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2010-10-24

http://anond.hatelabo.jp/20101024182711

パソコンで増設するものといえばメモリHDDかくらいだろ。

あとはディスプレイ

動作が重いのに関係するのはCPUメモリだから、この場合メモリの増設をするんだろう。

でもメモリの増設は素人にはオススメできない。

何買えばいいかわからんから。

メモリ見立ててくれる人がいるならメモリの増設は素人にも簡単にできる。

まぁ詳しい人にメモリ買ってもらいなさいってこった。

2010-09-30

神経質なのか?

職場で口笛を吹いたり机をドラム見立てて叩いたり貧乏揺すりをしたりされるのが苦痛で仕方ない。

自分イヤホンで聞こえないかもしれないけど他に人がいるんですからやめてくださいとも言えず。先輩なので。

2010-09-23

ヘーゲルから見る自意識問題という名の厨二病

自意識問題について。

まあ思春期には、「自我」がどうしようもなく膨れ上がる。みんなそうだ。

このころに、つまり言葉一定の水位を超えてあふれ出す時に「思考」が始まる。

そして、現実ではなく、「自己意識の中では」自分は「自由」な存在だということを突然発見する。

若者の「思考」の最大の仕事自分正当化すること、そして自分世界の絶対的な主人公とすること。

そんなわけで、14~15歳前後から世界のすべてを自分流に解釈し、

自己意識の中で激しく「俺は誰でもない俺だけの存在だ」という感覚を確認しようとする。

要するに、思考の自由がやってきて、はじめて人間は「自分という存在のかけがえのなさ」を実感することになるわけだ。

おめでとう。

しかし、ここには問題がある。

第一に、それは「意識」の内側だけの自由であって、その人を取り巻く現実は、やはり親や社会ルールによって縛られ、拘束されている。

自力で現実的な自由の条件を獲得できない大抵の場合、当分は内的な「自由」で我慢するしかない。

第二に、自分自身を世界の絶対の主人公と見立てたいのだけれど、

この望みは誰もが同じようにもっているものだ、ということに気づかないわけにはいかない。

「周りの奴らは馬鹿ばっかで、俺の考えてることはわかんねーんだよ」という人も、

「俺は誰でもない俺だけの存在だ」ということが、誰にもあてはまる平凡な事実だということに薄々気づいている。

「思考の自由」が、人間に「自分だけは特別な存在である」という新しい真理を教えるのだけれど、

その自意識を満たしてくれる「クリエイティブ」で「他者が賞賛」するような職種で成功を収めないかぎり、

それはいずれ挫折する運命を持っている。

そして「別の生き方」を選ぶようになる。

そこにいたるまで我々は自意識問題という名の厨二病煩い続ける。

ヘーゲルはこの「俺は誰でもない俺だけの存在だ」という「自己意識の自由」の三類型ということを言っている。

第一の類型は「ストア主義」。

人々は醜い承認争いをしているが、そんな競争はつまらないものだと「俺だけはよく知っている」と考える自己意識のことだ。

このことで自己意識は、自分価値独自性を、内的に確保する。

「お前ら必死だなw」って奴だ。

第二の類型は「スケプチシズム」、つまり懐疑主義

人の意見の弱点を見つけてはこれを相対化しようとする人が懐疑主義者だ。

どんな意見もちょっと観点を変えればみな相対化されてしまうということを「俺だけはよく知っている」と考えて「自己意識」を確保しようとする。

この2つは、両方とも自分意見、態度、生き方留保しておいて他人の価値を低く見積り、

そのことで相対的に自己価値を確保しようとするやり方だ。

第三の類型は「不幸の意識」。

若者は独自の強力な世界観理論出会うとその世界にどんどんのめりこみ、世界人間のどんなことにも「立派な」ことが言えるようになる。

そのことで世界最強の「自己意識」を持つようになる。

キリスト教マルクス主義極右思想、自己啓発などなどだ。

しかし、この高尚な世界観要請する理想の姿と現実自分の姿の間で、引き裂かれる自己意識が発生する。

これらはすべて「自分の心の内側だけで、自己価値を確保しようとする試み」だ。

人間自己価値は「他者の承認」を必要とする。だけど、それは結構きつい。

から人間自分の中の「自由な思考」のうちで自己価値をつかもうとする。

でもそれはたぶん無理だ。

現実はどうしようもなく存在していて、そのうざったい自意識にうってつけの現実なんて向こうからやってこない。

その不可能性が頭ではなく身にしみた時こそが、めでたく厨二病卒業の時となる。

おめでとう。

で、その「別の生き方」ってのは自分なりに探してくれ。ニヒリズムに気をつけて。

参考文献:竹田青嗣自分探し哲学』(「愚か者哲学」の文庫化)

2010-09-20

「あれ、この話題2年前に見た」 ネットデジャブに不安感を覚える

最近はてブを見ていると昔見た話題を扱った記事がブクマ集めて人気エントリーに入ることがちらほらある。ユーザーが入れ替わったとか、twitterのRT効果とかいろいろ理由はあるのだろう。

直近ではGIGAZINEの「電線にとまる鳥の群れを五線譜見立て音楽演奏」というエントリや、ギズモードの4kbのプログラミング作品ネタ

どちらも去年、一度話題になっている。「なんで今更話題になるんだ」という疑問がもたげてくる。別に情弱、情強とかいう話ではなく、純粋な疑問というか。ネットメディアなら2chはてブを見るのをルーティーンにしてるのが普通じゃないのか。「あれ、この話題去年見た」地獄ミサワが言いそうな台詞だが、ミサワの気持ちが少し分かる気がする。

で、「あれ、この話題以前見た」という記事を発見したとき、最初に見たのはいつだろう、と思ってグーグル検索で調べてみると、見事に新しいほうの記事しかなく、古い記事は埋れている。新しい記事の2chスレtwitterアンテナサイト等、どうでもいいものばかり上にくるから。調べようはあるのだが、古いほうの記事がなかなか検索で引っかからないと、「自分記憶のほうがおかしいのではないか」と思えてきて頭が混乱してしまう。予知夢?千里眼?タイムスリップ?などといらぬ妄想もしてしまう。最終的には若年性アルツハイマーを疑って病院いったほうがいいのか考え始めたところで、ようやく検索に引っかかって安心する。

ギズモードのほうは過去話題になったときの記事にリンク貼ってあるからいいけど、そこまで親切心のある記事は少ない。

これからニュースサイトサルベージ記事が多くなるかもしれない。記事を書く人は、公開する前にググッてみて過去に話題になっていたなら、そのサイトリンクも貼って欲しい。

2010-09-17

価値観が同じ人に限る。

もう同じじゃない人と付き合いたくない。

本当に長くなればなるほど絶望の渦に巻き込まれるから。






例えばシーズンが切れたら服なんて流行遅れで着なくなってしまうモノだから

そんなに高いモノを買わなくたっていいと思う。

でも敢えてシーズンとか時代とかから外れきった、体にも合ってない安い服を着るのは許せない。

お金がないなら全身ユニクロ全然構わない。だから最低限の出資見立てはして下さい。全身8千円以内でコーディネイトでいいから。

例えば髪だって少なくたって構わない。ハゲとかボールドとか言い出す人もいるかもしれない

それは年齢重ねた証じゃないか。胸を張ればいいと思う。

ただ、抜けるのが怖いからとかで清潔にしないのはどうなの。

シャンプー水道代はケチると後で皮膚科の世話になる位荒れる人だって居るんだ。洗って下さい。

例えば食べるモノだって安くたって構わない。でもどう考えても材料費を物凄くケチったような安い店に入っていって、

店の中で不味いというのは辞めて下さい。不味いのに気付かないで美味しいとか言われると更に不安になります。

そして記念日に高い店に入ったら値段対サービスが合わないからってイライラしないで。貴方も店にそぐわない振る舞いしてるの。

だったら一緒に最低の価格よりも少し財布が痛む程度のレベル食材と酒を買って一緒に調理しようじゃないか。

不愉快になるようなレストランより余程いい。


例えば専門バカでも構わない。貴方が今生きる為の糧を稼ぐために重ねてきた知識じゃないか。

胸を張って専門を晒すがいいと思う。その内貴方の右に出るものはいなくなる筈。

でもね、せめて中学あたりで習う知識は忘れないでくれ。常識レベルの知識は保持して。戦国武将大化の改新よりずっと後。

専門の事は知らなくても恥を掻かないけど、そこは抑えておかないと一緒にいる人も恥ずかしいです。

将来子供に説明出来なかったり、子供自身が同じように見られるかと思うと心配です。


例えばスポーツに後ろ向きでもいい。元々運動神経がいいのはよく知ってる。

貴方は結構なんでもこなせます。テニススキーサッカー水泳もこなせます。正直羨ましいです。

私より後に始めたボードも初日から普通に滑ってジャンプも決めてましたね。アホかと。

でもね。同じ筋肉組成ではないので私は運動してないと太らなくても動けなくなるの。一人でも頑張ってるけど無理なの。付き合え。って

セックスだけがスポーツじゃないんだ。タコが。


そう。セックス。はっきり言って満足はしてます。でも貴方は供給過多。いえ、過剰。

私も貴方も残業月50越えは当然酷いときは150~200ですものね。ええ、ストレスが溜まってるのもわかります。

でもね、二人で合ってるからって疲れてる時は疲れてる。人が寝てるのにごそごそと動いて勝手に始めようとするのは

強姦行為に値します。デートレイプだばかやろう。もげてしまえ。タコ。こっちは眠いんだ。寝かせろ。

どうしてただ温度感じる程度に抱き合ってるだけじゃダメなんですか。脳の神経が異常をきたしてるんですかああ納得。





外の文化に触れる事に後ろ向きにならないで。旅行に出かける事にすら拒まないで。

日本にも見てない所が沢山あるじゃないとか言う割に旅行の計画を立てると仕事だなんだと大変後ろ向きですよね。

私実は海外旅行とか好きなんですよ。ええ、あまり行った事無いけどあの全くレンジの違う価値観に囲まれる瞬間好き。

あの文化的差異の中で普段気にもしなかったような事が見えるような現実逃避が好きなんです。

長くいたらそこにはそこの人達の生活もあるのは重々承知だけど、そういうのに憧れるんです。どうしてそこまで背を向けるのか。

じゃあもういいです。一人で行きます。だからその一人になる時間を下さい。






こういう理由で結婚直前までこぎ着けた相手と別れました。

今までに2度。

ちなみに両方とも仕事上の理由で別れた後に海外出張で飛ばされて散々こちらが言ってた意味が分かった、楽しいな。

とか言ってきました。あほか。もげてしまえ。

そんなちっちゃな事を気にしてた昔を思い出しました。

結婚前は両目を開け、結婚したら片目を瞑れっていうけど、

結婚間の時点で随分色々瞑っていたなああ。結婚したら瞑る所なくなるんじゃないかて程迄に。

恋愛は救いにもなる要素は沢山あったけれど、それ以上のストレス。歩み寄りを相手に求める割に歩み寄らない奴多すぎ。

仕事もやめたし、もはや恋愛にも結婚にも夢もないし、なんかいい事ないかね。

2010-09-13

anond:20100912205055

同意。

車のローン代とガソリン代あればいくらもシティホテルに行けるし、クルマの居住性はめちゃくちゃ悪い。

エンジンきってたらエアコンうごかない。

イチャ声とじこめるために窓締めて(さらに場合により激しい運動もして)たら、移動してない分通気わるくて酸素切れ。

シートがふらっとでもやっぱり膝はいたい。

近郊の林のなかにとめてもエンジン音とライトですぐさま地主が見に来る。だれの所有でもない道なぞない。

旅先で行き暮れてサービスエリアで一晩過ごすだけだって暴走族警察のおっかけっこがうるさかったり、

厚い寒いが極端で風邪を引いたりする。

 

たぶん、話に出たセールスマンが本当にいるのなら、客層の見立てが悪いんじゃないか。

ひろきゅ~ん、まーちゃぁん、とかウザいしゃべりのカップル客は、

車庫は実家に寄生しようとしてても、エチする場所がないカップルじゃなく、

30代も間近な既婚子無しで、平日はいらっしゃいませキリッて働いてるんじゃねーのかね。

男だけでワンボックス買う?知らんがな

2010-09-10

  • 1 -主文原判決及び第1審判決を破棄する。本件を大阪地方裁判所に差し戻す。理由弁護人中道武美の上告趣意のうち,第1点ないし第3点は,憲法37条違反,判例違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認の主張であり,被告人本人の上告趣意は,事実誤認の主張であって,いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。しかしながら,所論にかんがみ,職権をもって調査すると,原判決及び第1審判決は,刑訴法411条1号,3号により破棄を免れない。その理由は,以下のとおりである。1本件公訴事実及び争点本件公訴事実の要旨は,被告人は,(1)平成14年4月14日午後3時30分ころから同日午後9時40分ころまでの間に,大阪市平野区所在のマンション(以下「本件マンション」という。)の306号室のB(以下「B」という。)方において,その妻C(当時28歳。以下「C」という。)に対し,殺意をもって,同所にあったナイロン製ひもでその頸部を絞め付けるなどし,よって,そのころ,同所において,同女を頸部圧迫により窒息死させて殺害し,(2)(1)記載の日時場所において,B及びC夫婦長男であるD(当時1歳。以下「D」という。)に対し,殺意をもって,同所浴室の浴槽内の水中にその身体を溺没させるなどし,よって,そのころ,同所において,同児を溺死させて殺害し,(3)本件マンション放火しようと考え,同日午後9時40分ころ,本件マンション306号室のB方6畳間- 2 -において,同所にあった新聞紙,衣類等にライターで火をつけ,その火を同室の壁面,天井等に燃え移らせ,よって,Bらが現に住居として使用する本件マンションのうち上記306号室B方の壁面,天井等を焼損し,もって,同マンションを焼損した,というものである。被告人は,Bが子供のころにその実母E(以下「E」という。)と婚姻し,養父としてBを育て,かつては,同居するEと共に,B家族との交流があったが,Bの借金問題,女性問題等をきっかけに,本件事件当時はB家族と必ずしも良好な関係にあったとはいえず,B家族平成14年2月末に本件マンションに転居した際には,その住所を知らされなかったものである。上記(1)ないし(3)の公訴事実となっている事件は,Bの留守中に発生したもので,火災の消火活動に際してCとDの遺体が発見されたことから発覚し,捜査が進められた結果,同年11月16日に被告人逮捕され,同年12月7日に上記(1),(2)の各事実が,同月29日に上記(3)の事実が起訴された。上記公訴事実につき,検察官は,その指摘する多くの間接事実を総合すれば被告人の犯人性は優に認定できる旨主張し,被告人は,本件事件当日まで,事件現場である本件マンションの場所を知らず,事件当日及びそれ以前を含めて,その敷地内にも立ち入ったことはない,被告人は犯人ではなく無罪である旨主張した。争点は,被告人の犯人性である。2第1審判決第1審判決は,被告人の犯人性を推認させる幾つかの間接事実が証拠上認定できるとした上,これらの各事実が,相互に関連し合ってその信用性を補強し合い,推認力を高めているとして,結局,被告人が本件犯行を犯したことについて合理的な- 3 -疑いをいれない程度に証明がなされているとし,ほぼ上記公訴事実と同じ事実を認定し,被告人無期懲役に処した(検察官求刑死刑)。この間接事実からの推認の過程は,以下のようなものである。(1)被告人は,本件事件当日である平成14年4月14日,仕事休みであり,午後2時過ぎころに自宅を出て,自動車に乗って大阪市平野区方面へ向かい,同日午後10時ころまで同区内ないしその周辺で行動していたことが認められるが,さらに,以下のアないしオを併せ考えると,被告人が,同日に現場である本件マンションに赴いたことを認定することができる。ア本件マンション道路側にある西側階段の1階から2階に至る踊り場の灰皿(以下「本件灰皿」という。)内から,本件事件の翌日にたばこの吸い殻72本が採取されたが,その中に被告人が好んで吸っていた銘柄(ラークスーパーライト)の吸い殻が1本(以下「本件吸い殻」という。)あり,これに付着していた唾液中の細胞DNA型が,被告人の血液のDNA型と一致していること,このDNA型一致の出現頻度は1000万人に2人という極めて低いものであること,本件事件の火災発生後,程なく警察官による現場保存が行われたことなどから,被告人が,本件事件当日あるいはそれまでの間に事件現場である本件マンションに立ち入り,本件灰皿に本件吸い殻を投棄したことが動かし難い事実として認められる。イ本件事件当日午後3時40分ころから午後8時ころまでの間,被告人が当時使用していた自動車と同種・同色の自動車が,本件マンションから北方約100mの地点に駐車されていたと認められる。ウ被告人自身が,捜査段階において,本件事件当日に自己の運転する自動車を同地点に駐車したことを認めていた。- 4 -エ本件事件当日午後3時過ぎないし午後3時半ころまでの間に,本件マンションから北北東約80mに位置するバッティングセンターにおいて,被告人によく似た人物が目撃されたと認められる。オ被告人自身,本件事件当日はBないしB宅を探して平野区内ないしその周辺に自動車で赴いたことを自認しており,これは信用できる。(2)他方,動機面についても,以下のアないしウの点などから,被告人は,本件事件当時,背信的な行為をとり続けるBに対して,怒りを募らせる一方,後記のような自分からの誘いを拒絶した上で,Bと行動を共にし,被告人の立場から見ればBに追随するかのような態度を見せていたCに対しても,同様に憤りの気持ちを抱くようになったことが推認できる。そうすると,Cとの間のやり取りや同女のささいな言動など,何らかの事情をきっかけとして,Cに対して怒りを爆発させてもおかしくない状況があったということができる。そのような事情を有していた被告人が,本件事件当日,犯行現場に赴いたことは,被告人の犯人性を強く推認させるものである。ア平成13年10月1日から同月24日まで,C及びDは,被告人宅で同居生活を送ったが,そのころ,被告人は,Cに対し,恋慕の情を抱いており,性交渉を迫る,抱き付く,キスをするなどの行為に及んだことがあった。イしかし,Cは,被告人からの誘いを拒絶し,被告人宅から被告人に告げることなくBの下へ戻った上,Bと行動を共にするようになり,被告人との接触を避けてきた。ウ被告人は,Bの養父ないし保証人として,Bの借金への対応に追われていたが,Bは,被告人に協力したり,感謝したりすることをせず,無責任かつ不誠実な- 5 -態度をとり続けていた。(3)被告人は,本件事件当日の夕方,朝から仕事に出ていたEを迎えに行く約束をしていたにもかかわらず,特段の事情がないのにその約束をたがえ,C及びDが死亡した可能性が高い時刻ころに自らの携帯電話の電源を切っており,Eに迎えに行けないことをメールで伝えた後,出火時刻の約20分後に至るまでの間同女に連絡をとっていないなど,著しく不自然な点があるが,これらについては,被告人が犯人であると考えれば,合理的な説明が可能であり,得心し得るものである。(4)このほか,被告人の本件事件当日の自身の行動に関する供述は,あいまいで漠然としたものであり,不自然な点が散見される上,不合理な変遷もみられ,全体として信用性が乏しいものであって,被告人は,特段の事情がないのに,同日の行動について合理的説明ができていない点がある。また,Cは,生前,在宅時も施錠し,限られた人間が訪れた際にしかドアを開けようとしなかったこと,本件の犯人が2歳にもならないDを殺害しているのは口封じの可能性が高いこと,犯人が現場放火して徹底的な罪証隠滅工作をしていることなどから,本件犯行は被害者と近しい関係にある者が敢行した可能性が認められる。これらの各事実も,被告人の犯人性を推認させるものである。(5)以上の事実を全体として考察すれば,被告人が本件犯行を犯したことについて合理的な疑いをいれない程度に証明がなされているというべきである。(6)なお,被告人は,本件事件当日に本件マンション敷地内に入って階段を上ったことがある旨認める供述をした被告人平成14年8月17日付け司法警察員に対する供述調書(乙14)について,警察官から激しい暴行を受けたために内容もよく分からないまま署名したと主張するが,同供述調書の供述内容には任意性及- 6 -び信用性が認められ,これによっても,被告人の犯人性が肯定されるという上記判断が更に補強されることになる。3原判決この第1審判決に対し,被告人は,訴訟手続の法令違反,事実誤認を理由に控訴し,検察官は,量刑不当を理由に控訴した。原判決は,被告人控訴趣意のうち,前記司法警察員に対する供述調書(乙14)には任意性がなく,これを採用した第1審の措置が刑訴法322条1項に反しているという訴訟手続の法令違反の主張について,そのような訴訟手続の法令違反があることは認めつつ,事実誤認の主張については,第1審判決の判断がおおむね正当であり,同供述調書を排除しても,被告人が各犯行の犯人であると認めた第1審判決が異なったものになった蓋然性はないのであるから,この訴訟手続の法令違反が判決に影響を及ぼすことの明らかなものとはいえないとした。その上で,検察官の主張する量刑不当の控訴趣意に理由があるとして,第1審判決を破棄し,第1審判決が認定した罪となるべき事実を前提に,被告人死刑に処した。4当裁判所の判断しかしながら,第1審の事実認定に関する判断及びその事実認定を維持した原審の判断は,いずれも是認することができない。すなわち,刑事裁判における有罪の認定に当たっては,合理的な疑いを差し挟む余地のない程度の立証が必要であるところ,情況証拠によって事実認定をすべき場合であっても,直接証拠によって事実認定をする場合と比べて立証の程度に差があるわけではないが(最高裁平成19年(あ)第398号同年10月16日第一小法廷決定・刑集61巻7号677頁参照),直接証拠がないのであるから,情況証拠によって認められる間接事実中に,- 7 -被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない(あるいは,少なくとも説明が極めて困難である)事実関係が含まれていることを要するものというべきである。ところが,本件において認定された間接事実は,以下のとおり,この点を満たすものとは認められず,第1審及び原審において十分な審理が尽くされたとはいい難い。(1)第1審判決による間接事実からの推認は,被告人が,本件事件当日に本件マンションに赴いたという事実を最も大きな根拠とするものである。そして,その事実が認定できるとする理由の中心は,本件灰皿内に遺留されていたたばこの吸い殻に付着した唾液中の細胞DNA型が被告人の血液のそれと一致したという証拠上も是認できる事実からの推認である。このDNA型の一致から,被告人が本件事件当日に本件マンションを訪れたと推認する点について,被告人は,第1審から,自分がC夫婦に対し,自らが使用していた携帯灰皿を渡したことがあり,Cがその携帯灰皿の中に入っていた本件吸い殻を本件灰皿内に捨てた可能性がある旨の反論をしており,控訴趣意においても同様の主張がされていた。原判決は,B方から発見された黒色の金属製の携帯灰皿の中からEが吸ったとみられるショートホープライトの吸い殻が発見されていること,それはCなどが被告人方からその携帯灰皿を持ち出したためと認められること,上記金属製の携帯灰皿のほかにもビニール製の携帯灰皿をCなどが同様に持ち出すなどした可能性があること,本件吸い殻は茶色く変色して汚れていることなどといった,上記被告人の主張を裏付けるような事実関係も認められるとしながら,上記金属携帯灰皿を経由して捨てられた可能性については,Eの吸い殻を残して被告人の吸い殻だけが捨て- 8 -られることは考えられないからその可能性はないとした。また,ビニール携帯灰皿を経由して捨てられた可能性については,ビニール携帯灰皿に入れられた吸い殻は通常押しつぶされた上で灰がまんべんなく付着して汚れるのであるが,本件吸い殻は押しつぶされた形跡もなければ灰がまんべんなく付着しているわけでもないのであり,むしろ,その形状に照らせば,もみ消さないで火のついたまま灰皿などに捨てられてフィルターの部分で自然に消火したものと認められること,茶色く変色している点は,フィルターに唾液が付着して濡れた状態で灰皿の中に落ち込んだ吸い殻であれば,翌日採取されてもこのような状態となるのは自然というべきであることから,その可能性もないとした。しかし,ビニール携帯灰皿に入れられた吸い殻が,常に原判決の説示するような形状になるといえるのか疑問がある上,そもそも本件吸い殻が経由する可能性があった携帯灰皿がビニール製のものであったと限定できる証拠状況でもない(関係証拠によれば,B方からは,箱形で白と青のツートーンの携帯灰皿も発見されており,これはE又は被告人のものであって,Cが持ち帰ったものと認められるところ,所論は,この携帯灰皿から本件吸い殻が捨てられた可能性があると主張している。)。また,変色の点は,本件事件から1か月半余が経過してなされた唾液鑑定の際の写真によれば,本件吸い殻のフィルター部全体が変色しているのであり,これが唾液によるものと考えるのは極めて不自然といわざるを得ない。本件吸い殻は,前記のとおり本件事件の翌日に採取されたものであり,当時撮影された写真において既に茶色っぽく変色していることがうかがわれ,水に濡れるなどの状況がなければ短期間でこのような変色は生じないと考えられるところ,本件灰皿内から本件吸い殻を採取した警察官Fは,本件灰皿内が濡れていたかどうかについて記憶は- 9 -ないが,写真を見る限り湿っているようには見えない旨証言しているから,この変色は,本件吸い殻が捨てられた時期が本件事件当日よりもかなり以前のことであった可能性を示すものとさえいえるところである。この問題点について,原判決の上記説明は採用できず,その他,本件吸い殻の変色を合理的に説明できる根拠は,記録上見当たらない。したがって,上記のような理由で本件吸い殻が携帯灰皿を経由して捨てられたものであるとの可能性を否定した原審の判断は,不合理であるといわざるを得ない(なお,第1審判決が上記可能性を排斥する理由は,原判決も説示するように,やはり採用できないものである。)。そうすると,前記2(1)イ以下の事実の評価いかんにかかわらず,被告人が本件事件当日に本件マンションに赴いたという事実は,これを認定することができない。(2)ところで,本件吸い殻が捨てられていた本件灰皿には前記のとおり多数の吸い殻が存在し,その中にはCが吸っていたたばこと同一の銘柄(マルボロライト金色文字〕)のもの4個も存在した。これらの吸い殻に付着する唾液等からCのDNA型に一致するものが検出されれば,Cが携帯灰皿の中身を本件灰皿内に捨てたことがあった可能性が極めて高くなる。しかし,この点について鑑定等を行ったような証拠は存在しない。また,本件灰皿内での本件吸い殻の位置等の状況も重要であるところ,吸い殻を採取した前記の警察官にもその記憶はないなど,その証拠は十分ではない。検証の際に本件灰皿を撮影した数枚の写真のうち,内容が見えるのは,上ぶたを取り外したところを上から撮った写真1枚のみであるが,これによって本件吸い殻は確認できないし,内容物をすべて取り出して並べた写真も,本件吸い殻であることの確認ができるかどうかという程度の小さなものである。さら- 10 -に,本件吸い殻の変色は上記のとおり大きな問題であり,これに関しては,被告人が本件事件当日に本件吸い殻を捨てたとすれば,そのときから採取までの間に水に濡れる可能性があったかどうかの検討が必要であるところ,これに関してはそもそも捜査自体が十分になされていないことがうかがわれる。前記のとおり,本件吸い殻が被告人によって本件事件当日に捨てられたものであるかどうかは,被告人の犯人性が推認できるかどうかについての最も重要な事実であり,DNA型の一致からの推認について,前記被告人の主張のように具体的に疑問が提起されているのに,第1審及び原審において,審理が尽くされているとはいい難いところである。(3)その上,仮に,被告人が本件事件当日に本件マンションに赴いた事実が認められたとしても,認定されている他の間接事実を加えることによって,被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明できない(あるいは,少なくとも説明が極めて困難である)事実関係が存在するとまでいえるかどうかにも疑問がある。すなわち,第1審判決は,被告人が犯人であることを推認させる間接事実として,上記の吸い殻に関する事実のほか,前記2(2)ないし(4)の事実を掲げているが,例えば,Cを殺害する動機については,Cに対して怒りを爆発させてもおかしくない状況があったというにすぎないものであり,これは殺人の犯行動機として積極的に用いることのできるようなものではない。また,被告人が本件事件当日携帯電話の電源を切っていたことも,他方で本件殺害行為が突発的な犯行であるとされていることに照らせば,それがなぜ被告人の犯行を推認することのできる事情となるのか十分納得できる説明がされているとはいい難い。その他の点を含め,第1審判決が掲げる間接事実のみで被告人を有罪と認定することは,著しく困難であるといわざるを得ない。- 11 -そもそも,このような第1審判決及び原判決がなされたのは,第1審が限られた間接事実のみによって被告人の有罪を認定することが可能と判断し,原審もこれを是認したことによると考えられるのであり,前記の「被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない(あるいは,少なくとも説明が極めて困難である)事実関係」が存在するか否かという観点からの審理が尽くされたとはいい難い。本件事案の重大性からすれば,そのような観点に立った上で,第1審が有罪認定に用いなかったものを含め,他の間接事実についても更に検察官の立証を許し,これらを総合的に検討することが必要である。5結論以上のとおり,本件灰皿内に存在した本件吸い殻が携帯灰皿を経由してCによって捨てられたものであるとの可能性を否定して,被告人が本件事件当日に本件吸い殻を本件灰皿に捨てたとの事実を認定した上で,これを被告人の犯人性推認の中心的事実とし,他の間接事実も加えれば被告人が本件犯行の犯人であることが認定できるとした第1審判決及び同判決に審理不尽も事実誤認もないとしてこれを是認した原判決は,本件吸い殻に関して存在する疑問点を解明せず,かつ,間接事実に関して十分な審理を尽くさずに判断したものといわざるを得ず,その結果事実を誤認した疑いがあり,これが判決に影響を及ぼすことは明らかであって,第1審判決及び原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認められる。よって,弁護人中道武美の上告趣意第4点について判断するまでもなく,刑訴法411条1号,3号により原判決及び第1審判決を破棄し,同法413条本文に従い,更に審理を尽くさせるため,本件を第1審である大阪地方裁判所に差し戻すこととし,裁判官堀籠幸男の反対意見があるほか,裁判官全員一致の意見で,主文の- 12 -とおり判決する。なお,裁判官藤田宙靖,同田原睦夫,同近藤崇晴の各補足意見,裁判官那須弘平の意見がある。裁判官藤田宙靖の補足意見は,次のとおりである。私は,多数意見に賛成するものであるが,本件において被告人を犯人であるとする第一審判決及びこれを支持する原判決の事実認定の方法には,刑事司法の基本を成すとされる推定無罪の原則に照らし重大な疑念を払拭し得ないことについて,以下補足して説明することとしたい。1第一審判決及び原判決が,被告人を本件の犯人であると認定した根拠は,基本的には,以下のような点である。(1)被告人が当日現場マンションに立ち入ったことを証する幾つかの間接証拠が存在すること。(2)被告人被害者らを殺害する動機があったとまでは認定できないが,被害者Cとのやり取りやそのささいな言動をきっかけとして,同人に対し怒りを爆発させてもおかしくはない状況があったこと。(3)第三者の犯行を疑わせる状況は見当たらないこと。(4)被害者らの推定死亡時刻頃における被告人アリバイはなく,また,この点についての被告人供述あいまいであり,不自然な変転等が見られること。(5)これらの事実は,それ自体が直接に被告人が犯人であることを証するものではないが,これらを総合して評価すると,相互に関連し合ってその信用性を補強し合い,推認力を高めていること。しかし,これらの根拠は,以下に見るとおり,いずれも,被告人が犯人であることが合理的な疑いを容れることなく立証されたというには不十分であるというほか- 13 -ないように思われる。2(1)被告人が当日現場マンションに赴いた事実を証するとされる間接事実は,仮にこれらの事実の存在が証明されたとしても,そのいずれもが,公訴事実自体とはかなり距離のある事実であり,いわば間接事実のまた間接事実といった性質のものであるに過ぎない。例えばまず,被告人が当時使用していた車(白色のホンダストリーム)と同種・同色の車が事件発生時刻を挟んだ数時間現場の近くの商店前の路上に長時間にわたって駐車されていたという事実は,必ずしも,被告人が使用していた車そのものが駐車されていたという事実を証するものではない。また,近所のバッティングセンターにおいて被告人ないし被告人とよく似た男が目撃されたという事実についても,そのこと自体は,あくまでも,被告人現場マンションの近くにいたという事実を証するものであるに過ぎない(被告人は,具体的な場所については特定できないものの,当日現場マンションの近くに赴いたこと自体は,必ずしも否定してはいないのである)。このような状況にある以上,上記二つの事実は,当日被告人が犯行現場に赴いたということをより積極的に推測させる証拠がある場合にそれを補強する機能しか持ち得ない筈のものと思われるが,そのような積極的証拠としての役割を持たされているのは,唯一,現場マンションの犯行現場に通じる階段の踊り場の灰皿内から発見されたたばこの吸い殻から,鑑定により被告人のものと一致するDNA型が発見されたという事実である。しかし,多数意見も詳細に指摘するとおり,問題のたばこの吸い殻が,発見された際の状況等に照らして,間違いなく被告人が当日当該灰皿の中に投棄したものと推認できるか否か(被告人の吸い殻が入った携帯灰皿をCが過日同マンションに持ち帰り,本件当日以前にCが当該灰皿に投棄した可能性が- 14 -あるという論旨に対し,そのようなことはおよそあり得ないとまで言えるか)については,少なくともそのように断言することはできないように思われる。以上要するに,上記の各間接事実の存在によって,被告人事件当日現場マンションを訪れたという事実については,その可能性が相当の蓋然性を以て認められること自体は否定できないが,その事実自体を証拠上否定できないとまでいうことはできない。更に,仮にこの事実の存在が認定されたとしても,公訴事実との関係では,(被告人がこの点に関し虚偽の供述をしていることが判明したという事実をも含め)それ自体が一つの間接事実に過ぎないのであって,被告人の有罪認定の根拠としては,未だ強力な証明力を有する事実とまでいうことはできない。(2)犯行の動機につき,第一審判決及び原判決においては,被告人にCを殺害する動機があったとまでいうことはできないにしても,同女との間のやり取りや同女のささいな言動など,何らかの事情をきっかけとして,Cに対して怒りを爆発させてもおかしくない状況があったという事実が,単独ではその推認力には限界はあるものの,被告人の犯人性に関する積極方向の間接事実であると指摘されている。しかし,このように一般的抽象的な状況のみで,当日被告人とCとの間にどのような具体的事実があったのかについておよそ認定されることなく,これを被告人有罪の積極的根拠として用いることについては,疑問を禁じ得ない。すなわち,動機についても,原判決認定に係る事実のみでは,せいぜい,本件犯行の一般的な可能性があることを否定できない(動機があり得ないとは言えない),という程度の証明力しか無いように思われるのである。また,仮にCに対する犯行の動機を,上記のようにその場における突発的な激情ないし憤激(の可能性)に見出すとしても,そこから更に進んで,証拠隠滅目的のために被告人が日頃可愛がっていた(わずか- 15 -1歳10か月に過ぎない)被害者Dの殺害にまで至ったという説明についても,十分な説得力があるものとは言えない。(3)第三者の犯行可能性について第一審判決がこれを否定する根拠は,いずれも,例えば宅配便郵便配達を装った通り魔殺人の可能性を排除するものとして,必ずしも説得的であるとは言えない。なお,本件における捜査のあり方に関しては,本件マンションに立ち入ったことを自供した被告人平成14年8月17日付の供述調書(乙14号証)につき,原判決もまたその任意性を否定せざるを得なかったことに示唆されているとおり,その適法性につき疑念を抱かせる点が無いとは言えないのであって,捜査陣が,捜査の早い段階から被告人が犯人であると決め付けて,その裏付けとなりそうな事実のみを集め,それ以外の事実については関心を持たなかった(切り捨てた)のではないかという上告論旨の指摘も,全く無視することはできないというべきである。(4)被告人の当日の行動についての説明には,極めてあいまいなものがあり,とりわけ,当日立ち寄った場所に関し,一つとして確定的なことを述べていないという点は,大いに不審を抱かせる事実であると言わざるを得ない。しかし,であるからといって,そのこと自体が被告人を犯人と推認させる決定的な事実となるわけではなく,やはり可能性を否定し得ないというだけのことでしかない。また,原判決が重視する,被告人が犯行時刻頃に携帯電話の電源を切っていたという点については,もしこの事実が被告人の本件犯行を裏付ける事実というのであれば,被告人の犯行は計画的なものであり,それが故にこそ前以て電源を切っていた,ということになる筈であると思われるが,本件の犯行が(未必の故意をも含め)予め計画されたものであるとは全く認定されていないのであって,むしろ,上記のように,現- 16 -場におけるCとの接触の中での突発的・偶発的な殺意によるものであると推測されているのである。果たして,そのような犯行状況の下で携帯電話の電源を切るというような冷静な行動に出ることが,容易に想定され得るであろうか。なお,仮にこの事実が,必ずしも被告人の本件犯行そのものではなく,被告人被害者宅を訪れること自体を秘する目的であったことを裏付けるものとして引き合いに出されているのであるとしても,バッテリーの消費をセーブするために携帯電話の電源を一時切るという行為自体は必ずしも奇異な行動とは言えない上,そもそも当日被告人被害者宅を探すために行動していたこと自体は,当初から,特に秘されていたわけではないのであって,それにも拘らず急遽携帯電話の電源を切ることとなったのは何故かについては,第一審及び原審において,なんら明確な認定がされておらず,全ては,被告人が犯人であることを前提とした上での推測に基づくものでしかない。のみならず,仮にそうした事実が認められるとしても,被告人被害者宅を訪れたという事実自体,本件犯行との関係では一つの間接事実としての位置付けを与えられるものでしかないことは,先に見たとおりである。(5)第一審判決及び原判決は,上記の各間接事実について,その一つ一つについては,それだけで被告人有罪の根拠とすることはできないものの,これらを「総合評価」すれば合理的疑いを容れる余地なく被告人有罪が立証されているとする。私もまた,このような推論が一応可能であること自体を否定するものではない。ただ,本件における各間接事実は,その一つ一つを取って見る限り,上記に見たように,さほど強力な根拠として評価し得るものではなく,たばこの吸い殻のDNA型を除いては,むしろ有罪の根拠としては薄弱なものであるとすら言えるのではないかと思われる。本件において認定されている各事実は,上記に見たように,いずれ- 17 -も,被告人が犯人である可能性があることを示すものであって,仮に被告人が犯人であると想定すれば,その多くが矛盾無く説明されるという関係にあることは否定できない。しかし一般に,一定の原因事実を想定すれば様々の事実が矛盾無く説明できるという理由のみによりその原因事実が存在したと断定することが,極めて危険であるということは,改めて指摘するまでもないところであって,そこで得られるのは,本来,その原因事実の存在が仮説として成立し得るというだけのことに過

2010-09-08

http://anond.hatelabo.jp/20100908130537

心配する<>紳士きどりorDQNな行動

ここは大いに違うし、そもそもここの勘違い元増田フルボッコなんだから区別すべき

元増田id:logic_masterが同レベルと言わしめているのも、まさしくここ。

元増田チビ男に対してどう思おうと、それは個々の理由と考え方がある。

しかし、ここで相手が悪いんだから、俺の行動(思想)は好青年(正しい)なんだぜ!という論理に至って

DQN行動を夢想してるのがフルボッコたる所以。

勝てると思ったから、でも、女を脅したのが気に食わないから、でも根っこは同じだ。

元増田は実際に行動し、怖い目に遭うという経験を積み

id:logic_masterは何の経験も積まなかった、という大きな違いはある。

けれど、所詮元増田喧嘩を売った相手の見立て違い程度にしか捉えず

id:logic_masterは実行していないし元増田を擁護してない、という見当違いの言い訳をしている。

どちらも、自分自身のDQN思想には思いが至らないそっくりさん

もう元増田=logic_masterでもいい気がしてきた。


ところで、そろそろ元増田釣り宣言は来ないの?

2010-09-03

社内には、増田さんに提供できる仕事がない

リストラ宣告された。

「特別転進なんちゃら」と言葉を飾ってはいるが、要するに「辞めてくれ」って話だ。


ちょっと待ておい。

うつで病欠休職から復帰するところなんだが。

病人クビにするのかよ?

それって人道的にどうなのよ?

リストラの表向きって、「他社で活躍してもらう」じゃないの?

今どきうつの40代雇う会社があるとでも?


私は辞めないよ。今はね。辞めてやっていける状況にない。

だから、いくら辞めてくれと言われても徹底的に跳ね返す。


そうすると、次の段階として指名解雇というのがあるそうなんだが、

これは関係会社業界に広く影響するので、軽々には行えないらしい。

会社はそこまでのリスクは冒さないだろう、というのが知人の見立てだが、

万一そういう事態になったときは、労働争議に持っていくのだそうだ。


なんか詳しい知人がいるので助かっている。

2010-08-26

http://anond.hatelabo.jp/20100826015255

月の光を溶かして飲んだりするんだぜ。

それはなんだかロマンチックだね。魔術はキライじゃないよ。

自分では思っている」ことがホメオパシーの根幹。

結局ホメオパシー本質的な部分は「ホメ医の見立て」なんだよ。

ほんとうは、これは心理療法の人が担当すべきなんだろう。

代替療法というのは、科学的にはアレが多いけど、患者メンタルな面を支えているから支持があるんだろう。

よくスポーツ選手でも、マッサージ師とか鍼灸師とかに心を許しているということを聞く。

http://anond.hatelabo.jp/20100826015255

月の光を溶かして飲んだりするんだぜ。もう物質関係ない。

ベルリンの壁を溶かして飲めば人との間の壁がなくなって非コミュが治るんだぜ?

え、それマジで言ってるの?

さすがにホメオパシー関連でもそこまでアレなことを言ってるのはかなり少数派じゃね?

そうでもないの?

水と溶かした(と自分では思っている)成分

これが大事なんだって。「自分では思っている」ことがホメオパシーの根幹。

結局ホメオパシー本質的な部分は「ホメ医の見立て」なんだよ。

うわ、そうなるとかなりヤバイことになるな。

その論理突き詰めたら、二重盲検法原理をあっさり無効化しちゃうんじゃないか?

http://anond.hatelabo.jp/20100826013516

月の光を溶かして飲んだりするんだぜ。もう物質関係ない。

ベルリンの壁を溶かして飲めば人との間の壁がなくなって非コミュが治るんだぜ?

水と溶かした(と自分では思っている)成分

これが大事なんだって。「自分では思っている」ことがホメオパシーの根幹。

結局ホメオパシー本質的な部分は「ホメ医の見立て」なんだよ。

科学を装うための論理を論破しても、科学と誤解して絡め取られようとしている人は救えるが、ホメオパシーの真髄に触れてしまった人は引き剥がせない。

2010-08-21

投票義経済??

電子出版の事を考えていたらなんか色々と夢想したのでメモ

ここで言及されている各分野とその用語には著しい知識の欠如、誤認等があるでご注意ください。

一般的に書籍は有料であり、貨幣を対価として支払わなければ入手することはできない。

しかし巷には図書館というものが存在し、ほとんどの書籍無料で一定の期間手に入れることが可能である。

つまり情報をタダで入手することができるというわけだ。

弱者のための社会インフラとしてこのようになっているのだが、根底にあるのは情報無料であるべきということだ。

それを裏付けるようにインターネットでは多くのものが無料ロハである。

電子出版など情報を売って対価を得ようとする向きもこのほどはあるようだが、由々しきことである。

貨幣とは工業製品に対して支払われるべきものだからだ。

ここでいう工業製品とは何かしらの資源を使って造られたもののことであり、資源とは人類にとって限り有る地球資源のことだ。

資源はほとんど無限にある人間精神活動に対して有限である。

故に精神活動を原料としいくらでも生産可能な書籍などとは違い無闇やたらと資源を大量使用されては困るのだ。

そこでそういうった粗製濫造を防ぐために導入させた制度貨幣経済である。

貨幣バロメーターとすることにで人々の人気が高く必要とされている製品とそうではない不人気、不必要な製品を区別できるようになったのだ。

こうして誰もが欲しがるような素晴らしい製品には資源がより多く消費され、

誰も欲しがることのない欠陥製品には無駄資源が極力投入されないというように限り有る資源が有効活用されるようになった。

現在のところ資源完璧リサイクル方法は見つかっておらず際限なく使用していればいずれ枯渇する危険があるからだ。

この貨幣経済の成り立ちについては世界各地でそれぞれ別個に起こったものなのだが、

これはどのような人類社会にあっても無限には存在しない資源をどのように民意を反映しつつ利用していくかを模索し突き詰めた結果であると考えられる。

このように、貨幣を使用するというのは資源の活用方法についての投票行為なのである。

人と人とが接触することによって無限に生まれる情報やそれを記録する活動に対しては、それらがいくら大量に

生産されたとしても材料となる素材がほぼ無限存在しているため一向に構わず、貨幣による投票を必要としない、つまり無料であるべきなのだ。

現代の市場では書籍に対して価格が設定されているが、これは紙資源の分配、活用使途への投票であり、中身の情報はタダである。

これはインターネットに記載された情報のほとんどや市井の会話を盗み聞きしてもそこに支払い義務が発生しないことからも容易に理解できるであろう。

他方、スポーツ選手のギャラや弁護士への相談費用インストラクターへの代金など

明らかに地球資源の活用とはなんの関係性も見出せないような事柄にも貨幣は使用されている、これはなぜだろうか。

これは貨幣経済が発達しその目的拡張した結果である。

現代の政治では多くの民主主義を謳う国家議会制が導入されている、これは国の意思決定について直接国民が判断を下すのではなく、

国民投票によって信任を得た一部の人間がいわば代理で国家を運営する制度である。

同様に、経済活動についても現代ではそのほとんどが直接の投票ではなく、自らの票を能力の高い人物、組織に付託し権利を移譲する間接的な投票行為が多くを占めている。

先程のギャラや相談費用などは全てこれに該当するというわけだ。

こうしたように人類社会のなかで相対的に影響力が大きく能力が担保されている人物が多くの投票権を得ることでシステムの信頼性が向上しているといえる。

人ひとりの平等を貫き有用な社会活動を通しての投票権利移譲を認めなかった社会主義では資源運用指針が実際の需要とは大きく違ったものとなり失敗してしまった。

この社会主義破綻を見てもわかると思うが発達した貨幣経済では貨幣の役割は限り有る資源の使い道を決めるだけに留まらず人類全体の意思決定にまで及んでいる。

これは統一された価値基準である貨幣が本来可視化の難しい相対的な人間の意志や欲望をうまく数値化し社会的評価などをも内包せしめた複雑な投票活動を可能にしたからである。

人間の意思を矢印に見立てるとそれまでおのおのバラバラの方向を指していたように見えた矢印が

貨幣という媒体を得たことによって大まかにではあるが、複数個の矢印により構成されたグループの指す向きや全体の指し示している方向が見えるようになったのだ。

貨幣経済とは、いうなれば人類目標たるを示してくれる投票制度であり、期せずして出来上がった人類最良のシステムである。

2010-08-19

叶うわけないと挑戦すらしなかった夢を、本当に諦めたのはいつですか

いつからだろう、何か本気で取り組んでみたい物事を見つけるたびに、わざとそれを避けるようになったのは。

できないからやらないのではなく、したくないからやらないのでもなく、したいけどやれない。

こんな矛盾した気持ちを抱えているのは自分だけではないだろうと思う。


僕は小さい頃からスペシャリストよりジェネラリストに憧れた。

自分だけにしかできない何か一つを持つよりも、自分は何一つできないことなどない。

そんな人間になりたかった。

個性なんてお断り。個性なんて背負えば他が潰れてしまう。なるべく平らで均されていて、でもそれぞれか程良く高い。

そんな優秀な人間になりたかった。なれると思っていた。


どんなことでも経験してみたかったし、どんなことでも知りたかった。

何も華やかなことや凄いことだけじゃない、苦しく汚らしく嫌らしい、そんな何もかもを体験していきたかった。

そして自分のそうした好奇心がいずれは自分を大きく立派な人物に成長させるのだと信じていた。

小学生も高学年になればあの頃に特有の万能感もだいぶ薄くなっていたけれど、この好奇心があれば自分大丈夫。人とは違う。

そう思えた。


中学生にも上がるとだんだん世の中が見えてくる。

少なくとも僕は一握りの才能をもって生まれた人間ではないということに気づく。

物語にでてくるような何でもできるスーパーマンにはなれそうもない。

それでも没個性への志向自分好奇心が強いという核にブレはなかった。

けれど、実際のところそれは心の持ちようでしかなく、

好奇心が強く色々なことを経験したかったはずの僕は、何か行動を起こすというのにはいつも消極的だった。


歳を指折り数えられなくなった頃、世界は大きく広がった。

自分の手が届く範囲だけでも見落としてしまいそうなくらい小さなものから、すぐに目に付く大きなものまでたくさんの選択肢がある。

そのそれぞれから続く道は更に遠くどこまでも伸びてゆき、いくつもに枝分かれしている。

多くの友人が一番大きく太い道を、特別な何かを持った幾人かはそっと違う道へと逸れていく。

僕はというとあれもこれもと言っているうち、とうとう時間がなくなってしまいしぶしぶ皆と同じ道へ。

そうしてそんなことが何度か繰り返され、大きかった道もだんだんと狭まっていき、仲間も減っていく。

結局僕は目移りをしていただけだ。

寄り道することも、それらに触れることすらもなく綺麗に舗装され踏みならされたその道をまっ更な靴で歩いている。


気づけば大学4年生。

何にも挑戦することなく、もちろん何の実力もなく、周囲と自分を騙し騙し生きている。

あと半年

人生モラトリアムを終え社会に一歩踏み入る準備期間。

これから待っている残りの人生子供のころ憧れていた僕とは程遠く、思い描いていたものとはだいぶ違ったようだ。


本当にしたいことが、やってみたいことがたくさんあったのに。

何一つ手をつけることすらしてこなかった。できなかった。

決意を新たにし、覚悟を決めたのは10回や20回なんてものではない。

何百、何千回と心にリセットを掛け、道具や思い出を大切なきっかけに見立て、人に伝えることで退路を絶った。

しかし、それが行動に移ることはただの一度もなく、代わりに腰についた鎖だけが重みを増し、より立つことを困難にしていく。

自分は何かに挑むことが、何かを頑張ってみることが、それができない、そういう生来の特徴を備えた人種なのではないだろうか。

そんな風に考えるようになっていく。


でも、本当はそれでよかったのかもしれない。

挑戦しても、頑張ってみても、成功することなんて滅多にないのだ。

わざわざ敗北者になりたいの。どうせできっこない。

今の自分を、今までの自分を認めてあげようよ、自信を持とうよ。

そんなことを考えてしまう自分の心がどうしようもなく気持ち悪くて、自ら作った防護柵をがしがしと音を立て壊していく。

そうして残った自己嫌悪だけはしっかりとそこに根を張り、

ああ自分ダメ人間なんだ、と諦めの念ばかりが強まる。

自信や自己実現なんて成功に必要な好循環からは遠ざかる一方だ。


常に揺らぎを持って自分を定位置に留めていたくない。

理想はそうあったのに、口だけなら今でもはっきり言える。

でも、現実はほんとうに同じような毎日の繰り返しで、決まって同じ場所にぽつんと立つ自分がいる。

なぜここまで心と体で乖離できるのだろう。

こうして日々を過ごしていけば、嫌でも自分というものがわかってくる。

自分に何かの才能がないことを知った時よりも、自分にはスタートラインに立つ勇気さえないと気づいた時の方が何倍もショックだった。

思いが行動に繋がるにはほんとうにいくつもの壁がある。

周りの人間がひょいとその壁と軽々しく飛び越えていくのを見るたび、より壁が高くなったように感じられる。


しかし、僕も来年には社会人となる。

こんな気持ちは学生ありがちなものとして、いつしか忘れることができるのだろう。

中二病というやつをこじらせてしまっただけなのかもしれない。

でもいつなのだろう。


これまでも幾度かあった。

心のなかで燻っていたものがいつの間にか消えているのに気づいてしまいそうになることが。

違う。まだなくなってはいない。

そんなように感じるだけだ。

でも、まだ確信ではないのだけれど。

それを確かめるのが怖い。

認めたくない。

そうしているうち少しだけ、ほんの少しだけ息を吹き返す。

それを感じ、まだ自分には願い想う心だけは残っているのだと、ほっと心底安心する。

でもいつか本当に消えてしまう日がくるのだろう。

いつなのだろう。

挑戦したいと思う気持ちまでもがきれいさっぱり消えてしまい、可能性すら失うのは。


願わくば自分がこれを書いたことをきっかけとして大きくそして初めての一歩を踏み出さんことを。

2010-06-28

ヒョードルが負けて考えたこと。

ヒョードルが負けた。2000年に高阪に負けて以来、じつに10年ぶりの黒星だそうだ。その高阪戦だってファーストコンタクトで不運にも目の上を切ったヒョードルドクターストップがかかったもので、負けたヒョードルはピンピンしていたし、高阪は済まなそうにリング上で頭を下げていた(このときの高阪の態度はじつに立派だった)。

昨日、ヒョードル三角締めを取られたそうだ。柔道出身なのにストライカーとしても異能者だったヒョードルは、今までだって何度も三角に取られる展開を経験していたはずだ。相手を倒して前からマウントを取りに行けば、まず下の選手三角を狙う。それを100%の確率で潰しきってきたヒョードルが、わずか1分かそこらで三角を取られたというのだから、やはり、ヒョードルのなかに変化というか、退化が訪れていたと考えるべきなのだろう。

ぼくはヒョードルと同い年だ。33歳という年齢は、若者というにはトウが立ちすぎているし、かといって立派な大人というには精神的にも銀行口座的にも決して豊かな蓄えがない、そんな感じの世代だ。いわゆる氷河期、76世代といわれるぼくたちの年代でもっとも有名なのはたぶん中田英寿だろう。ぼくは中田ペルージャでのデビュー戦でユーベ相手に衝撃的な2発を叩き込んだことをよく覚えているし、彼が旅人に転じたのを微妙な気分で眺めたりもした。

この10年、中田もぼくも、その程度の差はものすごいのは当然なのだが、いずれも挫折や苦悩を経験し、己の限界を知り、別の道を模索したりしてきたわけだ。ぼくはといえば、ようやく、なんとなく、今後の生きる道のようなものが見え始めてきている。

10年前、大きな挫折を経験したぼくは、その後3年くらいを無為に過ごした。心を殺して死んだ目でアルバイトに勤しみながら、いつ死のうか、とそんなことばかり考えていた。駅のプラットホームで思わず座り込んでしまったこともあったし、アルコール中毒寸前までいったこともあった。6畳風呂なしのアパートは荒れに荒れ、押入れのなかはネズミの死骸と糞でとんでもない悪臭を放った。

何度か訪れた再起のチャンスも、手を伸ばせばするりと抜け落ちていった。がんばって稼いだ金をかすめ取られたりもした。何もうまくいかなかった。そのたびに血が出るほど唇を噛んで、なぜだ、なぜだ、何が悪いんだ、そう自問自答を繰り返したが、巡ってきたチャンスが大きければ大きいほど、ぼくは深く傷つくだけだった。そんな日々のなかで、いつしかぼくは自分に期待することをやめた。人は希望さえ捨ててしまえば、二度と絶望に泣くことはないのだ。ぼくはそうして、生きることを選んだ。

20代の後半になったころ、ぼくは過去のいろいろなものを捨てて、新しい仕事に就いた。その会社のトップを仮想敵に見立てて、そいつらを打ち負かすことだけを考えて働いた。働けば働くほどそいつらは打ち負かされるどころか潤うわけだが、そいつらが「君が必要になった」という顔をする瞬間にだけ快感を求めて、その顔をひとしきり眺めては会社を変えた。今の会社のそいつはたいへんな強敵で、とうてい打ち負かすことなんてできそうもなく、ならばそいつに助けてもらおうと考えを変えた。考えを変えたら、時計の針がゆっくりと回り始めた。気が付けば、10年前にぼくを深く傷つけた場所が、違う立場で目の前に広がっている。

その10年、ヒョードルは勝ち続けてきたのだ。スポットライトの中で、勝者であり続けてきたのだ。そう考えたら、くらくらした。コンマ数秒、気を抜けば打ち負かされていたかもしれない。殺されていたかもしれない。そういう緊張感のなかで、ヒョードルは勝ち続けてきたのだ。

10年前、ぼくは特別な人になりたいと願っていた。その願いに目がくらみ、いつのまにか普通の人ですらなくなってしまっていた。それから普通の人を目指して、いまようやく、普通の人になれたという実感がある。

その10年を特別な人として過ごしたヒョードルは、今回の敗北で普通の「強い選手」のひとりになった。契約の関係で、少なくとももう1試合リングに上がることが決まっているそうだ。これからもヒョードルは、勝ったり負けたりするのだろう。

本当に面白いのは、これからだぜ?

僭越ながら、そう言ってやりたい気分だ。

2010-06-19

過剰なサービス提供消費者の増長を生む

過剰にサービスを手厚くすることは己の首を絞める危険な行為である。

つい最近、私は危なくそのような過ちを犯すところだった。

私がどのようにして判断を誤りそうになり、そしてどのようにして危ういところで軌道修正できたのかをここに書き残しておこうと思う。


数日前のことだが、保育園に連れて行く時間の5分前に、息子が

「何か食べたい」

と言い出した。

時間前に中途半端に食べて残しただろきちんと食べろということを幼児にわかりやすく教える時間がなかったので、

時間ないからおにぎり作ってあげよう。自転車の後ろで食べなさい」

というと

「いやだ」

などと抜かす。

叱っている暇もないので苦し紛れに、

「じゃあスペースシャトルおにぎりは?」

などと何の考えもなく息子の気に入りそうな単語おにぎりをくっつけて提案すると、息子は大喜びで飛びついた。

スペースシャトルおにぎりスペースシャトルおにぎりがいい!」

息子が大喜びで出かける準備をしだしたのはいいが、何の考えもなく言い出したことなので、どんなおにぎりスペースシャトルおにぎりなのか皆目検討もつかない。

一瞬頭に浮かんだのは、普通三角おにぎりの両端を薄くして主翼のようにして、残った端っこの近くに楕円に切った海苔を張りコクピットとし、裏側には耐熱タイルを模した、おにぎりの形にぴったり合うように切った海苔を張った立派なスペースシャトルおにぎりだった。

しかし、そんな精巧スペースシャトルおにぎりを作っていたのでは出発時間に間に合わない。

それに海苔がどこにあるのかわからない。妻に聞こうにも、妻は出勤時間が早いのでもういない。

仕方がないので、半ばやけくそでいつもの正三角形おにぎりを縦長につぶしたような鋭角の二等辺三角形を作り、その粗末な米の塊をスペースシャトル見立てて息子の目の前で飛ばす真似をした。

「ぶおおおおお、ずどどどどどど、ヒューストンヒューストン応答せよ!」

「うわあ、スペースシャトルだ、ちょうだいちょうだい!」

息子は狂喜乱舞してスペースシャトルを追いかけ、うまく誘導されて自転車の後部座席に搭乗した。

本当に危ないところだった。

もし、息子のわがまま時間のあるうちに発動していたら、私は海苔の切り貼りを駆使した精巧スペースシャトルおにぎりを作ってしまっていたかもしれない。そうしていたら、おそらく次からはどんなに時間がなくて切羽詰った状況でも、息子は精巧スペースシャトルおにぎりしか食べないと駄々をこねるようになっていたに違いない。

子供だまし

こういう言葉をよく聞くが、私が実際に作ったスペースシャトルおにぎりは、間違いなく子供だましだった。

しかし、息子にしてみれば、そういう子供だましでも十分にスペースシャトルに見えるのであり、大人の視点で無駄時間と労力を費やして精巧モデルを作る必要はなかったのだ。

以上のようなことを興奮気味に妻に話したところ、

「そんなの、わがままいってる子は何もあげません!って叱って自転車乗せちゃえばいいんだよ」

と言われた。

確かにそのとおりだと思った。

2010-05-08

ID: YEtDfOXQGH まとめ その2

811 : 797 :2010/05/01(土) 23:51:57 ID: YEtDfOXQGH

>>806

ID: YEtDfOXQGHにとってリンチ潰しはテロ行為と同じなのかwwww

規模は違うよね、規模は。

どちらも己の信念に基づいている以上、どちらも確信犯揶揄されても免れることはできないよ。

>お前の脳内リンチ待ちの存在は無いのか。まぁ乱闘しない時点で論外だが

リンチ待ちなんて持ち出したらキリがないよ?なれ合い待ちだのネタ待ちだの持ち出して収拾付けられるの?

どんな場面でも原理主義ってのは扱いが難しい。

リンチ無くなれば潰し動画需要なんてどうでもいい件

極端だね。もう少し考えよう。

ここで>>808の「おきらくは~」のことばがそっくり使える。

もうサービスを開始してしまったんだから、ゼロになるときはサービス停止までないと思っておいた方がいいよ。そこまで続けるってなら好きにすればいいけど、何だかなあ。

乱闘部屋で崖待ちガン逃げハイエナしてる馴れ合い乱闘も楽しんでるとは言わん

主観が入ってるぞ。ジャイアニズム信条なのかな。

>何でそこで「乱闘嫌なら他のゲームすればいいじゃないか」という結論が出ないのか不思議でならない

他の目的で利用できる環境が整っているから、としか言いようがない。あえてそういう例えを持ち出すなら、

IEfirefoxブラウザに使えるとき、俺はfirefox使うからIE厨も俺の使ってるものを使え」っていうのに近い。

もちろんこのブラウザ選択肢に、OperaSafariがあるということは「俺」の中に含まれていない。ましてやレンダリングエンジンが複数あるLunascapeや、ブラウザを使い分けている人もいるだろう。でもそんなことなど知った事ではない、多数派の俺に逆らうな、というジャイアニズムが見えている。

そういう(選択に余裕のある)土壌が整ってしまっている以上、つまり何を選ぼうとユーザー勝手でしかない。

だから俺はコマ抜けを選ぶ。なれ合いやりたい奴は好きにすればいい。そして君は潰すという選択をしたわけだけど、そこに善悪の観念を持ち出すのはどうなのかな、と思って>>797で聞いたんだけどね。

まあ、あとはループするだけだから特段話すこともないかな。

812 : ななしのよっしん :2010/05/02(日) 04:20:51 ID: S6v13hQLJ3

>同じ穴のムジナ

>>805も>>808も>>802を読んだ上でそう思ってんのか

テロリストテロ行為に抵抗する奴もテロリストってか、わろすわろす

規模が違うだけで潰しとテロ行為が同じ事だと本気で思ってるとは恐れ入ったぜ

じゃあ犯罪者も信念さえ持って犯罪犯してりゃ警察と同類だなぁ。犯罪者格好良いねぇ

>>811

リンチ待ちなんて持ち出したらキリがない

馴れ合い目的じゃなくリンチ目的の奴はどうなんだ、って意味で聞いたんだが

何で馴れ合い待ちやネタ待ちの話を持ち出す事になったんだ?あぁ、俺の扱いが難しいせいか

>極端だね

勝手に「持ちつ持たれつ」とか恩着せがましい事言ってたんで

馴れ合いいなくなったところで潰しは困らない、って意味で言ったんだがそんなに扱い難しいか

主観が入ってるぞ。ジャイアニズム信条なのかな

?扱いが難しかったのか?

>他の目的で利用できる環境が整っているから

>何を選ぼうとユーザー勝手

ようするに自由と自分勝手をはき違えてるだけか。ジャイアニズム

馴れ合いプレイヤーとしてカウントしてる時点ですでに間違いだけどな

乱闘する気無いのに繋いでる奴はただの荒らし

その荒らし勝手市民権得たと勘違いした結果が>>797>>808

馴れ合いリンチも一つの遊び方として認められてる!(だから馴れ合いリンチ正義)」

「潰しは馴れ合いリンチからすれば迷惑!(だから潰しは悪)」

「お互いに自分正義だと思ってる!(だからどっちもどっち)」

「潰しは自分のことを正義だと勘違いし、聖戦士を気取ってる!(だから潰しは痛くてダサい行為)」

このへんは大分テンプレ化してきたな

813 : ななしのよっしん :2010/05/02(日) 04:29:22 ID: TSUguD6iOw

スマブラXのおきらく乱闘において「乱闘しない自由」は許されない。

そこを理解していないプレイヤーが多すぎる。

乱闘する上での自由」キャラクターステージアイテムなどの設定の自由は許されるけど「乱闘しない自由」は認められない。これが理解できていればおきらくリンチなど起こるはずがないと思う。

ここからは自分意見なんですが、いくら楽しいからといっても最低限のルールを守らないといけないと思う。リンチ行為が一般の利用者に迷惑を掛けるということをもっとこどもたちに教えるべきだと思う。

こどもたちは何が一般の人々から見て迷惑行為なのかということを理解できていない。むしろ動物的な本能快楽だけを求めたら圧倒的優位に立って弱者をいたぶるリンチ行為に走るのは必然的な流れかもしれない。

だからこどもたちにゲームを買い与える親や発売元はちゃんと最低限のルールゲームプレイする前から教えてあげないといけないし、その義務があると思う。

それを怠るとこどもたちは心に一つの辞書しか持ってないから、他人の心には違う辞書があることを理解できず、おきらく乱闘リンチ行為をする場所 という考えに至ってしまう。そういった考えを持ってしまったこどもたちにリンチ行為が一般の人から見たら認められないことだと気づかせるのは難しいし、むしろエスカレートしてリンチ行為のような迷惑行為を他のことでも平気でするような人間になっていく気がする。

もちろん周りの人が教えてあげるのも一つの手だけど、リンチしているこどもたちにはもう一度自分がしていることを正面から向き合って考えてもらいたい。長文すみませんでした。

814 : ななしのよっしん :2010/05/02(日) 04:45:25 ID: Oj1UnEr8E2

システム的に何でもできちゃうんだから、自分の望んだとおりに遊んでくれる相手と遊びたいんだったら、フレンドコード交換して対戦すりゃいいんじゃねーの?

815 : ななしのよっしん :2010/05/02(日) 05:17:44 ID: S6v13hQLJ3

そもそもID: YEtDfOXQGHはおきらくリンチ問題点を理解出来てない

これスマブラだぞ。小さい子供もやるゲームなんだよ

初めてWi-Fi繋ぐ子は、おきらくの現状なんて当然知らない

何も知らずに大乱闘のノリで開幕攻撃すれば、3対1のリンチに遭う

小さい子にとっちゃ悪意むき出しのプレイトラウマものだろう

だが、それが馴れ合いリンチにとっての正義であり信念(笑)

そしてそいつらの正義と信念(笑)を許さずリンチを成立させないのが潰し

潰しをやる人の中には実際にリンチトラウマになったプレイヤーもいるだろう

でも不特定多数が繋ぐおきらくは誰もがお気楽に繋げるところでなければならない

堂々とリンチができる環境を放っとく訳にはいかない

だからそこで迷惑行為を行う馴れ合いリンチ厨は許さない

この二つの思想が「どっちも同じ正義」に見えるなら、もう何も言う事は無いな

にしてもわざわざ大勢の他のプレイヤーに迷惑をかけるおきらくじゃなく

他のゲームや>>814のいうようにフレンドでやりゃいいものを

何でそこで人に迷惑かける事を選ぶんだか・・・

人に迷惑かける事が正義?世間じゃ悪っていうんだよボケーッ!!

816 : ななしのよっしん :2010/05/02(日) 05:26:35 ID: Oj1UnEr8E2

小さい子供ネットゲーとかインターネットやらせる親にも問題があるとは思うけどね。

それに、普通に友達と一緒にオフラインで遊ぶ方が楽しいじゃん。

817 : 文盲(808) :2010/05/02(日) 07:43:03 ID: YsrXUpMpdr

>>YEtDfOXQGH さん(797さん)

 お互いもう少し納得いくまで、もう少しだけ話して頂きたい

>>S6v13hQLJ3 さん

 >同じ穴のムジナ~(テロ云々は関係無しで)

 話がこじれてしまってますが、リンチは悪以外の何物でもないが、ニコニコリンチ動画が次々とUPされ、更に各所で暴言を吐くのは「ちょっと違うんじゃないか?」という事では。

 はたから見れば、挑発しあって煽りあって、大してやってることが変わらない って意味です。(あくまで、「潰し」の行為に限ります。)

 >馴れ合いプレイヤーとしてカウントしてる時点ですでに間違い

 私も、ワイワイ乱闘がしたくておきらくに繋いでいるのでハッキリ言って馴れ合いは嫌いです。(開幕攻撃して何時もリンチされてます…)

 でも数が多すぎる、その行為が正しい遊び方だと思っている。⇒だから、自分が"乱闘"したいなら、コマ抜けしたほうが早い…妥協案です;;

 

 >小さい子供も~

 意思表示が出来ないおきらくでは、悪意むき出しのプレイヤー(リンチだけに限らず)と接続されるのは避けられない問題ですからね。

 悲しい事ですが、馴れ合いリンチを楽しんでいる"小さい子供"も居るんですよね。(推測の域を出ませんが)

 私が疑問なのは、「潰し」をしてリンチが減るのか?という事です。リンチ行為の成立には「潰し」が必要ですから"潰しを待っているリンチプレイヤー"も相当居ると思いますよ。

>>TSUguD6iOw さん

 >「乱闘しない自由」は許されない

 正にその通りだと思います。お互いマナーをわきまえないと、ネットゲームは成り立ちませんよね。

 私もルールを理解していない人に ちゃんと伝えたいが為に動画を作ってます。

補足:808での書き方が悪かったのですが、自分が繋ぐ目的の為に好き勝手遊んで良い、という意味は文に含まれてません。

  (乱闘馴れ合い両方共楽しめるプレイヤーは少ない、という主張の引き合いに出しただけです…)

818 : ななしのよっしん :2010/05/02(日) 11:13:35 ID: /42do5WdbY

問題多すぎだよね、リンチ厨が居るおかげで。

1.リンチ厨はおきらくの「自由」と「自分勝手」をはき違えてる

2.下手すりゃ大人が子供を3人でボコボコにして精神的にいじめてる

3.ネットマナーがなってない

とりあえず重要なのは1と3ね。2は下手すればだから

あ、潰されて反省した人は居るみたいだけど。

リンチが無くなったら潰し動画なんて一斉に消されるだろそりゃ。

こちらから言えばさっさと改心して乱闘して欲しい、乱闘派の人が暴言言ってるのはリンチ厨が間違った行為をしているからで、乱闘すれば叩かれる事もないし逆に褒められるっつーの

改心したら何にも言われないの、潰しなんてしなくていいから乱闘派になれ。

乱闘だったら負けても楽しめるんだよ。「乱闘」だったらな。

馴れ合いリンチの奴らが居たら聞くけどさ、

自分がされたらどう思うよ、何回繋ぎ直してもリンチされてばっかり。

何度入っても3人に狙われて撃墜されて挑発アピール。どう思うよ。

819 : ななしのよっしん :2010/05/02(日) 11:29:47 ID: Ay5ZIldgeK

>>817

リンチ行為の成立には「潰し」が必要ですから"潰しを待っているリンチプレイヤー"も相当居ると思いますよ。

同感。正直言うと俺が以前そうだったから,他にも居るような気がする。

俺はリンチがしたかった。だから新しく入って来た一人側が馴れ合いだと困るわけだ。攻撃仕掛けてもほぼ抵抗して来ないからな。そういう時は抜けた。

潰しはありがたいよ。貴重な相手だ。

820 : ななしのよっしん :2010/05/02(日) 12:03:15 ID: AwtcwKfzTw

>>797

でっかい釣り針ありがとう

821 : 797 :2010/05/02(日) 16:06:22 ID: YEtDfOXQGH

>>813

スマブラXのおきらく乱闘において「乱闘しない自由」は許されない。

許容の問題ではないんだけど、「システム上できてしまうものを何か理由をつけて禁止にする」として、それを根本から達成させるためには「システムそのものを変えるしかない」わけです。

自重しろ」と他者のモラルに頼ることで済んでいれば、こんなことにはなってないです。

今回はその自由が制度上許されてしまっていますが、おそらくその自由が認められなくなるときはサービス停止のときだと思うので、まあ現状が続けば潰しもリンチも持久戦になって互いに疲弊するだけでしょう。

後半はほぼ同意するところで、潰しではなく、親のような第三者からのことばというのは絶対に必要。

ただし、今回に限って言えば、任天堂がこうなる事態を予測できなかったとはとても思えない。あくまでフレンドがいない人のためのおきらくだったと思うのですが、実際の利用状況は想定とずれていたんじゃないか、と考えています。

まあ、この辺は任天堂しか知りようがないので、なんとも言えませんが。

長くなってしまうのでレスを分けようと思います。

822 : 797 :2010/05/02(日) 16:08:11 ID: YEtDfOXQGH

>>815

>小さい子にとっちゃ悪意むき出しのプレイトラウマものだろう

うーん。まだ私の言いたいことが理解されていないようだからはっきり書くけど、

悪意というのは万人に共通の認識なのかな。

俺もなれ合いやリンチゴキブリ程度のものとしか思っていないから、君とはそういう面で一致しているんだろうけどね。

でも、仮に悪意がどうだ、という主張がまかり通るなら、

「みんなで仲良くアピールしてただけなのに、KYな人がみんなをいっぱい叩いて悲しい」

とかいう、これまた主観バリバリで、しかも潰しを悪と捉えるかのような主張もまかり通るわけだ。

>この二つの思想が「どっちも同じ正義」に見えるなら、もう何も言う事は無いな

「よろしい、ならば戦争だ」と続きそうだけど、この程度の規模のいさかいなら互いに関わらないようにすれば十分収束するんだけどね。だから私はコマ抜けを推奨しているんだけど、もうここからは対話か圧力か、程度の違いしかないからとやかくは言わないよ。それはもう前に書いた。

どっちにもそれなりの言い分があるだろうから、それ以上の高い目線から物事を捉えていかないと収拾がつかない、だからもう少し考えたら、と>>815には書いている。少なくとも今の君は自分正義に酔っているようにしか見えないよ。

最近、こういう事に関して似たような話題が多い感がある。東京都の「非実在少年」や大阪府の「有害図書」なんかはかなり今のおきらくを見る上で参考になりうるテーマだと思う。

是非とも>>815には一貫した立場(すなわち規制)を貫いて欲しいですね。

>他のゲームや>>814のいうようにフレンドでやりゃいいものを

これは、なれ合いしたい人が乱闘したい人にそっくりそのまま返せてしまう。ということは、これで解決にはならない。

解決にはならない、というのは、皆がフレンドに行く(おきらくをなくす)なら解決するが、俺はおきらくにいるからお前はフレンドに行けよ、というのは根本的な解決にはならない、ということだから、履き違えないでね。それはただの傲慢だから。

823 : 797 :2010/05/02(日) 16:11:23 ID: YEtDfOXQGH

>>817

なんというか、いろいろ代弁していただいて申し訳ない。

> 私が疑問なのは、「潰し」をしてリンチが減るのか?という事です。リンチ行為の成立には「潰し」が必要ですから"潰しを待っているリンチプレイヤー"も相当居ると思いますよ。

そこまで含めて「持ちつ持たれつ」と形容したつもりだったんですけど、>>815は理解してくれなかったのでちょっと残念。

これは昨日のニコ生での実名匿名問題とほぼ同じで、フレンド=実名ハンドルネーム)、おきらく(匿名)という関係上、おきらくでは善悪問わずあらゆることがリスクゼロで行えます(試合開始後、特定の相手にダメージ受けたらすぐ落下を繰り返す、とか)

そういう清濁併せ呑むこと自体はネットの強みでもあるし、おきらくも環境上そういう仕組に「なってしまっている」のだから、それに納得が行かない、つまり自分にとってきれいなものだけ見ていたい、というのであれば、どんな目的だろうとフレンドに行ってそういう部屋を作れば万事解決のはず、なんです。

>"潰しを待っているリンチプレイヤー"

そうなんですよね、これ、たぶんいますよ。

今日上司に怒られた!!あのハゲ無能のクセにエラソーなことばっか言いやがって!!」

って、潰しにきた相手を「仮想上司」に見立てるとかね。口実はいくらでも作れてしまいますよ。

824 : 797 :2010/05/02(日) 16:13:44 ID: YEtDfOXQGH

>>818

1.リンチ厨はおきらくの「自由」と「自分勝手」をはき違えてる

これは、>>813へのレスそのままで。自分かってなことをするには自由でなければできるわけがないので、因果が逆かな?とは思いましたが。

3.ネットマナーがなってない

マナーというのは道徳の問題だから、難しい。いかようにも解釈できるし、答えは存在しない。相手に迷惑をかけない、ということならおきらく廃止、全部フレンド、で解決するけども。今のネット社会でそういう方策はもはや手段の一つにしかなり得ないから、難しい。

乱闘だったら負けても楽しめるんだよ。「乱闘」だったらな。

そうなんですよね。実は今日朝1時半からだいたい朝3時まで同じメンバーでおきらく乱闘してたんですが、ステージテンプレ通りに巡回したし、アイテムもいろいろ出てきて楽しめましたよ。たぶん勝ち越したかな?おかげで今すんごい眠いですけど。

潰しが成立する前提として「リンチ=悪、潰し=善」という勧善懲悪の構図が「絶対」でなければなりませんが、善悪というのは究極まで突き詰めても相対のものでしかなく、捉えようによっては善悪が入れ替わるなんてのは、十分あり得るわけで、だからこそ「善悪なんて曖昧なもんでモノを語るんじゃなくて、もっと大局的に観てみようぜ」と>>815に提案したのですが、納得してくれなかったのは残念。

825 : 797 :2010/05/02(日) 16:16:41 ID: YEtDfOXQGH

あ、>>824の最後の文は同じこと書いたなあ、と思って>>822には載っけなかったんだけど、うっかり全部コピペしてしまっただけなので、考慮しなくていいです。

826 : かびお :2010/05/02(日) 17:39:26 ID: mPX9LY+zIV

熱くなっているところ申し訳ないんですが、このゲーム乱闘するゲームですよね。

3対1で戦うのが乱闘なんですか?

スマブラはお互い攻撃し合わないゲームなんですか?

827 : 某優しいフクナガ :2010/05/02(日) 18:00:07 ID: AwtcwKfzTw

797たんかわいいよおおおおおおおおおおおちゅっちゅしてあげるよおおおおおおなでなでしたいよおおおおおおおおおおおおお

828 : ◆Eefy7xkntE :2010/05/02(日) 18:06:09 ID: QLjcxhIDEQ

>>827

やめて!

829 : 某優しいフクナガ :2010/05/02(日) 18:06:37 ID: AwtcwKfzTw

さっきのは冗談です。本当は   俺797さんのこと好きになっちゃったけど・・・この気持ち・・・どう伝えたらいいか分かんないよ・・・・・・

830 : 某優しいフクナガ :2010/05/02(日) 18:07:51 ID: AwtcwKfzTw

797さんには恋人がいる。それは僕の親友だ。彼は当然僕が797さんのことが好きなことを知ったら・・・とても言えない

831 : ななしのよっしん :2010/05/02(日) 18:11:28 ID: lcNFs3AfHk

言いたいことは3行にまとめような とりあえず。

832 : 某優しいフクナガ :2010/05/02(日) 18:25:35 ID: AwtcwKfzTw

こうなったら797さんを無理やりにでも・・・!

833 : 797 :2010/05/02(日) 20:56:00 ID: YEtDfOXQGH

発狂しているのは一人ぐらいなものだから、のんびり>>808さんの書き込みでも待つことにしようかな。

>>831

話し言葉ならそれぐらい心がけるけど、あいにくキャッシュの残る書き言葉までそういうふうにするつもりはないかな。申し訳ない。

834 : 顔文字 :2010/05/02(日) 21:43:36 ID: c3B3KnRfle

797

とりあえず落ち着こうか

一応俺は貴方だけを叩くつもりは全くない、正直叩いてるほうも叩きたい、だが、戦力的に低いほうから始末したら早くおさまると思って。

まずこれの最後のリプレイを見て来て下さい、当然コメントは全部消して。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm10324765

で、叩いてる人た達

お前らマジで馬鹿じゃねーの?

こんなところで叩いたって逆効果になることを理解してください。

これだから乱闘厨とか言われるのも大体はこれが原因です、自覚してください。

貴方達の望みはなんですか?リンチ厨をここで叩くのを望んでますか?違いますよね、乱闘するのが望みですよね。

いや、俺は叩くのが望みだ、という人も怒らないから正直に答えてください、何が望みですか?

835 : ななしのよっしん :2010/05/02(日) 22:31:26 ID: WyTYK+HTAB

突然会話に割り込みさせてもらうけどすくなくとも俺は好きでリンチ潰しはしていません。

1 乱闘したいから全員に攻撃する

2 馴れ合い側がそれに反応して勝手に仲間をつくりこっちを敵視する

3 いつの間にか3対1のリンチ状態になる

4 こっちからすれば乱闘部屋は全員敵なので仕方なく3人まとめて相手をする

5 コマ抜けするとCPUになったと気づかずにCPUボコってリンチ厨が喜ぶのでなるべくコマ抜けはしない

こういう人って結構いるんじゃないんでしょうか?

リンチ潰し自体を楽しむということを目的としている人なんていないと信じたいです。

長文失礼

836 : ななしのよっしん :2010/05/02(日) 22:37:16 ID: 0YUfKXGk4Y

>ほんわかレス推奨です!

お前らこれが読めないのかと

837 : ななしのよっしん :2010/05/03(月) 11:48:10 ID: CL+lhqMSSE

まともな対戦動画リンチ動画に比べると再生回数が伸び悩んでると思った。

知名度のあるタイマン動画比較的伸びてるけども、それでもリンチ潰し動画以下の再生数も多い。

もう純粋スマブラXを楽しめる人は少ないのかな…

838 : ななしのよっしん :2010/05/03(月) 18:22:57 ID: 4A9Lppar/4

チームに入っても馴れ合ってる奴らはゲームしてないで寝ろw

839 : ななしのよっしん :2010/05/03(月) 19:38:39 ID: h0obi28aFb

>>837 それだけリンチを憎んでる人が多いんじゃないの。

リンチ潰しが歪んだ趣味とは思ってた。でも見るのはおもしろいんだよな・・・

ああいう間抜けプレイを見たくてつないでる人はいそう。

「潰してもリンチは減らない」として、「ここの人が相手をしなくてもリンチは減らない」。

リンチ潰しをよしとしない連中はどうやっても諦めない。それってどうしようもない。

結局どう対処してもいいんじゃないか?遭遇したら抜けても戦ってもいいんじゃない

他がどう言ってこようと。悪はリンチ側だがな!乱闘するゲームだから。

840 : ななしのよっしん :2010/05/03(月) 20:04:26 ID: CL+lhqMSSE

馴れ合いリンチ憎しと言ってもやはりスマブラXの本分はやはり乱闘

問題が解決して純粋乱闘を楽しんでいる動画うpされ、そういう動画を楽しめるようになってほしい

2010-04-21

http://anond.hatelabo.jp/20100421230917

あ、彼女がいるいないってことね

それならもう聞いたよ

初めてソープ行った時「オッスオラ童貞」って感じだったからね

なんかね

趣味の集まりとかスクールとかそういうの行ってそこの女に手を出せばいい

とか真面目なアドバイスしてくれたよ

あとそういう男は一般的に増えてて、自分見立てではエロゲーとかのせいだと思ってると

そういう全然欲求が無いとこまでいっちゃダメだよと

でも俺も実はかなり無いし、しかもエロゲーとか別にやらないんだよねえ

アドバイスはありがたく聞いたけどやらなかった

同じような年の女がいる趣味ってなんだかわかんねえしねえ

2010-04-02

五輪メダル男性器に見立て女性に舐めさせたスノーボード選手責任をとり帰国

http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1266752399/35

35 名前名無しさん@十周年[] 投稿日:2010/02/21(日) 20:45:43 ID:M1/yaOdU0

金メダル2個だったら誰も文句言わなかったはず。

2010-04-01

メイドいんジャパン」からぶっこ抜いた構造http://anond.hatelabo.jp/20100328131122#tb)に、この前映画館で見た、『誰かが私にキスをした』から連想したものをぶち込んだらこうなった。男一人で恋愛映画を見に行くのは正直キツかった。不自然なところをこれから直していっている途中なんだけど、無理がでてきた。出てきた無理を直していく作業に苦労している。「どんな言葉をぶちこむのが適当か」を判断するもの(思考ツール?)を用意しないまま思いつくままに言葉をぶち込んだのが敗因か。ぶち込まれる空欄(=以前に増田に貼り付けたもの(http://anond.hatelabo.jp/20100328131122#tb)のアルファベット)間の関連性をもっと意識すべきだった。というか、それさえ意識すれば何とかなるんじゃないだろうか。というか、それを意識して、いま思いついているものをぶち込みなおしたら、すんなり物語の形になるのではないだろうか? アルファベット間の関連性について今週の土曜日までに考えてみる。ぶちこみ直しの作業は土曜日に始めて土曜日に終わらせる。


 神酒薫(ミキ カオリ)が視点浮動者として存在する。高校二年生の女子。視点浮動者は、自分がどの視点から物事を見るか、どの記憶から物事をデコードするかを決められないでいる。

 視点を決定すると、通常ならば、その視点向けのコマーシャル(=企業が配給する良質のドラマ)を見ることができるのだが、県から支給されたモバイルを使っている神酒薫は、コマーシャルを見ることができない。だから、視点を決定するインセンティブがない。

 モバイルによる拡張現実は、学校での授業に必要になる。モバイルから発せられる電界が、それを身につけている者のコンタクトレンズ眼鏡に像を映す。神酒薫の父親は特別に教育に厳しい人なので、薫に個人向けのモバイルを買ってくれない。

 津島の神酒との思い出が存在する。

 時間の一回性が存在する。

 他人のTL上の自分を気にすることが存在する。

 神酒薫は他人からの視点を気にせずに生きることを求める。タイムラインに、他人が発言した自分の振るまいが蓄積されるので、自分の振るまいが正しいかどうかがひどく気になる。視点を決定している人たちは、自分の視界内の発言しか見る余裕がないので、他人の視点というものを気にしない。というか、視点を決定すると、カーソルの初期位置から一番近いのが返信欄になり、それから遠く離れたところに検索欄が移動するので、他人を検索すると言うことが少なくなる

 神酒には、勉強ばかりしているというイメージが、他者のタイムラインの中では固定化されている。高校一年学校祭の準備のとき、神酒はキキに励まされながら土砂降りの雨の中を自転車木材を運んだ。それをきっかけに、ポジティブアクティブ自分に変われそうな気がした。しかし、学校に戻ると、

「このときの神酒さんとイメージが変わった」

 と、クラスメート過去タイムラインを見せられる。クラスメートは肯定的な意味合いでそれを言ったのだが、神酒はとても恥ずかしくなる。もう、自分イメージからはずれた行動はしないようにしようと決めた。

 視点を決定しなければならないという切迫感が存在する。

 神酒薫は視点を決定しなければならないという切迫感を取り除くことを求める。

 電子アシスタント存在する。電子アシスタントはキキを含む。キキは、白いウォンバット。常に神酒の近くを付いてまわり、神酒を常に必要としてくれる。

 電子アシスタントは、その所有者が設定したように、その所有者を誉めたり注意したりしてくれる。モバイル勝手ソフトインストールすることを父は怒るのではないかと神酒は思ったが、キキの機能を見て、彼はキキを気に入る。

 キキを持っていることで、神酒薫は視点浮動者であることを隠す。電子デバイスに興味があるんだというフリができる。

 津島修一は、神酒と同じ中学校・同じクラスだった男子。神酒薫にキキをくれたのは、津島修一だった。

 津島は、男子からはハナコと呼ばれていた。というか、誰かに対して陰口で使っているハナコという呼び名を、津島に当てはめると、無矛盾なのだった。だから、津島=ハナコは憶測。

 ハナコの良いところは顔だけ。ハナコは男なのに生理がある(精神が安定していない)。ハナコは……。

 ハナコがハナコと呼ばれるようになったのは、ハナコが男子トイレの個室で泣きながら、ボールペンの先端を彼の腕にぶつぶつと刺していたから。

 卒業式に、津島修一に呼び出される。呼び出されたその瞬間まで、会話をしたことは一度としてなかった。卒業式の日に、神酒薫を好きだと言って、その贈り物だとしてキキをくれた。津島修一が勝手に、神酒薫のモバイルインストールしてしまったので、神酒薫はキキをアンインストールする方法を知らない。それに、日本語を喋る存在アンインストールすることは、殺しと同じことに思えてしまい、できない。

「ヒメ! ヒメ!」と、キキは神酒の足にすり寄る。

「うざかったら、ワンス・ア・ウィークって言えば、彼はしばらく動きを止める。週に一回くらい、電子アシスタントですらうざくなるときがあるでしょう?」と、津島は言う。「今日の夜八時に、キキが指定する場所に来て」とも。

 そのとき神酒は、「うん、行く」と答えてしまう。

 神酒は、クラスの中核をなす声の大きい集団からはジミーズと呼ばれていた。仕返しに、神酒は心の中で、声の大きい集団を、彼らの化粧のけばけばしさを由来にケバブと呼んでいた。ジミーズはジミーズなりに地味な人同士で集まっていたので、ケバブが思っているように友達がいないわけではない。卒業式の帰り、仲の良かった友達とカラオケに行く。神酒の視界の中には、まだその存在になれられないキキがいた。キキは、友達に見えないようにしてあった。

 カラオケからの帰り道、道の関係で一人になった。信号待ちをしていると、ラブホテル横断歩道を隔てた向かいに建っている。

 ラブホテルの裏道から、高校生カップルが、自転車の二人乗りをしてでてくる。

 ラブホテルの電光掲示が目に入る。

『まだまだ寒い夜 あつあつのラーメンを! プレミア価格5○○円(会員様)』

ラーメンって、おいしい?」キキが訊いてくる。

ワンス・ア・ウィーク」キキを黙らせる。

 給食で食べたソフト麺のベチャベチャした味が、舌の上で思い出された。その味をかき消すために、津島からもらった連絡先のメモを、小さく、小さく畳んで、制服スカートのポケットに入れた。ポケットに紙を入れたまま、洗濯機スカートを入れ、スイッチを押した。

 キキがしゃべり始めるたびに、「ワンス・ア・ウィーク」をした。そして約束の八時が過ぎ去るのを待った。

 津島タイムライン卒業式前後のものを見ないようにしようと決めた。見ないために、神酒は視点浮動者になることを選んだのだ。

 自分に自信を持てていない神酒薫は、彼からの告白を何かの悪いいたずらだと思い、津島修一とは連絡を取っていない。しかし、津島修一と神酒薫は同じ高校に通っているのだ。ときどき廊下ですれ違うと、気まずい。

 ほかの人は、タイムライン上に友人との約束記憶させる。神酒はキキに約束を覚えさせる。どちらも、モバイルを使って約束管理しているので、他者は神酒がすでに視点を決定しているのだと勘違いしている。

 神酒薫は、他人のタイムライン自分がどう記録されているかを気にすることを取り除きたい。

 電子アシスタントは他人のTL上の自分を気にすることを取り除く手段になるように見受けられる。神酒はキキに、神酒が他人のTLを気にしたらキキが神酒を注意するようにコマンドする。

 神酒薫が他人のTL上の自分を気にすることを取り除くことは失敗する。キキの注意が煩わしくて、神酒はイヤフォンと眼鏡を外してしまう。ワンス・ワ・ウィークしなかったのは、キキに自分を注意するようにコマンドしたのに、注意を理由にキキを黙らせるのはかわいそうだと思ったから。

 友人との会話:「モバイルを忘れたら、記憶が不確かになって約束の1日前に待ち合わせの場所にいることになって、困った」

 イヤフォンも眼鏡もつけずに図書室に行く。

 そこには、一人の女性がいる。上靴のいろは赤なので、一つ学年が上の三年生の先輩。神酒が一年生のころ、彼女は貸し出しカウンターの内側にいたことを神酒は覚えている。彼女ノートには、たくさんの三角形が書かれている。また、たくさんの三角形が書かれているページの反対のページには、三角関数表がセロハンテープで貼り付けられている。

 図書室の端に行くと、先輩が突然、「私のアシスタントを動かさないで」と言う。神酒はあわてて、拡張現実を身につける。

 キキがしきりに神酒の足下で、「ヒメあぶない! ヒメあぶない!」と言っていた。先輩のアシスタントは、天使の羽。神酒がぶつかった勢いで、空中を漂っていた。

アシスタント自分のことをヒメって呼ばせているの?」

 五時間目の授業から、モバイルオープンにしたままだったことを思い出す。(授業中はオーソリティが先生に移るため、電子アシスタントオフになる。)

「痛い男が、彼女を呼ぶみたい」と先輩は言う。「彼氏からプレゼントされたの?」

 神酒は、終わった、と思った。誰か男にキキをプレゼントされたとタイムライン上に記憶されたら、全てが終わってしまう、と神酒は思う。

 神酒は先輩のタイムラインを展開しようとする。彼女が、伊庭瑠璃という名前の三年生であることが表示される。偶数組だから、文系クラスだとわかる。ローディングを示す輪がくるくるまわり続けるだけで、タイムラインが表示されない。

「私の知ってる男も、彼女をヒメって呼んでいて、痛々しい」と伊庭は言う。

彼氏からもらったわけじゃなく!」と神酒。

「ヒメ! ヒメ!」とキキ。

「キキ! ワンス・ア・ウィーク(黙れ)!」

 キキはぴたっと止まる。

「そのアシスタント津島修一からもらったわけだ」と伊庭。

「え」

「だって、ワンス・ア・ウィークって、シュウイチってことでしょ?」

「そうだったのか!」

 キキをもらってから二年間、ずっと気づかなかった!

 納得したことで、もう隠しようがないことに気づき、神酒は硬直する。

「いや、でも、気のせいかもしれない。津島修一なんて人が私の知り合いにいたかは、タイムラインを確認してみないとわからないな……」と、苦しいとりつくろいをする。

 伊庭は、ふっと笑いを漏らす。

「そういえば、私の知り合いに津島なんていないかもしれない。私はタイムラインを持ってないから、確かめようがないや。名前なんて忘れちゃった」

「伊庭先輩は、視点浮動者なんですか?」

 伊庭はうなずく。「私とあなたの間には、一年の学年の違いが横たわっている。だから、私は視点浮動者というよりも、視点を持たないものと言った方が正しいかもしれない。県が私に貸し出したモバイルは、タイムラインを見る機能を持たない」

「伊庭先輩の親も、個人用のモバイルを持つことに反対なんですか?」

「ううん。中学受験のために塾に通わされたときに、安全のためのモバイルは持たされた。私は親に反発して、モバイルを川に投げ捨て、塾にも行かなかった。それ以来、親は私にモバイルを与えようとしない。そして中学受験をしなかったから、私はいま、公立高校であるこの学校にいる」

 図書館で話していても大丈夫か、すごく気になる。遠くで、溶けた雪がどさっと落ちる音が聞こえたから。それに、伊庭のアシスタントがあまりに寡黙だから。しかし、三月の土曜登校日の放課後なので、二人のほかに誰もいない。

「私は前の図書局局長だから、私がルールみたいなものだ。大丈夫」と伊庭は言う。「私と貴方の関係は、少し長いものになると思う。私が名前を忘れた誰かのせいで。貴方の呼び方を決めていい?」

 先輩は手を振る。視界上に、私の情報を展開したのだと思う。

「神酒さんって呼ぶのは、距離が遠くて好かないな」

「呼び捨てで、いいですよ」

「呼び捨てと、さん付けの間をとって、ミキクンっていうのはどうかな」言った伊庭先輩が、ひとりで笑う。「変だな」

「慣れれば、慣れますよ」

 伊庭先輩は、ミキクン、と十回繰り返した。「やっぱり、変だよ」自分が言い出したのに、くすくすと笑っていた。

「土曜登校日の放課後図書館でなにをしてたんですか?」と神酒。

「私の彼氏ーー名前は忘れちゃったーーは、一つ下の学年にいるんだけどーーつまりミキクンとおなじ学年なんだけどーーその、名前を忘れちゃった彼氏は、精神的に不安定なところがある。だから図書館にいる」

彼氏さんとの関係に、疲れてしまったの?」と神酒。

「ううん。疲れていないから、ここにいる。臨戦待機中」

「それと、その三角形とどういう関係が?」

「ただ待っているだけだと、頭が暇になる。かといって、彼から連絡があったときに何かに没頭していると、すぐには動けない。だから、私と私のアシスタントと彼のアシスタント三角形の頂点に見立てて、彼のアシスタントと私との間の距離を求めていた。彼のアシスタントは、彼の近くにいるから。彼を意識しながら、頭に作業をさせることができるから。そして彼が「死にたい」って言ったら、すぐにでも私は駆け出す。死にたい気分を、逸らしに行く」

死にたい気分って、そんなに簡単にそらせられるものなんですか」

「なんたって私は、彼より一年年上のお姉さんだから」

「どうやって?」

「その」伊庭は、一瞬迷う。「一緒にラーメン食べに行こう、とか」

「へ!?」

「え……」

「……」

「……」

 給食ソフト麺のべちゃべちゃした味を神酒は舌の上で思い出す。二人の間にすごく微妙空気が流れる。訊いたことを、神酒はすごく後悔する。

 伊庭先輩は、タイムラインを持たないので、神酒は、自分タイムライン上でどういうキャラクターであるかを気にせずに、勇気を持った行動をできる。津島と伊庭先輩を引き離そうと決める。伊庭先輩のために。

「伊庭先輩が津島くんを支えようとすることは、よいことだとは思わない。きっと、彼の負の力に引きずられてしまう。彼の行動をタイムライン記憶してる友達を、何人か紹介するよ。それを見たら、伊庭先輩はきっと津島くんから離れようと決心してくれる」

「私はタイムラインを持たないから、複数の他者の発言を根拠に、いますでに読みとっている彼からの愛の意味を変更することはできない。それに、彼の愛から読みとった意味は、私の内部にある。タイムライン上の外部化された記憶のように、消しされるものではない。そして私は、私がもう津島を助けられないという言葉を私のタイムライン上に蓄積することができないので、津島を助け続けなければならない」

 デスクトップから書き込んだタイムラインはないかと、伊庭瑠璃名前検索する。伊庭瑠璃から見える津島を知りたかった。しかし、伊庭瑠璃デスクトップ上のタイムラインも所有していない。

 検索ワード「図書局局長」でサーチをかける。彼女についての噂を書いているタイムラインが、いくつかある。図書室だより、生徒会だより、男性からの、そして女性からの、あこがれのまなざし。「どうしてハナコが、図書局局長と付き合っているんだ」という、いらだちの声。図書局局長は、自分の身を削って他者に尽くす、素晴らしい人間だということになっている。「八方美人だ」と言って、彼女を攻撃する人間にすらも。

 視点浮動者である神酒薫は、津島修一のタイムラインを見ることができる。見ないと決めたものを見ていることに、罪悪感がある。しかし、彼女が見ないと決めたものは卒業式前後記憶だったので、決めたことをやぶっていることにはならないのだ(と、神酒は自分をだます)。 

 津島修一は精神不安定なので、膨大な数の書き込みがタイムライン上に堆積している。津島修一は過度に記憶を外部化している。それを読む限りでは、津島修一は伊庭瑠璃からの自立を求めているらしい。伊庭に依存してばかりいる自分の弱々しさを嫌っているらしい。

 津島タイムライン上で、他人の反応を待ち続ける。しかし、他人がこない。反応がくるまで、じっとうずくまる。しかし、どれだけ待ってもこない。死にたい気分になる。その気持ちを消したいがために、他人の反応を待ち続ける……。他人の気持ちを引くために、自虐を繰り返す。そして、自傷をする。アップロードされた自傷画像には、ハナコがそうしていたのと同じ、ボールペンを腕に突き刺したものもあった。傷が治癒していく経時変化もアップロードされている。「そういうことをやめろ」という声が、彼には心地よい。しかし、心地よいのだが、しかられたダメージはしっかりと受けている。スパイラルは、次第に破滅的な方向へと落ちていく……。

 津島の頭の中では、津島タイムライン上に書き込まれた、伊庭瑠璃からの「愛してる」がリフレインしている。だから、伊庭瑠璃から離れることができずにいる。「愛してるから、なんでもできる」と伊庭瑠璃過去において言ったことを口実に、津島は伊庭に依存している。いや、その言葉自分に言い聞かせることで、伊庭が自分をいやしてくれるという現実から、抜け出さなくてもいいのだと自分をだましている……。

 伊庭の都合の良さは、まるで電子アシスタントみたいだ。そして電子アシスタント的な伊庭に依存している津島生き方は、独りよがりで弱々しくて、気持ち悪い、と神酒は思う。

「伊庭が記憶を外部化していないことを理由に、津島記憶の外部化をやめさせられるのでは。ペアルック的な感覚で」と神酒は思う。

 津島の神酒との思い出が存在する。神酒は津島タイムライン遡行していると、自分のことについては外部化されていないことに気づく。

 廊下の端。普段なら、カップルがそこにいるような場所。そこで神酒と伊庭は待ち合わせる。

 伊庭は、天使の羽を背中につけて待っている。それは、伊庭の茶目っ気でもある。伊庭のねらい通り、それをしている伊庭を神酒はかわいいと思う。伊庭のアシスタント天使ではなく天使の羽なのは、伊庭は天使ではなく天使になることを求めているから。

 人が少ない場所。伊庭はタイムラインを、モバイルではなくデスクトップ上でしか見られない。伊庭と神酒の二人で津島について話をするため、電界通信をオープンにして、伊庭と神酒は手をつなぐ。二人の拡張現実が共有される。

「伊庭の都合の良さは、まるで電子アシスタントみたいだ。そして電子アシスタント的な伊庭に依存している津島生き方は、独りよがりで弱々しくて、気持ち悪い」と神酒は言う。伊庭は表情変えずに、「そうね」と言った。

「伊庭が記憶を外部化していないことは津島修一が津島記憶の外部化を取り除く手段に、きっとなるよ」と、神酒は伊庭に言う。「だって、たとえば、私に告白したことを津島くんはタイムラインに載せていない。全ての記憶タイムラインにゆだねているわけではない」

 津島が、二人のいる廊下の端に現れる。三角測量で、伊庭の位置を知っていたのだ。文系の伊庭が三角測量で津島の居場所を求めていたのは津島の影響をうけていたからだったのだ。

 津島が現れたとき、伊庭はびくりとして、手を引く。

大丈夫だよ」

 神酒は伊庭の手を押さえる。

 知らない、大人の女性の声が聞こえる。

「他者のために尽くす貴方は素晴らしいわ……」

 声のするほうを見ると、伊庭のアシスタントがいた。

 伊庭は、彼女電子アシスタントの声を聞かせたくなかった。だから、彼女電界クローズドにしたかった。しかし、神酒が手を押さえたために、それができなかったのだ。

 津島三角測量は、伊庭のとは比べものにならないほど優れている。伊庭が緊張のためにかすかに肩を膨らませると、津島三角測量の、小数点以下の数字の変動としてインディケートされる。

「君たちは、僕について語っているのだろう?」と津島。「君たちは、悪である僕について語る。そうして、善であることを偽装したいんだ。そうだろう? 二人で語るだけで、実際には善の振る舞いをしないにも関わらず。僕は来てやったよ。善をなし得ない、君たちふたりの為に。どうだ、潔いだろう」

(ここから)

 津島が、タイムラインに載せていない記憶を持っていることは、津島タイムライン依存していることを取り除き得ない。高校時代における津島精神脆弱さのきっかけは、ほかならぬ、神酒による津島の拒絶だったのだ。津島タイムライン依存しているのは、タイムラインに載せることのできない記憶存在しているからこそなのだった。神酒が津島を振ったトラウマは伊庭瑠璃津島修一からの自由を得ることを阻む。

 神酒薫は神酒が津島を振ったトラウマを取り除くことを求める。

 時間の一回性(=神酒が津島との約束をやぶったこと)は、神酒薫が神酒が津島を振ったトラウマを取り除くことを阻む。

 神酒は、津島を振ったことを謝ろうとする。

 津島は、神酒がどれだけひどいことをしたかを伊庭に語る。タイムラインを持たない伊庭は、津島視点の神酒の行為を、疑わずに信じてしまう。

「貴方は、津島にそんなひどいことをしたの? 見損なう」と、伊庭は神酒に言う。

「まって。津島くんは、私を好きだったんじゃなかったの?」と神酒は言う。

 「津島くんは、私を好きだったんじゃなかったの?」という神酒薫の発言は神酒薫が神酒が津島を振ったトラウマを取り除くことを助ける。

 神酒薫は時間の一回性を取り除くことを求める。

 「愛してる」ではどうにもならないことが存在する。

 「愛してる」ではどうにもならないことは神酒薫が時間の一回性を取り除くことの手段となる。

 「おまえの視点は確定的じゃなかったのか」と、津島は神酒に対して言う。

 天使の翼が「愛してる」ではどうにもならないことを取り除くことを求める。

 「おまえの視点は確定的じゃなかったのか」は天使の翼が「愛してる」ではどうにもならないことを取り除く手段となる

 天使の翼が「愛してる」ではどうにもならないことを取り除くことは成功する。

「私のアシスタントの声を聞かれて恥ずかしい」と伊庭は言う。

アシスタントに誉めてもらうなんて、みんなやってること。恥ずかしくないよ」と神酒。

「恥ずかしいよ! 恥ずかしくて、弱々しくて、気持ち悪い! アシスタントに頼っていないと自分を保てないなんて、一人の独立した人間として恥ずかしい! しかも、そんな恥ずかしい生き方は、私のアシスタントが求める生き方じゃない!」

 電子アシスタントは、神酒薫が時間の一回性を取り除く手段になる。

 天使の翼は電子アシスタントを取り除くことを求める。

 電子アシスタントに含まれるキキは、天使の翼が電子アシスタントを取り除く手段になる。

 伊庭瑠璃は、「神酒薫が他人からの視点を気にせずに生きることを得たこと」を求める。(どこかで神酒が、他人からの視点をとても気にして生きている描写が必要になる。そしてそれを伊庭が見たという描写も。)

 「津島くんは、私を好きだったんじゃなかったの?」という神酒薫の発言は、伊庭瑠璃が「神酒薫が他人からの視点を気にせずに生きることを得たこと」を得ることを阻む。

 伊庭瑠璃は「津島くんは、私を好きだったんじゃなかったの?」という神酒薫の発言を取り除くことを求める。

 神酒薫が視点浮動者として存在することは、伊庭瑠璃が「津島くんは、私を好

2010-03-31

メイドいんジャパン」からぶっこ抜いた構造に、この前映画館で見た、「誰かが私にキスをした」から連想したものをぶち込んだらこうなった。不自然なところをこれから直していっている途中なんだけど、無理がでてきた。

 神酒薫(ミキ カオリ)が視点浮動者として存在する。高校二年生の女子。視点浮動者は、自分がどの視点から物事を見るか、どの記憶から物事をデコードするかを決められないでいる。

 視点を決定すると、通常ならば、その視点向けのコマーシャル(=企業が配給する良質のドラマ)を見ることができるのだが、県から支給されたモバイルを使っている神酒薫は、コマーシャルを見ることができない。だから、視点を決定するインセンティブがない。

 モバイルによる拡張現実は、学校での授業に必要になる。モバイルから発せられる電界が、それを身につけている者のコンタクトレンズ眼鏡に像を映す。神酒薫の父親は特別に教育に厳しい人なので、薫に個人向けのモバイルを買ってくれない。

 津島の神酒との思い出が存在する。

 時間の一回性が存在する。

 他人のTL上の自分を気にすることが存在する。

 神酒薫は他人からの視点を気にせずに生きることを求める。タイムラインに、他人が発言した自分の振るまいが蓄積されるので、自分の振るまいが正しいかどうかがひどく気になる。視点を決定している人たちは、自分の視界内の発言しか見る余裕がないので、他人の視点というものを気にしない。というか、視点を決定すると、カーソルの初期位置から一番近いのが返信欄になり、それから遠く離れたところに検索欄が移動するので、他人を検索すると言うことが少なくなる

 神酒には、勉強ばかりしているというイメージが、他者のタイムラインの中では固定化されている。高校一年学校祭の準備のとき、神酒はキキに励まされながら土砂降りの雨の中を自転車木材を運んだ。それをきっかけに、ポジティブアクティブ自分に変われそうな気がした。しかし、学校に戻ると、

「このときの神酒さんとイメージが変わった」

 と、クラスメート過去タイムラインを見せられる。クラスメートは肯定的な意味合いでそれを言ったのだが、神酒はとても恥ずかしくなる。もう、自分イメージからはずれた行動はしないようにしようと決めた。

 視点を決定しなければならないという切迫感が存在する。

 神酒薫は視点を決定しなければならないという切迫感を取り除くことを求める。

 電子アシスタント存在する。電子アシスタントはキキを含む。キキは、白いウォンバット。常に神酒の近くを付いてまわり、神酒を常に必要としてくれる。

 電子アシスタントは、その所有者が設定したように、その所有者を誉めたり注意したりしてくれる。モバイル勝手ソフトインストールすることを父は怒るのではないかと神酒は思ったが、キキの機能を見て、彼はキキを気に入る。

 キキを持っていることで、神酒薫は視点浮動者であることを隠す。電子デバイスに興味があるんだというフリができる。

 津島修一は、神酒と同じ中学校・同じクラスだった男子。神酒薫にキキをくれたのは、津島修一だった。

 津島は、男子からはハナコと呼ばれていた。というか、誰かに対して陰口で使っているハナコという呼び名を、津島に当てはめると、無矛盾なのだった。だから、津島=ハナコは憶測。

 ハナコの良いところは顔だけ。ハナコは男なのに生理がある(精神が安定していない)。ハナコは……。

 ハナコがハナコと呼ばれるようになったのは、ハナコが男子トイレの個室で泣きながら、ボールペンの先端を彼の腕にぶつぶつと刺していたから。

 卒業式に、津島修一に呼び出される。呼び出されたその瞬間まで、会話をしたことは一度としてなかった。卒業式の日に、神酒薫を好きだと言って、その贈り物だとしてキキをくれた。津島修一が勝手に、神酒薫のモバイルインストールしてしまったので、神酒薫はキキをアンインストールする方法を知らない。それに、日本語を喋る存在アンインストールすることは、殺しと同じことに思えてしまい、できない。

「ヒメ! ヒメ!」と、キキは神酒の足にすり寄る。

「うざかったら、ワンス・ア・ウィークって言えば、彼はしばらく動きを止める。週に一回くらい、電子アシスタントですらうざくなるときがあるでしょう?」と、津島は言う。

 神酒は、クラスの中核をなす声の大きい集団からはジミーズと呼ばれていた。仕返しに、神酒は心の中で、声の大きい集団を、彼らの化粧のけばけばしさを由来にケバブと呼んでいた。ジミーズはジミーズなりに地味な人同士で集まっていたので、ケバブが思っているように友達がいないわけではない。卒業式の帰り、仲の良かった友達とカラオケに行く。神酒の視界の中には、まだその存在になれられないキキがいた。キキは、友達に見えないようにしてあった。

 カラオケからの帰り道、道の関係で一人になった。信号待ちをしていると、ラブホテル横断歩道を隔てた向かいに建っている。

 ラブホテルの裏道から、高校生カップルが、自転車の二人乗りをしてでてくる。

 ラブホテルの電光掲示が目に入る。

『まだまだ寒い夜 あつあつのラーメンを! プレミア価格5○○円(会員様)』

ラーメンって、おいしい?」キキが訊いてくる。

ワンス・ア・ウィーク」キキを黙らせる。

 給食で食べたソフト麺のベチャベチャした味が、舌の上で思い出された。その味をかき消すために、津島からもらった連絡先のメモを、小さく、小さく畳んで、制服スカートのポケットに入れた。ポケットに紙を入れたまま、洗濯機スカートを入れ、スイッチを押した。

 津島タイムライン卒業式前後のものを見ないようにしようと決めた。見ないために、神酒は視点浮動者になることを選んだのだ。

 自分に自信を持てていない神酒薫は、彼からの告白を何かの悪いいたずらだと思い、津島修一とは連絡を取っていない。しかし、津島修一と神酒薫は同じ高校に通っているのだ。ときどき廊下ですれ違うと、気まずい。

 ほかの人は、タイムライン上に友人との約束記憶させる。神酒はキキに約束を覚えさせる。どちらも、モバイルを使って約束管理しているので、他者は神酒がすでに視点を決定しているのだと勘違いしている。

 神酒薫は、他人のタイムライン自分がどう記録されているかを気にすることを取り除きたい。

 電子アシスタントは他人のTL上の自分を気にすることを取り除く手段になるように見受けられる。神酒はキキに、神酒が他人のTLを気にしたらキキが神酒を注意するようにコマンドする。

 神酒薫が他人のTL上の自分を気にすることを取り除くことは失敗する。キキの注意が煩わしくて、神酒はイヤフォンと眼鏡を外してしまう。ワンス・ワ・ウィークしなかったのは、キキに自分を注意するようにコマンドしたのに、注意を理由にキキを黙らせるのはかわいそうだと思ったから。

 友人との会話:「モバイルを忘れたら、記憶が不確かになって約束の1日前に待ち合わせの場所にいることになって、困った」

 イヤフォンも眼鏡もつけずに図書室に行く。

 そこには、一人の女性がいる。上靴のいろは赤なので、一つ学年が上の三年生の先輩。神酒が一年生のころ、彼女は貸し出しカウンターの内側にいたことを神酒は覚えている。彼女ノートには、たくさんの三角形が書かれている。また、たくさんの三角形が書かれているページの反対のページには、三角関数表がセロハンテープで貼り付けられている。

 図書室の端に行くと、先輩が突然、「私のアシスタントを動かさないで」と言う。神酒はあわてて、拡張現実を身につける。

 キキがしきりに神酒の足下で、「ヒメあぶない! ヒメあぶない!」と言っていた。先輩のアシスタントは、天使の羽。神酒がぶつかった勢いで、空中を漂っていた。

アシスタント自分のことをヒメって呼ばせているの?」

 五時間目の授業から、モバイルオープンにしたままだったことを思い出す。(授業中はオーソリティが先生に移るため、電子アシスタントオフになる。)

「痛い男が、彼女を呼ぶみたい」と先輩は言う。「彼氏からプレゼントされたの?」

 神酒は、終わった、と思った。誰か男にキキをプレゼントされたとタイムライン上に記憶されたら、全てが終わってしまう、と神酒は思う。

 神酒は先輩のタイムラインを展開しようとする。彼女が、伊庭瑠璃という名前の三年生であることが表示される。偶数組だから、文系クラスだとわかる。ローディングを示す輪がくるくるまわり続けるだけで、タイムラインが表示されない。

「私の知ってる男も、彼女をヒメって呼んでいて、痛々しい」と伊庭は言う。

彼氏からもらったわけじゃなく!」と神酒。

「ヒメ! ヒメ!」とキキ。

「キキ! ワンス・ア・ウィーク(黙れ)!」

 キキはぴたっと止まる。

「そのアシスタント津島修一からもらったわけだ」と伊庭。

「え」

「だって、ワンス・ア・ウィークって、シュウイチってことでしょ?」

「そうだったのか!」

 キキをもらってから二年間、ずっと気づかなかった!

 納得したことで、もう隠しようがないことに気づき、神酒は硬直する。

「いや、でも、気のせいかもしれない。津島修一なんて人が私の知り合いにいたかは、タイムラインを確認してみないとわからないな……」と、苦しいとりつくろいをする。

 伊庭は、ふっと笑いを漏らす。

「そういえば、私の知り合いに津島なんていないかもしれない。私はタイムラインを持ってないから、確かめようがないや。名前なんて忘れちゃった」

「伊庭先輩は、視点浮動者なんですか?」

 伊庭はうなずく。「私とあなたの間には、一年の学年の違いが横たわっている。だから、私は視点浮動者というよりも、視点を持たないものと言った方が正しいかもしれない。県が私に貸し出したモバイルは、タイムラインを見る機能を持たない」

「伊庭先輩の親も、個人用のモバイルを持つことに反対なんですか?」

「ううん。中学受験のために塾に通わされたときに、安全のためのモバイルは持たされた。私は親に反発して、モバイルを川に投げ捨て、塾にも行かなかった。それ以来、親は私にモバイルを与えようとしない。そして中学受験をしなかったから、私はいま、公立高校であるこの学校にいる」

 図書館で話していても大丈夫か、すごく気になる。しかし、三月の土曜登校日の放課後なので、二人のほかに誰もいない。

「私は前の図書局局長だから、私がルールみたいなものだ。大丈夫」と伊庭は言う。「私と貴方の関係は、少し長いものになると思う。私が名前を忘れた誰かのせいで。貴方の呼び方を決めていい?」

 先輩は手を振る。視界上に、私の情報を展開したのだと思う。

「神酒さんって呼ぶのは、距離が遠くて好かないな」

「呼び捨てで、いいですよ」

「呼び捨てと、さん付けの間をとって、ミキクンっていうのはどうかな」言った伊庭先輩が、ひとりで笑う。「変だな」

「慣れれば、慣れますよ」

 伊庭先輩は、ミキクン、と十回繰り返した。「やっぱり、変だよ」自分が言い出したのに、くすくすと笑っていた。

「土曜登校日の放課後図書館でなにをしてたんですか?」と神酒。

「私の彼氏ーー名前は忘れちゃったーーは、一つ下の学年にいるんだけどーーつまりミキクンとおなじ学年なんだけどーーその、名前を忘れちゃった彼氏は、精神的に不安定なところがある。だから図書館にいる」

彼氏さんとの関係に、疲れてしまったの?」と神酒。

「ううん。疲れていないから、ここにいる。臨戦待機中」

「それと、その三角形とどういう関係が?」

「ただ待っているだけだと、頭が暇になる。かといって、彼から連絡があったときに何かに没頭していると、すぐには動けない。だから、私と私のアシスタントと彼のアシスタント三角形の頂点に見立てて、彼のアシスタントと私との間の距離を求めていた。彼のアシスタントは、彼の近くにいるから。彼を意識しながら、頭に作業をさせることができるから。そして彼が「死にたい」って言ったら、すぐにでも私は駆け出す。死にたい気分を、逸らしに行く」

死にたい気分って、そんなに簡単にそらせられるものなんですか」

「なんたって私は、彼より一年年上のお姉さんだから」

「どうやって?」

「その」伊庭は、一瞬迷う。「一緒にラーメン食べに行こう、とか」

「へ!?」

「え……」

「……」

「……」

 給食ソフト麺のべちゃべちゃした味を神酒は舌の上で思い出す。二人の間にすごく微妙空気が流れる。訊いたことを、神酒はすごく後悔する。

 伊庭先輩は、タイムラインを持たないので、神酒は、自分タイムライン上でどういうキャラクターであるかを気にせずに、勇気を持った行動をできる。津島と伊庭先輩を引き離そうと決める。伊庭先輩のために。

「伊庭先輩が津島くんを支えようとすることは、よいことだとは思わない。きっと、彼の負の力に引きずられてしまう。彼の行動をタイムライン記憶してる友達を、何人か紹介するよ。それを見たら、伊庭先輩はきっと津島くんから離れようと決心してくれる」

「私はタイムラインを持たないから、複数の他者の発言を根拠に、いますでに読みとっている彼からの愛の意味を変更することはできない。それに、彼の愛から読みとった意味は、私の内部にある。タイムライン上の外部化された記憶のように、消しされるものではない。そして私は、私がもう津島を助けられないという言葉を私のタイムライン上に蓄積することができないので、津島を助け続けなければならない」

 視点浮動者である神酒薫は、津島修一のタイムラインを見ることができる。見ないと決めたものを見ていることに、罪悪感がある。しかし、彼女が見ないと決めたものは卒業式前後記憶だったので、決めたことをやぶっていることにはならないのだ(と、神酒は自分をだます)。

 

 津島修一は精神不安定なので、膨大な数の書き込みがタイムライン上に堆積している。津島修一は過度に記憶を外部化している。それを読む限りでは、津島修一は伊庭瑠璃からの自立を求めているらしい。伊庭に依存してばかりいる自分の弱々しさを嫌っているらしい。

 津島の頭の中では、津島タイムライン上に書き込まれた、伊庭瑠璃からの「愛してる」がリフレインしている。だから、伊庭瑠璃から離れることができずにいる。「愛してるから、なんでもできる」と伊庭瑠璃過去において言ったことを口実に、津島は伊庭に依存している。

「伊庭が記憶を外部化していないことを理由に、津島記憶の外部化をやめさせられるのでは。ペアルック的な感覚で」と神酒は思う。

 津島の神酒との思い出が存在する。神酒は津島タイムライン遡行していると、自分のことについては外部化されていないことに気づく。

 廊下の端。普段なら、カップルがそこにいるような場所。人が少ない場所。伊庭はタイムラインを、モバイルではなくデスクトップ上でしか見られない。伊庭と神酒の二人で津島について話をするため、電界通信をオープンにして、伊庭と神酒は手をつなぐ。二人の拡張現実が共有される。

「伊庭が記憶を外部化していないことは津島修一が津島記憶の外部化を取り除く手段に、きっとなるよ」と、神酒は伊庭に言う。「だって、たとえば、私に告白したことを津島くんはタイムラインに載せていない。全ての記憶タイムラインにゆだねているわけではない」

 津島の神酒との思い出が存在することがきっかけとなり、津島が忘れられない「弱点」が存在する。

 津島が忘れられない「弱点」が存在することがきっかけとなり、読解の文脈を変えられないことが存在する。

 津島が、二人のいる廊下の端に現れる。三角測量で、伊庭の位置を知っていたのだ。文系の伊庭が三角測量で津島の居場所を求めていたのは津島の影響をうけていたからだったのだ。

 読解の文脈を変えられないことは伊庭瑠璃津島修一からの自由を得ることを阻む。高校時代における津島精神脆弱さのきっかけは、ほかならぬ、神酒による津島の拒絶だったのだ。神酒が津島を振ったトラウマは伊庭瑠璃津島修一からの自由を得ることを阻む。

 神酒薫は神酒が津島を振ったトラウマを取り除くことを求める。

 時間の一回性は、神酒薫が神酒が津島を振ったトラウマを取り除くことを阻む。

 神酒は、津島を振ったことを謝ろうとする。

 津島は、神酒がどれだけひどいことをしたかを伊庭に語る。タイムラインを持たない伊庭は、津島視点の神酒の行為を、疑わずに信じてしまう。

「貴方は、津島にそんなひどいことをしたの? 見損なう」と、伊庭は神酒に言う。

「まって。津島くんは、私を好きだったんじゃなかったの?」と神酒は言う。

 「津島くんは、私を好きだったんじゃなかったの?」という神酒薫の発言は神酒薫が神酒が津島を振ったトラウマを取り除くことを助ける。

 神酒薫は時間の一回性を取り除くことを求める。

 「愛してる」ではどうにもならないことが存在する。

 「愛してる」ではどうにもならないことは神酒薫が時間の一回性を取り除くことの手段となる。

 「おまえの視点は確定的じゃなかったのか」と、津島は神酒に対して言う。

 天使の翼が「愛してる」ではどうにもならないことを取り除くことを求める。

 「おまえの視点は確定的じゃなかったのか」は天使の翼が「愛してる」ではどうにもならないことを取り除く手段となる

 天使の翼が「愛してる」ではどうにもならないことを取り除くことは成功する。

 電子アシスタントは、神酒薫が時間の一回性を取り除く手段になる。

 天使の翼は電子アシスタントを取り除くことを求める。

 電子アシスタントに含まれるキキは、天使の翼が電子アシスタントを取り除く手段になる。

 伊庭瑠璃は、「神酒薫が他人からの視点を気にせずに生きることを得たこと」を求める。

 「津島くんは、私を好きだったんじゃなかったの?」という神酒薫の発言は、伊庭瑠璃が「神酒薫が他人からの視点を気にせずに生きることを得たこと」を得ることを阻む。

 伊庭瑠璃は「津島くんは、私を好きだったんじゃなかったの?」という神酒薫の発言を取り除くことを求める。

 神酒薫が視点浮動者として存在することは、伊庭瑠璃が「津島くんは、私を好きだったんじゃなかったの?」という神酒薫の発言を取り除くことを阻む。

 天使の翼は「津島くんは、私を好きだったんじゃなかったの?」という神酒薫の発言を取り除くことを求める。

津島修一が伊庭瑠璃からの自立を求めることは、天使の翼が「津島くんは、私を好きだったんじゃなかったの?」という神酒薫の発言を取り除く手段になる」らしい。

 津島修一が伊庭瑠璃からの自立を求めることは、天使の翼が「津島くんは、私を好きだったんじゃなかったの?」という神酒薫の発言を取り除く手段になるように見受けられる。

 「俺を忘れろ」という津島の発言が存在する。

 「俺を忘れろ」という津島の発言は、神酒薫が神酒が津島を振ったトラウマを取り除く手段になるように見受けられる。

 「俺を忘れろ」という津島の発言と伊庭が記憶を外部化していないことがともに存在していることが原因となり、神酒薫が神酒が津島を振ったトラウマを取り除くことは失敗する。「俺を忘れろ」という津島の発言は神酒薫が神酒が津島を振ったトラウマを取り除く手段とはならなかった。

 伊庭瑠璃津島修一からの自由を得ることは失敗する。

 「津島くんは、私を好きだったんじゃなかったの?」という神酒薫の発言が存在することがきっかけとなり、モバイルがなくても覚えていることと神酒がすでに過去を振り切っていることが存在する。

 モバイルがなくても覚えていることは、神酒薫が視点を決定しなければならないという切迫感を取り除く手段となる。

 神酒がすでに過去を振り切っていることは、神酒薫が他人からの視点を気にせずに生きることを得る手段となる。

2010-02-25

学習→ゲシュタルトを作る

ゲシュタルトとは、全体と部分がお互いに影響を与え合い、全体が部分の総和以上の意味を持つ全体像の事。

つまり、今この画面をみているモニターや、この文字は、ただの光の集合体でしかない。文字にいたっては、たんなるドットの集まりだ。

しかし、そのドットの集まりを「文字」として認識する事で「ドットの集合」という部分の集まりという構造意外の意味ができあがる。

全体像そのものに意味がやどるのだ。それがゲシュタルト

そして、そのゲシュタルトを構築するには、部分を認識することが欠かせない。

単純に、ドットが存在し、それが集合しなくては今読んでいるこの文字はなりたたない。しかし、ドットが集まるだけでも文字はなりたたない。文字という全体像を「文字」として認識するゲシュタルトが必要になる。

この文字を認識するには「ドット」という部分と、その集合によってなりたつ「文字」という2つの概念が必要で、その2つを同時に認識してはじめて「文字」が認識される。そして、この部分と全体を同時に認識する事で、双方向に影響をあたえあう一つのまとまりを作ることがゲシュタルトだ。

要点は、「まとまった上位概念認識するには、同時に下位概念認識しなくてはゲシュタルトは構築できない」という事だ。

これの好例が自転車に乗るときの感覚だ。

最初、自転車に乗れない時はバランスをどう動かしたらいいのか、順を追って考えようとする。そうするとバランスが傾いたときにはもう手遅れで転んでしまう。

しかし、バランスを崩しそうになったら、体をこうひねる、バランスを整える、という「自転車に乗るときの身体を動かし方」という細かい部分の総和を「自転車に乗る」というひとつのまとまりに、総合されたゲシュタルトとして認識しなおすことができる。

その時、自転車にのるためのだけの細部な体の動かし方、という限定的な下位概念と、「自転車に乗る」という、下位概念の部分があつまった上位概念を同時に認識する事で、ほぼ無意識バランスを保つことを覚え、自転車に乗れるようになる。これは体を伴った学習の好例だ。

バランスを崩して転びそうになったとき、順を追って「どちらに傾いているか認識、逆方向にバランスを保つ」などとは認識せず、「どちらに傾いて感じたら、それと反対の方にバランスをとる」という部分が、行動が、「自転車に乗る」という全体に、ゲシュタルトに入っているのだ。

全体と部分を同時に認識していれば、瞬間的に体が反応する。そういった学習を続けていれば、小難しい計算を順を追って無駄時間を費やして考えふけったり、好きな人の行動パターンが読めず苦悩する事も、嫌いな上司の行動パターンが読めず苦労する事もなくなる。

計算の全体と部分を同時に認識していれば、計算すべき方向性がゲシュタルト能力によって「なんとなくわかって」しまうから。好きな人の行動という部分をいちいち分析する必要はない。好きな人の行動という部分と、その好きな人という全体を、逐一同時に認識してゲシュタルトを作っていれば、自然と「あ、こういう事をすると好きな人は喜んだり、嫌がったりするな」というのが、ゲシュタルトでいとも簡単に自然認識できるようになってしまう。

これは嫌いな上司に対しても同じだ。

長年付き合ってる友達の好きそうなものがわかったり、長年一緒にいる親の好きそうなものがわかったり、そういう仲の良い人に「こういう対応をしたら、きっとこういうリアクションが返ってくるな」という想像をして、そういう想像が容易にできる関係の人がひとりはいると思う。

その想像が、どの程度精度があるかは未知数だが、少なくとも、自分なりにそういう想像が働かせられるという事は「自分なりのゲシュタルトを作っている」という事だ。

もし、そのゲシュタルトの精度が悪いのならば、改めて身近な人の行動と、身近な人そのものを、部分と全体として同時に認識すればいい。部分の意味や行動理由を考える必要なんかも、まったくない。

ただ、部分と全体を同時に認識することを延々と続けてれば、自然とゲシュタルトはできあがるし、それによって相手の行動を予測する精度もあがる。(これは観察力の差によって多少の精度の差はでるかもしれないが、長い目で見れば、相手の細かい行動に注意しようと意識を向けるだけで観察力なんて飛躍的に伸びるものだから、どのみち精度の高い見立ては可能になる。あまり心配いらない。)

これの、恐ろしく面白くて、恐ろしく簡単なところは、まったく単純に部分と全体を同時に認識するだけで、なんの小難しい思考の余地もなく「わかる」感覚が育ってくる所。

もちろん、場合によってはより繊細な観察や、難しい概念、複雑な部分構成を読解する能力が別途必要になってくるケースもある。

が、そういう物は、大体が既存の「勉強」を一定量続けていれば身につくし、それで理論がわかったら、あとはその理論を「部分と全体」として同時に認識すればいいだけ。たったこれだけ。

これをしてれば、学習は飛躍的に伸びるし、イロイロな人がどういう人間見立てることが容易になる。人をおだてる事も簡単になるし、怒らせる事も簡単になる。

いろんな人の行動という部分と、人そのものの全部を同時に認識し、ゲシュタルトを作り続ければ「人のタイプ」を見極められるようにもなってくるだろう。そうしたら初対面の人とディープな話題で盛り上がって、急接近する事も夢じゃない。

とにかく、結論は「ゲシュタルトはすごい」

そして、この能力人間全てが持っているので、活用しない手はない。しかも一番いい所が、活用の仕方が簡単な所。小難しい理屈を考える必要がまったくなく、そんな逐次思考とは比べ物にならないくらい実践がはるかに簡単な事だ。

ゲシュタルトを構築するのに注意すればいいのは、ただ1つだけ「全体と部分を同時に認識する」

野球なら、「野球をしている」を全体を認識しながら「バットをうまく降るには、どこに力をいれたらいいか」という部分を同時に認識する。それをやってるだけでメキメキ野球は上手くなる。

ただ「バットのふりかた」だけを考えても、上達は遅い。全体と同時に認識し、ゲシュタルトが作られて、はじめて人間本来の脳の力が飛躍的に発揮されるのだ。

2010-02-23

http://anond.hatelabo.jp/20100223195656

あくまでも私の見立てでしかないけれど、彼は基本的に庇護欲をくすぐる人が好きなんだと思う。で、その上で自分もしっかり癒してもらいたいのだろうと思ってる。例の友達は容姿も可愛く、仕草も可愛く、この子の面倒みてあげたい!って気持ちを十分にくすぐるタイプだと思う。残念ながら。けれども彼女自身は束縛されるのは大嫌いなので、彼と彼女がくっついて私涙目な状況には陥らないと思う。

で・も・!

どっちかというと嫌いなタイプ男性に遊ぼうと誘われてついて行く彼女の神経がわからない。本当にこれだけは理解出来ない。

2010-02-19

http://anond.hatelabo.jp/20100218225831

その信念に対していいとも悪いとも言えないけれど、

良い事を語るよりは、愚痴の方が余人の共感を呼びやすいって事は勘定に入れて置いた方がいいと思う。

何より伝聞がメインで組み立てた考えのようだから

実際自分が体験してみてどうかってのは現時点では謎ですよね。

とりあえず機会が有れば試してみっか、くらいのスタンスで居るのがいいんじゃない

というのが外野無責任見立てかなー。

いざ接してみたらなんか気が合うしいい奴だし、おっぱい触りてえな、って思うような相手かもしれない。

2010-02-14

ルパン カリオストロの城って

前にルパンカリオストロの城の事で急に思いついたことがあった。

それは、何故ルパンクラリスを助けに伯爵の城に乗り込んだ時、落とし穴に落ちても動じなかったのか?

単純にルパンはすごいから、じゃなくて、何かルパンが「落とし穴のような仕掛けがある」という見立てがあったはずだ。と思った。

それを逆に考えたら、あってるかどうかわからないけど、ひとつの仮説を急に思いついた。

とりあえず、ルパンがお城に入り込む前の情報として、そのお城に入ったヤツは誰一人として帰らない、偽札界のブラックホールと言われてるって情報が出てくる。

ここから推理できる事は、何年にもわたって伯爵は城に忍び込んだものを殺してきたという事。そして、その死体をどう処理しているのか?という事。

何年にもわたって人を殺してきたら、それこそ人の死体が山のようになる。そうすれば絶対に死体処理班みたいのが城にあるはず。そうすれば下調べをしたとき、明らかに仕事内容がおかしい死体処理班の存在がわかるはず。

しかし、そういった死体処理班の存在を感じる素振りはなにもない。さらに、城の領土もすごく少ない。城の庭やどこかに死体を埋めるわけにもいかないし、夜な夜な死体を運び出す作業を何年にもわたって続けていたら、絶対にそれなりの不穏な噂は立っておかしくない。

となると、自然に考えられる一番ありえる可能性は「地下」しかない。

合わせて大量の偽札を作る工場もどこかにあるはず。それも一番濃厚なのは「地下」だ。

すると、とにかく城の秘密部分は「地下」に密集してるという事が推理できる!

そして、その地下に入り込むには特別な場所にあるだろう隠し通路や、侵入者を地下に送り込む装置があるはず。それを利用して地下に入り込む。ここらへんまではルパンは3秒ぐらいで予想がついてたと思う。

あとは指輪秘密を知るためか、盗みが働きやすくする為かわからんが、クラリスをとりあえずの目的にして、でも本当に大事なのは指輪が偽物で、それを使って伯爵と交渉をする事。そして地下に行って城の核心部に入り込んだルパンの持ってる指輪を取り戻しに来るヤツを使って、地下から核心部へ忍び込む。というプロセスルパンは全て計算していたはず!

この中で計算できてなかったのは、不二子が本物の指輪伯爵に渡してしまうことと、撃たれる事と、ロケットがおっこって屋根ジャンプするハメになった事ぐらいだと思う。

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