「病態」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 病態とは

2013-04-20

中国鳥インフルエンザについて思うこと

中国でのH7N9型鳥インフルエンザのヒトへの感染、ここまでのニュースで知る限り96人感染し18人が死亡している。

当初は死亡率が4割以上だったので、死亡率自体は当初の予想ほどでない気がするが、2002年SARS騒ぎのときと比べても十分な驚異だ。

これが、2009年新型インフルエンザ並に世界中に広まったら、SARSの時の死者774人どころの話ではなくなるだろう。

もちろん、人類絶滅なんてことはないと思っているのだが、病院の飽和や、交通機関ストップくらいの騒ぎは起こってもおかしくない。

ワールドトレードセンター飛行機が突っ込んでも、証券取引が数日で再開した回復したし、東日本大震災交通機関も通信網も電機もとまる東京も、ケロッと回復したわけで、なにが起きたってなんとかはなるだろうが、やはり怖い。

それに、あんな致死率じゃ他人事じゃなく、自分の命が惜しい。

そんなわけで、現時点での情報で考えたことを書いてみる。

生物系ではあるが、まだ学部生なのでいい加減なところもあるが勘弁。

これまでにパンデミックを起こしたインフルエンザについて

A型インフルエンザはHとNの亜型と呼ばれる型が多数ある。

ヒトの間で現在流行しているのは、H1N1(2009年に新型とされた豚由来)、H3N2(いわゆる香港風邪

二つ以上の型が同時にヒトの間にあることは、今までの歴史からすると例外事象で、今までは新しい型がパンデミックを起こすと、旧来の亜型は姿を消している。(しかし、復活したこともある。どこに潜んでいたかは謎だ。)

そのほかかつて流行ったものが多数ある。

1889~ H2N2と推定されているが、遺伝子を含めウイルスが残っていないため、証拠は薄い。

1900~ H3N8とされるが、やはりこれも推定。

1918~ H1N1通称スペイン風邪。鳥から豚、豚からヒトへ感染したらしいことがわかってる。1918-19年の大流行は1億人の死者をだしたとされる。これ以降もたびたび散発していたが、それ以降はそれほどの死亡率は出していない。1950年ウイルスが、1977年に復活しソ連風邪と呼ばれた。

1957~ H2N2通称アジア風邪。鳥のウイルススペイン風邪ウイルスが豚のなかで間の子を作り、豚からヒトにきたと推定されている。アジア風邪流行とともにスペイン風邪は姿を消した。

1968~ H3N2通称香港風邪。鳥のウイルスアジアかぜのウイルス以下略。やはりアジア風邪は姿を消す。

1977~ H1N1通称ソ連風邪1950年のものと同じとされている。研究所流出説等々囁かれているが謎。以後H3N2と共存

2009~ H1N1通称新型インフルエンザ。同じくH1N1だが、豚で維持されていた型でソ連風邪とは遺伝的に遠い。それまでのH1N1ソ連風邪の発生は急速に減少。このまま姿を消すかと予想されている。

ヒトに感染している、パンデミックを起こす可能性があると注視されてきた亜型

H5N1

パンデミック最右翼とされている。

散発例ばかりだが、16年間の累計で600人以上が感染して、死亡率は6割を超えている。

恐ろしいことに、発生例は世界中で、しかも同じH5N1といっても遺伝的に相当はなれたウイルス何種類もあるようだ。

ヒトヒトは現在ないとされているが、人から分離した株でワクチン(プレパンデミックワクチン)を作り各国で備蓄してる。

鶏に感染すると集団死滅するほど強い病原性があるとされているが、近年ではそうでもないケースもある。

その病原性の強さを決める特徴的な遺伝子配列はわかっているが、鶏に対する病原性の強弱と、ヒトに対する病原性の強弱が一致するかどうかは謎。(スペイン風邪はそのような配列をもっていない。)

H7N7

H5N1と同じく、鶏を片っ端からぶっ殺す養鶏関係者からしたら恐ろしい型。

2003年に鶏の大量死があった養鶏場でヒトの感染例が出る。

50人以上が感染したが、死亡例は1人。

しかし、あとになってわかったことだが、感染者に関わった人間抗体価の上昇がみられ、症状がでなかっただけでヒトヒト感染があったのでは?と疑われてる。

H3N2v

いわゆる香港風邪とは別に、豚で流行しているH3N2が新型インフルエンザ遺伝子の一部を獲得したもの

変異型(varriant)としてH3N2vと区別される。

2011年から2012年の間で、なんだかんだで150人以上が感染したが、いずれも軽症。

パンデミックは常に豚からという歴史的な経験と豚と接触のない子供感染から、H5N1からこちらに注目が移りつつあった。

本題の今回のH7N9

はっきりいって誰もノーマーク

ワクチンは期待はあまりできない

最初に言っておくが、私はワクチン不要論者ではない。

麻疹おたふくかぜ、風疹水疱瘡ワクチンで防げると信じているし、インフルエンザワクチンだって毎年打ってもらってる。

しかし、基本的には、ワクチンというのは既知のウイルスしか作れない。

から大急ぎで作り始めても、半年一年かかるだろう。

ワクチンに限らず、全ての薬は、少なすぎては効かないし、多すぎては毒だ。

いったいどれだけの有効成分をバイアルにつめたら効くのか、どこまで安全なのか、わからない。

パンデミックが起きる起きると言われ続けたH5N1に対しては、どれだけの量で効くのか、どこまで安全なのか、動物実験でも臨床試験でもかなり確かめて、ワクチンが作られてる。

それでも、本当にH5N1のパンデミックが起きた時に役立つかどうかは、神のみぞ知るというところだ。

H7N9に対しては、おそらくデータらしいデータはなにもない。

一人分のワクチンを作るために必要な卵が一つなのか、二つなのか、三つなのか、あるいは百個なのかそれによって供給スピードも変わってくる。

それを一つ一つ検討してたら、数年かかる。

今、ウイルスがヒトヒト感染を獲得して、加速度的な感染者増加があったら、間に合わない。

ウイルス薬も心もとない。

似たような問題は抗ウイルス薬にも言える。

タミフルリレンザが効くことはある程度予想されてる。

しかし、やはりどのタイミングでどのくらい投与すれば効くのか、手探りだろう。

もちろん、ワクチンの問題に比べると、データの蓄積は早いだろうが。

製造の問題もワクチン同様だ。

から大増産をして、工場キャパとして間に合うのか。

石油からでも作れれば、原料が足りないという問題は少ないだろうが、原料となるのはある種の草。

そもそも、なぜこんなに致死率が高いのか?

ウイルスが悪さしているのは間違いない。

しかし、ワクチンや抗ウイルス薬でウイルスの増殖を緩慢にさせれば、どうにかなるのか?

肺に水が貯まるから死ぬとか、アレルギーに近いのような病態死ぬとかだったら、ワクチンも抗ウイルス薬でどうにかなる病気ではないだろう。

そこらへんのデータもまだない。

じゃあどうすればいいのか?

手洗い、うがい、そういう基本的な対策しかないだろう。

空港での水際作戦も、ほとんどの病気がそうであるように、潜伏期がある以上、いよいよヒトヒトになったときはオマジナイ程度にしか頼れないだろう。

現時点で、ヒトヒトじゃなく、あるいはそれがあっても限定的であるならば、なにから感染しているのかを突き止めて、感染源を叩くしかない。

感染経路を特定するのが最優先だ。

遺伝子から想像する限り、鳥由来であるだろうが、感染源が鳥だという確証もない。

からウイルス分離はされている。

しかし、調査したサンプル数に比べて、汚染率がそれほど高くはない。

しかし、無関係と言えるほど低くもない。

からだけきているならば、鳥を制圧すればよいのだが、鳥以外のほかの動物からも来ている可能性を否定できない。

SARSの時は、通常一人の患者が数人に感染を広げていたが、一人が20人以上にうつスーパースプレッダーと呼ばれる感染者が存在した。

今回も、そのようなスーパースプレッダーがいないのか?

とにかくも、データ収集しかない。

2013-03-26

《89》 「専門医がいないので」と救急車が断わられた。納得できなくても……

http://apital.asahi.com/article/sakai/2013032500005.html

 

この問題については、発言する医師に熱血な人が多いせいか知らないが、

「僕らも専門外の救急を受け入れなきゃいけないと思ってます! でも司法が許さないんです!」というような論調ばかり見る気がする

しかし実際の所、司法判断がどうであれ、専門外の病態医師としても診たくない

少なくとも僕はそうだ

この酒井ドクターだって、以前まったく専門外である幼児心肺停止を受けてしまって、恐ろしかったと書いている

僕が同じような状況に置かれて、尚且つ専門の医師ヘルプが無かったら、たとえ家族や本人が許しても、

「専門の人に診てもらえば、もっとましな治療が受けられるのに…」と罪の意識を覚えることは間違いない

そういうのが嫌で、僕は救急指定病院を辞めた

 

しか現実問題として、ここまで極端な例ではないが、夜間救急をやっていた時は似たようなことがしょっちゅうあった

そういう時は、救急から問い合わせを受けた時点で「専門の医師は居ませんがよろしいですか」と患者に確認してもらっていた

一応自分対応可能かどうか(この場合は最適な治療ができるという意味ではなく、朝まで持たせられるという意味)、

救急隊の報告から判断してもいるが、何しろ実際に診てみるまで本当に対応可能な病態かは分からない

まあ口約束など訴訟になればほとんど効力は無いのかもしれないが、自分に対する気休めである

しかし一方で、そんな自己欺瞞を用いてまで無責任ベストでない治療を引きうけている自分に、また嫌悪感が募る

まともな知識もない癖に病人を囲い込んで重症化させるトンデモ代替医療と、僕との間に、どれほど差があると言うのだろう?

 

そういう意味では心タンポナーデ事件のような判決は、むしろ僕のような医師の恐怖感に正当性を持たせてくれたと思う

見当違いの治療をして助かる命を損ねてしまう恐怖を押さえてまで、救急を受け入れるのは問題であると明言してくれた

かめた訳ではないが、内心「やはりそれは間違った行為だったのか」と感じた医師は多いのではないだろうか

からこそ、ほんのわずかな数の判例を以て、多くの医師の行動が変わってしまったのだと思っている

2012-11-19

http://anond.hatelabo.jp/20121118162140

人間独自のDNAを持っていることで人間定義されるのだから

人間との遺伝学的な距離が基準になるだろう。

それはすなわち肉体と精神のあり方の距離になる。

から類人猿に始まる哺乳動物で一区切り、その次に鳥類爬虫類両生類魚類甲殻類昆虫微生物植物

というふうに区分けされるだろうと思う。

人権の成立起源近世ヨーロッパ社会契約説とかにあるんじゃないかな。

確かに歴史も浅く世界全体の中で人権が保障されているのはごく一部の先進国だけでしかないし、

便宜のために人為的に造られたものであって「天賦人権」などは虚構、自然の摂理ではない。

でも皆それに向かって進歩しようとしている。


で、人間から人権を与えるという考え方には私も賛同するよ。

何を以て人間であると決めるか、その定義の仕方自体を議論しなければいけないのではないか

(猿と人間ハーフ人間染色体の数が健常者と異なるダウン症者は人間?)、

人種病態や障害などの肉体の在り方の差異で差別(≠区別)してはいけないならば、結局知能が根拠になるのではないか

人間以外の生き物を全て一緒くたに扱う0か100かの極端な思考は非合理ではないか、と言ってるの。


例に挙げた豚の体と人間精神を持つ生き物に人権を与えるかどうかという話について、

架空生物を引き合いに出して現実人権のあり方を決めるのはナンセンスということだけど、

あなたも認めている通り、思考停止は問題解決からの逃避に過ぎないよね。

人間を対象にした異種交配や遺伝子操作実験が禁止されているのも人権の在り方が根底から覆されるからだと言うけど、

からすれば議論を避けることで科学の発展の道が閉ざされている。

そういった科学技術の発展によってもっと人間も他の動物進化して幸せになれる潜在的可能性があるのかもしれないのに。


避けていても再構築を迫られる日がいつか来るかもしれない。

人間並みに知能が発達した類人猿が現れて人権を主張するかもしれない。

他の動物と交配して生まれたハーフの子供が人権を主張するかもしれないし、

の子供にそれだけの知能がなくても人間である親が主張するかもしれない。

異星人が襲来して人権を要求するかもしれない。

あるいは政府扶養能力が尽きて、全ての人間人権を保障することができなくなり、間引き必要になるかもしれない。

何を基準に間引き対象者を決めるか。


思考停止していてはいつか来る「その日」の問題の解決を先送りにして、次世代責任押し付けることになる。

技術の発展と並行してそれを管理するための倫理社会制度も組み換えないと行けない。

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん