がやっていることの具体的に何が悪いのかが分からないせいだと思う。

○(※1)「調達部門員」とは?

 ある程度の大きい会社になると、外部業者から物品を買うことだけを仕事としている部署がある。

 それが「調達部門である

 業務内容は購入する物品の相見積複数企業に同じ条件を提示して価格提示させること)候補企業の選定、

 購入先企業の決定、品質納期監視などである

 しかしはっきり言ってこれらは付随業務にすぎない。

 調達部門所属する者、”調達部門員(通称バイヤー)”としてのアイデンティティは何といっても「価格交渉力」である

 良いものを安く買い付ける。

 調達部門出世を目指すなら、これができるかできないかにかかっていると言っても過言ではない。

 営業職が物品を売って売上げを立てるのが仕事なら、調達職は物品を安く買って原価低減をするのが仕事

 そういう職種である

 小中規模程度の企業では誰かが意図せずしてこういう業務自然兼務してるので、「調達」とかいわれてもいまいちピンとこない。

 

 

○(※2)「下請事業者」とは?

 乱暴一言で言ってしまうと、商取引における「弱者」のことである

 厳密には下請法で定められており、詳細は省く。

 件の日産自動車の例に当てはめると、日産自動車は「資本金3億円以上の親事業者(=強者)」とされ、

 その日産自動車取引をしている大部分にあたる企業は「資本金3億円以下の下請事業者(=弱者)」と下請法は定めている。

 日産自動車資本金は現時点で「6,058億13百万円」。ついでに言うと連結従業員数は「131,719名」。

 それに対する外部業者の大半は資本金1千万円以下、従業員数も100名に満たない。

 力差は歴然としている。

 この明かな力差を下請法では定量的明確化し、弱い方を「下請事業者」と定めている。

○(※3)「買いたたき」とは?

 圧倒的強者と圧倒的弱者間の商売では、絶対的な力差による理不尽不利益が生じる。

 これを”親事業者による優越的地位の乱用”という。

 強い方(親事業者はいわば「選ぶ側」。相手自身にとって都合の良いところであればはっきりいってどこだっていい。

 対して弱い方(下請事業者)は「選んでもらう側」。選んでもらえなければ売上が立たず、経営は成り立たなくなる。

 よって「買いたたき」が発生することは避けられない。

 「買いたたき」とは、”通常支払われる対価に比べて著しく低い額を不当に定めること”である

 選んでもらえないと経営ができなくなる相手の弱い立場を見透かして、

 選ぶ側が傍若無人に好きなように身勝手な条件を押し付け振舞う。

 「買いたたき」とはこのような行為を指す。

概要ではあるが冒頭の用語説明し終えたところで、もう一度言う。

日産自動車がやっていることは「調達部門員による下請事業者の買いたたき」である

下請法は「下請取引の公正化・下請事業者利益保護」を目的とした法律である

正化利益保護を害する行為は行ってはならないと定めている法律である

これに日産自動車調達部門員が行っていることを当てはめてみると、

「下請取引優越的地位を乱用して一方的に著しく低い額を不当に定め」、

「下請事業者本来得て然るべき利益を不当に迫害」しているのである

これはもう、れっきとした下請法違反である

買いたたき、すなわち「下請法4条1項5号」に違反

これに対する罰則は「親事業者代表者代理人使用人その他の従業者」に

「五十万円以下の罰金」を処すると定められている。

早い話、法人としての日産自動車はもちろん、それを行った一社個人も完全なる犯罪者である

そしてこの問題は一企業にとどまらない。

内閣府が5/16に発表した1~3月期の国内総生産GDP)速報値は、年率2%減というものだった。

これはダイハツ工業で発覚した認証不正による生産・出荷停止の影響が大きく、個人消費や設備投資が落ち込んだことが一要因とされている。

自動車業界裾野が広い。

日産自動車取引している外部業者数は軽く1万社を超える。

1万社以上の会社にはそれ以上の数の従業員がいて、それ以上の家族がいる。

その家族たちが本来得られるはずの所得が得られなくなるとどうなるか。

当然として消費を抑え、倹約に走る。

すると経済は停滞し、不況に陥る。

日本経済沈没の始まりである

さらに許されないのは、下請事業者本来得られるべき利益の行先である

例えば適正価格1,000円の部品日産自動車が不当に500円で下請事業者から買いたたいたとする。

こうすることによって日産自動車は例えば定価300万円で販売会社に売ろうと考えていた車を

299万9,500円で売っても利益は変わらず、日産自動車が500円値下げすればその車を買おうとしていたユーザー

500円安く買えるようになり、可処分所得が増えることになるが日産自動車はそうはしない。

変わらず300万円で売るのである

そして不当に買いたたいて得た500円は、自分の懐に潜り込ませるのである

調達部門員が自分仕事に箔をつけるただそれだけのために下請事業者を買いたたき、

ユーザーを欺き、

日本全体の経済に悪影響を与える。

これが今、日産自動車という企業が行っている悪行なのである

本来ならば大々的な不買運動をして断固糾弾すべき企業なのである

日産自動車下請法違反の疑いがあるとして公正取引委員会から今年3月勧告を受けている。

普通だったらここで、社内中が下を上への大騒ぎになって是正に躍起になる。

仮にも誰もが知る大企業

それが下請けいじめだなんて、社会的信用失墜もいいところ。

許されるはずがない。

ところが。

冒頭の通り、「調達部門員による下請事業者の買いたたき」なんていわれても、

一体何がどう悪い事なのか、世間一般はピンとこない。

それを見越してかどうなのか定かではないが、凝りもせず、少なくとも今月になっても

相変わらずの下請けいじめを行い、不当に利益を得て、それを社会還元するどころか、私腹を肥やし続けている。

それでもあなたは、日産自動車に対して無関心でいられますか?

2015-08-10

国が『ITドカタ』を解放?しにきてる

閣議決定された「日本再興戦略改訂2015を流し読みしてたら、国が本気で多重下請け構造を無くしてITドカタを解放(または追放)しようとしてたので取り急ぎ転載

IT 産業構造改革による競争力の強化

IT 産業は、もともと、業務プロセスコンピュータプログラミングで書き下していく労働集約的な産業であったが、近年、汎用的なパッケージソフトクラウドサービスの登場等もあり、作業の効率化が図れるようになったことや、IT役割コスト削減から付加価値創造シフトしつつあることから欧米諸国においては、創造的なシステム提供提案による知識・能力集約的な産業に転換が進んでいる。

また、ビジネス変革のスピード対応した、アジャイルと呼ばれる機動的なシステム開発手法の登場やセキュリティリスクの高まりは、システム開発運用に高度なマネジメント能力要求するようになってきている。

しかし、日本IT 産業では、未だに、決められた要件に従ってプログラミング作業を行い納品するビジネスモデルが根強く残り、このため、労働コスト削減のための丸投げ下請け慣行・多重下請構造から抜け出せず、低生産性でかつセキュリティリスクの高い構造に陥っている。

この状況を脱却するためには、丸投げ下請を防止し、能力・成果・リスク等を適切に評価した取引を推進していくことが必要であり、この観点から下請代金支払遅延等防止法下請法)等の法令適用及びその他の取引適正化の取組についての考え方を示した「下請適正取引等の推進のためのガイドライン」の IT産業分野についての見直しを本年度中に行うとともに、下請法違反する取引については、厳正に対処していく。

さらに、本年度中に策定するサイバーセキュリティ確保に係るガイドラインにおいても、情報システム発注者セキュリティマネジメント上の責任明確化し、あわせて丸投げ下請の防止を図る。

上流下流無くなるか

特定派遣も無くなるし(三年猶予あるけど)、ちゃんとしたプログラマの単価が上がる?

なお今のPG首都圏人月単価528,000 http://www.nearshore.or.jp/engineer-charge/

 
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