はてなキーワード: Faxとは
ある大手IT系企業でいろんな企業のいろんな現場を見たうえでのお話。
紙に手書きされた書類を複合機のFAX機能でボタンをポンポン押せば2分とかからずに送れる。紙をスキャンして電子データをグループウェアにアップロード→先方が受信確認→電子データを確認、という方法だと+3分はかかる。緊急時はこの3分の差は大きい。1万枚なら30000分、500時間だ。
速達性で劣る電子データの送受信だが、紙に手書きされた内容をOCRで自動的に読み取ってテキストデータ化できれば、トータルではFAXより優位になるはずである。いろんな企業や団体の現場が2000年代からOCRの導入を進めたが、最終的には「使えない」と判断し、結局FAX送受信に戻っている。
理由は、日本語の文字としての複雑性の高さに起因する、データ化精度の低さだ。紙に書かれた文字をテキスト化する際の精度が80%~90%で頭打ちになってしまった。
OCRを宣伝するサイトでは「識字率100%」と謳っているところが多いが、「正解率100%」にはほど遠いのだ。
これでは、紙の書類をパソコンに2人1組で打ち込むパンチ業務に速度・コストの両面で劣ってしまう。だからFAXに戻さざるを得なかったのだ。
という、身も蓋もない結論で終わりにする。「なんでFAXなの?」という質問はもう5周くらいの周回遅れであることは認識しておくとよい。