2022-05-02

2000時間の遠回り英語学習を経てたどり着いた、1日30分でネイティブの会話が聞き取れるようになる練習

英語学習ノウハウ記事が定期的に話題に上がるが、自分も含め多くの方は「とりあえずブクマ」してそれっきりにしていると思う。

役に立ちそうなツールや教材をあれもこれもと紹介しているので「とりあえず後で読みそう」とブクマされる。しかし、そういった記事はとにかく情報量が多い。リーディングには○○、リスニングにはXXと、ライティングには□□、発音には△△…と網羅的でとてもやり遂げられる気がしない。いくら素晴らしいウェアやギアサプリを紹介してもらっても「では今からフルマラソンをやるぞ!」とはなかなかならないのと同じだ。結果、「役に立ちそう」と「でも大変そう」との葛藤を、私たちブクマという形で折衷させている。

そこでここでは、2000時間英語学習経験からたどり着いた、「1日30分、この練習だけ続けてもらえれば英語力が着実に伸びるはず」というシンプル方法を述べてみる。僕は海外在住や留学経験ゼロのドメドメ日本人だが、英語を身につけたことで外資への転職を果たし、今はGAFA一角で働いている。英語以外のスキル業務経験ももちろん大切だが、英語が苦手な日本人が多い中、やはり英語力はアドバンテージになる。感覚的には、面接の通過率が3-5倍になったと思う。

シンプル」な方法とは書いたが「イージー」ではない。1日30分を継続するのだからそれなりに努力は求められる。ただし、アクションには迷わないよう、やるべきことは明確にしておくので、ぜひ実行に移し、キャリアアップや夢の実現に役立ててもらえたら嬉しい。

記事想定読者

なお、本記事ではスキル領域リスニング限定して述べる。スピーキングについては機会があればまた詳しく書くが、自分場合は瞬間英作文の本を数冊反復+レアジョブでの実践で、ある程度意思疎通できるようになった。一方でリスニングについては習得にかなり苦戦した(今もしている)。以前お世話になった英語先生も「スピーキングの方が一般習得が早いんですよ」と言っていた。

なので、自分同様に苦戦している方、リスニングの伸ばし方が分からないという方も多いのではないかと考え、ここではリスニング習得法を書くこととする。仕事でネイテイブと話さなきゃいけないのにチンプンカンプンで辛いとか、ジョークを聞いて周囲が爆笑しているのに自分だけ意味がつかめていなくて寂しいとか、そんな経験のある方はぜひ読んでいただきたい。

毎日30分やる内容

一言で言えばリピーティング。具体的なやり方については↓この方(Dr.D氏)の動画があるのでそれを参照してほしい。

海外ドラマ(Friends)のコピーイング/リピーティングに挑戦【前編】

https://www.youtube.com/watch?v=l6NQykyXM-8

■超速い英語 スーツ発音チャレンジ【前編】

https://www.youtube.com/watch?v=IA1Ep37GsJQ

ネイティブ音声をシラブル(音節)に分解し、個々の発音アクセント位置確認する。そしてできるだけスムーズにつなげて発声する。発音知識がないと最初は苦労するが、解説を聞きながら見よう見まねで練習する。動画でも言っているが、練習をする前と後で、その音声の聞こえ方が変わってくる。音声に対する解像度が上がったような感じが得られるはず。

同氏のチャンネルにはドラマTEDを題材にした動画が数十個あるので、片っ端からやる。1-2ヶ月はかかると思うが、そのころには耳の改善を実感できているはず。

動画がなくなってきたら、あるいは練習のやり方がわかってきたら、おすすめの教材としてはTEDICT。僕もずっとこれでやっているが、知識インプットにもなる。あとはLanguage Reactor (旧 Language Learning with Netflix) 。あとはTOEICやってる方ならPart2の短文とか。いずれにしても、数秒のフレーズを繰り返し(+スロー再生できるツールなら何でもよい。

英語リスニングアプリなら「TEDICT」がおすすめ! 詳しい使用方法解説

https://eigomonogatari.com/tedict/

■【Netflix字幕を同時表示】Language Reactor (旧 Language Learning with Netflix) の使い方

http://english06.com/4239/

なぜリピーティングなのか

ピーティングに似た練習法で「シャドーイング」がある(詳細はググってください)。僕もけっこうやっていたが、自分にはリピーティングのほうが効果的だったと思う。約1秒遅れですぐに発声しなければならないシャドーイングよりは、余裕をもって正しい音を頭の中でイメージしてから発声するリピーティングのほうが、ネイティブの音が頭に染み込むからではないかと思う。

学習2000時間のうちリスニングに約半分の1000時間、そのうち約850時間シャドーイングに費やしていたが、急速にネイティブ言葉がわかるようになっていったのは最後の150時間、リピーティング主体に切り替えてからだった。850時間の蓄積もムダではないとは思っているが、もっと早く本記事練習法を始めていれば、ここまで遠回りすることもなかっただろうと思う。

ちなみに「聞き流し」はシャドーイング以上におすすめできない。以前、ヒアリングマラソン的な学習も500時間くらいやったが効果が感じられず止めてしまった。やはり耳だけを使った学習は定着効率が悪いと思う。

本当に1日30分で英語が身につくのか

自分場合は1日30分でも成長を実感できた。YoutubeTED英語だんだん理解できるようになっていくのが分かって嬉しかった。もちろん、やれるなら1時間、2時間勉強したほうがいい。生まれた時から英語シャワーを浴びているネイティブに近づくためには量は不可欠。

ただ、言うまでもなく「質」のほうが大切で、だらだら2時間やるよりは集中して30分のほうがよい。というか、この練習ちゃんとやれば30分でへとへとになるはず。まずは30分の習慣化で成長を実感し、自信をつけたらだんだん時間を増やしたり、他の領域スピーキングなど)に手を広げていったらよいと思う。

英語学習」だと思うな。「モノマネの修業」だと思え。

上記動画さえ観てもらえればこの記事目的はほぼ達成なのだけど、これだけだと単なるDr.Dメソッドの紹介になってしまうので、自分なりに気づいた、大切な心がまえを少し述べたい。

それは「英語学習」はなく「モノマネの修業」をするような気持ちでリピーティングに臨むこと。動画の音声について、発音アクセント、音のつながり、変化、省略、イントネーションなどを徹底的に完コピする。そのネタ明日モノマネ大会に出るくらいのつもりで再現に励む。↓こんな感じで実際に人前で披露する機会があれば言うことなし。めっちゃ懸命に練習すると思う。

■細かすぎて伝わらないものまね ディズニーシーアナウンス

https://www.youtube.com/watch?v=WzY7vGewmNQ

完コピしようと思ったら、5回10回の反復では足りない。数十回、100回と必要になる(といっても時間はそんなにかからない。3秒のフレーズなら100回繰り返しても5分である)。繰り返すうちにネイティブ発声が耳と脳に馴染んでくる。そうなればそのフレーズは以後聞き取れるようになる。自分発声できるのだから、聞き取れないがわけない。

また、語学勉強だと思えば苦痛になるが、モノマネ芸を磨いているのだと思えば、練習に夢中になれる。絵や音楽などの芸と同じで30分くらいはすぐに経過する。だから継続やすく習慣化しやす効果が出やすい。それがこの方法を勧める理由の1つでもある。

逆に、やってはいけないのは、いわゆる「ジャパニーズイングリッシュ」に引っ張られてしまうこと。たとえばNot at allは「のっとあっとおーる」ではない。ネイティブは「ノラロー」みたいに言う。それをきちんと真似る。「のっとあっと…」と発音しているうちは、ネイティブの「ノラロー」は絶対に聞き取れない。同様に、I have to...は「あいはーふとぅー」ではなく「アィハフタ」だ。

このあたり、日本人の真面目さと丁寧さが裏目に出てしまうところである。我々はつい「あいはーふとぅー」と発音してしまう。丁寧に発音したほうが聞き取りやすいだろうという無意識気遣いもあるのかもしれない。しかし実際には逆で、ネイティブは「アィハフタ」でないと違和感を抱く。ネイティブ固有の「手抜き発音」を知り、それをそっくり真似ることに対して、我々は真面目で丁寧である必要がある。つまり「手を抜くことに対して手を抜かない」ことが肝心だ。

自分矯正に相当苦労したが、若い頃に学校で身につけてしまった日本人発音はもはや「呪いであるゼロではなく、マイナスからスタートだ。正しいネイティブ音を意識しようとする僕らを容赦なく対方面の深淵に引きずり込む。リピーティングを徹底して、洗脳と言えるくらいのレベル練習し、自分日本人であることを忘れるくらいに脳をネイティブの音で上書きしよう。

発音のやり方がわからないのだけど

ネイティブモノマネをしようと思ったら、ネイティブ発音メカニズム技術を学ぶ必要が出てくる。上記のような「モノマネマインドセット」で臨んでいれば、自然発音学習に興味が湧いてくる。そうなったらしめたもの。Dr.D氏はじめYoutubeの各種解説動画ネット解説サイト書籍などで学習する。たとえば"アィハフタ"を上手にモノマネしたいなら、"a"の発音法をきちんと学ぶ必要がある。

■【英語発音のコツ】母音(æ)をマスターする簡単方法

https://athinkingrice.com/pronunciation/ae-how-to

大切なのは、この「興味が湧く」プロセスをすっ飛ばしていきなり発音勉強をしようとしないことだ。発音英語学習に不可欠な一方で、謎の発音記号が出てきたりでわかりにくいので、モチベーションがなければ必ず挫折する。発音本を買ったものの数ページでギブアップした方も多いと思う。「もっと上手くモノマネできるようになりたい!」「そのためにはどうすればいい?」という気持ちが湧いてから発音に取り組むこと。

おわりに

…というわけで、2000時間(4年かかった)を経た今、この方法が最もリスニング向上に効くのではないかと思っている。本気で英語をどうにかしたい!という方は、30分/日をなんとか確保して上記方法チャレンジしてみてほしい。スキマ時間を集めればそれほど難しいことではないはず。

この記事が、あなたにとっての第一歩、キャリアアップきっかけとなりますように。ブクマはしないでいいからね♪

  • じゃぱにーざぐだたあくてぃんヴぇるまわいな

  • たどり着いた30分のメソッドより、2000時間の試行錯誤の方が英語力向上に役立っていると思いますよ。 恐らく30分のやり方だけ最初からやっても、その場では理解できたつもりになって...

  • 女子大生の設定では

  • 言語学者に言わせれば、日本人がまともに話せるようになるには4000時間必要らしい。

    • 言語習得は長い長い時間がかかると言うべきなのか、 文法書や頻出単語集、その他ノウハウのおかげで、ネイティブよりも大幅に短い時間でそれなりの技能を身に着けられると言うべき...

      • ワイ、10000時間くらいおそらく費やしてて、日本人一人もいないような会社に勤めているけど、アメリカ人の5歳児程度の英語能力しかないと思う。

  • ブコメ数すっご 英語ビジネスは安泰ですな

  • 「2000時間の遠回り英語学習を経てたどり着いた、1日30分でネイティブの会話が聞き取れるようになる練習法」 anond:20220502190016 ↑こういうやつ。 「カッコよく英語しゃべってる自分」が...

    • まぁ、英会話は面白いからしょうがない。(個人の感想です)

  • 「2000時間の遠回り英語学習を経てたどり着いた、1日30分でネイティブの会話が聞き取れるようになる練習法」 anond:20220502190016 ↑こういうやつ。 「カッコよく英語しゃべってる自分」が...

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