はてなキーワード: H7N9型とは
中国でのH7N9型鳥インフルエンザのヒトへの感染、ここまでのニュースで知る限り96人感染し18人が死亡している。
当初は死亡率が4割以上だったので、死亡率自体は当初の予想ほどでない気がするが、2002年のSARS騒ぎのときと比べても十分な驚異だ。
これが、2009年の新型インフルエンザ並に世界中に広まったら、SARSの時の死者774人どころの話ではなくなるだろう。
もちろん、人類絶滅なんてことはないと思っているのだが、病院の飽和や、交通機関のストップくらいの騒ぎは起こってもおかしくない。
ワールドトレードセンターに飛行機が突っ込んでも、証券取引が数日で再開した回復したし、東日本大震災で交通機関も通信網も電機もとまる東京も、ケロッと回復したわけで、なにが起きたってなんとかはなるだろうが、やはり怖い。
そんなわけで、現時点での情報で考えたことを書いてみる。
生物系ではあるが、まだ学部生なのでいい加減なところもあるが勘弁。
ヒトの間で現在流行しているのは、H1N1(2009年に新型とされた豚由来)、H3N2(いわゆる香港風邪)
二つ以上の型が同時にヒトの間にあることは、今までの歴史からすると例外事象で、今までは新しい型がパンデミックを起こすと、旧来の亜型は姿を消している。(しかし、復活したこともある。どこに潜んでいたかは謎だ。)
1889~ H2N2と推定されているが、遺伝子を含めウイルスが残っていないため、証拠は薄い。
1900~ H3N8とされるが、やはりこれも推定。
1918~ H1N1通称スペイン風邪。鳥から豚、豚からヒトへ感染したらしいことがわかってる。1918-19年の大流行は1億人の死者をだしたとされる。これ以降もたびたび散発していたが、それ以降はそれほどの死亡率は出していない。1950年のウイルスが、1977年に復活しソ連風邪と呼ばれた。
1957~ H2N2通称アジア風邪。鳥のウイルスとスペイン風邪のウイルスが豚のなかで間の子を作り、豚からヒトにきたと推定されている。アジア風邪の流行とともにスペイン風邪は姿を消した。
1968~ H3N2通称香港風邪。鳥のウイルスとアジアかぜのウイルスが以下略。やはりアジア風邪は姿を消す。
1977~ H1N1通称ソ連風邪。1950年のものと同じとされている。研究所流出説等々囁かれているが謎。以後H3N2と共存
2009~ H1N1通称新型インフルエンザ。同じくH1N1だが、豚で維持されていた型でソ連風邪とは遺伝的に遠い。それまでのH1N1ソ連風邪の発生は急速に減少。このまま姿を消すかと予想されている。
散発例ばかりだが、16年間の累計で600人以上が感染して、死亡率は6割を超えている。
恐ろしいことに、発生例は世界中で、しかも同じH5N1といっても遺伝的に相当はなれたウイルス何種類もあるようだ。
ヒトヒトは現在ないとされているが、人から分離した株でワクチン(プレパンデミックワクチン)を作り各国で備蓄してる。
鶏に感染すると集団が死滅するほど強い病原性があるとされているが、近年ではそうでもないケースもある。
その病原性の強さを決める特徴的な遺伝子配列はわかっているが、鶏に対する病原性の強弱と、ヒトに対する病原性の強弱が一致するかどうかは謎。(スペイン風邪はそのような配列をもっていない。)
H5N1と同じく、鶏を片っ端からぶっ殺す養鶏関係者からしたら恐ろしい型。
50人以上が感染したが、死亡例は1人。
しかし、あとになってわかったことだが、感染者に関わった人間に抗体価の上昇がみられ、症状がでなかっただけでヒトヒト感染があったのでは?と疑われてる。
いわゆる香港風邪とは別に、豚で流行しているH3N2が新型インフルエンザの遺伝子の一部を獲得したもの。
変異型(varriant)としてH3N2vと区別される。
2011年から2012年の間で、なんだかんだで150人以上が感染したが、いずれも軽症。
パンデミックは常に豚からという歴史的な経験と豚と接触のない子供の感染例から、H5N1からこちらに注目が移りつつあった。
はっきりいって誰もノーマーク
麻疹、おたふくかぜ、風疹、水疱瘡はワクチンで防げると信じているし、インフルエンザワクチンだって毎年打ってもらってる。
しかし、基本的には、ワクチンというのは既知のウイルスにしか作れない。
ワクチンに限らず、全ての薬は、少なすぎては効かないし、多すぎては毒だ。
いったいどれだけの有効成分をバイアルにつめたら効くのか、どこまで安全なのか、わからない。
パンデミックが起きる起きると言われ続けたH5N1に対しては、どれだけの量で効くのか、どこまで安全なのか、動物実験でも臨床試験でもかなり確かめて、ワクチンが作られてる。
それでも、本当にH5N1のパンデミックが起きた時に役立つかどうかは、神のみぞ知るというところだ。
H7N9に対しては、おそらくデータらしいデータはなにもない。
一人分のワクチンを作るために必要な卵が一つなのか、二つなのか、三つなのか、あるいは百個なのかそれによって供給のスピードも変わってくる。
それを一つ一つ検討してたら、数年かかる。
今、ウイルスがヒトヒト感染を獲得して、加速度的な感染者増加があったら、間に合わない。
似たような問題は抗ウイルス薬にも言える。
しかし、やはりどのタイミングでどのくらい投与すれば効くのか、手探りだろう。
もちろん、ワクチンの問題に比べると、データの蓄積は早いだろうが。
製造の問題もワクチン同様だ。
石油からでも作れれば、原料が足りないという問題は少ないだろうが、原料となるのはある種の草。
ウイルスが悪さしているのは間違いない。
しかし、ワクチンや抗ウイルス薬でウイルスの増殖を緩慢にさせれば、どうにかなるのか?
肺に水が貯まるから死ぬとか、アレルギーに近いのような病態で死ぬとかだったら、ワクチンも抗ウイルス薬でどうにかなる病気ではないだろう。
そこらへんのデータもまだない。
手洗い、うがい、そういう基本的な対策しかないだろう。
空港での水際作戦も、ほとんどの病気がそうであるように、潜伏期がある以上、いよいよヒトヒトになったときはオマジナイ程度にしか頼れないだろう。
現時点で、ヒトヒトじゃなく、あるいはそれがあっても限定的であるならば、なにから感染しているのかを突き止めて、感染源を叩くしかない。
感染経路を特定するのが最優先だ。
遺伝子から想像する限り、鳥由来であるだろうが、感染源が鳥だという確証もない。
しかし、調査したサンプル数に比べて、汚染率がそれほど高くはない。
鳥からだけきているならば、鳥を制圧すればよいのだが、鳥以外のほかの動物からも来ている可能性を否定できない。
SARSの時は、通常一人の患者が数人に感染を広げていたが、一人が20人以上にうつすスーパースプレッダーと呼ばれる感染者が存在した。
今回も、そのようなスーパースプレッダーがいないのか?