2023-10-09

これから保育所の話をします。読んでいってね!

私は東京都内保育所に勤めています。そして、何度か都内保育所転職経験しました。

私がこれからする話は、過去職場および現在職場を含む東京都内保育所の内容ですので、それ以外の地域保育所には一部当てはまらない事柄があるかもしれません。その点はご了承ください。

さて、皆さんは「保育所・保育施設」とひとくちに言っても、いろいろな種類があることを知っていますか?

認可保育所認定こども園地域型保育事業企業保育所認証保育所、…もっともーっとありますさらにいえば、地域型保育事業も4つに分かれ、そのうちの小規模保育所A型B型C型と分かれていたりするのです。そして、その異なる種類それぞれに定められている規定も異なります。(「保育所 種類 一覧」などと検索するとすぐに出てきます

そして、多くの保育所の主な収入源は何か知っていますか?

保護者が支払う保育料」と答える人も多いかもしれません。もちろん、それだけで成り立つ保育所もあるにはありますが、大半はそうではありません。では何か?正解は、行政自治体から補助金です。

補助金制度の一部を抜粋して書いていきます

保育所の種類が様々と述べたように、補助金の種類も保育所の種類に応じて様々なため以下の内容がすべての保育施設に該当するものではありません※

東京都の多くの地域では保育所で働く職員に対して「宿舎借上げ支援事業(※)」という制度存在します。人材の確保・定着・離職防止を目的として何年も前から実施されており、これはいわゆる借上げ社宅制度のことで、簡単にいえば、物件を保育事業者の名義で契約してそこに住んだら賃料を補助しますよという制度です。月の補助額は約8万円ちょっとエリアによってはそれ以上)、その補助というのももちろん、行政自治体から補助金です。月々8万くらい補助してもらえるのはかなり大きいですよね。「保育士給料が低い!」というイメージがまだ根強いのかなと思いますが、掘り下げてみれば、実はそうではない一面もあります業務量に対してや人の命を預かる責任に対しての給料の低さというのはあるかもしれませんが、「低い」とひとことでは片づけられない側面があるのは事実です。

ただ、持ち家や実家暮らしの人に対してはその制度はもちろん適用されず、住宅手当が借上げ社宅と同レベルで8万円程支給される会社は少ないはずなので、「それなら違った形で一律の補助を出してくれればいいのに…」と不平等さを感じる職員も中にはいるようです。

(※)制度利用には行政自治体保育所により諸々の条件あり

コロナ禍に入ってからは、別業界友達に「保育所が閉まっていた時のお給料は出たの?」「保育所大丈夫?」と心配されたこともありましたが、なにせ補助金はしっかり支給されていましたので何ら心配ありませんでした。社宅の補助にも変化はありませんでした。なんならコロナ禍においては補助金も手厚く、コロナ対策にかかった費用(例えば衛生消耗品)の補助もじゃんじゃか出るようになったみたいです(補助金の上限はあります)。未来永劫続く補助金事業とはいえませんが、これはとてもありがたいことです。

それから処遇改善等加算」。これもまたⅠ・Ⅱ・Ⅲと種類が分かれていて、なんだかややこしい。とりあえず簡単に言うと、Ⅱは決められた職員に対して、一定金額を毎月のお給料の中で支払う必要があるとか、Ⅲは職員の月額のお給料のうちの○%程度の賃金改善を行うための費用としてあてなければいけないとか、いろいろと細かいまりがあるらしい。けれど、どうやら私の前いた保育所ではそれらが補助金として支給されているにも関わらず、それがきちんと行われていないらしい。本当は決まりに従って支払われなければいけないのに、支払われていないらしい。保育現場で働いている皆さん、「私の給料処遇改善のⅠ、Ⅱ、Ⅲに該当する部分はどれですか?」と聞いてみてください。(あなた支給対象でない場合もあるので、そこは注意です!)私は前職の園長経営者に何度もそのことについて質問しましたが、結局、納得のいく回答は最後まで得られませんでした。

補助金について、ここで触れた以外にも、もっともっとあります

次は採用転職活動の話をします。保育現場の皆さん、転職したいな~と思ったらどうします?「保育士 転職」とひとまず検索してみるかもしれないですね。そこには転職サイトがずらり。いろんな会社がいろんなサイト運営しています

正直、われわれのような転職する側にとってはどこのサイトを利用しようが関係ないのですが…でも、採用に関わる職員に聞いた話によれば、保育士系のエージェント経由で採用をする場合理論年収20~35%を支払わなければならないそう(これは、保育業界以外もそうですが!!)。とあるサイトを使って転職活動成功したそこのあなたあなた採用100万円以上かかっているかもしれないですよ?!まあ、そんなことは職を見つける側からしたらどうだっていいのです。使えるものは使ったほうがいい。

でも、使うエージェントはしっかり見極めて。エージェント担当者あなた採用が決まったらマージンが入るから、そのためだけにあなたのやりたい保育ではない保育を行う保育所を紹介してくるかもしれない。募集内容もネット上(その会社ホームページや別の求人サイト)に載っている情報転載しているだけのところもあるらしい(そういったサイトでの求人内容をみて営業電話をかけくる場合もある)ので、もしかしたら、保育所ホームページや某医療介護求人サイトから応募したほうが内心喜ばれるかもしれないですよ。お給料はどこから応募したとしても基本的には変わらないので。

保育士さん、栄養士さん、そのほか、保育所で働くすべての職員さんへ。

これは完全なる私の主観ですが、あなたが働いている保育所で少しでも違和感をおぼえたら転職を考えてみてください。「保育の質」という言葉に逃げ、保育の質をもっと高めないととか、保育の質がとか、表面的なことばかり言うトップ基本的にクソです。1年に何人もの人が辞め、長く勤めていた人が辞め、定着率が悪く、いつまでたっても人材が育たない保育所はクソです。何十年も保育所運営をしていて、長く勤めている職員が一握りの入れ替わりの激しい保育所ガチやばいです。

保育所がクソなのはそうなのですが、その保育所経営しているトップが一番の諸悪の根源です。中にはわざわざ保育現場にあししげく通い「現場に寄り添っている」と錯覚しているトップの方もいるようですが、まあ、もれなく陰では邪魔者扱いです。あなた的外れアドバイスをしているのは日々の保育の「一瞬」でしかないので。保育に余計な口出しはせず、職員たちのお給料を少しでも上げることに専念してください。あなた職員たちが残業なんてしていないと思い込んでいるかもしれませんが、タイムカードをきった後、残って作業している人はいます1020分なんて残業のうちに入らない?残業代は1分単位で付けましょう。

それから、各行政各自治体の保育にかかわる課の方たち、いつもありがとうございます

あなたたちなくして、多くの保育所運営ができません。ややこしい補助金規定や、毎年変わるいろいろな事柄対応し、わかりやすくかみ砕いて、われわれ保育所資料を送ったり連絡をしてくれたり些細な疑問にも優しく答えてくれてありがとうございます保育所への定期的な巡回ありがとうございますあなたはおそらく望んでその課に配属されたわけではないでしょうが、本当にありがとうございます

そんな行政自治体の方々にひとつお願いがあります保育所監査を「もっともっと厳しく」してください。

いろんな側面で、監査の目をすりぬけ方法はいくらでもあります監査日は基本的に何週間も前に事前予告されているから、その日だけ職員体制を整えたり、事前に告知された書類を即席で作ったりすることなんて容易なんです。保育現場職員もっと居心地よく働けるよう、じゅうぶんな待遇で働けるよう、補助金がしっかりと確かな目的使用されているのか、目を光らせてください。しっかりと見て、おかしな点はきちんと指摘してください。よろしくお願いします。

「『保育士低賃金!』という世間イメージが強い中、実はそうとも言い切れないんだよ」ということを保育業界以外の人へ伝えたくて、そして「まだまだ賃金改善はできるよ、本当に良い保育所あなたが働くそこじゃないかも」ということを保育業界で働く人へ伝えたくてこれを書きました。うちの保育所はセーフだとか、なんか思い当たる節があるなとか、感想はいろいろだと思います。とりあえず、職員の入れ替わりが激しい保育所はもれなくやばいので早めに転職活動の準備を。

待機児童問題がさかんに議論されていた頃に比べ、今はそのピークも過ぎ、子どもの数も少なくなる中で、これから保育所がどうやって生き残るかが課題だと思います保護者に対して、保育現場で働く職員に対して、どれだけ魅力をアピールできるかがカギだと思います。こんなことを書く私こそ理想を語るだけの者と言われてしまうかもしれないですが、最終的にはそんな職場けが残っていくだろうし、そうなればいいなと願うばかりです。

最後に少しだけ 職業保育士 の話を。前提として、保育士資格国家資格です。

保育士という職業業務の大変さを語られる一方で、いつまでたってもどこか職業として軽んじられているような気がしています。「子どもと遊ぶだけでしょ?」「それで給料もらえるなんていいじゃん」「でも自分はやりたくないけどね」令和になった今でもそんなイメージを持つ人は一定数いるでしょう。

極論、資格があってもなくても最低限のことができてしまうと想像させてしまうことが地位確立できないことの理由の一つであるのではないでしょうか。また、保育士になるための専門学校短期大学大学はたくさんありますが、一定単位を取得し卒業すれば(試験を受けることなく)国家資格が取得できることも一因といえるでしょう。

「そんなことをしたら保育士になりたい人が減ってしまう!」という声が出てくるのは承知で、国のお偉いさん、保育士資格取得について今一度見直していただくことはできないでしょうか?

長い文章、ここまで読んでくださりありがとうございました。

  • 読んだよ 記念ブクマ

  • 正職員としての話しか書いてないので30点

  • 全然ブクマがつかないね

    • タイトルからメッセージがよくわからんからやろな

      • "日本死ね"は偉大

        • あれだって「生活について」ていうタイトルで中身もそういう曖昧な感じやったらよまれへんかったやろな

          • しかもあれと違って、補助金たくさん出てます、って話だし。 「政府は子育て予算を”まったく”出していない」って言う世界観とあわない

            • ちゃんと調べると日本の社会保障費の多さにびっくりするからね コミュニティノートが出来てからはもうああいうの難しいだろうな

              • ブコメでもピンハネとか言ってるけど、できる限りそうさせないために住宅借り上げみたいな形にしてるって話でもあるし

  • 結論から書いて。一旦何を言いたいのかまとめて。

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