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はてなキーワード: 福島第一原発事故とは

2011-07-16

http://anond.hatelabo.jp/20110715005718

元増田です

大元の記事よりもレトリックが雑になってきているようです

最初はそれなりにいい線いっていたのに、ここにきてもう投げやりというか、反論のための反論というか、急速に劣化ウランしてます

劣化ウランって「天然ウランより放射能が落ちた」ってことなんですけどね。まあ投げやりになったのは思い切り事実ですが。

事実」をもとに語る気があるのかと思ったら結局あなたも「理系が悪い」の人だったので落胆しました。だいたい私が最初の記事に「理系」って書いたことに過剰反応する人がいること自体意味不明なんですが(「自然科学の分野に専門性がある」とか役人言葉で書けばよかったんですかね)、はっきり言って「ブルータスお前もかです

オウム真理教信者人間燃料棒はモノです人間相手なら断罪するのは慎重さが必要だと思いますが、燃料棒相手にそこまで遠慮する必要はないでしょう。あそこで遠慮したことで、「メルトダウン隠蔽説」の発生という大損をしたわけです

オウムだって破れかぶれであのあと毒ガステロする危険があったし、実際未遂事件は何件か起こしましたけどね。「新宿駅青酸事件」とかでぐぐってみてもらえたら思い出すと思いますが。

(本論と直接関係ありませんがオウム事件のくだり「化学薬品が大量に見つかった時点でもうほぼ真っ黒」という発言は気になりますね。そうやって河野さん一家も冤罪で酷い目に遭いました。人間相手にはくれぐれも慎重に頼みますよ。モノ相手はバッサリやっちゃってください。)

自慢じゃないですが当時中学生のガキの俺でも河野さんは冤罪だってわかってましたけどね。河野さんが犯人だとしたら、ガスに最も暴露されるはずの当人が比較的軽症でしかも防護設備がどこにもなかったんだから。あれも「文系」の失態ですね。オウム場合サリンを合成できるだけの薬品しかも製造設備が揃って出てきたんだから確定でしょうよ。一方でですね、同じ福島第一原発事故の中でも「モノ相手にバッサリ」やった結果、測定ミスを見落として再臨界デマが流れたりとかそういうことも同時並行で起こってたことをお忘れですかね。やっぱり緊急性が高くない情報はきちんと確認できてなければ断定なんてしたらいかんのですよ。

まあどっちにしても、あの「メルトダウン発表」(というか発表の趣旨自体そもそもメルトダウンがどうこうじゃなくて水位計の機能が回復したって話なんですが)が衝撃的だったのは、私にとっては「あれだけ水を入れてもまだ水が燃料棒に届いてなかったこと」だった(つまりまともに水が入らない原因が何かあるということ)のに、燃料棒が損傷していることが水位計からも裏付けられた、って話がここまで大袈裟に受け止められること自体本当に理解できないですね。

まあ、そういう「文系」の言葉遊び世界はよくわかりませんわ。麻生漢字読み間違いの一件も、「自分言葉で語らずに聞きかじりの付け焼き刃を格好付けて語っている」ということの象徴として当初叩かれてたのに、民主党政権グダグダになったら「麻生漢字を読み間違えたという些細な落ち度を元に首相の座を終われた」なんていう風にいつの間にか歴史修正されてるみたいですしね。日本にはマスコミという「真理省」があるということですね。日本の天地は複雑怪奇なり、ですわ。皆さん本当に頭がおよろしいので私には到底ついていけまへん。

もっとハッキリ言わせていただくならば、九電が今回やったことっていうのも、ウソじゃないんですか。

ウソですよ。大馬鹿ですよ。あれも「理系」じゃなくて「文系人間がやったことですけどね。正直、私が一番原発に対して懸念を持っていること(くどいようですが私は推進派だなんて名乗った覚えありませんからね)は、ああい馬鹿人間が動かしているということですよ。ただし、ああいコピペメール構成ってのは基本的にナイーブ系反原発派を含む「市民運動」の常套手段なのであって、「お前が言うな」でしかないんですがね。

流通していないか大丈夫って、今になってセシウム基準値オーバーの牛だって流通したことが出てきたじゃないですか。あれもウソじゃないんですか。

そりゃまあ、全頭検査をしないってことは「確率的に」流通することはあり得ますよ。ああいうことが一件や二件あっても不思議はないだろうな、程度。こんだけの混乱状況なんだし。正直、俺はあの話全然興味ないので逆に聞きたいんです職場食堂で昼休みに流れてるNHKニュース見て「あー今日もこの話しとるなー」ぐらいに思ってる程度なんですが、世の中ではあれでそんな騒ぎになってるんですかね?。

信頼というのはそういうもんです。推進派は、そこがまるでわかっていないんです。かわいそうなくらい。だから原発自動車比較したり、死者の数を出して、どうだ安全だろといったりするんです

じゃあどうやったら推進派が「信頼」を勝ち取れたでしょうか。絶対無理だったと思いますよ。ナイーブ系反原発派のプロパガンダは卑怯でありなおかつわかりやすすぎるし、坂本龍一だの宮崎駿だの村上春樹だの、ああいう一般受けする文化人広告塔に担ぎ出せた時点でもう勝利確定ですよ。

そりゃまあ第二次大戦前のドイツ民主主義勢力が「信頼」を勝ち取るのと同じぐらい難しかったと思いますよ。第一次大戦軍人目線では完全に負け戦でも一般人には被害がまだ及んでなかったわけで、「アカユダヤ陰謀だ!」と言われれば信じたくなるというのは非常にわかりやすい人間心理でしたしね。

広瀬隆の著作が「だまされようがありません」というのは、(あなたレベルなら)だまされようがないということです

まあ、一読をお勧めしますね。賛否はともかく、それなりに楽しめると思いますから。私にしても全部同意するほど無批判な読み方はしていません。

それを「楽しめる」という神経がわからないですね。あなた9.11陰謀論とかの本読んで楽しめますか。

私にこんなにもコンプレックスを与えている、あなたを含む「理系エリートは凄くあってくれなくては困るわけで、それが凄くないもんだから、もうプンプンですよ。

そりゃまあ「逆恨み」としか言いようがないですが。まあ俺自身が「金融」とか「コンサル」とか「MBA」とかの人たちに対して多少とも似たような感情を持っていたり、それで色物でない「経済学者」の人にルサンチマン誤爆したりしてないとは言わないから多少は同情しますが、まあ誤爆された方からすればお門違いもいいところとしか言いようがないですね。

2011-05-31

2013年2月の朝日新聞記事(予測

>2012年の東京都新生児出生数は、●万●人と、2011年に比べて53%減と大幅に減少していることが、

朝日新聞社が各市町村発表の出生数データ住民基本台帳ベース)を集計して、わかった。

関係者

>「福島第一原発事故放射能の影響を懸念する夫婦妊娠出産を2011年3月以降

> 『見合わせ』ていることが大きい」と分析している。

>「東京放射線レベルでは妊娠に与える悪影響は殆どないことを、もっと政府は若年層に

>周知することが必須」と関係者は強調しているが、心理的要因が大きい問題だけに

>「(本日時点収束できていない)福島第一原発を早期に収束させなければ、

> 妊娠見合わせはしばらく長期化する」との見方が根強く、政府人口予測少子化対策

根本的見直しが迫られそうだ。

・・・てなニュースを、2013年になるまで誰も気付かない、となると、ギャグだ。

時点でも母子健康手帳交付数で推察できるのだから、然るべき機関がキチンと調査すべきだ。

2011-05-17

しいピエロだった

東電が2ヶ月以上経ってやっと原発事故発生時の情報を公開したけど

これを見ると3月11日午後7時半の時点で1号機がメルトダウンしてたんだよね。

そのあとすぐに2号機、3号機もメルトダウン

ネット上では3月14日頃に「MIT研究者解説するから安全!」「チェルノブイリとは違う!」

「うんち・おならで例えるとわかりやすい。安心しました」「AERAの表紙はヒドイ!」

とか騒いでたのは、ただの哀しいピエロだった・・・

東電が16日発表した福島第一原発事故の推移 

http://www.yomiuri.co.jp/photo/20110517-979763-1-L.jpg

MIT研究者Dr. Josef Oehmenによる福島第一原発事故解説 3月14日 19:23

http://blog.livedoor.jp/lunarmodule7/archives/2406950.html

からチェルノブイリとは違うって何度言えば分かるんだってばよ原発についてまとめてみた 2011/03/14 18:07

http://www.icoro.com/201103145746.html

「うんち・おならで例える原発解説2011-03-15 13:29:31

http://www.youtube.com/watch?v=ZUzBvxdnCFM

http://togetter.com/li/111871

AERA放射能が来る」に関する意見 2011-03-20 23:02:15

http://togetter.com/li/114404

陰謀論を超えて

 ここのところ、それほど大きな声にはなっていませんが、福島第一原発事故に絡んで(または震災に絡み)陰謀論的な言辞があります地震兵器のような本家本元の陰謀論から、次々に明るみに出る新事実(?)に対して、悪いヤツラが知ってて隠してたろう!という陰謀論まで。

 こういう陰謀論的言辞は投資世界でもよくあります

 株式投資世界では、圧倒的に強い支配者が相場を好きなように左右して、庶民の金を吸い上げるという陰謀論がよく語られます。だが、そんな勢力はいません。相場はみんなの動きの総和であり、はめてんのも、はめられてんのも自分たち自身なわけであります

 同様に、原発事故政治世界でも、一部の人間の利益のために情報が制御され、安全でないものが推進されてきたというような陰謀論が語られます。たしか東電には隠蔽体質があり、それは過去の検証から明らかであります。よって東電槍玉に挙げられるわけですが、その隠蔽体質は今になって明らかになってきたわけでなくて、ここ20年なんども報道されてきました。また原発本質的危険(核廃棄物処理等、エコサイクルが成立していない。事故が起きたら地域的な封鎖もあり得る。等)があることも我々はとうの昔から知っていたわけです。つまり、隠蔽黒幕がいるとするならば、本質的危険を知りつつあえて目を瞑って放置してきた我々自身が真の黒幕と考えます。なので、原発に一部頼る現状を変えるなら、国や東電責任を追及するだけでなく、自分達の責任も追及せざるを得ないはずです自分達自身が痛みを受けて、それでも脱却したいならするべしと、個人個人が決断を引き受ける必要があります

 福島第一原発事故について次々と新たな話が今も出ています。だから現段階ではそんな決断なんかできやしないという人もいます。それも分かります。隠していた事実がやっと明るみに出始めたわけだから、悪いヤツラがそれを隠している限り判断なんかできないよと陰謀論的に捉えることもできるでしょう。

 ですが、実際のところ、最初から「誰もわからなかった」のであり、計器等の修繕により「薄々は勘づいていたことがやっと分かってきた」というのが真相でしょう。誰も本当のところをつかんじゃいないし、どうしていいかもまだ分かっていないということでしょう。

 陰謀論的に捉えるということは、ある勢力が実は知っているのに隠していたと考えることで、反面しっかりした人たちがいて最終的にはなんとかしてくれる、それを頼りたいという心理の裏返しなのではないか想像します。

 しかし、おそろしいことに、しっかりした人はだれもいなくて、とりあえずの格好を当座つけている人がいるだけだという現実がありますいま起きている現実はそういうことではないでしょうか。

 その中で、我々ができることは、福島第一原発事故収束するように願うこと。実際に第一線で動いている人たちへの支援を怠らないこと。そして陰謀論的心理から脱却して、今後の原発行政について個々人がしっかりした意見を作り、それをブログTwitter経産省地元出身の国会議員地方議員へ届けること。そして使える電気が今後減少しても、それがために雇用が減っても、痛みとして甘受していくこと。そういったことではないでしょうか。

 悪いやつらなんかいなくて、あえて言えば自分たち自身だったという認識を一度持たないと、「結局のところ偉いひとたちがなんとかしてくれる」というお上頼りに戻るだけではないでしょうか。

2011-04-15

http://anond.hatelabo.jp/20110415015350

福島第一原発事故による賠償金額見積りだと、東電だけで払いきれる可能性もある。

項目金額
賠償金額4,000億円
保険金1,200億円
東電の損失2.800億円
軽症の東電に対する国民感情Priceless

http://anond.hatelabo.jp/20110414232555

頭悪いからわかんないんだけれど、なんで「東電が賠償しましたという形」を成立させなきゃいけないの?

東電を救う必要があるかどうかについては議論の余地はあると思うけど、

救う必要はあるとしても、どうしてこういう形じゃないといけないの?

こういう形でないといけない。

当初は、原賠法3条但し書きのの免責条項を適用して、その上で17条に従って、政府として賠償を考える方法も検討されたけれど、

第三条  原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない。

第十七条  政府は、第三条第一項ただし書の場合又は第七条の二第二項の原子力損害で同項に規定する額をこえると認められるものが生じた場合においては、被災者の救助及び被害の拡大の防止のため必要な措置を講ずるようにするものとする。

国民感情から東電に免責条項使うのはノーとなったので、

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2011032602000049.html

政府内では当初、福島第一原発事故に対して例外を適用することも検討しかし、各地で放射性物質の検出も相次ぎ、東電への批判を強める国民感情などから免責条項の適用は困難と判断した

あくまで東電に賠償させなければならない。

これが前提。

仮に東電が賠償したという形をとらないとするならば実質的に免責条項を適用したに等しいわけで、民意に反する政府の方針転換であり、責任問題は避けられないだろうと思う。

つまり、これは民意からということ。

2011-04-11

「母の同僚の看護士さんが福島ナンバーの車で都内の飲食店に入ろうとしたところ、福島の方は…と止められたらしいです馬鹿か。馬鹿なのか。」

国内大手の食品加工メーカー2社が福島県内で契約栽培している加工用トマトについて23年産の契約を結ばない意向を示している。トマトは出荷・摂取制限の対象外だが関係者福島第一原発事故による放射性物質の影響を懸念したとみている。」

「8日の福島県災害対策本部会議で、郡山市の50代女性から運送業の夫が静岡県内の給油所で「福島県民お断り」の看板を見たとの通報があったと報告。コンビニレストランの入店も断られたという。このほか「車に落書きされた」「宿泊を断られた」などの風評被害があったという。」



福島を支援してくださっている方々に心から感謝します。本当にありがとうございます。このご恩を一生忘れません。

そして正しい情報が流れて、差別をする奴らが居なくなることを心からいます。

福島の人たちは地震津波原発事故三重です。それでもみんな頑張って生きています。

風評による差別という人災でこれ以上の打撃を与えないでください。

2011-04-09

日本復興への課題(1/3)

以下は、私がmixiの「友人まで公開」日記に載せたものが元になっています。読みづらい箇所や語調の不統一などもあるかと思いますが、最後まで読んでくださると有り難いです。

妄動する英雄主義者たち

ソーシャルメディアの弊害

2011年3月11日東北関東大地震発生。ソーシャルメディアブログからSNS、そしてツイッターなどマイクロブログと一般に広がっていきました。今回の大震災、特に福島原発事故での情報においてツイッターの果たした役割はどうだったでしょうか。本来は正確で偏りのない一次情報が期待されるソーシャルメディアなのですが、実際には超強力な

デマ拡散装置

として機能してしまったのです。911の時は正確な一次情報を伝達したソーシャルメディアが、311ではそうなりませんでした。それどころか、従来マスメディアと同様に嘘、偽り、大げさ、憶測に基づいた情報が即座に、それこそ秒単位で拡散し、人々を不当な恐怖に陥れたのです。

極めて鋭い分析。震災発生から10日後の記事ながら、以後その通りに事態は推移している。

ネット上でウワサがはびこるのは、現状が正確に伝わっていないことが一番の原因のようだ。直接足を踏み入れると、ネット上の情報とは大きく乖離(かいり)した現実があった。

有力者たちの妄動

顕著なのは次の一例。

片山善博総務相は3日のNHKの番組で、東日本大震災日本赤十字社に届いている義援金被災地への分配について「政府で何らかの目安をつくり、早めに配れるような基準を示したい」と述べた。日赤と関係自治体間では調整に時間がかかるため、異例ながら政府が差配することになった。片山氏は「本来は自主的に民間団体や関係県で配分額を決めるのが一番よい。政府の介入はできるだけ避けたい」と述べながらも、「青森県から千葉県に至る被害があり、(当事者間で)どう配分するかは非常に難しく、うまくいかないようだ」と指摘した

本来は赤十字と各県の当事者協議し分配すべきだが、被害地域が余りに広汎なのでそれでは時間が掛かる、だから政府が分配に介入する、というもの。義捐金がなるべく早く分配されるようにするための、被災地のための措置だ。しかし、これを影響力のあるバカが曲解し、曲解が拡散した

56万人のフォロワーを有する宇多田ヒカルのこのツイートを、100+人(数万人!?)がリツイートし、数十万人の目に触れた。そしてこれをネットメディアまでもが取り上げ記事にした

ここまで拡大すると、バカの連鎖はもう断ち切りようがない。そして、フォロワー100万人を有する孫正義の発言はより有害だった。

100億円の寄付は立派だったが、これは最低だ。自分が影響力ある素人であることを自覚せず国民を煽動するのは、百害あって一利ない。素人感覚の政策提言が如何に危険かを、国民はこの1年半で民主党から学ばなかったのだろうか。

自分の頭で考えることなく、音楽家原発に反対することが使命だと勘違いしている、最も滑稽な例。

上杉隆の愚行

追求のための追及

現在も盛大に進行中の流言飛語は壮大な共同犯罪であり、誰か一人の主犯を特定することは出来ない。しかし、少なくとも最大の元凶の一人は間違いなく上杉隆だ。

27日の東電記者会見で、3号炉についての資料が配られたときに、私はプルトニウムについて書かれていなかったので、おかしいなと思い「3号炉でプルトニウムについて検出されていないというのは本当ですか?どのくらいの期間、検出されていないのですか?」と聞いてみました東電は「検出されてない」と回答したので、「もしかして検出していないんじゃなくて、測ってないのではないですか?」と確認したところ、うわっとなって、結局、測っていないのでもなくて、そもそも計測機を持っていないということがわかったのです。

記者会見では、何でプルトニウムについての記載がないのかを東電広報担当者記憶していなくて、咄嗟に「検出されてない」と答えてしまったが、よくよく調べたら計測していなかったということだろう。嘘と言えば嘘かも知れないが、大した問題ではない。

東電の社長はどこにいったのか?ということですね。〔…〕会見では嘘をついていたんですよね。前々から入院という噂は出ていましたが、実は過労で休んでいた。今度は、それを入院と偽っているという。全部、ウソ。これらが象徴的ですね。

社長の所在がそこまで大問題だろうか。

数日前の深夜、Ustream東電記者会見生中継を見たが、完全に糾弾と吊るし上げの場になっていた。記者たちはネチネチと追及し、東電は平謝りという構図。東電戦場にいるようなものなのだから、資料の記載漏れとかその場でパッと答えられないこととかは、幾らでもあるだろう。それをああも糾弾されたら、東電が極めて臆病になっても無理はない。臆病になればついついその場凌ぎの受け答えに逃げたくもなる。上記の2つの事例については、そういった背景も考慮すべきだろう。

海外メディアの盲信

地震が起きた後のその早い段階で、政府メディアは「安心、安心」と言っていましたが、私は、2日目にメルトダウン可能性がある、と言いました。なぜならば、当時ニューヨークタイムズワシントンポストメルトダウン可能性があると書いていたし、フランス新聞社イギリスのBBCもそう言っていた。だからメルトダウン可能性もあるから最悪の事態を想定して対応するべきだと言った。

今回、海外メディアがどれほどデタラメだったかは以下の記事を参照。

次の記事はまとも。ただし画像は不快。

閑話休題上杉批判の続き。

避難地域も指定していなかったから、30kmまで広げるべきだと言った。実際に、大丈夫だったら、範囲を戻していけばいい。しかし、政府は逆をやっている。だから、これはおかしいからやめた方がいい、と言い続けた。

避難指示には効果と弊害があるため、避難区域の設定には慎重でなければならない。住民の健康被害を予防するためにやや広く設定すべきだが、余りに広く設定し避難する必要のない人まで避難させると、徒に不安を煽るだけでなく農工商などの経済活動に打撃を与えることにもなる。

リスク管理イエスかノーかでやっちゃいけない。絶対安全を求めると、むしろ全体のリスクが増大することがある。一つのリスクを減らそうとすると、別のリスクが出てくる。だから異種のリスク定量的に評価して、その間のバランスを、ほどほどのところに求めるってのが、リスクベネフィットの考え方なんだよね。

避難範囲の設定

それでも結局、避難区域が、2kmから3kmになり10kmになり20kmになり、そして30kmになった。アメリカは50マイル=80kmの避難指示を出しているのに、日本人は今のままで大丈夫だと言う。この件については、一週間前に、一度、枝野長官に質問したんです。「日本では避難区域が30kmですが、他の国は80kmと言っています。これでは30km~80kmに住んでいる日本人不安になるんじゃないですか。私は日本政府を信じたいから、今、オバマ大統領が会見で80km避難指示を出しているけれど、もし自分たちの判断が正しいと思うのであれば、アメリカ政府に抗議をしてください。日本政府として。そうじゃなかったらおかしいでしょ?」と。すると、枝野長官は「日本の評価と世界の評価は違います」と言ったんです。私は「そんなはずはないでしょう、原子力で(苦笑)」と。

福島第一原発事故に伴い、米政府原発から半径80キロ圏内に住む米国人避難勧告を出した根拠は放射線量などの実測データに基づくものではないことがわかった。勧告の根拠となった米原子力規制委員会(NRC)の勧告は、仮想の事故シナリオによるものだったという。NRC幹部が7日、外部の専門家で構成される委員会で語った。

先月16日に出されたアメリカ政府による80キロの退避勧告は、日本政府が出した20キロから30キロという退避勧告とは大きく違ったことから多くの疑念や不安を呼びました

Japan's 12-mile evacuation policy appears "sufficient to minimize public-health impacts," based on available data concerning radiation and dispersal, Mr. Kerekes said.

Rep. Ed Whitfield (R., Ky.), chair of the House Energy and Power Subcommittee, told Dow Jones Newswires that "Japan had the expertise to deal with this issue and they had the scientists who understood nuclear energy," but added that the U.S. has "a right to be involved to protect American citizens and do what we want to do."

原発の80km圏内からアメリカ人全員避難したとしても、日本及び地域経済への打撃はないに等しい。また、たとえあったとしても、他国の経済のために自国民を(極めて低いとはいえ)危険に曝すわけがない。自国たる日本と他国たるアメリカとで避難区域の設定に相違が生じるのは当然だろう。

またその翌週に「間違っていたじゃないですか。30km以上の範囲でも放射性物質は観測されているし、東京放射性物質は絶対に来ないと言ったのに来てるじゃないか。政治は結果責任から、それはきちんと謝るべきだ。訂正しろ」と言ったら、「そんなことはない」と言う。さらに「30kmどころか40kmポストでも出ているじゃないか。ちゃんと訂正しろ」と言ったら「ちゃんとペーパー(書面)で出してください」と言われた。

「30km圏外でも放射性物質が観測された」と「30km圏外でも健康に直ちに影響を及ぼすほどの放射性物質が観測された」は全然違う。そんなことを言ったら、福島原発事故による放射性物質海外でも観測されている。

正気を取り戻せ

加速する不安肥大する陰謀論

結局、政府東京電力に都合のいい情報を入れている、というのが一番危険な状況。最初から「最悪の事態もあり得ますよ」と言っている人はメディアには出られない。ただ、可能性を言っているだけなのに、そういう状態は異常です。

戦慄するほどの陰謀論だ。

これでは、その〔3月21日4時…引用者註〕直前に福島原発で何かが起こったと考えない方がよほど不自然です。

東京電力だけがいろいろと隠し事をしているわけではないようにも思えます。保安院政府も結託して、我々一般国民にさまざまなデータ隠しをしようとしているように思えてならないことが多いのですが、こと放射線に関しては測定器が広く行き渡っていることもありますし、積極的に自ら集めたデータを公開する科学者もどんどん増えてきている昨今ですので、どんなに隠してもほとんどのことは数時間から遅くとも数日のうちには暴かれてしまいます。ここは姑息(こそく)な隠し立てをすることなく、すべてのデータを迅速に公開し、国民が一致団結してことに臨むというのが唯一の正しい対処方だと思います。早速、明日の朝から姿勢を変えていただきたく思います。

しかし、この記事でデータが利用されている東大教授の早野龍五(前回の日記でも登場)は、「3/15朝から現在に至るまで、原発から大気への大量放出は起きていない」と断言している。

また、早野はこうも呟いている。

データを見る.あれこれ見る.いろんな人が測ったデータを多角的に見る.すべてを統一的に騙すようにデータ捏造することなんて出来ません.しっかり見ていれば,嘘があったとしても,いずれバレます.)

一見するとガジェット通信の論調と同じだ。しかしここ数日の文脈からして、早野は恐らく「データの完全偽装なんて無理なんだから、懐疑精神は大事だけど、そんなに疑心暗鬼にならなくても大丈夫」ということが言いたかったように思われる。

ちなみに、早野の一連の呟きは-Togetter - 「@hayano 氏による連続tweet - 福島で 3/15に何が起きたか?」に纏められている。

この独自措置の根拠になったと思われるのが、次の記事。-グリーンピースも似たような提言をしているが、ここまで断言していない。

東京電力福島第1原発事故で、高濃度の放射性物質が土壌などから確認された福島県飯館村の汚染レベルが、チェルノブイリ原発事故による強制移住レベルを超えているとの試算を、京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子炉工学)がまとめた。

福島第1原発の北西にある福島県飯舘村の一部の地域では、屋外にいると約3カ月で推計最大95ミリシーベルトの被曝(ひばく)線量になり、避難や屋内退避が必要だとする調査結果今中哲二京都大原子炉実験所助教(原子力工学)らがまとめた。

福島第一原発事故により土壌が汚染された影響で、原発から30キロ圏外の福島県飯舘村では爆発から3カ月後も、最高地点では平常時の約400倍の放射線が出続ける可能性のあることが、京都大や広島大などのチームによる現地調査で分かった。この3カ月間の放射線の積算量は、国が避難の目安として検討中の年間20ミリシーベルトを超える値だ。国などの測定でも、汚染は30キロ圏内外で確認されており、今回の調査で汚染地域が不規則に広がっている実態が改めて浮かび上がった。

京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子力工学)や広島大の遠藤暁准教授放射線物理学)らは3月下旬に飯舘村を訪問。村内5カ所で深さ5センチの土を採取し、セシウム137などの濃度を分析した。調査地点は全て30キロ圏外で、道路沿いの集落を選んだ。

すべて京大助教の今中哲二の調査。この今中なる人物、どうも胡散臭い。-J-GLOBALの研究者情報によると、1950年9月生まれの60歳。理系業界には疎いので断言は出来ないが、途中どこかの企業で研究していた形跡もなく、60歳の助教でさしたる研究業績なしというのは研究者としての実力をかなり疑わせる。また、原子力安全研究グループHPでは、今中の主要業績として『反原発新聞』への寄稿を紹介していることなからも分かるように、明らかな反原発論者。今週末にも「周辺住民の避難拡大!脱原発への転換を!4・9緊急大阪集会」で講演したという。

つまりどこをどう見ても、政府やその他多くの研究者よりも公正で信頼できる情報を提供できる人物とは思われない。問題は、こんな人物の情報が政府発表よりも説得力を持ってしまっているということにある。

異常性バイアス

震災以来、複数のメディアコメントしている東京女子大教授広瀬弘忠は、去年5月に興味深い解説をしている。

現代人は今、危険の少ない社会で生活している。安全だから、危険を感じすぎると、日常生活に支障が出てしまう。だから、危険を感知する能力を下げようとする適応機能が働く。これまでの経験から大丈夫だ」と思ってしまいがちだ。これが「正常性バイアス」と呼ばれるものだ。強い正常性バイアスのために、現代人は今、本当に危険な状態でも「危険だ」と思えない。チリ大地震の津波が押し寄せているのに、見ているだけで逃げない人の映像が日本でも流れた。強力な正常性バイアスの例と言える。

この解説そのものに異論はない。しかし、上記の文章は次のように書き換えることもできる。

日本人は今、1ヶ月前に比べて危険の多い社会で生活している。危険だから、安全を感じすぎると、日常生活に支障が出るかも知れない。だから、危険を感知する能力を上げようとする適応機能が働く。この1ヶ月間の経験から大丈夫じゃない」と思ってしまいがちだ。これが「異常性バイアス」とでも呼ぶべきものだ。強い異常性バイアスのために、現代人は今、本当に安全な状態でも「安全だ」と思えない。被災地以外では食料が不足していないのに、不安のあまり買い込んでしまう人の映像が日本中に流れた。強力な異常性バイアスの例と言える。」

このように、現在の日本では「正常性バイアス」と逆の「異常性バイアス」が作用しているように思われてならない。広瀬は「正常性バイアス」にしか言及していないため、あたかも人は安全を感じ過ぎることはあっても危険を感じ過ぎることはないかのようになっているが、そんなことはないだろう。「正常性バイアス」にせよ「異常性バイアス」にせよ、人が周囲の状況に惑わされ判断を誤ってしまうことでは同じだ。そのことは広瀬も認めている。

東京女子大広瀬弘忠教授(災害・リスク心理学)は「大地震が起こると、被災地より周辺でデマや流言は起きやすい。『この先どうなるか分からない』という不安に支配されている」と分析する。

東京女子大学広瀬弘忠教授(災害・リスク心理学)は「被災地で厳しい状況に置かれており、普段から抱いている不安や恐怖が流言として表れている。メールインターネットの普及で流言が広域に拡大するようになった。行政は一つ一つの事実を伝えることが大切で、個人は情報の発信元を確かめ、不確実な情報を他人に流さないことが必要だ」と指摘する。

情報過多の弊害

ガジェット通信は先日、後述する日本気象学会理事長コメントをこう批判した

かにでたらめな情報は困りますが、まったく情報が出てこない状態というのも困ります。理事長メッセージから想像するに信頼できる気象観測データの収集が難しい状態なのかもしれません。しかし、放射性物質による汚染に関しては「今、どのような状態にあるのか」「これからどのようになるのか」についてしかるべき情報が示されないと、いつまでも不安が拭い去れないのではないでしょうか。また、情報公開できないのであれば、何故公開できないのか教えて欲しい。その「公開できない理由そのもの」もひとつの大事な情報です。「一般に伝わらない」ところでは、議論がおこなわれているのでしょうが、その議論の過程だけでも公開してもらえれば、安心につながるのではないかと思います。

ガジェット通信に限らず、現在日本の至るところで見られる意見だ。「政府東電はより多くの情報を公表すべきだ」と。しかしここには、人は与えられる情報が多ければ多いほど正しい判断が出来る、という大いなる幻想がある。

被災者でなくとも、人が情報の収集と分析に用いることの出来る時間や手段は限られている。また、たとえ時間と手段があったとしても、その情報が正しく信頼できるかを判断するには専門の知識と訓練が必要だ。情報を収集分析するための知識も訓練も時間も手段も乏しい大多数の人が、正しい判断を下すことは極めて難しく、何も決断しないどころか周囲の状況に惑わされ判断を誤ってしまう。

与えられた情報が多過ぎると正しくない情報と正しい情報を仕分けするのが大変です。

冷静に。正確に必要な情報を手に入れて正しい行動をとって頂きたいと切に願います。

つまり、過剰な情報が「異常性バイアス」を強化し、不安デマを拡大させてしまう。より多くの情報公開不安デマを解消する、という通念は全くの幻想だ。

http://anond.hatelabo.jp/20110409170039へ続く)

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