はてなキーワード: TESTとは
ここ数年は7月末に日本で一番大きい湖、琵琶湖で行われることが定番になっている鳥人間コンテスト。
夏が近づくにつれ、色んなチームが各地の飛行場でFlight Testを行なって機体の完成度を高めていっている。まさに人生の糧になると思うし、できうる限りの調整を行えたらいいなと思う。
しかし、Youtubeなんかを見てると多くのチームでFlight Test中に機体を壊している。多くの旅客機や戦闘機の事故と同じく、パイロットが原因で起こっていることがほとんどを占めている(と思う)。
せっかく頑張って作った機体が壊れてしまうのはもったいないので、ぜひパイロットには勉強なりトレーニングなりしてもらって、機体を壊さずFlight Testを行なって欲しい。そしていいパイロットコメントによりいい機体を作っていってもらいたい。
迎角、ピッチ角、経路角、取り付け角は全部ちがう。パイロットならこれらを意識して、ほんというと意識しなくても体が覚えているくらいの感覚で操縦できるようになるべき。少なくとも機体に乗ってFlight Testをする段階では。飛行中にパイロットがだいたい分かるのは、ピッチ角のみ。なので、パイロットはピッチ角を目安に飛ばなければならない。それぞれの関係は以下のサイトでもぐぐればでてくる。感覚がつかめるまで、飛行機の模型なり、フライトシミュレータなり、ラジコンなりでトレーニングすべき。失速は迎角をみないとダメだし、高度は経路角をみないといけない。
http://www.aeroskytech.com/english/firstnotions/firstnotions.html
取り付け角は書いてない。取り付け角は、機体の軸と主翼の翼弦のなす角だと考えれば大丈夫。
パイロットは浮き上がったらまずトリムを取らなくてはいけない。トリムスイッチをカチカチやって、自分がいま出しているパワーで水平飛行できるようにする。水平飛行できたら、Airspeedを見て、もし飛びたい速度より速いようであればパワーを徐々に下げ、またトリムスイッチをカチカチやって水平飛行する。落ち着いてトリムをいじること、地上で設定したトリムのまま飛べることなんて考える必要ない。慣れてくれば、この動作は頭で考えなくてもできるはず。
トリムスイッチがない場合はつけてもらおう。操縦デバイスは重要。
パワーは急激に変えちゃだめ。もし大きいピッチ角になってしまってびっくりしてパワーを下げると、一気に経路角が下向きになって迎角が大きくなり、失速する。パワーをゆるめるなら、徐々に下げないとだめだし、そもそも離陸した直後に下げる必要はない。トリムをとればいいだけ。降りるときはパワーを徐々に下げる。とにかく、急激に変えると機体の姿勢が急変するし、パワー効果も変わってしまう。
普通の飛行機は横風が吹いてようがそうでなかろうがあまり気にしない。なぜなら飛行機は横風中だろうが何風だろうが、空気の塊の中を飛んでいるので空力的には変化がないからだ。動いてる電車の中でラジコンの飛行機が飛んでるようなもの。ただし、離陸時には横風が効いてくる。Flight Test中に横風離陸した場合は、すこしラダーを使って風上側に飛ぶようにすれば、離陸後は問題なく滑走路と平行に飛べるはず。琵琶湖でも基本的には同じ。Gustの場合は、また対処が異なるので注意が必要。あと、ローカルな風が変化している場合も注意が必要。あらかじめ頭の中でシミュレーションしておこう。
基本的には、浮いてしまえば横だろうが後ろだろうが前だろうがずっと吹いてる風は関係ない。たまに巡航中の追い風も嫌うチームもあるが、それはほとんど信仰に近い。
これらのことは、色んなサイトにのっている。とりあえずひと通り勉強したい人は、以下のAidがオススメ。ぜひ人力飛行機・鳥人間パイロットには一読しておいて欲しい。
http://www.faa.gov/regulations_policies/handbooks_manuals/aircraft/airplane_handbook/
児童ポルノ禁止法改定案に漫画などが含まれることについて覚書でも書いておこうかと思う。
そのためには、まずアメリカ合衆国における事情を考えたい。というのも、アメリカは"表現の自由市場"という言葉が存在しているように、世界で最も表現に関しては自由のある国だからだ。(そしてその理由は4つほど上げられるのだが本題には関係ないのでここでは置いておく)
まずアメリカにおいて表現の自由の根拠となるのは合衆国憲法の修正第一条であり、その内容は在日アメリカ大使館からそのままコピペすると
合衆国議会は、国教を樹立、または宗教上の行為を自由に行なうことを禁止する法律、言論または報道の自由を制限する法律、ならびに、市民が平穏に集会しまた苦情の処理を求めて政府に対し請願する権利を侵害する法律を制定してはならない。
こんな具合になっている。
まあ表現の自由も無制限の自由じゃなくて、ポルノ(本当はObscenityで意味合いが違うんだけど、ここでは全部ポルノで統一)関係や反社会的言動は規制されるってのが通説で、この覚書では前者にのみ焦点をしぼる。
まず、アメリカにおいてポルノの定義が問題になったのは1868念のRegina v. Hicklinなんだが、当時のイギリス裁判所が採用していた基準に
Whether the tendency of the matter charged as obscenity is to deprave and corrupt those whose minds are open to such immoral imfluences and into whose hands a publication of this sort might fall.
てのがある。通称Hicklin test。で、この判示には三つのポイントがある。
1.ガキに見せたときにアウトかどうか
3.当該作品の社会的価値とかは完全無視して、とにかく該当箇所の効果だけを見る
まあこれだけ見たら分かるようにめちゃくちゃ(政府にとって)緩い。つまりいくらでも言論弾圧できる。
で、アメリカの最高裁は1878年のEx Parte Jacksonで、堕胎だとかの情報も含めたポルノなブツをアメリカの郵便システムを使って送ることを刑事罰化したComstock法案を合憲と判断してよりいっそう規制を強くした訳だ。
まあこんだけ政府にとってゆるゆるなことやってたら下級審もなんか苛々して、もっとリベラルになろうぜ!っていうことで色々と新しい判断が1900年代になって出てきた。その中で一番引用されてるのがUnited States v. One Book Called Ulysses(1933)における判例。ここでは、
という異常に分かりやすい判示をAugustus Handって人がした。
ぶっちゃけ身もフタもない話をすると、1950年代のアメリカってポルノ産業が最盛期を迎えていて、ぎゃーぎゃー騒いで規制しようとしていた保守系の奴らと弁護士グループの戦いの結果こういうことが起きたのであって、そういう意味では今の日本と似ているかもしれない。
Butler v. Michigan(1957)で最高裁はポルノ作品を規制するミシガン州法を廃止させて、さっきのHicklin testを実質的にひっくり返して、Roth v. United States(1957)で新しい基準を出した。それが、
the material must be calculated to debauch the minds and morals of those into whose hands it may fall and...the test in each case is the effect of the book, picture, or publication considered as a whole, not upon any particular class, but upon all those whom it is likely to reach. In other words, you determine its impact upon the average person in the community.
というクソみたいに長いの。
これのポイントも3つあって、
2.当時の社会情勢からしたらどうか(後に社会とは国家全体としてと補足される)
今度は大分書く方にとっては緩くなった。これをRoth Testと言って、この基準はJacovellis v. Ohio(1964)やMemoirs v. Massachusetts(1966)などの判決を通して確認・洗練されていくことになる。二番の要件は地域じゃなくて、国としての社会から見たらどうかになったし、作品の重要性についてもそんな要求しなくもなった。
ただ、ここからがアメリカ連邦最高裁の面白いところで、裁判官が大統領によって任命されるもんだから、大統領が保守派になると、保守的な判決を下す裁判所になる。で、当時の大統領はニクソンで、そのときの最高裁に怒り心頭。裁判長を保守派のBurgerにやらせて色々判断も変えさせた。具体的には、1と3はそのままに、2とさっきの作品の重要性基準が変更されて、
2'.当時の社会情勢の判断基準は州だ
重要性:文学的、芸術的、政治的、あるいは科学的価値を欠くものはアウト
こんなことにした。これが1973年のMiller v. Californiaで判示されたことから、Miller testと呼ばれることになる。
児童ポルノについて
こっから本題。
1982年のNew York v. Ferberが児童ポルノにおいて先駆け的な判決になる。リベラルな判事も保守派の判事も、全会一致で児童ポルノの映像に関する政府の規制をよしとした。
そして、インターネット関係について言えば、2002年のAshcroft v. Free Speech Coaltionがすごい興味深い判例を残していて、子供の役を大人がするポルノは規制されえないとしている!という訳で違憲判決を下された。いや、もちろん他にもまともな理由、例えばもっと緩い方法で規制できるだろとかいうのもあるんですけどね。でも、次の裁判の判決が非実在児童を規制してもいいとする判示をくだしている。
United States v. Williams(2008)より
The statute's (先の違憲判決を受けて作り直したPROTECT Act of 2003のこと 筆者注)definition of the material or purported material that may not be pandered or solicited precisely tracks the material held constitutionally proscrible in Ferber and Miller: obscencematerial depicting (actual or virtual) children engaged in sexually explicit conduct, and any other material depecting actual children engaged in sexually explicit conduct.
もしこの辺の話に詳しい人がいたらじゃんじゃん指摘してください。お願いします。(見ている人がいれば)
追記
ブコメより
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10637547
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10645407
白田先生が表現規制についてすごく分かりやすく説明している動画があったなんて!教えてくださった方(id:Barak)、ありがとうございます!
二つの方が遥かに丁寧で分かりやすい上にちゃんと猥褻(obscenity)とポルノ(porn)を使い分けて厳密な解説をしていらっしゃるので、是非こちらを見てください。