(注:つまり、実際にドキは文章を公表する(あるいは実際に公表したものよりも過激な内容を公表する)つもりが(一時的にであれ)あったのだから、にじさんじ側の(公表されることを前提とした)対応は完全に的外れではなかったと言い訳できる、という意味だと思うけど間違ってたら教えてほしい)
もし私が正しいのだとしたら、これから何が起きるのか?
私がこれまで述べてきたことが多かれ少なかれ正しいと仮定すると、にじさんじにはこれから進むべき道として2つの選択肢がある。ひとつは、ENライバーが長期に渡って沈黙し、その後、徐々に配信を増加させ、セレンとセレンの契約解除の話題については、今後、完全に沈黙するというもの。そしてにじさんじは見当違いの攻撃をやめ、これらの出来事をなかったこととして扱い、ネットユーザーたちが飽きることでタレントに対する叩きが鎮火し、ENが利益を上げられる程度にファンが残るという未来に賭ける。2つ目のアプローチは、最終声明を出してコミュニケーションに齟齬があったことを大まかに説明し、セレンに深く謝罪し、責任者を大砲に詰めて太陽に向かって発射したことを保証することで、タレントと他のマネジメントに対する批判を鎮火させるというもの。
一般大衆を相手にする企業で働く中で気づいたのは、経営陣は、たとえ対策を講じた後であっても、失態をきちんと説明したがらないことが多いということだ。というのも、大衆はそれを聞いて赦すかもしれないが、株主にとっては株価に対する不安感に繋がるからだ。この一連の出来事について私が正しいかどうかは別として、私が望むのは、にじさんじが再建のために必要な改革を行い、合理的な範囲でできる限りの透明性を世間に提供することで、残されたタレントの懸念を払拭することである。しかし、この道を歩むには、重大な失敗について自らの不利になるような告白をする必要があり、同時に、前に進みたいという彼女の願いを尊重するためにドキと協力する必要がある。こうした困難があるため、この惨事が完全になかったことにされる可能性のほうが高いと私は考えている。
最終的な感想
煎じ詰めれば、広報チームの基本的な仕事は、ある問題を理解し、その問題に対する大衆の見方をリアルタイムで分析し、最終的にクライアントの望む方向に大衆の見方を動かすメッセージを作ることである。もし私がここで説明したことが多かれ少なかれ正しいのであれば、にじさんじの広報戦略は、これら3つのタスクのそれぞれを失敗させたことになる。にじさんじの広報チームは、法務部から誤った情報を与えられたため、そのせいで誤ったスタートを切ったのかもしれない。だが、その後、ドキバードの発言や世間の憶測に対応して戦略を調整できなかったことは、この最初ミスとは別の、さらなる失態である。
これらの広報の失敗もすべて、タレントマネジメントの領域で起きた失敗とは別のものだ。ENマネージャーは、最も人気のある女性配信者をサポート・保護することに失敗し、彼女は自殺未遂を起こし、その後、退社交渉のために弁護士を雇うことになった。私が広報という観点からこの大失態を分析しているのは、タレントマネジメントの不始末を謝罪してほしいからではない。そうではなく、いかにして広報の対応のまずさが、会社にとっての悪い知らせを、支社全体の存亡すら危うくさせるような破滅的なスキャンダルに拡大させてしまったのかという点を説明したかったからである。皮肉なことに、にじさんじの広報アプローチがここまで的外れだったことは、我々にとって幸運だったのかもしれない。なぜなら、有能な広報チームであれば、こうした根本的な問題を覆い隠すことで、根本的なタレントマネジメントの欠陥を放置させる結果になったかもしれないからだ。この大惨事をきっかけに、にじさんじの上層部が己を見つめ直し、タレント人事、広報、翻訳サービスを改善するための真の改革を行うことを期待したいが、これまでの動きを見る限り、楽観視はできない。
Redditで高評価を得ていたにじさんじ炎上の解説を翻訳してみた↓ タイトル「私は広報を生業としているが、にじさんじの異様な広報戦略には一つの説明しか思いつかない」 "I work in comm...
ドキは、翻訳によって情報に齟齬が発生する可能性があることを認めており、これは双方の弁護士が互いを理解できなかったという可能性を裏付けている。さらにドキは、このような事...
おもろ。大手になると大変だねえ、事務所もライバーも。
anond:20240220230654 弁護士がにじさんじの炎上を分析する動画:https://www.youtube.com/watch?v=h_5I3JS_k40 7時間あるうちの最初の1時間をまとめてみた リーガルマインドセット(以下、リーガル...