はてなキーワード: ムーンショットとは
上司に追い出しをされた結果、とあるIT企業を休職して1年近くになる。
(個人的に色々思うことがあるので、増田名物の社名リークはしない)
なんども不幸なコミュニケーション上の事故だったと思って反省をしたが、何度考えても、経緯と結果のどちらに軸を置いて判断しても追い出されたという結論にしかならない。自分の言行を過度に暴力的であったと仮定して、自分から見た事実の一切を全て自分に都合の悪いように解釈してようやく不幸な事故だったと結論するしかできない。
予め断りを入れておくが、本件は関係する人によって全く異なった見方になるだろうのは間違いない。人によっては、自分が以下で述べる内容について「よくもいけしゃあしゃあと厚顔無恥な言葉を述べるものだ」と思うだろう。しかし、私は私としてこのように感じた、という趣旨で書く。なにせ1年以上前のことなので記憶も曖昧なので、細部について自分に都合のいいように誇張が入っている点はご容赦願いたい。
当時、自分と当時の直接のチームリーダーにして上司(Aさん)は同じプロジェクトに取り組むことになっていた。
しかし、
などがあり、あまりにもこれは酷いと人事方面に上訴し、自分は7月からは当時のサブリーダーのBさんの下に入ることになったものの、最終的なレポートライン上にはAさんは存在したままだった。
また、Aさんは常に新規商材の開発・開拓を希望していたが、自分はオペレーションの整理が主業務であり、観点の違いから意見が対立することが多々あった。その過程で、自分も非常に強い意見を言ってしまったことに関しては後述の点から後悔している。しかし、少なくとも自分と若干名のチームメンバーとの後に話した認識では、正論ではあるものの言葉遣いについて問題があるようなケースはそれほど多くなかったと聞いている。
他にも
などなど推挙に暇がないが、会社的にはもはや自分は一切の弁明を許されていない模様であったことと、言った結果として何かが覆ることは一切ないのと、言っても無駄としか思えなくなったために言っていないことも多い。何より思い出すだけで心理状況が本当に沈んでしまうので心底厳しいものがある。
その後、特に私に対しては明確な注意も仲裁もないままに半年以上が経過した。
結果に着目した場合、(健康面に関しては、期間の有無が重篤度合いを示す訳ではないので、このような言い方は非常に慎重を期するが)Aさんに健康面を理由に罪をなすりつけられて追い出されたなとしか思えない。
経緯に着目した場合、そもそも一度人事的な抗議を行ったものの、私は終ぞAさんの手駒から離れることはできなかった。結局はどう頑張っても対立軸にしかなかった上、私の言行に問題があるとしても、それについて一切の仲裁も何もなく「いざ問題が起きたので異動させます」というのは、異動が確定するまで泳がされたという印象しかない。
何点かある
戻ったところで、自分は「人を追い込んだ上に自爆して、会社の籍だけ貪る」悪人という評価のままなだろう。
そしてAさんは順調に出世を続けている。今後、Aさんが会社の中では正義であり続けるのだろう。
自分はどうだろうか。戻ったところで、どのような椅子が渡されるのかはわからないし、同僚と話すのが怖い。同僚に何を話しても「お前がこの意見に反対したことで、私の人格を否定された思いだ」などと言われてしまえば、また懲罰が下ることになると思うと、もう何も言えるとは思えない。そもそも自分が取り組んでいた仕事も全て追い出しの前後でキャンセルさせられた。もう何かが残っているとは思えない。
当たる馬券だけ買いたい!
できれば万馬券が良い!
耳に赤ペン生やしたベテランのオヤジどもから馬鹿にされるに決まってんのに、
こと国の政策になると、それがムーンショットだ何だって持ち上げられるの、本当に滑稽だよなァ?
有識者だとか目利き人材なんて、井崎さんや松本ヒロシみたいなもんだろ?
良くて細江さんレベルだろうけどさァ、細江さんだってあんなに審馬眼あるのに、しょっちゅう外してるんだぜ?哲三レベルでも難しいわなぁ。
競馬はてめぇの財布が痛むだけだから構わないけどよう、国の政策でそれを言っちゃァおしめぇだと思うんだよ。
投資の鉄則はリスクの分散だって、こんな基本的なこともお国の役人連中は知らないのかねぇ。
広く薄くワイドや複勝買うのは確かにカッコ悪いけどよ、それで結果が出せれば誰も文句は言わねぇもんだぜ。
もちろん、ワイドや複勝はリターンが少ねぇ。それで財産築こうってんなら、長ーいスパンで競馬と向き合う覚悟が必要なんだな。ま、そんな覚悟もねぇんだろうなぁ。
とりあえず、ヘンテコな予想屋に引っかかるのだけは勘弁だぜ!俺も強制的に幾分か投資させられてんだ。せめて国債の利息程度ぐらいには儲けてくれよな!応援してるぜ!
ベンチャーの失敗はよくある話だしツイッターでもよく見かけるが、実際に自分の目の前でベンチャーが死んでいく様子を見た。
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僕が働いていたその会社は、入社当時は社員数は数十人くらいの規模、創業してまだ数年ほどのいわゆるベンチャー企業だった。
数年前からのとあるブームの波に乗り「最先端領域のベンチャー」というラベルが付いた会社だった。
僕の入社当時は非常に勢いがあった時で、仕事の引き合いも多くきていたし、市場の成長と共に会社が伸びていっている空気を感じていた。
そんな勢いに乗っていた状況だったが、社長を始めメンバーのほとんどはエンジニアで、ビジネスをつくれるセンスと能力のある人がいないことが課題だった。当時の会社の経営状況がどんなだったか詳細は知らないが、潤沢に利益があるわけではなかったと思う。VCから調達した資金を消費しながらムーンショットを狙っているような感じだった。
そしてある日、某大手コンサルティングファーム出身の人が入社するということを知った。ビジネスに課題があることは分かっていたし、上場を目指してもいたので、それを実現するために獲得したであろう人というのはすぐに分かった。
僕自身はいわゆる本物の経営コンサルタントという人と人生で一度も関わったことがなかったので、新しく入った彼がコンサルタントとしてどうなのかは全くわからなかったが、自信に満ち溢れたオーラが出ていることは感じた。
そしてその彼は入社後すぐにある重要なプロジェクトを成功させ大きな成果を出したらしい。
気づけば役員となって経営全体を指揮するようになっていた。もちろんそういう役割の前提で獲得した人なわけなので、実力を認められた上で登用されたということだ。
それはそれでいいとして、そのあたりから仕事のプロセスが急に堅苦しくなった。
分かりやすいところだと、基本的にお金がかかることは全て詳細を説明して許可を得なければいけなくなった。ただ1ステップ増えるだけならまだ許せるが、その彼に却下されることが明らかに増えた。他にもちゃんとした組織図を書いてそれぞれの部署やポジションに仰々しい名前を付けていった。自分の名刺の見た目や肩書きにはとてもこだわっていたらしい。
お金がかからない事については大いに自由にやってくれという感じだったし、そもそも明らかに無関心だった。
それらの変化に伴って会社の空気が全く変わってしまった。以前は何でも自由にやらせてくれる空気があったがそれは消え、何となく殺伐とした雰囲気を感じようになった。
いつからか正確には知らないが、そのコンサルは会社の代表権を持つようになったらしいという噂を聞いた。
この頃になってようやく気づいたが、この時点でもう会社を完全に乗っ取られていたのだ。
当然ながら優秀なメンバーから辞めていき、気づけばピーク時の半分まで人が減っているらしい。かくいう僕ももう辞めているからいまの状況は知らないが、キーマンといえる人はもう誰も残っていない。
かつて僕が面白さと未来を感じて入社したベンチャー企業が「死んだ」と感じた瞬間だった。もちろん僕が間違っている可能性は十分にあるし、これからその会社は大成功するのかもしれない。
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さて、最後になぜ会社がそんなにいとも簡単にコンサル野郎に乗っ取られてしまったのか?について少しだけお気持ちを残しておく。
これまでの書きっぷりだと昔は良い会社だったかのように感じるかもしれないが、全くそんなことはなかった。
会社が何を目指して何を解決しているかは全く分からなかったし、社長とそれを話しても的を得た回答はなく、すごく遠い未来の理想の話ばかりだったように思える。社長はとにかく大企業と実験的な仕事をすることしか考えていなかった。
社長の中にあるビジョンはおそらく、大企業や国にかかわる機関など大きな権力を持つ組織と対等に話したい、みたいな事だったんだと思う。何かの課題を解決したいわけではなく、権力を持つ人に対して自分が意見をして相手の行動に影響を与えている状態になりたいのだ。
現実で起きていたことと言えば結局は一過性のブームによって期待値が膨れ上がった中で、景気の良い大企業の余剰資金が一部流れ込んで来ただけに過ぎなかった。「最先端領域のベンチャー」というラベルがあるだけで世間は注目してくれた。
実際に僕が辞める頃にはブームも徐々に陰りが見えていて、新規事業の予算の使い道に困った顧客からの引き合いしか来ていなかったと思う。
改めて振り返ると「死んだ」のではなく、初めから「生きていなかった」んだと感じる。
社長はカリスマ性のある人柄で、何を言ってるかわからないが何かをやってくれそう、と感じさせる生れながらの才能を持っている。そこにたまたま張っていたポジション (実際には大企業の顔を立てるためにたまたまその技術をやっていた) の価値が一時的に上がったことで社長を含めて多くの人が勘違いする羽目になった。
一方で、経営コンサルタントをしている人にはありがちな悩みらしいが、自分が事業をやったことがないというのをマイナスに感じるものらしい。コンサル野郎にとっては自分で事業をやったといえる実績が手に入れば、これまで突かれると痛かったロジックの穴を埋めることができ、全人類に対して完全にマウントを取ることができるわけだ。
そんなラッキーマンとコンサル野郎の組み合わせは、もはやお互いにとって相互補完となる幸せな関係なのかもしれない。ラッキーマンは実務は全てコンサル野郎が面倒みてくれると思っているし、コンサル野郎は社長を自分の盾として置いておくだけで充分でなるべく空っぽの方が好都合だからだ。
そして本来ならそういう暴走と悪循環を止める機能をしてほしい経営陣たちでも誰も止めることはできなかったようだ。それぞれの言い訳を並べているようにしか見えなかった。
決して社長のワンマンという感じではなかったが、要は彼らもまた「ボードメンバー」というラベルが欲しかっただけなのかもしれない。
こんなことを書いている自分自身もまた「最先端領域のベンチャーで働いている」というラベルが欲しかっただけなのかもしれない。
世の中にはきっとこんな会社が星の数ほどあるんじゃないかと思う。
僕は早々に損切りしてしまったが、そんな喜劇を目の前で見れただけでとてもお得だったと思える。
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それぞれに思うところはあると思うが、あくまで末端の当事者意識の低い人間が現実を知らずに愚痴っていると捉えてもらえればいいと思う。
ちなみに、当時の会社のバーンレートを考慮してもあと2年以上は生きられるキャッシュはあったらしいよ。
事業を収益化できていなかったのはあるだろうが、そもそも何を事業としていてどんなビジネスモデルでなぜ勝てる理由があるかを会社の誰も答えられないくらいだったからな。
会社である以上金を稼ぐというのは大前提であり、人間で言えば息をするとか心臓を動かすとか血液の循環とかのようなものだ。それをなくしてカルチャーだの働きやすさだのやりたいことだのとほざいても何にもならない。
今回の件はそういう当たり前のことに気づいたいい経験だった。