2020-10-10

客先常駐SE退職代行で辞めた話

3年間、客先常駐システムエンジニアとして勤めてきた。

しかし、元請上司レビューでよく分からないリテイクを何度もされて、何をしてもリテイクされて、解放されたくて退職代行で辞めた。もう義を通す気力など残っていなかった。

次のうち、どちらが辛いだろうか?

自分は役に立っているが、人間関係がうまくいかず、パワハラを受けながら仕事をしている。

自分は役に立たず、人間関係は多少殺伐としているが、特別嫌がらせを受けているわけでもない。ただ、何をしてもうまくいかない場合

辛いのは②だ。自分が役に立てないのは本当に辛い。仕事をしても何も成果物提供できないのは辛いことだ。

背景

客先常駐SE歴3年だが、ずっと同じ客先にいたわけではない。

辞める4ヶ月前に客先が変わった。

今までと言語も変わり、組み込み系に移動したこともあり、未経験と同レベルの戦力であった。

商流

自社→元請→大手IT子会社

だった。

この元請は業界内ではSIerなどと呼ばれる存在だ。この元請の社員がチームリーダーなのが、この社員メンタルをやられて、仕事を辞めた。

この元請社員法律的には上司ではないが、実際は偽装請負でいろいろ指示をしてきていたので、ここでは元請上司と呼ぶことにする。

辞めるきっか

元請上司はチーム内の皆んなから嫌われていた。一貫しない発言、気分屋な言動威圧的な態度。だから辞めたくなる時なんていくらでもあった。

から、辞めるきっかけも些細なことだった。積み重なっていたものが溢れ出したのだろう。

きっかけは、作業の予定と実績をまとめる資料(以下、予実ファイルと呼ぶ)のレビューだった。

作業はこのファイル作成する時点で既に数ヶ月遅れていた。

本来は予実ファイルは初期に作成すべき資料だったが、全体日程が遅れていることもあり、このファイル作成も遅れていた。

予実ファイル作業の洗い出しと、作業完了の予定日を記載するのが仕事だった。作業の洗い出しは完了した。

残りは予定日だが…既に作業は遅れている。予定日なのだし、元々の日程を書いてレビューに回した。

数日後、元請上司レビューでそれを批判された。異常な剣幕で批判された。

既に遅れている予定日を書いてどうする、と。

自分完了できると思える予定日を記載しろ、などという事を1時間余りの罵声と共に言われた気がする。

気がする、というのは、この元請上司言い回しはなんとも要領を得ない、周りくどい言い回しをするので、何を言ってるのか要約するのも大変だからである

自分完了できると思える日程をかけ、と言われても、私はまだその作業したことがない。全体日程も把握してないのだからスタートがいつになるのかすら把握していない。完了予定日を考えるには情報が足りていない。そもそも日程を書けばいいだけのタスクなのだ

なら、元請上司レビュー時に、仮の日程を提案し、その日程で作成するのがベストなのではないのだろうか。

これまでの客先では、予定日は予め定まっており、私のような末端作業員はその予定に合わせて作業をしていた。

予定日までほぼ経験のない末端作業員に決めさせるのは、頭がおかしいと言わざるを得ない。

予実ファイル作成で難しいのは作業の洗い出しであって、作業完了予定日に頭を悩ませるなど、普通に考えてばかばかしいと思える。なぜなら、日付を決められた枠に記載するだけなのだから

しかし、適当に書くわけにはいかない。日付を書くには根拠必要からだ。

しかしその根拠を私は持っていない。

元請上司に聞けば、となるが、彼に聞いてもきっと欲しい情報は手に入らないだろう。元請上司は読解能力が異常に低い。発言も要領を得ない。しかもグタグタどうでもいい事を話し、異常に怒り狂って嫌みたらしく説教を始める。

これは、私が特別嫌われているからなどではない。誰に対しても同じ態度なのだ

ただ私が、客先に入ってばかりで組み込みをほぼ知らないために、それを乗り越えることができなかったということだ。

とにもかくにも予実ファイルレビュー反映で、解決できない問題に陥ってしまった。

チーム内の人に聞いても解決できなかった。

そうこうしているときに21時を過ぎており、退勤することとなった。

この予実ファイル作成が、退職代行で辞めることとなったきっかである

退職代行するまで

何で検索した時か忘れたが、グーグル検索広告退職代行のPRがあった。

(退職代行が流行る前だったので、退職代行を知ったのはこのときに見たのが初めてであった。)

見てから退職したい衝動に駆られた。

この時の私はかなりメンタルをやられていた。上で挙げた予実ファイル問題以外にも、いろんなことがあったからだ。たぶん1日に1回は元請上司バカみたいな問答をしていたと思う。その度にメンタルをすり減らしていた。

出社すれば予実ファイルの、日付を書くだけという単純なのに解決できない問題をやらなければならない。

理解力が低く、しかこちらを下に見て横柄な態度を繰り返す元請上司に、日付を書くための前提知識を引き出せる自信がなかった。

予実ファイルから抜け出したいという強い思いと、この客先にいてもいつかは自分が壊れて破滅が来るという思い、そして低賃金なのにプライドを持って仕事をする必要はないのではないか、という思いから、仕事からとにかく離れたかった。

この日は木曜であった。

1日行けば土日の連休があった。

予実ファイルをとにかく触りたくなかった私は、次の日、仮病で休んだ。

休んだ金曜日と土日の、合計3連休で頭を冷やそうとした。

この3連休毎日温泉に行った。

とても気持ちよかった。ゲームもした。この頃にゲーム内でよく聞いた音楽は、今でも聴くと泣きたくなってくる。

少し気分が落ち着いて、退職代行で辞めなくても、普通に自社に限界だと伝えて、普通に辞めてもいいのではないか?とも思った。

しかし、普通にしていれば、この客先とは離れられても、退職までには至れないと思った。無能レッテルを貼られ、別の客先に入れられて、また低賃金で買われるだけだと思った。同じことの繰り返しになるだけだと思った。

自社への不信感も相当なものだったのは確かだ。偽装請負をするような中小IT企業愛着など持てない。

ただ、この時の私は、楽さに身を任せたかっただけだと思う。退職代行なら楽に辞められる。その魅力に取り憑かれてしまったのだと思う。

普段の私なら流石にこんな不義理なことはしない。精神的に弱っていたのだと思う。

退職代行決行

話は戻るが、仮病で休んだ金曜日退職代行に話を聞いた。

私は退職代行で辞めるという不義理なことをするのだから、せめて辞める理由は自社に伝えたかった。

しかし、退職代行は辞める理由は全く聞いてこなかった。

理由などは伝えてくれないのですか?と聞くと、どうせ辞めれば接点がなくなるのですからそこまでしなくてもいいですよ。と言われた気がする。

とにかく辞めたかったので、理由は話さずに終わった。

私は退職するのに、以下の問題点があった。

客先常駐であり、客先の鍵を常に持っている。

②社宅に住んでおり、退職するなら引っ越し必要である

それでも退職可能ということを聞き、月曜の朝一に最終的に退職代行で辞めるかどうかを決めることにした。

そして日曜日中にお金指定口座に入金し、退職代行に実施の連絡をする。

月曜は自社には連絡しなくても良いとのことなので、何もせず温泉に向かう。

さすがにこの時は開放感でいっぱいであった。

自社関係電話はすべて着信拒否にし、スマホの通知も全て消して、電源までオフにした。

朝早くに家を出たので近くのモーニング食事をしてから温泉に向かう。

退職代行は朝9:00頃に動き出したらしい。電話をしたが担当者が不在だった。担当者に繋がって要件を話した。状況を確認して再度電話することとなった。などなど、逐一連絡をくれる。

11:00頃に退職代行から電話をもらう。

なぜ電話?と思っていると、

自社が損害賠償請求するとか、

引越しの時に払った費用請求するとか、言い出したらしい。

本当は嫌だったが、損害賠償を逃れるためにGmail捨て垢を作り、引き継ぎなどはそのメールアドレスで行うことにし、

引越し費用はどの規約根拠にして請求してるのか、と尋ねることにした。

結局、損害賠償請求されず、引越し費用もこれ以降話にのぼることはなかったが、かなり肝を冷やされた。生きた心地がしなかった。

その後、即日退職になったと伝えられて、会社からの貸与物は客先の鍵も含めて郵便で返却するように指示を受け、また退職届を書く様に指示を受けた。

この頃になるとかなり平常心を取り戻していた。次の日に悲劇が襲うとも思わずに…

退職代行2日目

貸与物をすべて郵便に詰め、退職届と一緒に書留で郵便に出してひと段落していると、一通のメールが届く…。

客先の鍵だけは郵便に入れない様に!直接取りに行きます。と書かれていた。

もう出しちゃったよ…。

今更指示を変更するなよ、とキレながら、でももう出しちゃったから直接手渡ししなくてもすむという安堵感とともに、退職代行経由で状況を伝えました。

昼ごろ…

家のインターホンが鳴り、外で見知った声が聞こえてきます

部長の声です…。

5分ほどインターホンを押しながら名前を呼ばれました。

その後、電話がなります。きっと部長です。スルーします。

また電話が鳴りますスルーします。

部長は車に戻った様で、少し安心しました。

今度は別の番号から電話が来ました。

誰だろう?と思い取ると、住んでいるマンション管理者でした。

私は社宅に住んでいました。マンションの名義人は会社です。

マンション管理者は言います。鍵を部長に渡してもいいですか?と。

私はやめてください、と言います

マンション管理者は、名義人は会社から会社から言われれば鍵を渡さざるを得ない、と言います

何も言えない私を、マンション管理者は、せめて会話だけでもしてください。電話だけでもしてください、といいます

仕方なく私は部長電話しました。

部長は客先の鍵を受け取りに来たといいました。

客先の鍵は郵便ですでに自社に返したというと、激昂して「郵便ダメだと言ったでしょう!!」と言われました。

私は最初の指示通りにしたのだから仕方がない、と述べました。

部長は渋々理解を示して、最後に、

「辞めるのは仕方がないけども、退職代行とかいう変なものを使って辞めるのはあかん。前代未聞や。」

と言い、電話を切り、帰って行きました。

部長に合わずに済んだとはいえ部長訪問にひどく狼狽えた私は、退職代行に電話しました。

この電話はなにかを退職代行に依頼するものではなく、ただただ自分狼狽を人に伝えて落ち着くためのものでした。

退職代行は黙って私の話を聞いてくれました。

退職代行の元々の話では、一切会社個人でやりとりをすることなく、仕事を辞められるということでしたが、

それはあくまでお願いのレベルであり、

今回の様に会いに来ちゃってしまえばそれをとがめることはできないとのことです。

うちの会社は、本社と私のいる支社とが仲が悪く、本社にだけ話を通しても、支社には話がいかないのでした。

退職代行3日目以降

Gmailで引き継ぎなどをしました。

PCパスワードローカルで保存していたファイルの置き場所などを記憶を頼りに伝えました。

Gmailに来た質問を単調に答えるだけでしたが、意外にもGmailには罵詈雑言はなく、質問けが送られてきていました。

退職代行4日目以降

ここまで来るとほぼ事務員との(退職代行を挟んだ)やり取りとなります

この事務員とはぼちぼち仲が良かったのですが、さすがに退職代行で辞めた後はすごく態度が悪かったです。

退職時に守秘義務などを徹底するために誓約書などを書く必要があり、それらが郵送で届いたり、などいくつか手紙でのやりとりもあったのですが、敬称が抜けていたりしました。

手紙の冒頭の

○○様

呼び捨て

○○

になっているなど。

他にも社宅だったので引っ越し必要引っ越し先を聞かれたのですが、教えたくなかったのとまだ決まっていなかったので、転送設定にしておきます、というと、烈火の如く怒り出し、

「そちらがそういうつもりなら、離職票を発行しませんよ!」

などと言っていました。

まあ離職票、結局忘れてたらしくて催促して、退職してから1ヶ月後くらいにやっときましたけどね。

退職代行について

正直、使うべきではなかったのでしょう。

不義理なんてものではないですし、残された人たちに迷惑をとてつもなくかけてしまます

会社名誉を傷つけ、事務員退職を処理するために残業が増え、同じチーム内のメンバー管理職は穴埋めや謝罪に追われたでしょう。

自身も罪悪感に襲われ、退職して1週間ほど経って冷静になってからは快眠できなかったです。

よく巷で、「退職を志願したのに管理職に握り潰され、退職できない様な人に退職代行は便利」と言われています

しかにこの様な、最善の努力をしたのに退職できない場合は便利でしょう。

しかし、私の様に、退職のために自分から動かず、すべて退職代行任せで辞める人もいるのです。

弁明しますと、私の場合退職のために動く気力も体力もなかったのです。元請上司意味不明仕事の数々で気力を失っていたのです。

退職代行はほんとになるべく使わない方がいいです。

ただし、自分が壊れる前には使った方がいいです。

私はたぶん、また同じシチュエーションになったしまったら、、、

退職代行にまた頼ってしまいそうです…。

  • 「そちらがそういうつもりなら、離職票を発行しませんよ!」 脅迫罪成立やな そも雇用保険法違反なので告発すべき 6ヶ月の懲役刑や

  • 素直にやったことない作業なので見積もりできませんと言えばいいだけの話では。 もしくは適当に長めに書いておいて根拠はないですと言うか。

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